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タヌキ - Wikipedia

タヌキ

食肉しょくにくイヌ動物どうぶつ

タヌキたぬきNyctereutes procyonoides)は、哺乳ほにゅうつな食肉しょくにくイヌタヌキぞく分類ぶんるいされる食肉しょくにくるい、あるいはタヌキぞくNyctereutes分類ぶんるいされる現生げんなましゅ総称そうしょう現生げんなましゅは1しゅのみとされていたが、遺伝子いでんし解析かいせき結果けっかにより大陸たいりくさんN. procyonoides日本にっぽんさんN. viverrinusの2しゅけるというせつされている[7][8]以下いか説明せつめいは、広義こうぎのタヌキ(大陸たいりく日本にっぽん列島れっとうさんふくむ)についてあつかう。

タヌキ
タヌキ
タヌキ Nyctereutes procyonoides
保全ほぜんじょうきょう評価ひょうか[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類ぶんるい
ドメイン : かく生物せいぶつ Eukaryota
さかい : 動物界どうぶつかい Animalia
もん : 脊索せきさく動物どうぶつもん Chordata
もん : 脊椎動物せきついどうぶつもん Vertebrata
つな : 哺乳ほにゅうつな Mammalia
: 食肉しょくにく Carnivora
: イヌ Canidae
ぞく : タヌキぞく Nyctereutes
Temminck1838[2][3]
たね : タヌキ N. procyonoides広義こうぎ
学名がくめい
Nyctereutes procyonoides (Gray1834)[2][3][4]
シノニム[2]
  • Canis procyonoides Gray, 1834
  • Canis viverrinus Temminck, 1838
  • Nyctereutes albus Hornaday, 1904
  • Nyctereutes sinensis Brass, 1904
  • Nyctereutes amurensis Matschie, 1907
  • Nyctereutes stegmanni Matschie, 1907
和名わみょう
タヌキ[4]
英名えいめい
Common raccoon dog[5]
Raccoon dog広義こうぎ[2][3][4][6]
分布図
あお:自然しぜん分布ぶんぷ (N. viverrinusをふくむ)、あか:移入いにゅう

元来がんらい極東きょくとうにのみ生息せいそくする世界せかいてきればめずらしい動物どうぶつ[9]朝鮮半島ちょうせんはんとう中国ちゅうごくロシア東部とうぶなどに分布ぶんぷしていた。

現在げんざい生息せいそくいきは、ロシアウスリー地方ちほう)、朝鮮半島ちょうせんはんとう中国ちゅうごくモンゴルこくベトナム[1]ヨーロッパ各国かっこくウクライナエストニアオーストリアオランダカザフスタンスイススウェーデンスロバキアスロベニアセルビアチェコ共和きょうわこくドイツデンマークノルウェーハンガリーフィンランドフランスブルガリアベラルーシベルギーポーランドボスニア・ヘルツェゴビナマケドニア共和国まけどにあきょうわこくモルドバきゅうユーゴスラビアラトビアリトアニアルーマニア、ロシア(ヨーロッパロシア))[1]後述こうじゅつするように日本にっぽん個体こたいぐん独立どくりつしゅとすることもある[8]

しき標本ひょうほん産地さんち基準きじゅん産地さんち・タイプ産地さんちしき産地さんち)は不明ふめいとされるが、広東かんとんしょう中国ちゅうごく南部なんぶ)とするせつもある[2]1928ねん毛皮けがわ目的もくてききゅうソビエト連邦れんぽう移入いにゅうされ、1955ねんにはポーランドやきゅうドイツ民主みんしゅ共和きょうわこくまで、そのさらにきたヨーロッパ西にしヨーロッパへも分布ぶんぷ拡大かくだいしている[4]

上記じょうきのように1928ねん毛皮けがわをとる目的もくてきソ連それんげん・ロシア)に移入いにゅうされたビンエツタヌキが野生やせいし、ポーランド、ひがしドイツ当時とうじ)をて、現在げんざいフィンランドやドイツにも生息せいそくしている。1990年代ねんだいころからフランスやイタリアでも目撃もくげきれいがあり、分布ぶんぷ確実かくじつひろげている[10]。ヨーロッパの外来がいらいしゅについては、カリーニンタヌキ N. p. kalininensis Sorokin, 1958亜種あしゅめいあたえられているが、後述こうじゅつ分類ぶんるいのとおりビンエツタヌキのシノニムとみなされている。

形態けいたい

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あたまどうちょう体長たいちょう)50 - 68センチメートル[6][11][12]尾長おなが12.5 - 25センチメートル[4][11]体重たいじゅう4 - 6キログラム[6][11]秋季しゅうきには体重たいじゅう6 - 10キログラムにたっすることもある[4]冬場ふゆばけてのタヌキは長短ちょうたん密生みっせいした体毛たいもうで、ずんぐりとしたからだつきにえるが、かけよりはあしながく、もうがなければかおつきもいぬている。そのため、まれたばかりでみじか幼少ようしょうは、いぬ子供こども間違まちがわれてひろわれてわれることもある。

からだしょく全体ぜんたいてきにははい褐色かっしょくあるいは茶褐色ちゃかっしょくで、まわりやあしさきみみえんくろく、部分ぶぶんてきしろじる個体こたいおおいが、まれに全身ぜんしんしろしろ変種へんしゅ存在そんざいするし、全身ぜんしんくろ個体こたい存在そんざいしたという記録きろくもある[13][14]など、個体こたいおおきい。ようじゅうかたから前足まえあしにかけてちゃ体毛たいもうおおわれており、有効ゆうこう保護ほごしょくとなっているが、成熟せいじゅくすると目立めだたなくなる。陰嚢ふぐりは、ぞくに「たぬき金玉きんぎょくはちじょうき」とわれるが、それほどおおきいわけではない。

食肉しょくにく共通きょうつう先祖せんぞ森林しんりんじょう生活せいかつおくっていたが、そのなかから獲物えものもとめて森林しんりんから草原そうげん活動かつどううつし、追跡ついせきがた形態けいたい生態せいたいにつけていったのが、イヌのグループである。タヌキは湿地しっち森林しんりんでの生活せいかつ適応てきおうしたイヌの仲間なかまであり、追跡ついせきがた肉食にくしょくじゅうくらべて水辺みずべ生活せいかつにもてきした体型たいけいである[よう出典しゅってん]どう長短ちょうたんあし体形たいけいなど、原始げんしてきなイヌ動物どうぶつ特徴とくちょうをよくのこしている。

分類ぶんるい

編集へんしゅう
 
もう一種いっしゅせつとされるN. viverrinusこと、ホンドタヌキ

学名がくめいNyctereutes procyonoides日本語にほんご表記ひょうきれいとしてはニュクテレウテス・プロキオニデス[15]、ニクテレウテス・プロキオノイデス[16][17]などがある。

以下いか日本にっぽん個体こたいぐんのぞ亜種あしゅ分類ぶんるいは、Ward & Wurstar-Hill (1990)・MSW3 (Wozencraft, 2005) にしたがう。これらの分類ぶんるいでは日本にっぽん個体こたいぐんふくめている。和名わみょう英名えいめい今泉いまいずみ (1993) にしたが[18]

Nyctereutes procyonoides procyonoides (Gray, 1834) タイリクタヌキ(ビンエツタヌキ)
染色せんしょくたいすうは2n=54+B[2]
N. p. kalininensisN. p. sinensisN. p. stegmanniはシノニムとされる[3]
Nyctereutes procyonoides koreensis Mori, 1922 コウライタヌキ Korean raccoon dog
タイプ産地さんちソウル近郊きんこう政府せいふ[2]大韓民国だいかんみんこく)。
Nyctereutes procyonoides orestes Thomas, 1923 ウンナンタヌキ Yunnan raccoon dog
タイプ産地さんち雲南うんなんしょう[2]中国ちゅうごく南部なんぶ)。
Nyctereutes procyonoides ussuriensis Matschie, 1907 ウスリータヌキ Ussuri raccoon dog
タイプ産地さんちウスリーがわ河口かこう[2]
N. p. amurensis はシノニムとされる[2]

日本にっぽん個体こたいぐんほんしゅの1亜種あしゅニホンタヌキN. p. viverrinusとするせつ[2][3]北海道ほっかいどうさんエゾタヌキN. p. albusとするせつもあった[4][11][19]。エゾタヌキはホンドタヌキN. p. viverrinusよりややながく、四肢ししもややながめである[4]

2015ねん大陸たいりくさんくらべて頭骨とうこつながいこと・染色せんしょくたいすうから日本にっぽんさん個体こたいぐん独立どくりつしゅN. viverrinusとするせつ提唱ていしょうされている。このせつでは下位かい分類ぶんるいとして亜種あしゅN. v. albusみとめている[8]。このせつしたがうとタヌキぞくしきしゅN. viverrinus となる[3]研究けんきゅう論文ろんぶんではないが、日高ひだか敏隆としたかの『ぼくの世界せかい博物はくぶつ[20]には、フィンランドで毛皮けがわよう養殖ようしょくされているシベリアからたタヌキと、日本にっぽんのホンドタヌキのわせがうまくっておらず、その原因げんいんを「日本にっぽんタヌキとシベリアタヌキ染色せんしょくたいかずすこちがう」からだとべられている。

以下いか日本にっぽん個体こたいぐん分類ぶんるいは、Kim et al. (2015) にしたが[8]学名がくめい著者ちょしゃはWard & Wurstar-Hill (1990) にしたがって補足ほそくした[2]

Nyctereutes viverrinus viverrinus (Temmink, 1838) ホンドタヌキ
本州ほんしゅう四国しこく九州きゅうしゅう[8]。タイプ産地さんち本州ほんしゅうかんがえられている[21]
染色せんしょくたいすうは2n=38+B[2]
Nyctereutes viverrinus albus Hornaday, 1904 エゾタヌキ
北海道ほっかいどう[8]。タイプ産地さんち購入こうにゅうである長崎ながさき捕獲ほかくとされる北海道ほっかいどうとするせつもあるが、記載きさい論文ろんぶんでは正確せいかくしめされておらず不明ふめいとされ、ニューヨークで飼育しいくされていた毛皮けがわしろ個体こたい(タイプ標本ひょうほん)の所在しょざい確認かくにんされていない[21]
染色せんしょくたいすう本州ほんしゅう以南いなん個体こたいぐん同様どうように2n=38+B[22]

生態せいたい

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森林しんりんのほか、農業のうぎょう地帯ちたい都市としにも生息せいそくする[23]みずうみなどの水辺みずべで、下生したばえのふか環境かんきょうこの[2][4]シベリアれいでは河川かせんちいさいみずうみ周辺しゅうへんにある沼地ぬまち草原そうげんやぶ広葉樹こうようじゅりんなどをこのみ、タイガける[2]夜行やこうせいだが、人間にんげん影響えいきょうがない環境かんきょうでは昼間ひるまでも活動かつどうする[4]ぞくめいNyctereutesは、古代こだいギリシャで「よる」のがあるnyctosと「さがす」のがあるereunaに由来ゆらいする[2]交尾こうび時期じきから子育こそだてをえるまでのあいだは、ペアを形成けいせいして行動こうどうする[19]

行動こうどうけん地域ちいきぶしなどによって非常ひじょう変異へんいおおきい[2]あな自分じぶんらず[19]自然しぜんひらいたあなアナグマるいキツネるいあな利用りようし、わら廃屋はいおくなどの人工じんこうぶつ利用りようすることもある[4]

ほんしゅには複数ふくすう個体こたい特定とくてい場所ばしょくそをする「ためくそ(ふん)」という習性しゅうせいがある[24]。1とうのタヌキの行動こうどう範囲はんいなかには、やく10かしょのためくそじょうがあり、1ばんえさじょう巡回じゅんかいで、そのうちの2、3かしょ使つかう。ためくそじょうには、おおきいところになると、直径ちょっけい50cm、たかさ20cmものくそもっているという。ためくそは、そのにおいによって、地域ちいき個体こたい同士どうし情報じょうほう交換こうかん役立やくだっているとおもわれる。

んだふり、たふりをするという意味いみの「たぬき寝入ねいり」は、猟師りょうし猟銃りょうじゅうったとき、その銃声じゅうせい刺激しげきとなってタヌキは「なずらえ」の状態じょうたいはいり、猟師りょうし獲物えものをしとめたとおもってろうと油断ゆだんすると、そのあいだなずらえけて状況じょうきょうあらわ[11]同様どうよう習性しゅうせいつことから、なずらえ表現ひょうげんとして英語えいごけんでは fox sleep(キツネ寝入ねいり)、それよりさらに一般いっぱんてきなものとして playing possumポッサムのまねをする)といういまわしがある[25]。「タヌキ」という言葉ことばは、この「たぬき寝入ねいり」を「タマヌキ(たましいけた状態じょうたい)」とんだのが語源ごげんであるというせつがある[26]

なが剛毛ごうもう密生みっせいしたやわらわせで、湿地しっちしげみのなか自由じゆう行動こうどうでき、水生すいせい昆虫こんちゅう魚介ぎょかいるいなど水生すいせい動物どうぶつ捕食ほしょくする。あしゆびあいだ皮膜ひまくは、どろ歩行ほこう遊泳ゆうえいなど水辺みずべでの活動かつどう容易よういにする。

温暖おんだん地域ちいき生息せいそくする個体こたい冬眠とうみん習性しゅうせいはないが、あきになるとふゆそなえて脂肪しぼうたくわえ、体重たいじゅうを50%ほども増加ぞうかさせる。積雪せきせつおお寒冷かんれいでは、冬期とうきあなごもりする[27]ことがおおい。タヌキのずんぐりしたイメージは、ふゆながうえによる部分ぶぶんおおきく、なつのタヌキは意外いがいにスリムである。

しょくせい雑食ざっしょくで、かじるい鳥類ちょうるいやそのたまご両生類りょうせいるい魚類ぎょるい昆虫こんちゅうあしるい甲殻こうかくるい軟体動物なんたいどうぶつ動物どうぶつ死骸しがい植物しょくぶつ果実かじつけんはて漿果しょうか種子しゅし)などをべる[2][4]。ヒトには悪臭あくしゅうとされるイチョウ種子しゅし(ギンナン)もこのんでしょくする[23]。イヌ動物どうぶつとしてはめずらしく、あまり上手うまくないがのぼ習性しゅうせいがあり、のぼってカキやビワ果実かじつべたりする。人家じんかちかくで残飯ざんぱんあさったりすることもある[4]捕食ほしょくしゃオオカミイヌオオヤマネコクズリイヌワシオオワシワシミミズクなどがげられる[2]

繁殖はんしょく様式ようしき胎生たいせい発情はつじょうは1 - 3がつ[2][4]。1とうのメスへ3 - 4とうのオスがあつまり、ペアが形成けいせいされると周囲しゅういたがいに尿にょうをかけてにおいをつける[4]陰茎いんけいがメスのちつない膨張ぼうちょうして射精しゃせいするまでけなくなり、しりわせのような姿勢しせい交尾こうび交尾こうび結合けつごう、タイ)をおこな[4]妊娠にんしん期間きかんは59 - 64にち[2][4]。5 - 7とうようじゅうむが、最大さいだい19とうようじゅうんだれいもある[2][4]授乳期じゅにゅうきあいだは1かげつはんから2かげつ[4]生後せいご9 - 11かげつせい成熟せいじゅくするが、繁殖はんしょく開始かいしするのは生後せいご2 - 3ねん以降いこうおお[4]

人間にんげんとの関係かんけい

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漢字かんじ呼称こしょう

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たぬき(貍)」の漢字かんじ中国ちゅうごくではヤマネコひとし中心ちゅうしんとした中型ちゅうがた哺乳類ほにゅうるいあらわした[28]中国ちゅうごくで1596ねん発刊はっかんされたちんちょ本草ほんぞう綱目こうもく』ではジャコウネコ仲間なかまを「貍」とあらわしているとかんがえられている[29]現代げんだい中国ちゅうごくでは「貛(Huan)」はアナグマるい、「むじな(He)」がタヌキ、「たぬき(Li)」がジャコウネコ一般いっぱんあらわしている[29]

英語えいごではタヌキのことを raccoon dog(ラクーンドッグ。アライグマ(raccoon)のようなイヌ意味いみ)という[28]。ヨーロッパでもアナグマ(Meles)と混同こんどうされることがおお[28]

毛皮けがわ上質じょうしつなため、中国ちゅうごくやロシアでは産業さんぎょうてき人工じんこう飼育しいくおこなわれている。日本にっぽんでもかつては防寒ぼうかん材料ざいりょうとするため養殖ようしょくされた時期じきがあった[30]

食用しょくよう

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中国ちゅうごくにおける食用しょくよう

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中国ちゅうごくでは、「あじ」(げてもの料理りょうり)もしくはくすりぜんひとつとして、タヌキ(むじな拼音: )が現在げんざい一部いちぶ食用しょくようにされている。中国ちゅうごくでは、古来こらいヤギにくいぬにくなど、くさみのあるにく処理しょり方法ほうほう研究けんきゅうされており、タヌキにくは、長時間ちょうじかんみずにつけてきをすること、ニンニクネギトウシキミ八角はっかく)、クミン唐辛子とうがらしひしおなどを使つかってくさみをかくすこと、煮込にこんでやわらかくすること、あついままべるのではなく、ひやさいとしてべることがこつであるとされる。おも毛皮けがわ目的もくてき養殖ようしょくされたもののにく内臓ないぞう利用りようされるが、河北かほくしょうには、煮付につけにしたにくレトルト食品しょくひんとして販売はんばいしている会社かいしゃもある。

服飾ふくしょく
防寒ぼうかんのために乱獲らんかくされ、一時いちじ場所ばしょによって絶滅ぜつめつ懸念けねんされた[31]。タヌキの毛皮けがわは、防寒ぼうかん最適さいてきであるとして珍重ちんちょうされる[12][24]英語えいごでは「murmansky」とばれ、一般いっぱんてきにシルキーなちいさなたぬきかわ上質じょうしつとされる。アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは人造じんぞう毛皮けがわであるフェイクファーいつわり、本物ほんものたぬき毛皮けがわなん使用しようされては問題もんだいになっている[32][33][34][35][36]

タヌキのふで材料ざいりょうとして珍重ちんちょうされる[11][12][24]。この場合ばあい、タヌキぞくにラクーンとばれている(ラクーンという単語たんご自体じたいアライグマ英名えいめいでもある)。ブラシなどのブラシにも使つかわれる[37]

これら毛皮けがわ目的もくてき狩猟しゅりょうすることからてんじて、まだ目的もくてきたっしていない段階だんかい目的もくてきのものがはいってない段階だんかいであれこれと計画けいかくてることを「らぬたぬき皮算用かわざんよう」とぶ。

人間にんげんかす能力のうりょく妖怪ようかいとしてタヌキをあつか文化ぶんか日本にっぽんではひろ定着ていちゃくしており(たぬき)、現代げんだいでもずるいことをするひとなどを「たぬき」とったりする。タヌキにかんするフィクション作品さくひん人間にんげんかすこと以外いがいのことも題材だいざいとされることがおおく、多数たすう存在そんざいする。

アライグマ混同こんどうされ、しま模様もよう尻尾しっぽえがかれること時折ときおりある(本物ほんもののタヌキの尻尾しっぽしま模様もようく、さきくろくなっている)。

関連かんれん作品さくひん

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タヌキの生物せいぶつ

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タヌキの生物せいぶつとく植物しょくぶつはいくつかある。タヌキの特徴とくちょう(フサフサしたやずんぐりとまるみをびたかたちなど)にちなむ場合ばあいもあるが、あやしげな印象いんしょうからタヌキにむすびつけられる場合ばあいおおい。

動物どうぶつ
植物しょくぶつ
菌類きんるい

脚注きゃくちゅう

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出典しゅってん

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参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん資料しりょう

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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