カシュルート (ヘブライ語 ご : כַּשְׁרוּת [1] )とは、ユダヤ教 きょう の食物 しょくもつ の清浄 せいじょう 規定 きてい のことで、ユダヤの律 りつ 法 ほう に即 そく したと認定 にんてい を受 う けた食 た べ物 もの のこと[2] 。由来 ゆらい は、ヘブライ語 ご で「カシェルな状態 じょうたい 」を示 しめ す女性 じょせい 名詞 めいし 。
カシェル 又 また はコーシャー (ヘブライ語 ご : כָּשֵׁר [3] )、コシェル (イディッシュ語 ご : כּשר [4] ) は「相応 ふさわ しい状態 じょうたい 」を示 しめ す形容詞 けいようし で、ユダヤ教 きょう 戒律 かいりつ に適合 てきごう したものであることを示 しめ す。食物 しょくもつ に関 かん してカシェル と言 い えば、食物 しょくもつ の清浄 せいじょう 規定 きてい (カシュルート)に適合 てきごう した食 た べてよい食物 しょくもつ (適正 てきせい 食品 しょくひん )のことを指 さ す。「イーシュ・カシェル」といえば、律 りつ 法 ほう にかなって非 ひ の打 う ち所 どころ がない人物 じんぶつ のことを指 さ す。ユダヤの律 りつ 法 ほう に即 そく した食 た べ物 もの を「コーシャー」と呼 よ ぶように、通話 つうわ 機能 きのう のみついた携帯 けいたい 電話 でんわ にも「コーシャー・フォン 」承認 しょうにん マークが貼 は られている[2] 。
『創世 そうせい 記 き 』第 だい 7章 しょう 、第 だい 8章 しょう にあるように、イスラエル には古来 こらい から「清 きよ い動物 どうぶつ 」と「清 きよ くない動物 どうぶつ 」の観念 かんねん があり (7:2, 7:8)、ノア は「清 きよ い動物 どうぶつ 」を神 かみ にささげている (8:20)。「清 きよ い動物 どうぶつ 」という概念 がいねん は「神 かみ に捧 ささ げるのにふさわしい動物 どうぶつ 」という概念 がいねん と関係 かんけい して用 もち いられている。また、神 かみ が「清 きよ い動物 どうぶつ 」「清 きよ くない動物 どうぶつ 」と説明 せつめい 抜 ぬ きに言 い い、ノアがそれで理解 りかい できていることから、この区別 くべつ は少 すく なくともある程度 ていど までは、ヘブライ聖書 せいしょ 以前 いぜん から存在 そんざい している文化 ぶんか 的 てき 観念 かんねん であった。高等 こうとう 批判 ひはん 的 てき に言 い えば、創世 そうせい 記 き が書 か かれた時点 じてん では既 すで に、想定 そうてい する読者 どくしゃ にとって「清 きよ い動物 どうぶつ 」「清 きよ くない動物 どうぶつ 」の意味 いみ は説明 せつめい 不要 ふよう だった。その意味 いみ においては、神 かみ によって命 めい じられたというのは、むしろ後 あと づけの説明 せつめい である [10] 。もちろん、「ノアは無垢 むく な人 ひと だったので、神 かみ が清 きよ い動物 どうぶつ と言 い ったときその意味 いみ をおのずから理解 りかい したのだ」などと考 かんが えることも可能 かのう である。
一方 いっぽう 、神 かみ はノアに対 たい して「清 きよ い動物 どうぶつ を7つがい ずつ、清 きよ くない動物 どうぶつ を1つがいずつ」生 い き延 の びさせるよう命 めい じており、この区別 くべつ は単 たん に人間 にんげん が神 かみ へのささげ物 ぶつ に対 たい して抱 だ いていただけでなく、神 かみ によっても価値 かち 的 てき に是認 ぜにん されていると考 かんが えられていた。神 かみ は「清 きよ くない動物 どうぶつ 」を滅 ほろ ぼそうとはせず、明示 めいじ 的 てき に生 い き延 の びさせようとしているが、「清 きよ い動物 どうぶつ 」をより優遇 ゆうぐう した。「神 かみ に捧 ささ げるのにふさわしい」と考 かんが えられ、神 かみ からもより良 よ いとされていると考 かんが えられる動物 どうぶつ を食物 しょくもつ とすること、神 かみ に捧 ささ げるのにふさわしくない「不浄 ふじょう な」動物 どうぶつ を自分 じぶん も避 さ けて食 た べないようにすることは、神 かみ によって是認 ぜにん されたと考 かんが えられる清 きよ らかさに従 したが うことであり、観念 かんねん 的 てき には神 かみ に従 したが うことや正 ただ しく生 い きて神 かみ に近付 ちかづ こうとする努力 どりょく の一 ひと つである。
バビロン捕 と 囚 しゅう により神殿 しんでん 崩壊 ほうかい と祖国 そこく 喪失 そうしつ の原因 げんいん が神 かみ に対 たい する自分 じぶん 達 たち の背信 はいしん 行為 こうい にあるという確信 かくしん が強 つよ まり、律 りつ 法 ほう (トーラー )に則 のっと った儀式 ぎしき 、食物 しょくもつ 規定 きてい 、日常 にちじょう 生活 せいかつ の倫理 りんり が励行 れいこう されたという考 かんが え方 かた がある。しかし、カシュルートは出 で エジプト以来 いらい のことが描 えが かれるトーラーに基礎 きそ がある。
実際 じっさい 、『創世 そうせい 記 き 』第 だい 9章 しょう では神 かみ はノアとその子 こ どもたちに「動 うご いている命 いのち あるものと植物 しょくぶつ は、すべて食物 しょくもつ にするがよい」と言 い っており、レビ記 き の制限 せいげん よりはるかに緩 ゆる やかだ。創世 そうせい 記 き では「清 きよ い家畜 かちく 」「清 きよ くない家畜 かちく 」といった区別 くべつ があり、神 かみ へのささげ物 ぶつ は「清 きよ い家畜 かちく 」「清 きよ い鳥 とり 」であったが、神 かみ の側 がわ からは「清 きよ い動物 どうぶつ だけ食 た べよ」とは言 い っていない。
4~5世紀 せいき に編纂 へんさん された『タルムード 』で、食生活 しょくせいかつ に関 かん する神 かみ の掟 おきて (ハラーハー )も確立 かくりつ した。
カシュルートの重要 じゅうよう な目的 もくてき の一 ひと つは、ユダヤ法 ほう (ハラーハー)に照 て らして適合 てきごう した清浄 せいじょう な食物 しょくもつ を明確 めいかく にし、そのために調理 ちょうり 法 ほう や、食品 しょくひん ならびに調理 ちょうり 用 よう 什器 じゅうき の選定 せんてい と管理 かんり に至 いた るまで規範 きはん を示 しめ し、食物 しょくもつ や調理 ちょうり 、食事 しょくじ そのものを聖 ひじり 化 か することである。そして、これに適合 てきごう した清浄 せいじょう な食物 しょくもつ や料理 りょうり が、一般 いっぱん に、カシェル(またはコシェル)と呼 よ ばれる。
『レビ記 き 』第 だい 11章 しょう によれば[11] 、
4つ足 あし の獣 しし のうち蹄が全 まった く分 わ かれ 、反芻 はんすう をするものは食 た べてもよい。この2つの条件 じょうけん を満 み たしていない草食 そうしょく 動物 どうぶつ (ラクダ 、イワダヌキ 、ウサギ 、ブタ )はカシェルではない不浄 ふじょう な生 い き物 もの である。ラクダは生物 せいぶつ 学的 がくてき には蹄が分 わ かれ、反芻 はんすう をするが、外見 がいけん 上 じょう 蹄が毛 け に覆 おお われて分 わ かれているように見 み えないためカシェルから外 はず されている。
海 うみ や川 かわ ・湖 みずうみ に住 す む生 い き物 もの で、ヒレ と鱗 うろこ のあるものは食 た べてもよい。エビ やカニ などの甲殻 こうかく 類 るい 、貝類 かいるい 、タコ 、イカ などは食 た べられないことになる。また、鱗 うろこ が目立 めだ たないウナギ も食 た べられないとされている。
鳥 とり の中 なか で食 た べてはいけないものは、猛禽 もうきん 類 るい (鷲 わし 、クマタカ 、鳶 とんび 、ハヤブサ 、鷹 たか など)とカラス 、ダチョウ 、フクロウ 、カモメ 、ハクチョウ などである。
昆虫 こんちゅう の中 なか で食 た べてよいものは、イナゴ ・バッタ などのごく一部 いちぶ のみで、ほとんどの昆虫 こんちゅう は食 た べることができない。一般 いっぱん 的 てき な解釈 かいしゃく ではバッタ類 るい は基本 きほん 的 てき に食 た べてよい。しかし、バッタ類 るい のうち特定 とくてい の4つの種 たね だけを食 た べてよいとする解釈 かいしゃく もある。(詳細 しょうさい はレビ記 き の4種類 しゅるい の昆虫 こんちゅう )
現実 げんじつ 的 てき には、昆虫 こんちゅう 食 しょく の制限 せいげん より、料理 りょうり や飲 の み物 もの に昆虫 こんちゅう が混入 こんにゅう していないか(例 たと えば野菜 やさい 料理 りょうり )がカシールを保 たも つ上 うえ で大 おお きな問題 もんだい となる。
ハチ はカシェルではないが、純粋 じゅんすい な蜂蜜 はちみつ はカシェルと解 かい される。
カシェルとされる動物 どうぶつ は、カシェルでない昆虫 こんちゅう を餌 えさ にするとしてもカシェル。
『レビ記 き 』第 だい 17章 しょう や『出 で エジプト記 き 』第 だい 22章 しょう によれば、
「野外 やがい で獣 しし に裂 さ き殺 ころ された動物 どうぶつ の肉 にく 」
「自然 しぜん に死 し んだ動物 どうぶつ の肉 にく 」
を食 た べることも禁 きん じられ、あるいは好 この ましくないとされる。また狩人 かりゅうど が殺 ころ したものも「カシェル」ではない。食 た べてよい動物 どうぶつ でも、一定 いってい の仕方 しかた で屠殺 とさつ ・食肉 しょくにく 処理 しょり しないとカシェルにならない(シェヒーター )。
『レビ記 き 』第 だい 17章 しょう や『創世 そうせい 記 き 』第 だい 9章 しょう などでは、血 ち を食 た べることが厳重 げんじゅう に禁止 きんし されている。食 た べてよい動物 どうぶつ でも、血 ち 抜 ぬ きをしないとカシェルにならない。
このほかにも、調理 ちょうり 法 ほう や調理場 ちょうりば 所 しょ などについて、いくつかの制限 せいげん がある。その代表 だいひょう 的 てき なものとして、肉 にく と乳製品 にゅうせいひん の混食 こんしょく 禁止 きんし がある。
『出 いずる エジプト記 き 』23章 しょう 19節 せつ 「子 こ やぎをその母 はは の乳 ちち で煮 に てはならない」から、肉類 にくるい と乳製品 にゅうせいひん を一緒 いっしょ に食 しょく すること、また同種 どうしゅ の産物 さんぶつ を使 つか った食事 しょくじ (鶏卵 けいらん と鶏肉 とりにく を使 つか った親子 おやこ 丼 どんぶり 等 ひとし )を禁 きん じられている。
具体 ぐたい 的 てき には、一回 いっかい の食事 しょくじ に両 りょう 種 たね の食品 しょくひん を同時 どうじ に食 しょく すことはもとより、調理 ちょうり 器具 きぐ や食器 しょっき 、さらには貯蔵 ちょぞう 場所 ばしょ の混用 こんよう も禁忌 きんき とされる。厳格 げんかく なユダヤ教徒 きょうと は、肉類 にくるい 用 よう と乳製品 にゅうせいひん 用 よう の食器 しょっき を別々 べつべつ に揃 そろ え、しばしばキッチンも別 べつ にしている場合 ばあい もある。また、肉 にく 製品 せいひん を食 くえ した後 のち は1~6時 じ 間 あいだ の間隔 かんかく を置 お かなければ乳製品 にゅうせいひん を口 くち にしない[12] 。
イスラム教 いすらむきょう と異 こと なりユダヤ教 きょう では酒 さけ は禁忌 きんき でなく、安息日 あんそくび に飲 の まれるワイン は特 とく にカシュルートの重要 じゅうよう な対象 たいしょう である[9] 。
この節 ふし ではレビ記 き で「食 た べてよい」とされている昆虫 こんちゅう について扱 あつか う。
原文 げんぶん [11] の大意 たいい は「羽 はね があり4足 そく で動 うご き群 む れるもの(昆虫 こんちゅう )は不浄 ふじょう だが、足 あし の上 うえ に接続 せつぞく した脚 あし があり地面 じめん を跳 は ねるものは食 た べてよい。つまりアルベ、サルアム、ハルゴル、ハガブは食 た べてよい」である。前半 ぜんはん は跳躍 ちょうやく するバッタ目 め の昆虫 こんちゅう を指 さ していると考 かんが えられる。現代 げんだい の解釈 かいしゃく では昆虫 こんちゅう は6本 ほん 足 あし だが、4本 ほん の足 あし と2本 ほん の手 て (または「足 あし 」以外 いがい の何 なに か)と考 かんが えたのだろう。「足 あし の上 うえ に接続 せつぞく した脚 あし があり」は「折 お れ曲 ま がる長 なが い足 あし があり」と理解 りかい できるが、Nevo[13] は「4足 そく で歩 ある き、その上 うえ さらに、地面 じめん を跳 は ねるための(2本 ほん の)脚 あし がある」と解釈 かいしゃく するべきだとしている (Locusts as Food )。
後半 こうはん は例示 れいじ とも読 よ めるが、4種類 しゅるい を限定 げんてい しているとも読 よ める。例示 れいじ とすれば、基本 きほん 的 てき にバッタ目 め の昆虫 こんちゅう は全 すべ てカシェルである。David Guzikの注解 ちゅうかい では「locust (イナゴ )、cricket (コオロギ )、grasshopper (バッタ )などはカシェルである」と広義 こうぎ に取 と っている[10] 。イスラエルの文献 ぶんけん でも、例 たと えばAzureに「あらゆる種類 しゅるい のイナゴ・バッタなどは食 た べて良 よ い」という記事 きじ がある[14] (ただし英訳 えいやく 聖書 せいしょ の影響 えいきょう を受 う けているようである)。International Standard Bible Encyclopedia (ISBE)[15] も、基本 きほん 的 てき にはバッタ目 め 全体 ぜんたい は食 た べてよいという解釈 かいしゃく をしている。実際 じっさい 、英語 えいご 訳 やく では一般 いっぱん にcricket やgrasshopper (コオロギ、バッタなど)を含 ふく めているし、欽定 きんてい 訳 やく 聖書 せいしょ ではbeetle (甲虫 かぶとむし 類 るい )まで含 ふく めており[16] (これはさすがに広 ひろ 過 す ぎる解釈 かいしゃく であろう)、現代 げんだい で言 い うバッタ科 か よりかなり広 ひろ い範囲 はんい と了解 りょうかい されていた。
一方 いっぽう 、Nevoによれば英訳 えいやく 聖書 せいしょ は混乱 こんらん の原因 げんいん であり、本来 ほんらい はバッタ目 め の多数 たすう の種 たね のなかで特定 とくてい の4種類 しゅるい だけが食 た べてよいものと理解 りかい されていたという。その根拠 こんきょ として彼 かれ は、タルムード で「不浄 ふじょう なバッタは800種類 しゅるい 」と述 の べられている、としている[13] 。つまり、バッタ目 め のほとんども食 た べてはいけないのだという。Lisë Sternのガイド How to Keep Kosher では、古代 こだい ヘブライ語 ご の昆虫 こんちゅう 名 めい の正確 せいかく な意味 いみ は不明 ふめい なのですべての昆虫 こんちゅう は食 た べないほうが良 よ いとしつつ、「ただしどの昆虫 こんちゅう がカシェルであるか習慣 しゅうかん が確立 かくりつ しているなら、それに従 したが う」としている。つまり、基本 きほん 的 てき には、カシェルなのは特定 とくてい の4種類 しゅるい のみという立場 たちば である。
このように、4種類 しゅるい は限定 げんてい なのか例示 れいじ なのかについて(い換 いか えれば、どの昆虫 こんちゅう がカシェルであるかについて)、ユダヤ教徒 きょうと の間 あいだ にも解釈 かいしゃく に揺 ゆ れがある。昆虫 こんちゅう 食 しょく 自体 じたい が現在 げんざい では一部 いちぶ 地域 ちいき を除 のぞ いてあまり一般 いっぱん 的 てき でないため、この解釈 かいしゃく (バッタ類 るい のどの種 たね がカシェルでどの種 たね がそうでないか決定 けってい すること)は必 かなら ずしも日常 にちじょう 的 てき に切実 せつじつ な問題 もんだい ではない。
4種類 しゅるい の名称 めいしょう はヘブライ語 ご の古語 こご で、確実 かくじつ な同定 どうてい はできない。4つの名称 めいしょう が異 こと なる昆虫 こんちゅう を指 さ すのかすら分 わ からないし(同 どう 一種 いっしゅ の相 あい 変異 へんい を呼 よ び分 わ ける語 かたり かもしれない)、仮 かり に同定 どうてい できても、地中海 ちちゅうかい 東岸 とうがん 地方 ちほう の昆虫 こんちゅう であるため和名 わみょう があるかも不明 ふめい である。
アルベ
一 いち 番目 ばんめ のアルベ (ヘブライ語 ご : אַרְבֶּה , ラテン文字 もじ 転写 てんしゃ : arbeh )は旧約 きゅうやく 聖書 せいしょ 全体 ぜんたい で24回 かい も言及 げんきゅう されており、災厄 さいやく (蝗 いなご 害 がい )をもたらすという記述 きじゅつ から、いわゆる「バッタの大群 たいぐん 」を作 つく る昆虫 こんちゅう で、当時 とうじ 、その地方 ちほう においてごくありふれていたものに違 ちが いない[15] 。バッタ科 か のうち、移動 いどう 相 しょう を持 も つ種 しゅ か、またはその種 たね が移動 いどう 相 しょう にある状態 じょうたい を指 さ すと考 かんが えられる。七 なな 十 じゅう 人 にん 訳 やく 聖書 せいしょ では「羽 はね のないバッタ」と理解 りかい され、羽 はね の有無 うむ (または長短 ちょうたん )を分類 ぶんるい 基準 きじゅん としていたふしもある。Nevoはこれをバッタ科 か のサバクトビバッタ (Schistocerca gregaria Forsskål, 1775; 英 えい Desert locust )でまず間違 まちが いないとしている[13] 。Aharoniも同 どう 意見 いけん のようだ[17] 。
日本語 にほんご では、新 しん 共同 きょうどう 訳 やく 、新 しん 改訳 かいやく が「いなご」、口語 こうご 訳 やく が「移住 いじゅう いなご」である。(なお、いなご (Catantopidae科 か )は大群 たいぐん となって蝗 いなご 害 がい を起 お こす事 こと は無 な く、正確 せいかく に訳 やく せばバッタ科 か のバッタである。)
サルアム
二 に 番目 ばんめ のサルアム (סָּלְעָם ) は、英語 えいご ではしばしば「bald locust 」と訳 やく される。ISBEによると、タルムード で「滑 なめ らかな頭 あたま を持 も っている」とされていたため、そう訳 やく されたのだという[15] 。ISBEは漠然 ばくぜん と genus Tryxalis (T. unguiculata or T. nasuta) と同定 どうてい している。
日本語 にほんご では、新 しん 共同 きょうどう 訳 やく が「羽 はね ながいなご」、新 しん 改訳 かいやく が「毛 け のないいなご」、口語 こうご 訳 やく が「遍歴 へんれき いなご」である。新 しん 改訳 かいやく は英語 えいご 訳 やく と同等 どうとう で、baldを「はげ頭 あたま 」のように理解 りかい したのだろう。
ハルゴル
三 さん 番目 ばんめ のハルゴル (חַרְגֹּל ) は英訳 えいやく ではコオロギ だが、アラビア語 ご の「ハルジャル」(バッタの群 む れ)との関係 かんけい から、やはりバッタ・イナゴの一種 いっしゅ と見 み られる[15] 。
日本語 にほんご では、新 しん 共同 きょうどう 訳 やく 、口語 こうご 訳 やく が「大 だい いなご」、新 しん 改訳 かいやく が「こおろぎ」である。
ハガブ
四 よん 番目 ばんめ のハガブ (חָגָב ) もバッタまたはイナゴの類 るい とされる。
日本語 にほんご では、新 しん 共同 きょうどう 訳 やく 、口語 こうご 訳 やく が「小 しょう いなご」、新 しん 改訳 かいやく が「ばった」である。
ユダヤ人 じん 社会 しゃかい 、非 ひ ユダヤ人 じん 社会 しゃかい との関係 かんけい
編集 へんしゅう
改革 かいかく 派 は では、ピッツバーグ 綱領 こうりょう (Pittsburgh Platform )(1885年 ねん )において、カシェルの廃止 はいし を決定 けってい した。
「U、パレヴェ」の表示 ひょうじ
イスラエルにおいてはכשר、欧米 おうべい では「K」「U」「V」といった印 しるし の入 はい っているものがカシェル食品 しょくひん の印 しるし である。レストラン などに置 お いてあることが多 おお い。
日本 にっぽん では 初 はじ めて活動 かつどう したのは OK Kosher Certification である。現在 げんざい でも、多 おお くの伝統 でんとう 的 てき 日本 にっぽん 食品 しょくひん や食品 しょくひん の原材料 げんざいりょう を約 やく 200社 しゃ 以上 いじょう を認証 にんしょう している。[18] [19] OU Kosher でも、日本 にっぽん の食品 しょくひん 製造 せいぞう 会社 かいしゃ を認証 にんしょう している。[20]
コーシャジャパン株式会社 かぶしきがいしゃ は、日本 にっぽん にいる1人 ひとり のラビ が極 きわ めて厳格 げんかく な審査 しんさ ならびに抜 ぬ き打 う ち検査 けんさ のもとにカシェル食品 しょくひん の認定 にんてい を提供 ていきょう している。その対象 たいしょう は日本酒 にほんしゅ 、焼酎 しょうちゅう 、日本 にっぽん 茶 ちゃ 、味噌 みそ 、醤油 じょうゆ 、練 ね り胡麻 ごま 、米菓 べいか 、ファラフェル など多岐 たき にわたっている。同社 どうしゃ は2021年 ねん 、東京 とうきょう 都内 とない にカシュルートに対応 たいおう したホテルを開設 かいせつ した[9] 。
世界 せかい の認証 にんしょう 団体 だんたい の日本 にっぽん 代理 だいり 店 てん も活動 かつどう している。日本 にっぽん から飲食 いんしょく 品 ひん を輸出 ゆしゅつ する場合 ばあい 、ユダヤ教徒 きょうと への販売 はんばい のみを想定 そうてい していなくても、アメリカ合衆国 あめりかがっしゅうこく のスーパーマーケット に並 なら ぶ食品 しょくひん の半分 はんぶん 以上 いじょう がカシュルート認証 にんしょう を受 う けており、原材料 げんざいりょう や生産 せいさん 工程 こうてい の管理 かんり が行 い き届 とど いているとみなされることが多 おお いため、日本酒 にほんしゅ の蔵元 くらもと などによる認証 にんしょう 取得 しゅとく が増 ふ えつつある[21] 。
カシェル・マーク[22] [23] [24] [25]
イスラエルにおける飲食 いんしょく 店 てん や食料 しょくりょう を販売 はんばい する商店 しょうてん は、原則 げんそく としてカシェルの食品 しょくひん を利用 りよう し販売 はんばい している。さらに、日本 にっぽん において有名 ゆうめい な醤油 じょうゆ など日本 にっぽん 食 しょく で用 もち いられる食材 しょくざい であってもヘブライ語 ご で記載 きさい されたイスラエル向 む けに輸出 ゆしゅつ される製品 せいひん は、原則 げんそく としてカシェルとして認証 にんしょう を受 う けた商品 しょうひん が多 おお い。ただし、イスラエル国内 こくない には、ユダヤ教徒 きょうと だけではなくイスラーム教徒 きょうと やキリスト教徒 きりすときょうと のアラブ系 けい イスラエル人 じん も居住 きょじゅう しているため、カシェルではない食品 しょくひん もある。
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