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固定翼機 - Wikipedia

固定こていつばさ(こていよくき)とは、以下いかの2つの定義ていぎ存在そんざいする。

  1. 主翼しゅよく機体きたいたいして固定こていされており、機体きたい前進ぜんしんすることによって揚力ようりょく発生はっせいさせ飛行ひこうする航空機こうくうきのこと。
  2. 上記じょうき1の定義ていぎふくまれる航空機こうくうきをさらに分類ぶんるいして、りたたみつばさといったつばさ形状けいじょう変更へんこう機能きのうたない航空機こうくうきを、りたたみつばさ航空機こうくうき区別くべつするさい呼称こしょうである。おも軍事ぐんじ用語ようごである。ただし、可変かへんつばさつばさ形状けいじょう変更へんこうできるが固定こていつばさとされる場合ばあいおおい。
C-141 Starlifter

1の定義ていぎ固定こていつばさ特徴とくちょう

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飛行機ひこうきグライダーちょう軽量けいりょう動力どうりょくし、ヘリコプターなどの回転かいてんつばさたいするかたりとしてもちいられる。プロペラジェット機じぇっときなどがある。初期しょきじゅう航空機こうくうきはすべてこれである。当初とうしょ回転かいてんつばさのように、推力すいりょく機体きたいげるという動作どうさが、エンジンの推力すいりょく限界げんかいがあったため不可能ふかのうだったためである。

利点りてんとしては、ヘリなどの回転かいてんつばさにはけっしてすことができない速度そくどと、その推進すいしんりょくかしたたか輸送ゆそう能力のうりょくがある。また、回転かいてんつばさとはくらものにならないほど大型おおがた機体きたい製作せいさく可能かのうというてんもある。グライダーは、エンジンをたず軽量けいりょうであることから基本きほんてきすべ固定こていつばさである。

欠点けってんとしては、固定こていつばさ離着陸りちゃくりくには空港くうこう飛行場ひこうじょうでの滑走かっそう、または航空こうくう母艦ぼかんひろ飛行ひこう甲板かんぱんのような平坦へいたん走行そうこう必要ひつようとすることげられる。また回転かいてんつばさ上下じょうげ前後ぜんこう左右さゆう自由自在じゆうじざい飛行ひこう可能かのう、かつ空中くうちゅう静止せいし可能かのうであるのにたいし、固定こていつばさ基本きほんてき前進ぜんしん飛行ひこうのみで後退こうたい不可能ふかのう左右さゆう方向ほうこうすすむには機体きたいきをえる必要ひつようがあり、上昇じょうしょう下降かこう前進ぜんしん飛行ひこう同時どうじにしかおこなえない(垂直すいちょく上昇じょうしょう下降かこう可能かのう固定こていつばさはかなりかぎられる)。しかも一定いってい速度そくど以上いじょうでの飛行ひこうしかできない(最低さいてい速度そくど以下いかでは失速しっそくする)。

ただし、ハリアーなどの垂直すいちょく離着陸りちゃくりくは、上記じょうき固定こていつばさ欠点けってん対処たいしょした航空機こうくうきである。しかしながら速度そくど輸送ゆそう能力のうりょくで、通常つうじょう固定こていつばさよりも妥協だきょうしている。いわば固定こていつばさ回転かいてんつばさなかあいだてき性格せいかく航空機こうくうきである。V-22機構きこうてきにも、固定こていつばさ回転かいてんつばさなかあいだてき存在そんざい機体きたいであるとえる。

2の定義ていぎ固定こていつばさりたたみつばさ比較ひかく

編集へんしゅう

航空こうくう母艦ぼかんなどで運用うんようされる艦上かんじょうは、かぎられた艦内かんない空間くうかん可能かのうかぎ多数たすう機体きたい収容しゅうようする必要ひつようせいや、昇降しょうこうエレベーターであつかえるおおきさにも制限せいげんされるため、主翼しゅよくたためる「おりたたみつばさ」をそなえる機体きたい採用さいようれいおおい。だい世界せかい大戦たいせんまでは、艦上かんじょうのサイズも現代げんだいほどはおおきくかったため固定こていつばさめずらしくかったが、戦後せんご艦上かんじょうのジェットもあいまって機体きたいサイズもおおきくなり、りたたみつばさ採用さいようする機体きたい普通ふつうとなった。

ただし、りたたみつばさ可変かへんつばさといった機体きたいは、その機構きこうゆえにつばさ強度きょうどがおおむねひくく、翼下よくか重量じゅうりょうぶつ搭載とうさいできないことや、機体きたい重量じゅうりょうぞう生産せいさん複雑ふくざつとなりだかコストになるといった欠点けってんがある。

固定こていつばさでは、これらの欠点けってんしょうじず、ちゅう空間くうかん余裕よゆうがある陸上りくじょうではりたたみつばさ採用さいようされることは基本きほんてきい。艦上かんじょう固定こていつばさ採用さいようされる場合ばあい陸上りくじょうりたたみつばさ機体きたい採用さいようされる場合ばあいには、特筆とくひつされることがある。代表だいひょうてきれいとしては、アメリカ海軍かいぐんA-4がある。この機体きたい固定こていつばさでありながら機体きたい小型こがた成功せいこうしたため、りたたみつばさ採用さいようけて機体きたい規模きぼわりへいそう搭載とうさいりょうおおきくできたとされる。

可変かへんつばさは、つばさ固定こていされているとはえないが、りたたみ形式けいしきではないこと理由りゆうに、固定こていつばさ分類ぶんるいされることもある。可変かへんつばさ利点りてんは、高速こうそく巡航じゅんこうなどには後退こうたいかくおおきくとり、低速ていそく巡航じゅんこう離着陸りちゃくりくなど揚力ようりょくおおきくとりたい場合ばあいや、後退こうたいかく失速しっそく特性とくせい改善かいぜん航続こうぞく距離きょり延長えんちょうなどをおこないたいとき角度かくどちいさくし、これをることができるというものがある。同時どうじ最大さいだい後退こうたいかくにしておけば占有せんゆうスペースをちいさくできるという利点りてんがあるが、その機構きこうのため重量じゅうりょう増加ぞうかし、後退こうたいかく制御せいぎょ高度こうど電子でんし機器きき必要ひつようとする場合ばあいおおく、また生産せいさん工程こうてい複雑ふくざつなためこうコストになりやすいという欠点けってんりたたみつばさ類似るいじしている。