探題たんだい

探題たんだい（たんだい）とは、仏教ぶっきょう上じょうの職名しょくめいないし僧階そうかいまた中世ちゅうせいの幕府ばくふの役職やくしょく名めい。

仏教ぶっきょうにおける探題たんだい

法会ほうえ

探題たんだいは僧階そうかい昇進しょうしんのための課か試ためしを行おこなう法会ほうえの一種いっしゅである維摩会かいの主催しゅさい者しゃ^[1]。興福寺こうふくじの竪たて義ぎ論ろん義ぎでは竪たて者しゃ、問者もんじゃ、探題たんだいが出仕しゅっしし、探題たんだいが題だい者しゃとして竪たて者しゃに出題しゅつだいし、竪たて者しゃと問者もんじゃとの問答もんどうの判定はんていを行おこなう役やくを言いった^[1]。

天台宗てんだいしゅう

探題たんだいは天台宗てんだいしゅうにおける最高さいこう法ほう階かいの名なになっている^[2]。探題たんだいには天台座主てんだいざしゅを含ふくむ^[2]。

幕府ばくふにおける探題たんだい

鎌倉かまくら幕府ばくふや室町むろまち幕府ばくふにおいて、政務せいむについて裁決さいけつを行おこなう重要じゅうような職しょくをいう。もともと仏教ぶっきょう用語ようごで使つかわれていたものを、裁判さいばん権けんなど重要じゅうような判定はんていを行おこなう職しょくに転用てんようしたものか。

鎌倉かまくら時代ときよ代だい末期まっきに著あらわされた『沙汰さた未練みれん書しょ』には、「探題たんだい者しゃ、関東かんとう両所りょうしょ、京都きょうとニハ六ろく波は羅ら殿どのヲ云うん也」との記述きじゅつがあり、これにより、鎌倉かまくら幕府ばくふにおける探題たんだいは、幕府ばくふの両所りょうしょたる執権しっけんと連署れんしょ、そして六ろく波は羅ら探題たんだいの北方ほっぽうと南方なんぽうを基本きほん的てきに指さすことがわかる。そして西国さいこくに置おかれた広範囲こうはんいな裁判さいばん権けん、軍事ぐんじ指揮しき権けんを持もつ職しょくにも探題たんだいの名なが与あたえられた。室町むろまち幕府ばくふでは鎌倉かまくらの執権しっけんに相当そうとうする執事しつじ、管領かんりょうが置おかれたがこれらは探題たんだいとは呼よばず、奥羽おううや西国さいこくにおいて広範こうはんな執行しっこう権けんを持もつ職しょくに対たいして用もちいられた。

鎌倉かまくら幕府ばくふ

室町むろまち幕府ばくふ

脚注きゃくちゅう

^ ^a ^b 永村ながむら眞しん「中世ちゅうせい寺院じいんにおける相承そうしょう」『中世ちゅうせい文学ぶんがく』第だい48巻かん、中世ちゅうせい文学ぶんがく会かい、2003年ねん、7-15頁ぺーじ、doi:10.24604/chusei.48_7、ISSN 0578-2376、NAID 130006341113、2020年ねん6月がつ24日にち閲覧えつらん。
^ ^a ^b “広報こうほう天台てんだい天台てんだいジャーナル第だい19号ごう”. 天台宗てんだいしゅう出版しゅっぱん室しつ. p. 3. 2020年ねん5月がつ11日にち閲覧えつらん。