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Shift_JIS - Wikipedia

Shift_JIS(シフトジス)は、コンピュータうえ日本語にほんごふく文字もじれつ表現ひょうげんするためにもちいられる文字もじコードひとつ。シフトJIS(シフトジス)と表記ひょうきされることもある[1]

かつてはベンダーによる独自どくじ拡張かくちょうふく文字もじコードぐんした曖昧あいまい名称めいしょうであったが、1997ねんJIS X 0208標準ひょうじゅんされた。

構造こうぞう 編集へんしゅう

JIS X 0201を1バイトで、JIS X 0208を2バイトで符号ふごうする可変かへんはば文字もじ符号ふごう方式ほうしき。2バイト文字もじは、だい1バイトに8116-9F16またはE016-EF16の47とおり、だい2バイトに4016-7E16または8016-FC16の188とおりをもちいる。

だい1バイト
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
0
1
2 ! " # $ % & ' ( ) * + , - . /
3 0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 : ; < = > ?
4 @ A B C D E F G H I J K L M N O
5 P Q R S T U V W X Y Z [ ¥ ] ^ _
6 ` a b c d e f g h i j k l m n o
7 p q r s t u v w x y z { | }
8
9
A
B ソ
C
D
E
F
だい2バイト
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
0
1
2
3
4
5
6
7
8
9
A
B
C
D
E
F
 
ASCII制御せいぎょ文字もじ
ASCIIと同一どういつ文字もじ
ASCIIとことなる文字もじ
半角はんかくカナ
2バイト文字もじだい1バイト
使用しよう
2バイト文字もじだい2バイト(JIS X 0208の番号ばんごう奇数きすう場合ばあい
2バイト文字もじだい2バイト(JIS X 0208の番号ばんごう偶数ぐうすう場合ばあい
使用しよう

さらに、JIS X 0213拡張かくちょうしたShift_JIS-2004では、だい1バイトの使用しよう領域りょういきであるF016-FC16利用りようしている。

だい1バイト
0 1 2 3 4 5 6 7 8 9 A B C D E F
0
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7 p q r s t u v w x y z { | }
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ASCII制御せいぎょ文字もじ
ASCIIと同一どういつ文字もじ
ASCIIとことなる文字もじ
半角はんかくカナ
2バイト文字もじだい1バイト
2バイト文字もじだい2バイト(番号ばんごう奇数きすう場合ばあい
2バイト文字もじだい2バイト(番号ばんごう偶数ぐうすう場合ばあい
使用しよう

歴史れきし 編集へんしゅう

Shift_JISの誕生たんじょう 編集へんしゅう

1980年代ねんだいパソコンよう16ビットCPU普及ふきゅうもあいまって、漢字かんじひらがなカタカナ表示ひょうじ可能かのうハードウェアそなえた情報じょうほう機器きき続々ぞくぞく発売はつばいされた。これらの製品せいひんでは、日本語にほんご表現ひょうげんできる文字もじ符号ふごう方式ほうしき模索もさくされており、先行せんこうしてJIS C 6220(現在げんざいJIS X 0201)の8ビット符号ふごう以下いか英数字えいすうじ半角はんかくカナ」)と、JIS C 6226(現在げんざいJIS X 0208以下いか漢字かんじ」)がよく利用りようされていた。このりょう文字もじ集合しゅうごう混在こんざいにあたっては、ISO 2022によるエスケープシーケンス文字もじ集合しゅうごうえる設計せっけいとなっていた。

Shift_JISの設計せっけいでは、ファイルサイズ節約せつやく処理しょり時間じかん短縮たんしゅくはかるため、これら文字もじ集合しゅうごうをエスケープシーケンスなしで混在こんざい可能かのうにすることを企図きとした。 ISO 2022では、英数字えいすうじ半角はんかくカナ・漢字かんじはそれぞれ、8ビット符号ふごう空間くうかんなかのGL(2116-7E16)・GR(A116-FE16)のいずれか1領域りょういき使つかうことで表現ひょうげんする。このうち英数字えいすうじ漢字かんじだけの混在こんざいであれば英数字えいすうじをGL、漢字かんじをGRにてることもできる[2]が、すでにGLに英数字えいすうじ、GRに半角はんかくカナをてた実装じっそう普及ふきゅうしており、既存きそんのGL・GR領域りょういき漢字かんじ混在こんざいさせることは困難こんなんだった。

1982ねん漢字かんじ符号ふごう位置いちをこれら符号ふごう空間くうかん隙間すきまかたちでShift_JISが実装じっそうされた。これを実現じつげんするためには、漢字かんじの1バイトとして、ISO 2022において使用しようのCR(8016-9F16領域りょういきくわえ、半角はんかくカナにてられていたGR領域りょういきやく3ぶんの1のこされていた使用しよう領域りょういきから捻出ねんしゅつすることとした。さらに2バイトには、ISO 2022とはことなり、英数字えいすうじ半角はんかくカナに使用しようみの領域りょういきをもふくむ、GL、CR、GRにあたるかく領域りょういきのほぼすべてを使つか必要ひつようがあった。ただし、GL領域りょういきにおいては、JIS X 0201の記号きごうたる部分ぶぶん極力きょくりょくけた。

マイクロソフト日本にっぽん法人ほうじんもと会長かいちょう古川ふるかわとおるによると、Shift_JISの制定せいていにはアスキー、マイクロソフト(べい)、三菱電機みつびしでんきマイクロソフトウェア・アソシエイツデジタルリサーチべい)がかかわり、とくにアスキーの山下やました良蔵りょうぞう中心ちゅうしんとなっておこなわれたという[3]。これにたいする異説いせつとして、京都大学きょうとだいがく助教授じょきょうじゅ安岡やすおか孝一こういちは、マイクロソフトウェア・アソシエイツと三菱電機みつびしでんきのみの共同きょうどう開発かいはつだと主張しゅちょうしていたが[4]山下やました本人ほんにん発言はつげん[5]により安岡やすおか自説じせつ撤回てっかいする発言はつげんをしている[6]。またふるくはLife with UNIX訳書やくしょ (ISBN 4-7561-0783-4) の「UNIX人名じんめい事典じてん翻訳ほんやくばん加筆かひつ部分ぶぶん (p.45) で、深瀬ふかせ弘恭ひろゆきに「MS漢字かんじコードの作者さくしゃ一人ひとり」という紹介しょうかいぶんかれていた。

初期しょき実装じっそう 編集へんしゅう

Shift_JISはマイクロソフトのMS-DOSに「MS漢字かんじコード」(およびMicrosoftコードページ932)、デジタルリサーチのCP/M-86に「SJC-26」として採用さいようされた。両者りょうしゃはほぼおなじだが、全角ぜんかくスペースあつかいにちがいがある。全角ぜんかくスペースにMS-DOSは814016てているが、CP/M-86は半角はんかくスペース2文字もじぶん同等どうとうの202016てている。CP/M-86での実装じっそう文字もじれつからスペースを探索たんさくする処理しょり簡単かんたんになるというプログラミングうえ利点りてんがあった。一方いっぽう、MS-DOSは全角ぜんかくスペースにべつのコードをてることで、半角はんかく入力にゅうりょくモードでスペースキーが2かいされたのか、全角ぜんかく入力にゅうりょくモードでスペースキーが1かいだけされたのかをプログラムが判別はんべつできるようにした。これは当時とうじのアプリケーションソフト(Multiplanなど)でメニュー選択せんたくにスペースキーを使用しようしていたためであった。また、プリンターでは全角ぜんかくスペースと半角はんかくスペースのはばが2たい1でない場合ばあいがあるため、スペースの区別くべつ帳票ちょうひょう設計せっけい影響えいきょうがあった[7]

標準ひょうじゅん 編集へんしゅう

Shift_JISは ISO 2022の符号ふごう範囲はんいがいにあるベンダー独自どくじ実装じっそうとして誕生たんじょうしており、普及ふきゅうもしばらく標準ひょうじゅんされずにいたが、JIS X 0208:1997において附属ふぞくしょ1で「シフト符号ふごう表現ひょうげん」という名前なまえ仕様しよう定義ていぎされた。また、IANAにおいても「Shift_JIS」の名称めいしょう登録とうろくされている[8]

JIS X 0208の拡張かくちょう規格きかくであるJIS X 0213では、2000ねん制定せいてい附属ふぞくしょ1で上位じょうい互換ごかん仕様しようShift_JISX0213さだめられ、2004ねん改定かいていShift_JIS-2004名称めいしょう変更へんこうされた。

その更新こうしん停止ていししたが、日本語にほんごばんWindowsがながらく標準ひょうじゅんをShift_JISにさだめていたことで使用しようされつづけた。不都合ふつごうおおいためUnicodeへの移行いこうびかけられている[9]

符号ふごう方式ほうしき 編集へんしゅう

区点くてん番号ばんごう割当わりあて 編集へんしゅう

JIS X 0208では文字もじ集合しゅうごう区点くてん番号ばんごうとして94×94の文字もじひょうくだりれつ番号ばんごうくみ表現ひょうげんされる。これら区点くてん番号ばんごうをShift_JISでは以下いかのような対応たいおう符号ふごうしている。

ひょう: 区点くてん(だい1めん)とShift_JIS符号ふごう
Shift_JIS だい2バイト(16しん)
40 7E 80 9F FC
だい1バイト
(16しん)
81 11てん 163てん 164てん 21てん 294てん
9F 611てん 6163てん 6164てん 621てん 6294てん
E0 631てん 6363てん 6364てん 641てん 6494てん
EF 931てん 9363てん 9364てん 941てん 9494てん

JIS X 0213では94×94の文字もじひょうが2つあり、それぞれだい1めんだい2めん表現ひょうげんされる。だい1めん(だい1・2・3水準すいじゅん)は上記じょうき符号ふごう範囲はんいおさまる。だい2めん(だい4水準すいじゅん)は番号ばんごうが1・3・4・5・8・12-15・78-94不連続ふれんぞく構成こうせいされており、この26区分くぶん収録しゅうろくするためにShift_JIS-2004では以下いかのように対応たいおうしている。

ひょう: 区点くてん(だい2めん)とShift_JIS符号ふごう
Shift_JIS だい2バイト(16しん)
40 7E 80 9F FC
だい1バイト
(16しん)
F0 11てん 163てん 164てん 81てん 894てん
F1 31てん 363てん 364てん 41てん 494てん
F2 51てん 563てん 564てん 121てん 1294てん
F3 131てん 1363てん 1364てん 141てん 1494てん
F4 151てん 1563てん 1564てん 781てん 7894てん
F5 791てん 7963てん 7964てん 801てん 8094てん
FC 931てん 9363てん 9364てん 941てん 9494てん

区点くてん番号ばんごうからの変換へんかん 編集へんしゅう

めん区点くてん番号ばんごう   から Shift_JISの だい1バイト だい2バイト 以下いかしきもとめられる[10] ゆか関数かんすう

 
 

符号ふごう可能かのう文字数もじすう 編集へんしゅう

初期しょきのShift_JISでは、だい1バイトが47とおり、だい2バイトが188とおりの符号ふごうがあるため、 47 × 188 = 94 × 94 = 8836 の2バイト文字もじ表現ひょうげんすることができ、これはJIS X 0208で規定きていされた区点くてん番号ばんごうのすべてをおさめられるように設計せっけいされている。ここに158英数字えいすうじ半角はんかくカナ(スペースふくむ、DELのぞく)をくわえると、けい 8994 文字もじとなる。

さらに、だい1バイトはF016-FC16もちいることで60とおりまで拡張かくちょうされており、 60 × 188 + 158 = 11438 文字もじ表現ひょうげんすることができる。Microsoftコードページ932IBM拡張かくちょう文字もじやShift_JIS-2004のだい4水準すいじゅん文字もじ符号ふごうではこれらの領域りょういき動員どういんしている。

特徴とくちょう 編集へんしゅう

利点りてん
  1. 全角ぜんかく文字もじと、JIS X 0201で定義ていぎしたいわゆる半角はんかくカナ文字もじ同一どういつのコード体系たいけい表現ひょうげんできる。
  2. 日本語にほんご環境かんきょうにおいては、MS-DOSで日本語にほんごよう文字もじコードとして採用さいようされて以来いらい、パソコンにおいて圧倒的あっとうてき普及ふきゅうがあり、その文字もじ符号ふごう方式ほうしきくらべてデータ交換こうかん可能かのうせいたかい。
  3. UTF-8などにくらべてサイズがちいさい。UTF-8では半角はんかくカナや漢字かんじおおくは3バイトをようする。
欠点けってん
  1. 半角はんかくカナのための領域りょういき確保かくほした関係かんけいじょう区点くてん番号ばんごう符号ふごう相互そうご演算えんざんには前述ぜんじゅつのように煩雑はんざつ条件じょうけん分岐ぶんき必要ひつようである。
  2. 2バイトに8016まんASCIIのコード領域りょういき)があらわれる。このため、文字もじ区切くぎりの判定はんてい手間てまがかかる。ファイルや電文でんぶん先頭せんとうから文字もじコードの判定はんていをする場合ばあいはよいが、うしろから判定はんていをしようとすると、最悪さいあく場合ばあい先頭せんとうまでたどらないといけないことがあるため、プログラムのつくかた工夫くふう必要ひつようになる。また、この領域りょういきふくまれる一部いちぶ文字もじあつかいのため、マルチバイトのEUC-JP、UTF-8などにくらべ、プログラミングじょうあつかいがむずかしい(次項じこう参照さんしょう)。
  3. JIS補助ほじょ漢字かんじ表現ひょうげんできない。
  4. 文字もじ集合しゅうごうについては実装じっそうベンダがJIS X 0208で規定きていされていない機種きしゅ依存いぞん拡張かくちょうほどこしていることがおおく、こういった拡張かくちょう部分ぶぶんかんしてはデータ交換こうかん可能かのうせいひくい。とくひろ普及ふきゅうしているMicrosoftコードページ932JIS X 0213拡張かくちょうされたShift_JIS-2004併用へいようできない。

2バイトが5Cとうになりうることによる問題もんだい 編集へんしゅう

ひょう: JIS X 0208で2バイトに5C16文字もじ一覧いちらん
文字もじ 符号ふごう
(16しん
み・字義じぎ 文字もじれい
815C ダッシュ
835C (片仮名かたかな) ソフト→ャtト
Ы 845C ゥイ (キリル文字もじ)
うわさ 895C ソン、うわさ うわさはなしけがれb
かいり 8A5C リ、かいりノット
8B5C ギ、あざむ-く いつわりいつわりt
けい 8C5C ケイ 錦織にしきおりけいなど→錦織にしきおりげきネど
8D5C コウ、かま-える しげるつげ
かいこ 8E5C サン、かいこ やしなえかいこごうよう
じゅう 8F5C ジュウ、とお (かん数字すうじの10) じゅうひとじゅういろしょlしょF
さる 905C シン、もう-す、さる さる請→みずソ、 さるみ→きり桙ン
915C ソ、ひ (「」のきゅう) まごそうキ、 祖父そふそうcちち
925C タン (「簞」の簡易かんい慣用かんよう字体じたい) →註y
935C チョウ、は-る け→から阨tけ
のう 945C ノウ、よ-く、あた-う のうちからさこヘ、 のうせいかしわ
ひょう 955C ヒョウ、おもて、あらわ-す ひょうしめせあなどヲ、 だいひょうてきだいかぶらI
965C ボウ、バク、あば-れる ちからあわヘ、 までI
975C ヨ、あらかじ-め、かね-て さん→落Z、 そうたまごz
ろく 985C ロク もとろくXとしもとろうねん
うさぎ 995C ト、うさぎ (「うさぎ」の異体いたい)
9A5C カク、キャク、は-く する→嚮撃キる
9B5C コウ むくいぬa
(「講和こうわ」の書換かきか
わたる 9C5C ミ、ビ、や (「わたる」のきゅう 和泉いずみもとわたるなど→和泉いずみもと怩ネど
9D5C する→摯゚する
9E5C とち (「とち」の異体いたい)
9F5C ソウ、ショウ、すす-る って→を氓チて
E05C シュン、さら-う 長谷川はせがわなど→長谷川はせがわ烽ネど
ふご E15C ホン、ふご、もっこ ふごる→たん
E25C ヘイ、ヒン、と-る しょく→竦C
E35C サイ、あや どううえ綵絵どううえなわG
しり E45C デン、しり しりなど→いちご狽ネど
しげる E55C アイ 和気わきしげる々→和気わけ蛛X
さわ E65C ショク (「さわ」のきゅう)
E75C タイ (「からだ」の異体いたい)
E85C タン、つば きむき→きむ闖トき
まん E95C マン まんあたまからだ
ばん EA5C バン (とり) ばんれ→黷フ

Shift_JISでは、カタカナの「ソ」、漢字かんじの「うわさ」など一部いちぶ文字もじ[11]の2バイトに、5C16使用しようしている。この符号ふごうJIS X 0201ではえん記号きごう、ASCIIなどではバックスラッシュ該当がいとうし、おおくのプログラミング言語げんごCPerlBourne Shellなど多数たすう)ではエスケープ文字もじあつかう。したがって、ソースコードや文字もじデータの処理しょりにおいてShift_JISを想定そうていしていないプログラミング環境かんきょうでは問題もんだいこる。この問題もんだいは、おなじように2バイト範囲はんいに5C16ふくBig5や、まれではあるがGBKなどの文字もじコードでも発生はっせいしうる。

また、5C16以外いがいについても類似るいじ問題もんだい発生はっせいすることがある。

  • 2バイトが7C16になる文字もじ(「ポ」「げい」など)。この符号ふごうはASCIIでは|バーティカルバー)に該当がいとうする。UnixやMS-DOSなどのシェルうえでこの符号ふごうパイプ記号きごう認識にんしきされ、これらの文字もじふくむファイルは正常せいじょう操作そうさできない。
  • 2バイトが5B16(「ゼ」「ふかし」など)、5D16(「ゾ」「てん」など)になる文字もじ。これらの符号ふごうはASCIIでは[, ]該当がいとうする。そのためこれらの文字もじ正規せいき表現ひょうげんわせて使つかうことができない。

このようなASCIIやくものおな符号ふごうふくむためにプログラムじょう不具合ふぐあいこしうるマルチバイト文字もじぞくに「だめ文字もじ」あるいは「ダメ文字もじ」と[12]

この問題もんだい回避かいひする伝統でんとうてき方法ほうほうとして、以下いかのようなものがある。

  • ソースコード全体ぜんたいEUC-JPUTF-8などのGL領域りょういき混用こんようのない符号ふごう変換へんかんし、実行じっこうまたはコンパイルする(れい:Perl のencodingプラグマ)。
  • 5Cをふく文字もじれつあつか場合ばあい、「」→「ソ\」のようにダメ文字もじ直後ちょくごにエスケープ文字もじ挿入そうにゅうすることで目的もくてき符号ふごうれつとして認識にんしきさせる(れいPerlのSjisソフトウェア[13]JavaScript)。
  • 文字もじまたは文字もじれつとしてあつかわず対象たいしょう文字もじおよび内部ないぶ表現ひょうげん形式けいしき数値すうち配列はいれつとして変換へんかんおこない、あつかさい文字もじ復号ふくごうしてあつかう(れい:PerlのEncodeモジュール[14])。
文字もじれい
マルチバイト対応たいおう環境かんきょうでは、Shift_JISの「かまわない」という文字もじれつは「こう墲ネい」[15]または「こう筲ネい」[16]文字もじけすることがある。文字もじの2バイト半角はんかくカナ「ネ」として認識にんしきされるため、「い」でデコードがさい同期どうきされ、文字もじれつ正常せいじょう表示ひょうじされる。
8d 5c 82 ed 82 c8 82 a2
▼エスケープ文字もじにあたる5cけた場合ばあい
8d   82 ed 82 c8 82 a2
こう [15]
また、同様どうように「芸能げいのうかい」という文字もじれつは「げいはぎE」に文字もじけする。
げい のう さかい
8c 7c 94 5c 8A 45
▼エスケープ文字もじにあたる5cけた場合ばあい
8C 7c 94   8A 45
げい はぎ E

名称めいしょう 編集へんしゅう

「シフト」について 編集へんしゅう

Shift_JISの「シフト」とは、JIS X 0208の文字もじ集合しゅうごう分割ぶんかつしたうえで8ビット符号ふごう空間くうかんないに“ずらして配置はいち”して符号ふごうしていることを意味いみする。

符号ふごう方式ほうしきにおいても、複数ふくすう文字もじ集合しゅうごうシフトコードえる操作そうさを「シフト」とぶが、これとはことなる。たとえば、ISO-2022-JPエスケープシーケンス漢字かんじ英数字えいすうじえることを、EUC-JP補助ほじょ漢字かんじ半角はんかくカナをシングルシフトでえることをす。

また、ビット演算えんざんの「ビットシフト」とも関係かんけいがない。

別名べつめい 編集へんしゅう

MS_Kanji」は、IANAによりShift_JISの別名べつめいとしててられている[8]

x-sjis」は、IANAに「Shift_JIS」が登録とうろくされる以前いぜんNetscape Navigator 2.0において使つかっていたエンコーディング指定していめいである。HTMLドキュメントの「charset」の指定していにShift_JISの別名べつめいとして使つかえるブラウザエンジンがある。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ XML用語ようご事典じてん [シフトJIS(Shift_JIS)]”. @IT. 2021ねん1がつ11にち閲覧えつらん
  2. ^ EUC-JPはおおよそそのように実装じっそうされており、半角はんかくカナの表現ひょうげんには切替きりかえ必要ひつよう
  3. ^ 古川ふるかわとおるわたしのマイコン遍歴へんれき日本にっぽんのパソコン30ねん、その1」の2005ねん12月28にちのコメント 『古川ふるかわとおるブログ』 2005ねん12月28にち
  4. ^ 安岡やすおか孝一こういち日本にっぽんにおける最新さいしん文字もじコード事情じじょう」『システム/制御せいぎょ/情報じょうほう』、Vol. 45, No. 9, pp. 528–535, 2001
    安岡やすおか孝一こういちシフトJISの誕生たんじょう」 2005ねん12月22にち
    安岡やすおか孝一こういちRe:古川ふるかわとおるさんがシフトJIS誕生たんじょうについていています」 2005ねん12月29にち
    安岡やすおか孝一こういち安岡やすおか素子もとこ文字もじ符号ふごう歴史れきし 欧米おうべい日本にっぽんへん共立きょうりつ出版しゅっぱん 2006ねん2がつ ISBN 978-4-320-12102-7
  5. ^ 山下やました良蔵りょうぞうわたしのマイコン遍歴へんれき日本にっぽんのパソコン30ねん、その1」の2006ねん9がつ21にちのコメント 『古川ふるかわとおるブログ』 2006ねん9がつ21にち
  6. ^ 安岡やすおか孝一こういちRe:古川ふるかわとおるさんがシフトJIS誕生たんじょうについていています」 2006ねん09月29にち
  7. ^ 西田にしだ憲正のりまさ「Unixふう機能きのうんだ日本語にほんごMS-DOS2.0の機能きのう内部ないぶ構造こうぞう」『日経にっけいエレクトロニクス』 1983ねん12月19にちごう、pp.165-190。
  8. ^ a b CHARACTER SETS”. IANA. 2011ねん7がつ4にち閲覧えつらん
  9. ^ 外字がいじ使つかうのはやめてくれ! Unicodeへの移行いこうびかけるMicrosoftの公式こうしきブログ記事きじ話題わだいに - やじうまのもり - まどもり
  10. ^ JIS X 0213の代表だいひょうてき符号ふごう方式ほうしき § Shift_JIS-2004”. 2019ねん4がつ27にち閲覧えつらん Hexadecimal numbers in the source have been converted to decimal for display.
  11. ^ 区点くてん番号ばんごうでは、すう29てん文字もじ該当がいとうする。
  12. ^ 日本にっぽんOSS推進すいしんフォーラム プラットフォーム部会ぶかい マイグレーションタスクフォース (2009ねん7がつ10日とおか). “Linuxマイグレーションガイド LinuxのShift JISサポート -現状げんじょうとその対応たいおうさく”. 2018ねん10がつ16にち閲覧えつらん
  13. ^ Char-Sjis-1.08 - Native Encoding Support by Traditional Scripting - metacpan.org
  14. ^ Encode-3.00 - character encodings in Perl - metacpan.org
  15. ^ a b Microsoftコードページ932による符号ふごう
  16. ^ Shift_JIS-2004による符号ふごう

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう