専門は私鉄、特に車両史であり、自らローカル私鉄に出かけて膨大な写真や資料を採取。私鉄や私鉄電車に関する情報量では日本一とも言われた。国鉄・JRは専門外だが「買収国電」「私鉄の103系」といった、国鉄と私鉄が絡む記事には高い頻度で登場している。
吉川の文章は単なる情報の羅列や見聞録だけでなく、吉村光夫や野村董同様、ウィットとユーモアにちなむ文才で知られていた。その吉村とは生前、同じ神奈川地区在住で私鉄ファンと言うこともあり、最も親交の深い一人であった。またヤマケイ私鉄ハンドブック「京浜急行」では吉川と吉村が1枚の写真内に映っているものが掲載されている。
曽根悟の様な公共交通政策、および種村直樹の様な汽車旅にも造詣が深い記述を時折見せたが、この二分野については専門の記事を残したことはない。
鉄道友の会には創立時から関わり、副会長、理事、東京支部長、私鉄部会長などを歴任。他に京急電車ファンクラブ、トラストトレイン、産業考古学会などにも名を連ねていた。
- 『鉄道ファン』
- 電車をたずねて(連載。前半は私鉄倶楽部、後半は吉川が担当)
- 鉄道ファン入門(連載)
- 電車に化けた気動車のはなし その1 - 3 2000年4月号 No.468 pp.84 - 91、2000年6月号 No.470 pp.72 - 79、2000年7月号 No.471 pp.120 - 125
- その他
- 山と溪谷社
- 鉄道写真家・廣田尚敬との共同作が非常に多い。
- ヤマケイ私鉄ハンドブック
- ヤマケイのレイルシリーズ
- 日本の私鉄(全2巻)
- カラー 日本の私鉄 1 ローカル編(文:吉川文夫、写真:廣田尚敬、1976年)
- 交友社
- 私鉄電車のアルバム(執筆協力者の一人)
- 写真で見る戦後30年の鉄道車両(編者、1976年)
- ネコ・パブリッシング
- 大正出版
- 江ノ電讃歌(編著、1985年)
- 保育社
- 青木栄一「吉川文夫さんを悼む」
- 電気車研究会『鉄道ピクトリアル』2007年11月号 No.796 pp.108 - 109
- 吉川文夫:文、廣田尚敬:写真 山と溪谷社、1976年9月15日 初版発行
- 『カラー 日本の私鉄 1 ローカル編』
- 『カラー 日本の私鉄 2 大都市近郊編』