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尾根 - Wikipedia

尾根おね

たにたにはさまれた山地さんち一番いちばんたか部分ぶぶんつらなり

尾根おね(おね)は、たにたにはさまれた山地さんち一番いちばんたか部分ぶぶんつらなりのことである。山稜さんりょう(さんりょう)、稜線りょうせん(りょうせん)ともう。地図ちずうえでは等高線とうこうせん突出とっしゅつとしてしめされる。

クレタとうイディさん東側ひがしがわ尾根おね

概要がいよう

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尾根おね山頂さんちょうからはじまり谷間たにまへとつづく。富士山ふじさんのような円錐えんすいがたやまでは尾根おね明確めいかくには存在そんざいしない。しかし、降雨こうう流水りゅうすいによって浸食しんしょくすすむとたにができるから、たにたにあいだがりとして尾根おねまれる。孤立こりつほう(こりつほう)では尾根おね山頂さんちょうからふもとへとびるが、おおくのやま複数ふくすうならんでおり、その場合ばあいには尾根おね山脈さんみゃくあいだをつないでびる。ある程度ていど直線ちょくせんてき尾根おねのつながったやまならぶのを連峰れんぽう(れんぽう)という。そのような尾根おねすじとおける山行さんこう往々おうおう縦走じゅうそうという。また、そのような尾根おねすじ分水嶺ぶんすいれいともなる。

両側りょうがわ斜面しゃめん急峻きゅうしゅん尾根おねのことを、登山とざん用語ようごでは尾根おねう。これにはいろいろなかたがあり、かま尾根おねうまけん刃渡はわたり(つるぎのはわたり)、かねやし(きんひやし)などとばれる場合ばあいがある。アレートふつ: arête)、グラートどく: grat)、リッジ(えい: ridge)などともばれる。氷河ひょうが作用さようこおりしょく作用さよう)によってつくられた尾根おねは、日本にっぽんではとくにアレートとばれる場合ばあいおおい。こおりしょくによるアレートは、氷河ひょうが流下りゅうか進行しんこうしていくことでみね両側りょうがわからカール拡大かくだいしてきてできる。尾根おねなかでもとくきゅうなものは、ナイフエッジえい: knife edge)ともばれる[1][2]

尾根おね」の反対はんたい両側りょうがわ斜面しゃめんゆるやかな尾根おねを、登山とざん用語ようごではひろ尾根おねう。やせ尾根おねがけちかてん危険きけんであるから、おだやかな尾根おねほう安全あんぜんであるが、他方たほうゆるやかな尾根おね尾根おねすじ明確めいかくでないため、尾根おねすじをたどりにくく、みちまよ危険きけんおおきい。八甲田山はっこうださんゆきちゅう行軍こうぐん遭難そうなんしたのも、なだらかな山頂さんちょうであるため、尾根おねすじによって方向ほうこう確認かくにんできなかったのがおおきい理由りゆうであった。

みちとして

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飛騨山脈ひださんみゃくつばめたけし付近ふきん

山歩やまあるきをする場合ばあい尾根おねすじ位置いち把握はあくしやすく、コースがわかりやすいため、みちとしてよく使つかわれる。また、みちまよった場合ばあい尾根おねすじるのがよい。谷間たにまにはいると見晴みはらしがきかず方向ほうこうがわからなくなるうえたきがけがあってとおれなくなったり、それらからの転落てんらく滑落すべりおち危険きけんせいがあることがおおい。また、上記じょうきのように尾根おねすじ分水嶺ぶんすいれいであることがあり、その場合ばあいくだきを間違まちがえるとまったことなった方向ほうこうかってしまうれいもある。

このようなことから、ふるくから尾根おねすじやま踏破とうはするさいとおみちとして使つかわれた。たとえば熊野くまの古道ふるみち山間さんかんはそのおおくが尾根おねすじで、よう所要しょようしょたにそこりつつ、また尾根おねのぼかえしになっている。普通ふつうあまり昇降しょうこうのない部分ぶぶん尾根おねすじとおり、ちょっとしたピークではその山腹さんぷくとおるようなコースである。なお、このような経緯けいいから、山間さんかん奥地おくちでは集落しゅうらく往々おうおうにしてしゅたる河川かせんよりはるかに水準すいじゅんたか位置いちつくられた。

ただし尾根おねすじ一般いっぱんみず十分じゅうぶんられず、生活せいかつには不向ふむきである。集落しゅうらく山腹さんぷくから谷間たにまつくられる。やまえる場合ばあいながつづ尾根おねがあればもっとひくいところでえる。このような地点ちてんとうげという。

道路どうろおも河川かせん沿いにつくられるが、主流しゅりゅうではそのそばをとおり、谷間たにまから分水嶺ぶんすいれいえる場合ばあいにはたにそこから山腹さんぷくのぼって、ある程度ていどのところでトンネルをつくってしまう。そのため、古道ふるみちをあちこちで横切よこぎるコースになる。また、集落しゅうらくよりはるかにひくいところをあたらしい道路どうろとおることになるれいおおく、不便ふべんさを増幅ぞうふくしている。

区分くぶんせんとして

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尾根おねすじははっきりした区切くぎりとして把握はあくしやすい。また、水系すいけいけるものでもあり、それによる区分くぶんには実質じっしつてき意味いみもある。そのため、尾根おねすじ区分くぶんせんとするれいおおい。行政ぎょうせい区分くぶんも、往々おうおうにして尾根おねすじとおる。たかやま山頂さんちょうふた以上いじょう行政ぎょうせい区分くぶんにまたがるれいくあるのもこれによる。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ やま用語ようご 区分くぶん(3713:地形ちけい尾根おね) やまどんの資料しりょうしつ
  2. ^ 山岳さんがく用語ようごしゅうくだり ぶらりやまたび

関連かんれん項目こうもく

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