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叙事詩 - Wikipedia

叙事詩じょじし(じょじし、英語えいご: epicepic poemepic poetryeposepopee)とは、物事ものごと出来事できごと記述きじゅつするかたち韻文いんぶんのこと。ある程度ていどながさをつもので、一般いっぱんてきには民族みんぞく英雄えいゆう神話しんわ民族みんぞく歴史れきしとしてかたつたえる価値かちのある事件じけん出来事できごと物語ものがたりとしてかたつたえるものをさす。大岡おおおか昇平しょうへいはさらに「戦争せんそう内容ないようとする」ものとしている(「常識じょうしきてき文学ぶんがくろん」)。

おおくの演劇えんげき題材だいざいもちいられるアジアの代表だいひょうてき叙事詩じょじしラーマーヤナ
(インドネシア、サヌール海岸かいがん
『マハーバーラタ』の作者さくしゃヴィヤーサがぞうしんガネーシャに神話しんわかた現代げんだいてき表現ひょうげん
インドカルナータカしゅう
ペルシア作詩さくしされたイラン最大さいだい民族みんぞく叙事詩じょじし『シャー・ナーメ』

口承こうしょう文芸ぶんげいとして、吟遊詩人ぎんゆうしじんかたなどがつたえ、その民族みんぞくふる時代じだいには次世代じせだい教養きょうよう根幹こんかんしたり、教育きょういく主要しゅよう部分ぶぶんとなることもおおかった。後世こうせいのこされ、歴史れきし資料しりょう保存ほぞんされることになったものがおおい。

対義語たいぎご叙情詩じょじょうし

エリアス・リョンロートによるフィンランド叙事詩じょじしカレワラ」の初版しょはん(1835ねん

各国かっこく叙事詩じょじし

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現存げんそんする最古さいこ文学ぶんがく作品さくひんばれる『ギルガメシュ叙事詩じょじし』もそのしめすとおり叙事詩じょじしである。西欧せいおう文学ぶんがく古典こてん叙事詩じょじしわれるものには、古代こだいにおいて『イリアス』や『オデュッセイア』『労働ろうどう日々ひび』、中世ちゅうせいにおいて『ベーオウルフ』、『ニーベルンゲンのうた』、『ローランのうた』などがある。アジアでは『マハーバーラタ』、『ラーマーヤナ』など。民族みんぞく叙事詩じょじしとして有名ゆうめいなものには、『シャー・ナーメ』(イラン)、『ウズ・ルジアダス』(ポルトガル)、『カレワラ』(フィンランド)、『マナス』(キルギス)、『ナルト叙事詩じょじし』(オセット)、『ユーカラ』(アイヌ)などがある。文献ぶんけん学者がくしゃエーリヒ・アウエルバッハ古代こだい叙事詩じょじし文体ぶんたいとして、ホメーロスの『オデュッセイア』と旧約きゅうやく聖書せいしょイサクの燔祭の2つをあげて比較ひかくした。

散文さんぶんかれるとき叙事詩じょじしから小説しょうせつ変化へんかするとされ、西洋せいようでは1世紀せいきペトロニウスの『サテュリコン』、2世紀せいきの『ダフニスとクロエ』ですで散文さんぶんられる。

ダンテの『かみきょく』は形式けいしきじょう叙事詩じょじしだが、英雄えいゆうたんことなってすじたない。

日本にっぽん

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日本にっぽん文学ぶんがくでは、古来こらい上代じょうだい日本語にほんご基礎きそとする古事記こじき日本書紀にほんしょき万葉集まんようしゅうり、そのに『平家ひらか物語ものがたり』などの軍記ぐんきぶつや、アイヌユーカラのような英雄えいゆう冒険ぼうけんたんおおくあるが、それらを韻文いんぶんとする学説がくせつは、さだかになっていない。

日本にっぽん叙事詩じょじし存在そんざいしないせつ

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厳密げんみつ意味いみで、日本にっぽん叙事詩じょじし存在そんざいしない」とのせつもあり、わりに和歌わかふくみこんだ『うた物語ものがたり』が成立せいりつしたとかんがえられ、『源氏物語げんじものがたり』なども和歌わかふくんでいることから、一級いっきゅう文芸ぶんげいとして評価ひょうかされたとのせつがある。

小西こにし甚一じんいちは、著作ちょさくの『日本にっぽん文藝ぶんげい』で、「日本にっぽんは、英雄えいゆう叙事詩じょじしたない」とべている。

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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