市し轄区(しかつく、拼音: Shìxiáqūシーシアチュイ、簡体字かんたいじ:市し辖区、繁体字はんたいじ:市し轄區)とは、中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくと中華民国ちゅうかみんこくにおける都市としの行政ぎょうせい区画くかくの一種いっしゅ。
中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでは「市し轄区」は直轄ちょっかつ市しや大都市だいとし(地ち級きゅう市し)の市街しがいに設置せっちされた県けん級きゅう行政ぎょうせい区くである。市し轄区の下したの区画くかくは郷さと級きゅう行政ぎょうせい区くで、大都市だいとしと開発かいはつの進すすんだ地区ちくでは主おもに街道かいどうが、工業こうぎょう化か・都市とし化かの発達はったつ過程かてい中ちゅうの都市としでは鎮や郷さとが主おもとなっている。
市し轄区が他たの県けん級きゅう行政ぎょうせい区くと違ちがうのはそれが都市としの主体しゅたい的てき部分ぶぶんとなっている事ことである。すなわち人口じんこう密度みつどが高たかく流動りゅうどう人口じんこうが集中しゅうちゅうしており、都市とし人口じんこう率りつは高たかく、文化ぶんか・経済けいざい・貿易ぼうえきが発達はったつしている。
中華民国ちゅうかみんこく(台湾たいわん)では区くは直轄ちょっかつ市しと市しの下したの行政ぎょうせい区画くかくである。県けん以下いかの県けん轄市に相当そうとうし、郷さとや鎮と同おなじ段階だんかいにある。
中華民国ちゅうかみんこくの地方ちほう行政ぎょうせい区画くかくのなかで直轄ちょっかつ市し(1994年ねん以前いぜんは院いん轄市)及および市し(1994年ねん以前いぜんは省しょう轄市)の下したの行政ぎょうせい単位たんいは「区く」のみである。1968年ねんに台北たいぺい市しが省しょう轄市から院いん轄市へ昇格しょうかくする過程かていで台北たいぺい県けんに属ぞくしていた郷さとを数個すうこ編入へんにゅうした際さい、これを区くに改あらためた。1990年ねんに区くが再さい編成へんせいされ、現在げんざいの台北たいぺい市しの12区くとなった。そのほか直轄ちょっかつ市しの高こう雄市ゆういち、台たい中ちゅう市し、台たい南市みなみいち、新北しんきた市し、桃園ももぞの市しと市しである基もと隆たかし市し、新しん竹市たけいち、嘉よしみ義よし市しにもそれぞれ区くが存在そんざいする。台湾たいわんの区くと郷さと、鎮、県けん轄市は一様いちように公所ぐぞを行政ぎょうせい弁べん事ごと単位たんい(地方自治体ちほうじちたいではない)としており、里さともまた管轄かんかつするが村むらは管轄かんかつしない。区長くちょうは市長しちょうに任命にんめいされ、任期にんきは4年ねんである。