建けん長ちょう

建けん長ちょう (けんちょう、旧きゅう字体じたい：建けん󠄁長ちょう)は、日本にっぽんの元号げんごうの一ひとつ。宝たから治おさむの後のち、康かん元はじめの前まえ。1249年ねんから1256年ねんまでの期間きかんを指さす。この時代じだいの天皇てんのうは後深草天皇ごふかくさてんのう。鎌倉かまくら幕府ばくふ将軍しょうぐんは藤原ふじわら頼よりゆき嗣、宗尊親王むねかたしんのう。執権しっけんは北条ほうじょう時じ頼よりゆき。

改元かいげん

宝たから治おさむ3年ねん3月18日にち（ユリウス暦れき1249年ねん5月2日にち）：天変てんぺん・火災かさいによる改元かいげん。
建けん長ちょう8年ねん10月5日にち（ユリウス暦れき1256年ねん10月24日にち）：康かん元はじめに改元かいげん。

宝たから治おさむ3年ねん2月がつ1日にち、里さと内裏だいりとなっていた閑院が焼失しょうしつする火災かさい（閑院火災かさい）があったことを受うけて改元かいげんが行おこなわれた。しかし、改元かいげんからわずか5日にち後ごに洛中らくちゅうの主要しゅよう部ぶ（三条さんじょう・西洞院にしのとういん・八はち条じょう・東京とうきょう極きょくを囲かこむ一帯いったい）を焼やき、更さらに鴨川かもがわ対岸たいがんの蓮華れんげ王おう院いんまで焼失しょうしつする大だい火災かさいが発生はっせいしている（2月がつの火災かさいは内裏だいりを焼やいたとは言いえ、被害ひがい自体じたいは近辺きんぺんのみに留とどまっていた）^[1]。

建けん長期ちょうきにおきた出来事できごと

3年ねん

10月27日にち：続つづけ後ご撰せん和歌集わかしゅうが成立せいりつ。

4年ねん

4月がつ1日にち：宗尊親王むねかたしんのう、鎌倉かまくら幕府ばくふの第だい6代だい将軍しょうぐんに就任しゅうにん。皇族こうぞくとしては初はじめて征夷大将軍せいいたいしょうぐんとなる。

西暦せいれきとの対照たいしょう表ひょう

※は小しょうの月つきを示しめす。

建けん長ちょう元年がんねん（己おのれ酉とり）	一いち月がつ	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ	五月ごがつ※	六月ろくがつ※	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
ユリウス暦れき	1249/2/14	3/16	4/15	5/14	6/13	7/12	8/10	9/8	10/8	11/6	12/6	1250/1/5
建けん長ちょう二に年ねん（庚かのえ戌いぬ）	一いち月がつ	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ※	八はち月がつ	九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
ユリウス暦れき	1250/2/3	3/5	4/4	5/3	6/2	7/1	7/31	8/29	9/28	10/27	11/25	12/25
建けん長ちょう三さん年ねん（辛からし亥い）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ	四よん月がつ※	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	閏うるう九きゅう月がつ※	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ
ユリウス暦れき	1251/1/24	2/22	3/24	4/23	5/22	6/21	7/20	8/19	9/17	10/17	11/15	12/14	1252/1/13
建けん長ちょう四よん年ねん（壬みずのえ子こ）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ	五月ごがつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ※	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
ユリウス暦れき	1252/2/12	3/12	4/11	5/10	6/9	7/8	8/7	9/6	10/5	11/4	12/3	1253/1/2
建けん長ちょう五ご年ねん（癸みずのと丑うし）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ※	十二月じゅうにがつ
ユリウス暦れき	1253/1/31	3/1	3/31	4/29	5/29	6/28	7/27	8/26	9/24	10/24	11/23	12/22
建けん長ちょう六ろく年ねん（甲きのえ寅とら）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ※	五月ごがつ	閏うるう五ご月がつ※	六ろく月がつ	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ※	十二月じゅうにがつ
ユリウス暦れき	1254/1/21	2/19	3/21	4/19	5/18	6/17	7/16	8/15	9/14	10/13	11/12	12/12	1255/1/10
建けん長ちょう七なな年ねん（乙おつ卯う）	一いち月がつ※	二に月がつ	三さん月がつ※	四よん月がつ※	五月ごがつ	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
ユリウス暦れき	1255/2/9	3/10	4/9	5/8	6/6	7/6	8/4	9/3	10/2	11/1	12/1	12/31
建けん長ちょう八はち年ねん（丙へい辰たつ）	一いち月がつ	二に月がつ※	三さん月がつ	四よん月がつ※	五月ごがつ※	六月ろくがつ※	七なな月がつ	八はち月がつ※	九きゅう月がつ	十じゅう月がつ	十一月じゅういちがつ	十二月じゅうにがつ※
ユリウス暦れき	1256/1/29	2/28	3/28	4/27	5/26	6/24	7/23	8/22	9/20	10/20	11/19	12/19

出典しゅってん

「後こう漢書かんしょ」の「建けん_二に長なが久之ひさゆき策さく_一いち」より

脚注きゃくちゅう

^ 片平かたひら博文ひろぶみ『貴族きぞく日記にっきが描えがく京きょうの災害さいがい』思文閣出版しぶんかくしゅっぱん、2020年ねん、P87-106.