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CP/M-86 - Wikipedia

CP/M-86とは、デジタルリサーチしゃ開発かいはつした16bitCPU(Intel 8086シリーズ[2])ようオペレーティングシステム

CP/M-86
IBM PCはんCP/M-86のスクリーンショット
開発かいはつしゃ デジタルリサーチゲイリー・キルドール
OSの系統けいとう CP/M
開発かいはつじょうきょう 終了しゅうりょう
ソースモデル クローズドソースのちオープンソース[1]
初版しょはん 1981/1982ねん (42ねんまえ) (1982)
プラットフォーム Intel 8086
カーネル種別しゅべつ モノリシックカーネル
既定きていUI キャラクタユーザインターフェース
ライセンス プロプライエタリのちBSDスタイル
先行せんこうひん (CP/M-80 2.2)
後続こうぞくひん コンカレントCP/M-86 3.0
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概要がいよう

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8bit CPUであるIntel 80808085およびその互換ごかんCPUようのOSであるCP/M-80後継こうけいにあたり、機能きのうてきにはCP/M-80のバージョン2.2に相当そうとうする。

商業しょうぎょうてきにはPC DOSとしてIBM PC標準ひょうじゅん採用さいようされたマイクロソフトMS-DOSとの市場いちばあらそいにやぶれ、普及ふきゅうはしなかった。

特徴とくちょう

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CP/M-86は16bit CPUようOSとしてIntel 8086に実装じっそうされた各種かくしゅ機能きのう有効ゆうこう活用かつようすべく、豊富ほうふ機能きのうまれていた。

また、CP/M-80で多用たようされていたアプリケーションプログラムによるファンクションコールの方法ほうほう変更へんこうされ、call 5、つまり単純たんじゅんなサブルーチン命令めいれいによる0005h番地ばんちしをめ、セグメントの導入どうにゅう将来しょうらいのマルチタスク念頭ねんとういてInt 224 (Int E0h)によるソフトウェア処理しょりとして実装じっそうしてあるなど、将来しょうらいてき発展はってん考慮こうりょして様々さまざま変更へんこうほどこされていた。

しかし、このように意図いとてき下位かい互換ごかんせい無視むしした変更へんこう既存きそんのCP/M-80ようアプリケーションソフトの移植いしょくたってソースコードレベルでの膨大ぼうだいりょうえを必要ひつようとするてんなんがあり、素直すなおにCP/M-80のファンクションコール方法ほうほう継承けいしょうしてcall 5でのしにも対応たいおうし、CP/M-80ようソフトウェアのソースコードをほとんど手直てなおしでさいアセンブルするだけでも動作どうさするほどの互換ごかんせい[3]そなえていたマイクロソフトMS-DOS[4]比較ひかくすると、移植いしょくせい不利ふりであった。

もっとも、この変更へんこう恩恵おんけいにより上位じょういたるシングルユーザー・マルチタスクばんとしてコンカレントCP/M-86(CCP/M-86)[5]早期そうき開発かいはつ提供ていきょうされ、さらにマルチユーザー・マルチタスクばんとしてMP/M-86も提供ていきょうされており、これらは業務ぎょうむ用途ようとでは一定いってい支持しじけていた。

機能きのうめんでは初期しょきのMS-DOSと大差たいさなかった[6]CP/M-86であるが、IBMがPC DOS(≒MS-DOS)を標準ひょうじゅんあつかいとしてCP/M-86はUCSD p-systemとともにオプションあつかいとした結果けっか、そのシェアにはおおきなひらきがしょうじ、その衰退すいたいにつながった。

日本語にほんご

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1982ねん4がつ三菱電機みつびしでんきMULTI 16搭載とうさいされた「日本語にほんごCP/M-86」[7]がリリースされた。これはShift_JIS採用さいようしたはじめてのオペレーティングシステムとなった。MS-DOSにおけるShift_JIS(厳密げんみつにはMS漢字かんじコード)のサポートは1983ねん5月にリリースされたMS-DOS 2.01からとなる。

日本にっぽんにおいてはMULTI 16シリーズのほか富士通ふじつうFM-11シリーズ・FM-16βべーたシリーズなどの初期しょきのx86けいCPU搭載とうさいマシンでも標準ひょうじゅんOSとして採用さいようされたほか日本電気にほんでんきPC-9800シリーズでもサポートされており、それぞれ日本語にほんごされている。

CP/M-80との互換ごかんせい

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Intel 8080・8085のアセンブラソースコードをIntel 8086よう同等どうとうのソースコードに変換へんかんするプログラム(XLT86)が存在そんざいした。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ CP/M collection is back online with an Open Source licence The Register, 2001-11-26
  2. ^ Intel 8088ふくむ。
  3. ^ 当然とうぜんながらマシン命令めいれいことなるCP/M-80ようソースコードそのままでは動作どうさしないが、特別とくべつなハードウェア依存いぞんせいいプログラムの場合ばあいは、メモリモデルの指定していなどIntel 8086・8088固有こゆう処理しょりのぞけばほぼ機械きかいてき命令めいれい処理しょりおこない、さいアセンブルするだけで動作どうさした。
  4. ^ ただし、MS-DOSにおいてもファンクションコールの基本きほんはInt 21hによる処理しょりである。
  5. ^ コンカレント(並列へいれつせい)はしょうしてはいるが、実情じつじょう原始げんしてきなタスクスイッチャであった。のちにConcurrent DOS(CDOS)と名称めいしょう変更へんこうされている。
  6. ^ おおきな相違そういひとつに、ファイルの属性ぞくせいおよびサイズ管理かんり有無うむがある。
  7. ^ 北原きたはら, 拓也たくや (1983). CP/M-86入門にゅうもん その機能きのう仕組しくみ・使つかかた. p. 149