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オオアワガエリ - Wikipedia

オオアワガエリ(Timothy、学名がくめい:Phleum pratense)は、イネ多年草たねんそうチモシー・グラス、あるいはたんチモシーともばれる。[1]

オオアワガエリ
オオアワガエリ
分類ぶんるい
さかい : 植物しょくぶつかい Plantae
階級かいきゅうなし : 被子植物ひししょくぶつ angiosperms
階級かいきゅうなし : たん子葉しようるい monocots
: イネ Poales
: イネ Poaceae
ぞく : アワガエリぞく Phleum
たね : オオアワガエリ P. pratense
学名がくめい
Phleum pratense L.
和名わみょう
標準ひょうじゅん和名わみょう:オオアワガエリ
牧草ぼくそうめい:チモシー

特徴とくちょう

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やわらかな多年草たねんそう[2]。ごくみじか地下茎ちかけいがあり、多数たすうくきたばねじょうす。草丈くさたけは50-100cmで、基部きぶはややななめにる。線形せんけいながさ20-50cm、はばは3-9mm、扁平へんぺいみどりからはい緑色みどりいろ、ざらつくがもうはない。花序かじょくき先端せんたんしょうじて、棒状ぼうじょう直立ちょくりつし、ながさ6-15cmではばは7-9mm、その表面ひょうめんには多数たすうしょう密生みっせいする。

しょうにはごくみじかがある。しょうさきひろがった三角形さんかっけい扁平へんぺいりょうはしからみじかすすきる。これは同型どうけいだい1,だい2つつみ穎にあたり、すすき背面はいめんなかあばらみどりでそれ以外いがい膜質まくしついろうすい。その内部ないぶにはしょうはなひとつだけふくむ。

カモガヤなどのほかのイネ植物しょくぶつともに、花粉かふんしょう原因げんいんとなる[3]

なお、名称めいしょうのチモシーはこれをアメリカに導入どうにゅうした Timothy Hansen にちなむものでアメリカでまれたである。イギリスでは Cat's tail のられる。[よう出典しゅってん]

原産げんさん栽培さいばい歴史れきし

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北部ほくぶヨーロッパおよ温帯おんたいアジア原産げんさんとされている[4]。17世紀せいき後半こうはんアメリカ導入どうにゅうされると作物さくもつされ、そのヨーロッパへさい導入どうにゅうされ栽培さいばいひろがった[4]日本にっぽんにおけるチモシー栽培さいばいは、1874ねん明治めいじ7ねん)にアメリカから北海道ほっかいどう開拓かいたく使北海道ほっかいどう渡島ととうこく輸入ゆにゅう試作しさくしたことからはじまった[4]

現在げんざいでは世界せかい冷涼れいりょう気候きこう地域ちいきにおいて栽培さいばいされる牧草ぼくそうひとつとなっている[4]日本にっぽんでは、おも北海道ほっかいどう栽培さいばいされイネ牧草ぼくそう基幹きかんくさしゅとなっており、本州ほんしゅうでも東北とうほく地方ちほうこうひやにおいて利用りようされている[5]

ったものを乾燥かんそうくさ乾草かんそうとも)または発酵はっこうサイレージ)させ、家畜かちくあたえたり、放牧ほうぼく栽培さいばいされ利用りようされている。最近さいきんではとくウサギえさとして、チモシーの呼称こしょうでペットショップで販売はんばいされていることがおおい。

一般いっぱんてき品種ひんしゅ

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分類ぶんるいとして、利用りようめんから採草さいそうがた採草さいそう放牧ほうぼく兼用けんようがた放牧ほうぼくがたけられる[4]。また、出穂しゅつほちがいによる早晩そうばんせいごく早生わせ晩生ばんせい)でも分類ぶんるいでき[4][5]収穫しゅうかく時期じき目安めやすとしてもちいられる。

日本にっぽん国内こくない品種ひんしゅ

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日本にっぽんにおけるおも品種ひんしゅには以下いかのものがある。

農林のうりん登録とうろく番号ばんごう 登録とうろく番号ばんごう 品種ひんしゅめい 地方ちほう番号ばんごうきゅう系統けいとうめい 用途ようと 早晩そうばんせい 育成いくせい機関きかん 登録とうろくねん 出典しゅってん
チモシー農林のうりん1ごう センポク きたけい4305 採草さいそう 早生わせ 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1969ねん昭和しょうわ44ねん [6]
チモシー農林のうりんあい2ごう ノサップ 北見きたみ2ごう 採草さいそう 早生わせ 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1977ねん昭和しょうわ52ねん [7]
チモシー農林のうりん3ごう ホクシュウ 北見きたみ7ごう 採草さいそう放牧ほうぼく 晩生ばんせい 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1977ねん昭和しょうわ52ねん [8]
チモシー農林のうりん4ごう だい369ごう クンプウ 北見きたみ11ごう 採草さいそう ごく早生わせ 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1980ねん昭和しょうわ55ねん [9]
チモシー農林のうりんあい5ごう だい4131ごう アッケシ 北見きたみ16ごう 採草さいそう放牧ほうぼく ちゅうなまはや 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1992ねん平成へいせい04ねん [10]
チモシー農林のうりんあい6ごう だい4132ごう キリタップ 北見きたみ18ごう 採草さいそう放牧ほうぼく ちゅうせいばん 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 1992ねん平成へいせい04ねん [11]
チモシー農林のうりんあい7ごう だい14546ごう なつさかり 北見きたみ22ごう 採草さいそう放牧ほうぼく 晩生ばんせい 北海道ほっかいどうりつ北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 2004ねん平成へいせい16ねん [12]
だい22052ごう なつちから 北見きたみ25ごう 採草さいそう 早生わせ 北海道ほっかいどうりつ総合そうごう研究けんきゅう機構きこう北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう
ホクレン農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい連合れんごうかい
2012ねん平成へいせい24ねん [13]
チモシー農林のうりん8ごう だい26991ごう なつぴりか 北見きたみ30ごう 採草さいそう ちゅうなまはや 北海道ほっかいどうりつ総合そうごう研究けんきゅう機構きこう北見きたみ農業のうぎょう試験場しけんじょう 2014ねん平成へいせい26ねん [14]

きんえんしゅなど

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同属どうぞくでより小型こがたのアワガエリ P. paniculatum本州ほんしゅうから九州きゅうしゅうにかつては普通ふつうられた。またミヤマアワガエリ P. alpinum本州ほんしゅう中部ちゅうぶ以北いほく高山こうざんたいえる。

べつぞくだがおなじように棒状ぼうじょう花序かじょ直立ちょくりつさせるものにスズメノテッポウヌメリグサがある。これらはしょう構造こうぞうがはっきりことなる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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出典しゅってん

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  1. ^ オオアワガエリ / 国立こくりつ環境かんきょう研究所けんきゅうじょ 侵入しんにゅう生物せいぶつDB”. www.nies.go.jp. 2024ねん3がつ10日とおか閲覧えつらん
  2. ^ 以下いかしゅとして長田ながた (1993)(P370)
  3. ^ 高木たかぎまさる福田ふくださとし中丸なかまるひろしなんじ犬山いぬやま征夫いくお間口まぐちよんろう飯塚いいづかかつらつかさ釧路くしろ地方ちほうにおけるアレルギあれるぎせい鼻炎びえん症例しょうれい臨床りんしょうてき検討けんとう」『日本にっぽん耳鼻咽喉科じびいんこうか学会がっかい会報かいほうだい104かんだい6ごう、2001ねん、675-681ぺーじdoi:10.3950/jibiinkoka.104.675ISSN 0030-6622 
  4. ^ a b c d e f 吉澤よしざわ (1999)(P38)
  5. ^ a b 用語ようご解説かいせつ(P193-194)
  6. ^ 吉澤よしざわ (1999) (P39)
  7. ^ 植田うえだ精一せいいち増谷ますたに哲雄てつお樋口ひぐち誠一郎せいいちろう古谷ふるや政道まさみち筒井つつい佐喜雄さきおチモシーしん品種ひんしゅ「ノサップ」の育成いくせいについて」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい38ごう、1977ねん、34-46ぺーじISSN 0441-0807 
  8. ^ 植田うえだ精一せいいち増谷ますたに哲雄てつお古谷ふるや政道まさみち樋口ひぐち誠一郎せいいちろう筒井つつい佐喜雄さきおチモシーしん品種ひんしゅ「ホクシュウ」の育成いくせいについて」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい38ごう、1977ねん、47-61ぺーじISSN 0441-0807 
  9. ^ 増谷ますたに哲雄てつお古谷ふるや政道まさみち樋口ひぐち誠一郎せいいちろう筒井つつい佐喜雄さきお植田うえだ精一せいいちチモシーしん品種ひんしゅ「クンプウ」の育成いくせいについて」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい45ごう、1981ねん、101-113ぺーじISSN 0441-0807 
  10. ^ 古谷ふるや政道まさみち筒井つつい佐喜雄さきお植田うえだ精一せいいち増谷ますたに哲雄てつお樋口ひぐち誠一郎せいいちろうした小路しょうじ英男ひでお川村かわむら公一こういちちゅうじゅう晴彦はるひこ ほか「チモシーしん品種ひんしゅ「アッケシ」の育成いくせいについて」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい64ごう、1992ねん、91-105ぺーじISSN 0441-0807 
  11. ^ 古谷ふるや政道まさみち増谷ますたに哲雄てつお樋口ひぐち誠一郎せいいちろう筒井つつい佐喜雄さきおした小路しょうじ英男ひでお川村かわむら公一こういちちゅうじゅう晴彦はるひこ藤井ふじい弘毅こうきチモシーしん品種ひんしゅ「キリタップ」の育成いくせいについて」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい64ごう、1992ねん、75-89ぺーじISSN 0441-0807 
  12. ^ 吉澤よしざわあきらした小路しょうじ英男ひでお古谷ふるや政道まさみち藤井ふじい弘毅こうき佐藤さとう公一こういち玉置たまき宏之ひろゆき鳥越とりこし昌隆まさたかちゅうじゅう晴彦はるひこ ほか「チモシーしん品種ひんしゅ「なつさかり」の育成いくせい」『北海道ほっかいどうりつ農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい88ごう、2005ねん、37-47ぺーじISSN 0441-0807 
  13. ^ 足利あしかが和紀かずのり藤井ふじい弘毅こうき田中たなか常喜つねき玉置たまき宏之ひろゆき佐藤さとう公一こういち吉澤よしざわあきら鳥越とりこし昌隆まさたかした小路しょうじ英男ひでお ほか「チモシーしん品種ひんしゅ「なつちから」の育成いくせい」『北海道ほっかいどうりつ総合そうごう研究けんきゅう機構きこう農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい96ごう、2012ねん、1-14ぺーじISSN 2186-1048 
  14. ^ 足利あしかが和紀かずのり藤井ふじい弘毅こうき田中たなか常喜つねき吉澤よしざわあきら佐藤さとう公一こういち玉置たまき宏之ひろゆきチモシーしん品種ひんしゅ「なつぴりか」の育成いくせい」『北海道ほっかいどうりつ総合そうごう研究けんきゅう機構きこう農業のうぎょう試験場しけんじょうしゅうほうだい100ごう、2016ねん、1-14ぺーじISSN 2186-1048 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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