拡張かくちょう式しき緊塞具ぐ

拡張かくちょう式しき緊塞具ぐ（かくちょうしききんそくぐ）は、火砲かほうの砲身ほうしんと閉鎖へいさ機きとの間あいだにあって、砲撃ほうげきが行おこなわれる時とき、火薬かやくガスが漏洩ろうえいするのを緊塞するものである。

概要がいよう

薬莢やっきょうを使用しようしない火砲かほうの場合ばあい、重要じゅうようなものとなる。拡張かくちょう式しき緊塞具ぐは、閉鎖へいさ機きが閉鎖へいさされる時とき、その機械きかい的てきな圧あつ力りょくによって若干じゃっかん、緊塞し、さらに発射はっしゃの時とき火薬かやくガスによってより確実かくじつに緊塞する。日本にっぽんで採用さいようされたものはブロドウェル式しきおよびイタリア大だい口径こうけい砲ほう式しきの2種しゅである。前者ぜんしゃは銅どう製せいの塞ふさが鐶および塞ふさが底そこから成なり、塞ふさが鐶は砲身ほうしんの薬くすり室しつの後端こうたんに嵌はま装そうされ、塞ふさが底そこは閉鎖へいさ機きの前面ぜんめんに装そう定じょうされる。日本にっぽんの旧きゅう制式せいしき七なな糎せんちめーとる野砲やほう、山砲さんぽうおよび克かつ式しき各種かくしゅ火砲かほうのような鎖くさり栓せん式しき閉鎖へいさ機きの有ある火砲かほうは拡張かくちょう式しき緊塞具ぐが採用さいようされた。欠点けってんは精密せいみつな吻合ふんごうが困難こんなんで、ひとたび噴出ふんしゅつしたガス焼しょう蝕を受うけると、修理しゅうりが容易よういでないことで、しかし構造こうぞうは簡単かんたんで軽量けいりょうで、発射はっしゃののち緊塞具ぐが室しつに粘着ねんちゃくしないという利点りてんがある。イタリア大だい口径こうけい砲ほう式しきは日本にっぽんの二に十じゅう八はち糎せんちめーとる榴弾りゅうだん砲ほう、二に十じゅう四よん加か農のう、二に十じゅう七なな加か農のうなどの螺にし式しき閉鎖へいさ機きに使用しようされた。銅どう製せいの塞ふさが鐶および頭あたま板ばんから成なり、閉鎖へいさ機きの遊ゆう頭あたま頭あたま体たいに緊定する。その緊塞はブロドウェルとおなじで、火薬かやくガスの大おおきい圧あつ力りょくに対たいして機能きのうは十分じゅうぶんであるが、閉鎖へいさ機きの装そう脱だっが簡易かんいでないという欠点けってんがある。