出で久根くね達郎たつお

出で久根くね達郎たつお（でくねたつろう、1944年ねん 3月31日にち - ）は日本にっぽんの小説しょうせつ家か、随筆ずいひつ家か^[1]｡茨城いばらき県けん行方ゆくえ郡ぐん北浦きたうら町まち（現げん：行方ゆくえ市し）生うまれ。

人物じんぶつ

中学ちゅうがく卒業そつぎょう後ご集団しゅうだん就職しゅうしょくで上京じょうきょうし、月島つきしま西仲にしなか通どおり商店しょうてん街がいの古書こしょ店てん(文雅ぶんが堂どう書店しょてん)に勤つとめる。1973年ねん独立どくりつし、杉並すぎなみ区くで古書こしょ店てん「芳かおる雅まさ堂どう」を営いとなむ^[1]。そのかたわらで作家さっかデビュー。1990年ねん「無明むみょうの蝶ちょう」「猫ねこじゃ猫ねこじゃ」「四よん人にんめ」「とろろ」で直木賞なおきしょう候補こうほ。1992年ねんに『本ほんのお口くちよごしですが』で講談社こうだんしゃエッセイ賞しょう。1993年ねんに『佃つくだ島とうふたり書房しょぼう』で第だい108回かい直木賞なおきしょう。2004年ねんに『昔むかしをたずねて今いまを知しる読売新聞よみうりしんぶんで読よむ明治めいじ』で第だい17回かい大衆たいしゅう文学ぶんがく研究けんきゅう賞しょう特別とくべつ賞しょう。読売新聞よみうりしんぶん「人生じんせい案内あんない」の回答かいとう者しゃの一人ひとりである（2023年ねん4月がつで引退いんたい^[2]）。 2015年ねん、『短篇たんぺん集しゅう　半分はんぶんコ』で芸術げいじゅつ選奨せんしょう文部もんぶ科学かがく大臣だいじん賞しょう受賞じゅしょう^[3]。2016年ねんから2020年ねんまで、日本にっぽん文藝ぶんげい家か協会きょうかい理事りじ長ちょう。

著書ちょしょ

『古本ふるもと綺あやぎぬ譚たん』新泉しんいずみ社しゃ　1985　のち中公ちゅうこう文庫ぶんこ、平凡社へいぼんしゃライブラリー
『古書こしょ彷徨ほうこう』新泉しんいずみ社しゃ　1987　のち中ちゅう公文こうぶん庫こ　
『猫ねこの縁談えんだん』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1989　のち文庫ぶんこ
『古書こしょ法楽ほうらく』新泉しんいずみ社しゃ　1990　のち中ちゅう公文こうぶん庫こ　
『無明むみょうの蝶ちょう』講談社こうだんしゃ　1990　のち文庫ぶんこ「猫ねこじゃ猫ねこじゃ」他た収録しゅうろく
『本ほんのお口くちよごしですが』講談社こうだんしゃ　1991　のち文庫ぶんこ　
『漱石そうせきを売うる』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1992　のち文庫ぶんこ　
『佃つくだ島とうふたり書房しょぼう』講談社こうだんしゃ　1992　のち文庫ぶんこ　
『あったとさ』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1993　のち文庫ぶんこ
『人ひとさまの迷惑めいわく』講談社こうだんしゃ　1993　のち文庫ぶんこ　
『むほん物語ものがたり』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1993　のち文庫ぶんこ
『あなたのお耳みみに』講談社こうだんしゃ　1994　「踊おどるひと」文庫ぶんこ　
『落おとし宿やど』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1994
『思おもい出でそっくり』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1994　のち文庫ぶんこ　
『四よん十じゅうきょろきょろ』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1995　のち文庫ぶんこ
『面めん一本いっぽん』講談社こうだんしゃ　1995　のち文庫ぶんこ　
『笑わらい絵え』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1995　のち文庫ぶんこ
『朝あさ茶ちゃと一いち冊さつ』リブリオ出版しゅっぱん　1996　のち文春ぶんしゅん文庫ぶんこ
『お楽たのしみ』新潮社しんちょうしゃ　1996
『たとえばの楽たのしみ』講談社こうだんしゃ　1996　のち文庫ぶんこ
『波なみのり舟ぶねの佃つくだ島とう渡波わたのは風ふう秘ひ帖じょう』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1996　のち文庫ぶんこ
『逢あわばや見みばや』講談社こうだんしゃ　1997　のち文庫ぶんこ
『恋文こいぶみの香かおり』文芸春秋ぶんげいしゅんじゅう　1997
『残のこりのひとくち』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1997
『粋いきで野暮天やぼてん』リブリオ出版しゅっぱん　1998　のち文春ぶんしゅん文庫ぶんこ
『いつのまにやら本ほんの虫むし』講談社こうだんしゃ　1998　のち文庫ぶんこ
『えじゃないか』中央公論社ちゅうおうこうろんしゃ　1998　のち文庫ぶんこ　
『おんな飛脚びきゃく人じん』講談社こうだんしゃ　1998　のち文庫ぶんこ
『猫ねこの似にづら絵師えし』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1998
『花はなゆらゆら』佐野さの有子ゆうこ画が　筑摩書房ちくましょぼう　1998　のち文庫ぶんこ
『みんな一等いっとう』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ　1998
『御ご書物しょもつ同心どうしん日記にっき』講談社こうだんしゃ　1999　のち文庫ぶんこ
『仕合しあわせまんまる』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ　1999
『死しにたもう母はは』新潮社しんちょうしゃ　1999　のち角川かどかわ文庫ぶんこ
『書棚しょだなの隅すみっこ』リブリオ出版しゅっぱん　1999　「人ひとは地上ちじょうにあり」文春ぶんしゅん文庫ぶんこ
『倫敦ろんどん赤あか毛布もうふ見物けんぶつ』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　1999
『犬いぬ大将たいしょうビッキ』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ　2000　のち文庫ぶんこ
『風ふうがページをめくると』リブリオ出版しゅっぱん　2000　のちちくま文庫ぶんこ
『紙かみの爆ばく弾だん』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　2000
『漱石そうせき先生せんせいとスポーツ』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ　2000
『昔むかしの部屋へや』筑摩書房ちくましょぼう　2000
『土龍むぐらもち』講談社こうだんしゃ　2000　のち文庫ぶんこ
『犬いぬと歩あるけば』新潮社しんちょうしゃ　2001　のち角川かどかわ文庫ぶんこ
『いの一番いちばん』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ　2001
『俥宿』潮出版社うしおしゅっぱんしゃ　2001　のち講談社こうだんしゃ文庫ぶんこ
『書物しょもつの森もりの狩人かりゅうど』角川かどかわ選書せんしょ 2001
『猫ねこにマタタビの旅たび』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　2001
『秘ひ画が御ご書物しょもつ同心どうしん日記にっき』講談社こうだんしゃ　2001　「続ぞく・御ご書物しょもつ同心どうしん日記にっき」文庫ぶんこ
『百ひゃく貌百ひゃく言こと』文春ぶんしゅん新書しんしょ　2001
『本ほんの背中せなか本ほんの顔かお』講談社こうだんしゃ　2001　のち河出かわで文庫ぶんこ　
『嘘うそも隠かくしも』富士見書房ふじみしょぼう　2002
『二十歳はたちのあとさき』講談社こうだんしゃ　2002　のち文庫ぶんこ
『虫むし姫ひめ御ご書物しょもつ同心どうしん日記にっき』講談社こうだんしゃ　2002　のち文庫ぶんこ
『立志りっしふたたび』新潮社しんちょうしゃ　2002
『安政あんせい大変たいへん』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　2003　のち文庫ぶんこ
『今いま読よめない読よみたい本ほん』ポプラ社ぽぷらしゃ　2003
『出で久根くね達たち郎ろうの人生じんせい案内あんない』中公新書ちゅうこうしんしょラクレ 2003
『古本ふるもと夜話やわ』ちくま文庫ぶんこ 2003
『昔むかしをたずねて今いまを知しる読売新聞よみうりしんぶんで読よむ明治めいじ』中央公論ちゅうおうこうろん新しん社しゃ　2003　のち文庫ぶんこ
『行蔵こうぞうは我がにあり出頭しゅっとうの102人にん』文春ぶんしゅん新書しんしょ　2004
『猫ねこも杓子しゃくしも猫ねこかぶり』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　2004
『古本ふるほん・貸本かしほん・気きになる本ほん』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2004
『世直よなおし大明神だいみょうじんおんな飛脚びきゃく人じん』講談社こうだんしゃ　2004　のち文庫ぶんこ
『あらいざらい本ほんの話はなし』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2005
『かわうその祭まつり』朝日新聞社あさひしんぶんしゃ　2005　のち角川かどかわ文庫ぶんこ
『最後さいごの恋文こいぶみ随筆ずいひつ』三月書房さんがつしょぼう　2005
『下々しもじものご意見いけん二ふたつの日常にちじょうがある』清流せいりゅう出版しゅっぱん　2005
『まかふしぎ・猫ねこの犬いぬ』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2005
『養生ようじょうのお手本てほんあの人ひとこのかた72例れい』清流せいりゅう出版しゅっぱん　2005
『逢あわばや見みばや完結かんけつ編へん』講談社こうだんしゃ　2006　のち文庫ぶんこ
『隅すみっこの「昭和しょうわ」モノが語かたるあの頃ころ』角川かどかわ学芸がくげい出版しゅっぱん 2006　のち草ぐさ思おもえ社しゃ文庫ぶんこ　
『本ほんを旅たびする』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2006
『本ほんの気きつけ薬やく』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2006
『ぐらり!大江戸おおえど烈震れっしん録ろく』実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ　2007　「大江戸おおえどぐらり安政あんせい大だい地震じしん人情にんじょうばなし」文庫ぶんこ　
『作家さっかの値段ねだん』講談社こうだんしゃ　2007　のち文庫ぶんこ
『セピア色しょくの言葉ことば辞典じてん』2007　文春ぶんしゅん文庫ぶんこ
『萩はぎのしずく』文藝春秋ぶんげいしゅんじゅう　2007
『抜ぬけ参まいり薬草やくそう旅たび』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2008
『古本ふるほん供養くよう』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2008
『御ご留山とめやま騒乱そうらん』実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ　2009　「将軍家しょうぐんけの秘宝ひほう献上けんじょう道中どうちゅう騒動そうどう記き」文庫ぶんこ
『春本しゅんぽんを愉たのしむ』新潮しんちょう選書せんしょ 2009
『ときどきメタボの食くいしん坊ぼう』清流せいりゅう出版しゅっぱん　2009
『夢ゆめは書物しょもつにあり』平凡社へいぼんしゃ　2009
『乙女おとめシジミの味あじ』新しん人物じんぶつ文庫ぶんこ 2010
『作家さっかの値段ねだん『新しん宝島たからじま』の夢ゆめ』講談社こうだんしゃ　2010
『新しん懐旧かいきゅう国語こくご辞典じてん』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2010
『東京とうきょう歳時記さいじき今いまが一番いちばんいい時とき』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2011
『日本人にっぽんじんの美風びふう』2011　新潮しんちょう新書しんしょ
『古本屋ふるほんや歳時記さいじき俳句はいくつれづれ草くさ』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2011
『一いち日にち一言ひとこと366日にち日ひめくり歴史れきし名言めいげん集しゅう』河出書房新社かわでしょぼうしんしゃ　2012
『人生じんせいの達人たつじん　いい「大人おとな」のための人物じんぶつ伝でん』中公新書ちゅうこうしんしょラクレ、2012
『西瓜すいかチャーハン』潮出版社うしおしゅっぱんしゃ 2013
『隅すみっこの四季しき』岩波書店いわなみしょてん 2013
『七ななつの顔かおの漱石そうせき』晶文社しょうぶんしゃ 2013
『名言めいげんがいっぱいあなたを元気げんきにする56の言葉ことば』清流せいりゅう出版しゅっぱん 2013
『雑誌ざっし倶楽部くらぶ』実業之日本社じつぎょうのにほんしゃ 2014
『本ほんがあって猫ねこがいる』晶文社しょうぶんしゃ 2014
『本ほんと暮くらせば』草くさ思おもえ社しゃ 2014、草くさ思おもえ社しゃ文庫ぶんこ 2018
『短篇たんぺん集しゅう　半分はんぶんコ』三月書房さんがつしょぼう、2014
『赤あかい糸いと短篇たんぺん集しゅう』三さん月がつ書房しょぼう 2015
『人生じんせい案内あんない出で久根くね達たち郎ろうが答こたえる366の悩なやみ』読売新聞よみうりしんぶん東京とうきょう本社ほんしゃ共著きょうちょ白水しろみず社しゃ 2015
『幕末ばくまつ明治めいじ異い能のうの日本人にっぽんじん』草くさ思おもえ社しゃ 2015、「幕末ばくまつ明治めいじ鬼才きさい列伝れつでん」草くさ思おもえ社しゃ文庫ぶんこ 2023
『万骨ばんこつ伝でん饅頭まんじゅう本ほんで読よむあの人ひとこの人ひと』ちくま文庫ぶんこ 2015
『謎なぞの女おんな幽かそけ蘭らん古本屋ふるほんや「芳かおる雅まさ堂どう」の探索たんさく帳ちょうより』筑摩書房ちくましょぼう 2016
『桜さくら奉行ぶぎょう幕末ばくまつ奈良ならを再生さいせいした男おとこ・川路かわじ聖謨としあきら』図書としょ出版しゅっぱん養やしなえ徳とく社しゃ 2016
『庭にわに一本いっぽんなつめの金きむちゃん』三さん月がつ書房しょぼう 2016
『漱石そうせきセンセと私わたし』潮出版社うしおしゅっぱんしゃ 2018
『花はなのなごり　－奈良なら奉行ぶぎょう・川路かわじ聖謨としあきら－』図書としょ出版しゅっぱん養やしなえ徳とく社しゃ 2021
『出で久根くね達たち郎ろうの古本屋ふるほんや小説しょうせつ集しゅう』ちくま文庫ぶんこ 2023。新編しんぺん再刊さいかん解説かいせつ南みなみ陀楼綾あや繁しげる