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交通反則通告制度 - Wikipedia

交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど

反則はんそくきんから転送てんそう

交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど(こうつうはんそくつうこくせいど)とは、自動車じどうしゃじゅう牽引けんいんしゃふくむ)または原動機げんどうきづけ自転車じてんしゃ運転うんてんちゅう軽微けいび交通こうつう違反いはん(「反則はんそく行為こうい」)につき、反則はんそく行為こうい事実じじつ警察官けいさつかんまたは交通こうつう巡視じゅんしいんによりみとめられたものが、一定いってい期日きじつまでに法律ほうりつさだめる反則はんそくきん納付のうふすることにより、その行為こういにつき公訴こうそ提起ていきされず、また家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱんされないものとする道路どうろ交通こうつうほうだい125じょうからだい132じょうさだめられる制度せいどである。反則はんそくきん制度せいど、あるいは切符きっぷいろからあお切符きっぷ制度せいどともばれる。

交通こうつう反則はんそく告知こくちしょ(いわゆるあおキップ)「反則はんそくきん納付のうふ任意にんい反則はんそくきん納付のうふすること、刑事けいじ手続てつづきにするかの選択せんたくけん裁判さいばんける権利けんり日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい32じょう保障ほしょうされている)は、違反いはんしゃ自身じしんにある。それを明確めいかくにするため、「任意にんい」であると明確めいかく表示ひょうじしてある。

概要がいよう 編集へんしゅう

自動車じどうしゃ交通こうつう増大ぞうだいともない、道路どうろ交通こうつうほう違反いはん事件じけん件数けんすう飛躍ひやくてき増大ぞうだいし、これが検察庁けんさつちょう裁判所さいばんしょ活動かつどういちじるしく圧迫あっぱくするにいたったため、これらの機関きかん負担ふたん軽減けいげんすべく1968ねん昭和しょうわ43ねん)7がつ制度せいど[1]された。類似るいじ制度せいどとして、交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど制定せいていまえから国税こくぜい犯則はんそく取締とりしまりほう[ちゅう 1]関税かんぜいほう地方ちほう税法ぜいほうもとづく通告つうこく処分しょぶん制度せいど存在そんざいしている。

軽微けいび交通こうつう違反いはんしゃたいして、すべて刑事けいじ訴訟そしょうほうもとづく刑事けいじ手続てつづき(または少年しょうねん保護ほご手続てつづき)をおこなうことは、現実げんじつてき検察けんさつ裁判所さいばんしょがわ処理しょり能力のうりょく圧迫あっぱくする。また、軽微けいび違反いはんですべて正式せいしき刑事けいじ手続てつづきによる処分しょぶんすことがほうしゅ目的もくてきではない。 そこで、行政ぎょうせいじょう観点かんてん抑止よくし効果こうかによる交通こうつう違反いはん減少げんしょう)から、軽微けいび違反いはんについては、刑事けいじ訴訟そしょうほうもとづく刑事けいじ手続てつづきをとるまえに、この交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどによって行政ぎょうせい処分しょぶんすこととし、当該とうがい処分しょぶんを(みずか選択せんたくして)けたものについては、その反則はんそく行為こういにつき刑事けいじ手続てつづき少年しょうねん保護ほご手続てつづきけることのないようにしたものである。当初とうしょ少年しょうねんには適用てきようされないさだめだったが、1970ねんの「道路どうろ交通こうつうほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ(昭和しょうわ45ねん法律ほうりつだい86ごう)」で少年しょうねんについても適用てきようがされるとなった。

反則はんそく行為こういについて、後述こうじゅつ適用てきよう除外じょがい該当がいとうする場合ばあいのぞいて、告知こくち通告つうこく手続てつづきがなされないまま、刑事けいじ訴追そついがなされた場合ばあいは、刑事けいじ訴訟そしょうほう338じょう4ごう該当がいとうして判決はんけつによる公訴こうそ棄却ききゃくとなるので、反則はんそく行為こういについて処罰しょばつするためにはかなら告知こくち通告つうこく手続てつづきることが必要ひつようとなる(道路どうろ交通こうつうほうだい130じょう)。

なお、反則はんそくきんおさめたものは、その反則はんそく行為こういたいする通告つうこく処分しょぶんについて、行政ぎょうせい不服ふふく審査しんさほうによる審査しんさ請求せいきゅうをし、また行政ぎょうせい訴訟そしょうあらそうことができなくなる[2]したがって、反則はんそく行為こういについてあらそ場合ばあい反則はんそくきん納付のうふしてはならない。

違反いはん処理しょりなが 編集へんしゅう

告知こくち 編集へんしゅう

警察官けいさつかんまたは交通こうつう巡視じゅんしいんは、反則はんそくしゃ反則はんそく行為こういおこなったもの)があるとみとめるときは、そのものたいし、通常つうじょう現場げんばにおいて、交通こうつう反則はんそく告知こくちしょにより反則はんそく行為こうい告知こくちおこなう。ただし、交通こうつう巡視じゅんしいんは、駐車ちゅうしゃおよび停車ていしゃかんする反則はんそく行為こういについてのみ同様どうよう告知こくちをする。駐車ちゅうしゃ監視かんしいん車両しゃりょうひとっていない放置ほうち駐車ちゅうしゃ違反いはん確認かくにん業務ぎょうむのみをおこなうため、駐車ちゅうしゃ違反いはんについても反則はんそく行為こうい告知こくちはできない。なお、告知こくちしょには反則はんそくきんかり納付のうふのための書類しょるい付属ふぞくしている。

交通こうつう反則はんそく告知こくちしょとは、交通こうつう反則はんそく事件じけん処理しょりするために使用しようされる書式しょしきのこと。交通こうつう切符きっぷともばれる。あおかみ書式しょしき印刷いんさつされている、いわゆる「あお切符きっぷ」。交通こうつう反則はんそく告知こくちしょ交通こうつう反則はんそく通告つうこくしょとういちくみじられており、告知こくちまたは通告つうこくさい使用しようされる。

なお、反則はんそく行為こうい該当がいとうしない道路どうろ交通こうつうほう違反いはん反則はんそく行為こうい、およびじゅう牽引けんいんしゃのぞけい車両しゃりょう自転車じてんしゃひとし)の運転うんてんしゃまたは歩行ほこうしゃによる違反いはん行為こうい全般ぜんぱん)については、交通こうつう切符きっぷあかかみ書式しょしき印刷いんさつされている、いわゆる赤切符あかぎっぷ告知こくちひょう)が交付こうふされる場合ばあいがある。

交通こうつう切符きっぷには、警察けいさつおよび簡易かんい裁判所さいばんしょとうへの出頭しゅっとうかんする情報じょうほう記載きさいされている。このあお切符きっぷ赤切符あかぎっぷ代表だいひょうてきちがいとして、前科ぜんかくかかないかのちがいがげられる[出典しゅってん無効むこう]道路どうろ交通こうつうほうだい125じょう)。なお、けい車両しゃりょう歩行ほこうしゃ全般ぜんぱん赤切符あかぎっぷとなる理由りゆうは、けい車両しゃりょう歩行ほこうしゃ自体じたい反則はんそく制度せいど存在そんざいしないからである。

道路どうろ交通こうつうほう違反いはん事件じけんにおいて、違反いはんしゃ居所きょしょまた氏名しめいあきらかでないとき、また逃亡とうぼうするおそれがあるとき、交通こうつう切符きっぷ受領じゅりょう拒否きょひするとき、違反いはん態様たいよう重大じゅうだいであるとき、その悪質あくしつであると判断はんだんしたときは、逮捕たいほ補導ほどうなどがおこなわれることもある。交通こうつう切符きっぷ交付こうふけて理由りゆう出頭しゅっとう要請ようせいおうじない場合ばあい、また交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどにおける告知こくちまたは通告つうこくけた行為こういについてどう制度せいど適用てきようされない結果けっかとして、刑事けいじ手続てつづき少年しょうねん保護ほご手続てつづき出頭しゅっとう要請ようせいけた場合ばあいにおいて、そのけたのち理由りゆう出頭しゅっとうしない場合ばあいなどで、とく悪質あくしつであると判断はんだんしたとき同様どうようである。

署名しょめい押印おういん 編集へんしゅう

複写ふくしゃしき用紙ようしの2まい署名しょめいらんがあり、そのみぎよこ押印おういんらんがある。印鑑いんかん所持しょじしていない場合ばあいにはゆびしるし押捺おうなつもとめられるが、これらは法令ほうれいもとづく強制きょうせいてきなものではなく任意にんいである。たとえば、反則はんそくしゃ違反いはん納得なっとくできないはらいせなどで署名しょめい拒否きょひするようなこともかんがえられるが、署名しょめい手続てつづきに必要ひつようなものではないため、署名しょめい拒否きょひによって問題もんだい発生はっせいすることはなく、署名しょめい拒否きょひした反則はんそくしゃ交付こうふされた納付のうふしょ反則はんそくきん納付のうふすることができる[3]

かり納付のうふ 編集へんしゅう

警察官けいさつかん交通こうつう巡視じゅんしいんによる告知こくちがあったのち反則はんそくしゃは、違反いはん内容ないよう反則はんそくきんがくについてあらそわない場合ばあいは、そのふくめて8にち以内いない(その翌日よくじつから起算きさんして7にち以内いない)、期間きかん末日まつじつ日曜日にちようび土曜日どようび国民こくみん祝日しゅくじつかんする法律ほうりつ規定きていする休日きゅうじつ年末年始ねんまつねんし(12月31にち - 1がつ3にち)に該当がいとうする場合ばあいには、これらに該当がいとうしなくなるまで(以下いか通告つうこくかか納付のうふ期限きげんについても同様どうよう)に、反則はんそくきんかり納付のうふすることができ、この場合ばあいはその時点じてん手続てつづきがわる。違反いはんについてあらそ場合ばあいは、支払しはらい期限きげんまで反則はんそくきん支払しはらわず放置ほうちすることで、自動的じどうてきつぎ段階だんかいすすむ。

通告つうこく 編集へんしゅう

警視総監けいしそうかんまた道府県どうふけん警察けいさつ本部ほんぶちょうは、警察官けいさつかん交通こうつう巡視じゅんしいんによる告知こくちかか反則はんそく行為こういったことを確認かくにんしたものとして、反則はんそく行為こうい通告つうこくおこなう。通告つうこくは、告知こくちしょにある出頭しゅっとう期日きじつおよ場所ばしょ反則はんそくしゃ出頭しゅっとうしてけることができる。

ただし、ここではかならずしも出頭しゅっとうする必要ひつようはなく、反則はんそくきんかり納付のうふしなかった反則はんそくしゃ出頭しゅっとうして通告つうこくけなかった場合ばあいは、反則はんそくしゃたいして、あらためて通告つうこくしょ反則はんそくきん納付のうふしょ送付そうふすることにより通告つうこくおこなう。この場合ばあい納付のうふしょには、本来ほんらい反則はんそくきん金額きんがくに、通告つうこくしょ送付そうふ費用ひよう上乗うわのせされる[4]送付そうふ一般いっぱん書留かきとめ配達はいたつ証明しょうめいひとしによる。送付そうふによる通告つうこくは、通告つうこくしょ記載きさいされている通告つうこく日付ひづけと、実際じっさい通告つうこくしょ受領じゅりょうしたの、いずれかおそほうになされたものとされる。

なお、反則はんそくきんかり納付のうふがあった場合ばあいには、通告つうこく公示こうじ通告つうこくによるため、出頭しゅっとう不要ふようである。

納付のうふ処理しょり 編集へんしゅう

反則はんそくきんかり納付のうふしなかった反則はんそくしゃは、通告つうこくけたのち反則はんそくきん送付そうふ費用ひようわせたがく納付のうふほん納付のうふ)するか、納付のうふせず期限きげんまで放置ほうちするかをふたた選択せんたくすることになる。

違反いはん内容ないよう反則はんそくきんがくについてあらそうつもりがなく、前述ぜんじゅつ反則はんそくきんかり納付のうふをした場合ばあい、もしくはかり納付のうふをせず、反則はんそく行為こうい通告つうこくけ、そのふくめて11にち以内いないに、反則はんそくきんほん納付のうふをした場合ばあいには、その反則はんそく行為こういにつき刑事けいじ手続てつづき少年しょうねん保護ほご手続てつづきけることがない(公訴こうそ提起ていきされず、また家庭かてい裁判所さいばんしょ審判しんぱんされない)。反則はんそく行為こういをしてから、反則はんそく行為こうい通告つうこくのち反則はんそくきん納付のうふ期限きげんぎるまでの期間きかん同様どうようである。ただし、つぎ適用てきよう除外じょがい場合ばあいのぞく。

反則はんそくきんとは、交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどもとづきされる行政ぎょうせいじょう制裁せいさいきんであり、道路どうろ交通こうつうほう違反いはんしたもののうち、軽微けいび違反いはんである反則はんそく行為こうい該当がいとうすると判断はんだんされたものが、刑事けいじ手続てつづきまぬかれるわりに金銭きんせん国庫こっこ納付のうふする制度せいどである。

日本国にっぽんこく憲法けんぽうだい32じょうさだめられた「裁判さいばんける権利けんり」の観点かんてんから、摘発てきはつけた国民こくみん当該とうがい摘発てきはつ事実じじつについて裁判さいばん手続てつづきなかあらそ方法ほうほう確保かくほしなければならないため、告知こくちしたが反則はんそくきん納付のうふをするかどうかについては、反則はんそくしゃ自身じしん選択せんたくできる。納付のうふおこなえば刑事けいじ手続てつづきには移行いこうしない。任意にんい納付のうふをせず、期限きげんまで放置ほうちすれば自動的じどうてき刑事けいじ手続てつづき移行いこうし、指定してい場所ばしょ出頭しゅっとうして正式せいしき裁判さいばん希望きぼうすることで、違反いはん事実じじつ量刑りょうけいについて裁判さいばんあらそうことができる。

違反いはん処理しょりしにおうじず、再三さいさんにわたる出頭しゅっとう要請ようせい幾度いくどとなく無視むしつづけた長期ちょうき出頭しゅっとうしゃたいしては、逮捕たいほじょう請求せいきゅうされることがある。

制度せいど特徴とくちょう 編集へんしゅう

混同こんどうされやすいが、裁判さいばん結果けっか有罪ゆうざい」と判決はんけつでいいわたされる科料かりょう罰金ばっきんとは、その法的ほうてき性質せいしつことにしている。しかし、通告つうこくおうじない場合ばあい刑事けいじ手続てつづきに移行いこうするというてんでは、行政ぎょうせいじょう秩序ちつじょばつ刑事けいじばつ中間ちゅうかん位置いちしているともえる、きわめて特殊とくしゅ制度せいどである。

交通こうつう反則はんそくしゃ納金のうきん」には、年度ねんどはじめに予算よさんてられ、「内閣ないかく総務そうむしょうおよ財務省ざいむしょう所管しょかん 交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきん勘定かんじょう」によると、平成へいせい23年度ねんどの「予定よていがく」は737おくえん(73,705,163せんえん)である。「交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきんとうかんする政令せいれいだいよんじょう交付こうふきんがく)によると、この特別とくべつ交付こうふきんの「都道府県とどうふけん基準きじゅんがく」「指定してい都市とし基準きじゅんがく」「市町村しちょうそん基準きじゅんがく」の算定さんていしきはそれぞれ分子ぶんしに「当該とうがい都道府県とどうふけんにおける交通こうつう事故じこ発生はっせい件数けんすう」「当該とうがい指定してい都市としにおける交通こうつう事故じこ発生はっせい件数けんすう」「当該とうがい市町村しちょうそんにおける交通こうつう事故じこ発生はっせい件数けんすう」がはいっており[5]事故じこ発生はっせい件数けんすうえるほど交付こうふ金額きんがく増額ぞうがくされ、事故じこるほどに交付こうふ金額きんがく減額げんがくされる算定さんていしきになっている。

内閣ないかく総務そうむしょうおよ財務省ざいむしょう所管しょかん 交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきん勘定かんじょう」の財源ざいげん(=歳入さいにゅう)は「交通こうつう反則はんそくしゃ納金のうきん」であり、支出ししゅつ項目こうもくは「交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきん」である以上いじょう、その両者りょうしゃがほぼ同額どうがくになるよう調整ちょうせいされることは、予算よさん編成へんせいじょう不可避ふかひである。

通告つうこくはあくまで行政ぎょうせいちょう行為こういであることから、これにたいして行政ぎょうせい訴訟そしょう抗告こうこく訴訟そしょう)を提起ていきして、処分しょぶん取消とりけしもとめ、納付のうふした反則はんそくきんもどすことができるかが問題もんだいとなる。このてんについて、判例はんれい最高裁判所さいこうさいばんしょだいいちしょう法廷ほうてい昭和しょうわ57ねん7がつ15にち判決はんけつ)はつぎのように、否定ひていてきべている。

道路どうろ交通こうつうほうは、通告つうこくけたものが、その自由じゆう意思いしにより、通告つうこくかか反則はんそくきん納付のうふし、これによる事案じあん終結しゅうけつえらんだときは、もはや当該とうがい通告つうこく理由りゆうとなった反則はんそく行為こうい不成立ふせいりつとう主張しゅちょうして通告つうこく自体じたい適否てきひあらそい、これにたいする抗告こうこく訴訟そしょうによってその効果こうか覆滅ふくめつはかることはこれをゆるさず、みぎのような主張しゅちょうをしようとするのであれば、反則はんそくきん納付のうふせずのち公訴こうそ提起ていきされたときにこれによって開始かいしされた刑事けいじ手続てつづきなかでこれをあらそい、これについて裁判所さいばんしょ審判しんぱんもとめるえらぶべきであるとしているものとするのが相当そうとうである」

反則はんそくきん納付のうふは、告知こくちしょ記載きさいされた期日きじつまでに、金融きんゆう機関きかん日本銀行にっぽんぎんこうおよびその歳入さいにゅう代理だいりてん歳入さいにゅうふく代理だいりてんふくむ)である市中しちゅう銀行ぎんこう郵便ゆうびんきょく現在げんざいではゆうちょ銀行ぎんこう代理だいりてん資格しかくである)など)をつうじておこな[6]

納付のうふされた反則はんそくきんは、銀行ぎんこう郵便ゆうびんきょくつうじてくにおさめられたのちかく都道府県とどうふけん市町村しちょうそん交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきんとして交付こうふされ、信号しんごう道路どうろ標識ひょうしき横断おうだん歩道橋ほどうきょうなどの交通こうつう安全あんぜん施設しせつ設置せっち費用ひようとして使用しようされる[6]。2018ねんのデータでは、ほん制度せいどによる通告つうこく件数けんすうが574まん3164けん反則はんそくきん納付のうふりつが98.6%、納付のうふされた反則はんそくきん総額そうがくやく508おく2806まんえんとなっている[7]。なお、反則はんそくきん納付のうふりつであるがほん制度せいど導入どうにゅう以来いらいつねに95%以上いじょうたもっており、ほとんどの違反いはんしゃ煩雑はんざつ刑事けいじ手続てつづきけて反則はんそくきん納付のうふし、違反いはん処理しょり終結しゅうけつさせていることがうかがえる[7]

適用てきよう除外じょがい 編集へんしゅう

免許めんきょ運転うんてん大型おおがた自動車じどうしゃとう資格しかく運転うんてんさけ運転うんてん麻薬まやくとう運転うんてん酒気しゅき運転うんてん該当がいとうする場合ばあい、または反則はんそく行為こういをし、よつて交通こうつう事故じここしたものは、反則はんそく行為こういおよび交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど対象たいしょうがいとなり、どう制度せいどじょう通告つうこくけることはない」とさだめられている。告知こくちにおいて反則はんそくしゃ居所きょしょまた氏名しめいあきらかでないとき、また逃亡とうぼうするおそれがあるときもまた同様どうようで、その現行げんこうはん逮捕たいほされることがある。また、告知こくちまたは通告つうこくにおいて、反則はんそくしゃがそれらの書面しょめん受領じゅりょう拒否きょひした場合ばあい(ここで、書面しょめんへの署名しょめい捺印なついん拒否きょひ書面しょめん受領じゅりょう拒否きょひにはたらない)、居所きょしょあきらかでないときにも、同様どうように、どう制度せいどじょう告知こくちまたは通告つうこくけることはない。

また、道路どうろ交通こうつうほう違反いはん行為こういのうち、そもそも反則はんそく行為こうい該当がいとうしない行為こういや、じゅう牽引けんいんしゃのぞけい車両しゃりょう自転車じてんしゃとう)の運転うんてんしゃによるもの、歩行ほこうしゃ運転うんてんしゃ以外いがいものによるものについては、そもそも交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど対象たいしょうがいである。

なお、交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどにおける通告つうこくけた行為こういについてどう制度せいど適用てきようされない結果けっかとして、少年しょうねん保護ほご手続てつづきけた場合ばあいにおいては、家庭かてい裁判所さいばんしょにおいて、あらためて交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどじょう反則はんそくきんえないがく反則はんそくきんとしての納付のうふ指示しじすることもある。なお、道路どうろ交通こうつうほうじょうは、家庭かてい裁判所さいばんしょは、通常つうじょうされる政令せいれい委任いにんされた反則はんそく金額きんがくでなく、道路どうろ交通こうつうほう別表べっぴょうだい規定きていされた反則はんそくきん限度げんどがく範囲はんいない納付のうふ指示しじすることが可能かのうである。少年しょうねんほうじょう反則はんそく行為こういのうち、罰金ばっきん以下いかけいしょせられる行為こういかんしては逆送ぎゃくそうはできないこととされている。

交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどにおける告知こくちまたは通告つうこくけた行為こういについてどう制度せいど適用てきようされない結果けっかとして、刑事けいじ手続てつづきけた場合ばあいにおいても、つづいて交通こうつう事件じけん即決そっけつ裁判さいばん手続てつづき略式りゃくしき手続てつづきまたは公判こうはん廷においてされる刑罰けいばつは、判例はんれいでは交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどじょう反則はんそくきんえないがく罰金ばっきんまた科料かりょうとなることが通例つうれいである。ただし、訴訟そしょうその費用ひようについてはこのかぎりではない。また、この通例つうれい法律ほうりつ当然とうぜん予定よていされているものでもなく、法律ほうりつじょう道路どうろ交通こうつうほうさだめられた法定ほうていけい範囲はんいない裁判所さいばんしょ独自どくじ被告人ひこくにん懲役ちょうえきけいしょしたり、罰金ばっきん科料かりょう金額きんがくさだめることはできる。

関連かんれん通達つうたつ 編集へんしゅう

交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど運用うんようたっての留意りゅういてんとして、「交通こうつう指導しどう取締とりしまとう適正てきせい合理ごうり推進すいしん」(昭和しょうわ42ねん8がつ1にちづけ警察庁けいさつちょうおつ交発だい7ごう通称つうしょう「42.8.1通達つうたつ)とだいする通達つうたつが、警察庁けいさつちょうより発出はっしゅつされている(ただしほん通達つうたつそのものはすでに失効しっこう)。

交通こうつう指導しどう取締とりしまとうについては、従来じゅうらいからその適正てきせい合理ごうり推進すいしん留意りゅういしてきたところであるが、今回こんかいほう改正かいせいとく交通こうつう反則はんそくきん制度せいど新設しんせつ交通こうつう違反いはん事件じけん処理しょり手続てつづきにかんする画期的かっきてき改正かいせいであり、その円滑えんかつにして適正てきせい実施じっしはかるために警察けいさつせられた責務せきむはまことに重大じゅうだいであるので、その実施じっしたっては従来じゅうらいにもまして国民こくみん信頼しんらい支持しじをうる指導しどう取締とりしまりの推進すいしんつとめなければならない。かかる観点かんてんから、先般せんぱん交通こうつう取締とりしまりにかんする臨時りんじ監察かんさつ実施じっししたところ、なお改善かいぜんようするてんがみられ、また衆参しゅうさんりょう議院ぎいん地方ちほう行政ぎょうせい委員いいんかいが、改正かいせいほうたいする附帯ふたい決議けつぎのなかで、交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど円滑えんかつ運用うんようすため、交通こうつう指導しどう取締とりしまりの適正てきせいはかるべきことを指摘してき[ちゅう 2][ちゅう 3]しているところでもあるので、このさいつぎの諸点しょてん留意りゅういして、交通こうつう指導しどう取締とりしまとう適正てきせい合理ごうり徹底てっていされたい。

交通こうつう取締とりしま指導しどうのありかた

交通こうつう指導しどう取締とりしまりにあたっては、いわゆる点数てんすう主義しゅぎした検挙けんきょのための検挙けんきょあるいは取締とりしまりやすいものだけを取締とりしま安易あんい取締とりしまりにおちいることをけるとともに、危険きけんせいすくない軽微けいび違反いはんたいしては、警告けいこくによる指導しどう積極せっきょくてきおこなうこととし、ことさらかくして取締とりしまりをおこなったり[ちゅう 4]予防よぼうまたは制止せいしすべきにもかかわらず、これを黙認もくにんしてのち検挙けんきょしたりすることのないよう留意りゅういすること。(一部いちぶ抜粋ばっすい)」

関連かんれん項目こうもく 編集へんしゅう

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく 編集へんしゅう

  1. ^ 国税こくぜい犯則はんそく取締とりしまりほうは2018ねん廃止はいしされ、現在げんざいでは国税こくぜい通則つうそくほう規定きていされている。
  2. ^ だい55かい国会こっかい 衆議院しゅうぎいん 地方ちほう行政ぎょうせい委員いいんかい だい32ごう 昭和しょうわ42ねん7がつ11にち. 11 July 1967. 道路どうろ交通こうつうほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつあんたいする附帯ふたい決議けつぎあん政府せいふは、国民こくみん生活せいかつ一大いちだい脅威きょういとなっている現下げんか交通こうつう事故じこ激増げきぞう深刻しんこく事態じたい対処たいしょし、人命じんめい尊重そんちょうし、交通こうつう事故じこ防止ぼうし徹底てっていするため、とくひだり諸点しょてんについて、すみやかに強力きょうりょくかつ抜本ばっぽんてき措置そちこうじ、その対策たいさく遺憾いかんなきをすべきである。
    いち道路どうろ交通こうつうほうもとづく交通こうつう指導しどう取締とりしまり、とくに交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいど運営うんえい適正てきせいするため、警察官けいさつかん資質ししつ向上こうじょう指導しどう取締とりしまりの姿勢しせい態度たいどとうについての教育きょういく徹底てっていにつとめ、いやしくも取締とりしまりのための取締とりしまりとならないよう周到しゅうとう配慮はいりょ責任せきにんある指導しどうおこなうこと。...
  3. ^ だい84かい国会こっかい 参議院さんぎいん 地方ちほう行政ぎょうせい委員いいんかい だい13ごう 昭和しょうわ53ねん5がつ11にち. 11 May 1978. 道路どうろ交通こうつうほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつあんたいする附帯ふたい決議けつぎあん道路どうろ交通こうつう当面とうめん課題かだいは、交通こうつう事故じこをさらに抑制よくせいし、生活せいかつ環境かんきょうとの調和ちょうわをはかりつつ、交通こうつう円滑えんかつ実現じつげんすることにある。よって政府せいふは、改正かいせい法律ほうりつ周知しゅうち徹底てっていつとめるとともに、すみやかにひだり諸点しょてん留意りゅういし、善処ぜんしょすべきである。
    ...きゅう 交通こうつう指導しどう取締とりしまりの適正てきせいするため、警察官けいさつかん資質ししつ向上こうじょうつとめ、いやしくも「取締とりしまりのための取締とりしまり」とならぬよう周到しゅうとう配慮はいりょおこなうこと。
  4. ^ だい84かい国会こっかい 衆議院しゅうぎいん 地方ちほう行政ぎょうせい委員いいんかい だい19ごう 昭和しょうわ53ねん4がつ27にち. 27 April 1978. この通達つうたつなかで「ことさらにかくして取締とりしまりをおこなったりすることのないよう留意りゅういすること。」とあります。わたしさきほど指摘してきしましたレーダー方式ほうしきなどのまりはこのカテゴリーに該当がいとうするものではあるまいかとおもいますが、そのてんはいかがでしょうか。
    ...その通達つうたつもうしておるのはことさらにかくすなということでございまして、まりのいろいろなやりかたなかで、かくしてやることが非常ひじょう効果こうかがあるというふうなものも皆無かいむではございません。したがいまして、必要ひつよう場合ばあいには秘匿ひとくしたまりということもありるわけでございます。... ことさらにかくすということは、必要ひつようもないのにかかわらずかくすというふうな意味いみでございまして、必要ひつようがある場合ばあいには秘匿ひとくしたまりがおこなわれるということもありるわけでございます。
    ...いまの説明せつめいは、言葉ことば解釈かいしゃくからいってわたしすこ疑問ぎもんでありますが、しかし、通達つうたつされたほうがそうおっしゃっておるわけでありますから、それはおそらくそのような趣旨しゅしかもわかりませんが、わたしは、あのネズミ取ねずみとしきな、かくして摘発てきはつ主義しゅぎ主眼しゅがんとするやりかた改善かいぜんされる必要ひつようがあるとおもいます。そういうやりかた国民こくみんあいだ警察けいさつ不信ふしん感情かんじょうえつける重要じゅうよう要素ようそになっているわけでありますから、そういうてん改善かいぜん必要ひつようなことではあるまいか。わたしは、むしろわたし理解りかいしましたようなかんがかた、これで警察けいさつ当局とうきょく末端まったん指導しどうされておるものだとおもっておりましたが、そうでないことがわかりました。そうしますと、そのまりの仕方しかたそのものがやはり問題もんだいになってくるのではないかとおもいますが...

出典しゅってん 編集へんしゅう

  1. ^ 道路どうろ交通こうつうほう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ(昭和しょうわ42ねん法律ほうりつだい126ごう)
  2. ^ 関税かんぜいほう通告つうこく処分しょぶんについて昭和しょうわ43(くだりツ)97 関税かんぜい通告つうこく取消とりけし請求せいきゅう 昭和しょうわ47ねん4がつ20にち 最高裁判所さいこうさいばんしょだいいちしょう法廷ほうてい交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどについて昭和しょうわ54(くだりコ)59 行政ぎょうせい処分しょぶん取消とりけし請求せいきゅう控訴こうそ事件じけん 昭和しょうわ55ねん8がつ27にち 大阪おおさか高等こうとう裁判所さいばんしょ
  3. ^ 交通こうつう反則はんそく通告つうこく制度せいどについてよくある質問しつもん”. 長野ながのけん警察けいさつ. 2022ねん1がつ11にち閲覧えつらん
  4. ^ 『わかる につく 交通こうつう教本きょうほん』(だい8あらため討版、2018ねん4がつ1にち全日本ぜんにほん交通こうつう安全あんぜん協会きょうかい発行はっこう)102ページ。
  5. ^ 交通こうつう安全あんぜん対策たいさく特別とくべつ交付こうふきんとうかんする政令せいれい”. e-Gov. 2020ねん1がつ18にち閲覧えつらん
  6. ^ a b 『わかる につく 交通こうつう教本きょうほん』(だい8あらため討版、2018ねん4がつ1にち全日本ぜんにほん交通こうつう安全あんぜん協会きょうかい発行はっこう)103ページ。
  7. ^ a b 今井いまい亮一りょういち (2020-01-29), 交通こうつう違反いはんはらう「反則はんそくきん」「罰金ばっきん」「放置ほうち違反いはんきん」のちがい、っておかないとそんするかも!?, clicccar.com, https://clicccar.com/2020/01/29/949847/ 2020ねん8がつ2にち閲覧えつらん