教育きょういく課程かてい

教育きょういく課程かてい（きょういくかてい）とは、学校がっこう教育きょういくの内容ないようを系統けいとう立たてて配列はいれつしたものをいう。

概要がいよう

教育きょういく課程かていは、教育きょういく内容ないようの広範こうはんかつ一般いっぱん的てきな計画けいかくという側面そくめんを持もつ。カリキュラムの同義語どうぎごと捉とらえられることもあるが、カリキュラムのうち、具体ぐたい的てきな教育きょういく計画けいかくを指さすこともある。一般いっぱん的てきに教育きょういく課程かていに定さだめられた条件じょうけんを満みたすことによって、修了しゅうりょうや卒業そつぎょうなどが認定にんていされることが多おおい。

教育きょういく課程かていは、一般いっぱん的てきに学校がっこう教育きょういくをはじめ、児童じどう、生徒せいと、学生がくせいなどによって学まなばれることの体系たいけいである。教育きょういく課程かていには、特定とくていの職業しょくぎょう分野ぶんやにおいて必要ひつような資質ししつを育はぐくむためにある程度ていど、厳密げんみつに定さだめられているものもある。

教育きょういく課程かていの同音どうおん異義いぎ語ごに、教育きょういくのプロセス（教育きょういく活動かつどうの過程かてい全体ぜんたいとその要素ようそと働はたらき方かた）を指さす教育きょういく過程かていがあるが、教育きょういく過程かていは、教育きょういく課程かていと区別くべつされる別々べつべつのものである。

教科きょうか・科目かもくと教科きょうか外がい活動かつどうなど

教育きょういく課程かていは、教科きょうか・科目かもくの目標もくひょうや内容ないようなどを定さだめた教科きょうか課程かてい（きょうかかてい）・学科がっか課程かてい（がっかかてい）などと、教科きょうか・科目かもく以外いがいのさまざまな活動かつどうからなる教科きょうか外がい活動かつどう（特別とくべつ活動かつどう、旧きゅう: 特別とくべつ教育きょういく活動かつどう）などの2つの部門ぶもんから成なり立たっている。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん前まえの日本にっぽんにおける教育きょういくでは、教科きょうか課程かてい・学科がっか課程かていなどが教育きょういく課程かていのほぼすべてとも言いえた。このため、教育きょういく課程かていについては、どのような教科きょうか・科目かもくをどれほどの時間じかん数すうをかけて学習がくしゅうするのかということを中心ちゅうしんに考かんがえられていることも多おおい。しかし、教科きょうか・科目かもくのみによって教育きょういくを発展はってんさせることが困難こんなんなこともあり、教科きょうか外がい活動かつどうなどの重要じゅうような意義いぎが認みとめられ、一定いっていの活動かつどうについては、教育きょういく課程かていの一部いちぶとして正式せいしきに規定きていされている。現代げんだい社会しゃかいでは、教科きょうか・科目かもくとそれ以外いがいの諸しょ活動かつどうを連携れんけいさせて教育きょういく課程かていを編成へんせいすることも注目ちゅうもくされ、この2つの部門ぶもんの組くみ合あわせは、今日きょうの教育きょういくにおいて大切たいせつな要素ようそになっている。

現在げんざいの学校がっこう教育きょういくにおいては、教科きょうか外がい活動かつどうとして、学級がっきゅう活動かつどう・ホームルーム活動かつどう、児童じどう会かい活動かつどう・生徒せいと会かい活動かつどう（どちらも委員いいん会かい活動かつどうを含ふくむ）、学校がっこう行事ぎょうじ（運動会うんどうかい、学習がくしゅう発表はっぴょう会かい、修学旅行しゅうがくりょこうなど）、クラブ活動かつどう（部ぶ活動かつどうとは異ことなる）などからなる特別とくべつ活動かつどうと、道徳どうとくの時間じかんや総合そうごう的てきな学習がくしゅうの時間じかん、外国がいこく語ご活動かつどうなどが、全員ぜんいんが行おこなう活動かつどうとして学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに規定きていされている。また、その他たの教科きょうか外がい活動かつどうとしては、各かく学校がっこうにおける状況じょうきょうに合あわせて、校内こうない清掃せいそうや地域ちいき社会しゃかいとの交流こうりゅうなどが行おこなわれている。

一方いっぽうで部ぶ活動かつどうなど、生徒せいと等とうが自発じはつ的てきに参加さんかする課外かがい活動かつどうもあるが、それらは本ほん項こうにおける教育きょういく課程かていには含ふくまれない。

日本にっぽんの学校がっこうの教育きょういく課程かてい

日本にっぽんの幼稚園ようちえん、小学校しょうがっこう、中学校ちゅうがっこう、義務ぎむ教育きょういく学校がっこう、高等こうとう学校がっこう、中等ちゅうとう教育きょういく学校がっこう、特別とくべつ支援しえん学校がっこうにおける教育きょういく課程かていは、文部もんぶ科学かがく大臣だいじんが「教育きょういく課程かていの基準きじゅん」として公示こうじする教育きょういく要領ようりょう・学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに基もとづいて定さだめられる。各かく学校がっこうの教育きょういく課程かていを定さだめる際さいには、学校がっこうの設置せっち者しゃが文部もんぶ科学かがく省しょうその他たの官公かんこう署しょ（都道府県とどうふけんの教育きょういく委員いいん会かい、「市町村しちょうそん」「特別とくべつ区く」「地方ちほう公共こうきょう団体だんたいの組合くみあい」の教育きょういく委員いいん会かい、知事ちじ部局ぶきょく）が作成さくせいした「解説かいせつ」や「手引てびき」を参考さんこうにして大綱たいこうを定さだめて、各かく学校がっこうがさらに年間ねんかん計画けいかくなどの詳細しょうさいを定さだめる。

教育きょういく要領ようりょう・学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうは、「幼稚園ようちえん教育きょういく要領ようりょう」「小学校しょうがっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」「中学校ちゅうがっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」「高等こうとう学校がっこう学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」「特別とくべつ支援しえん学校がっこう幼稚ようち部ぶ教育きょういく要領ようりょう」「特別とくべつ支援しえん学校がっこう小学しょうがく部ぶ・中学ちゅうがく部ぶ学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」「特別とくべつ支援しえん学校がっこう高等こうとう部ぶ学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう」があり、約やく10年ねんごとに全部ぜんぶ改正かいせいが行おこなわれている。

第だい二に次じ世界せかい大戦たいせん前まえにおける教育きょういく課程かていは、各かく学校がっこう種しゅに応おうじた教則きょうそくに基もとづいていた。

教育きょういく要領ようりょう

幼稚園ようちえんおよび特別とくべつ支援しえん学校がっこうの幼稚ようち部ぶにおける教育きょういく課程かていその他たの保育ほいく内容ないようについて定さだめられている。

認定にんていこども園えんをはじめとする幼よう保ほ一元化いちげんかの動うごきもあり、厚生こうせい労働省ろうどうしょうが公示こうじする「保育ほいく所しょ保育ほいく指針ししん」の位置いちづけも高たかまっている。

学習がくしゅう指導しどう要領ようりょう

各かく授業じゅぎょう科目かもくにかかる授業じゅぎょう時間じかん数すう（後期こうき中等ちゅうとう教育きょういくの場合ばあい。初等しょとう教育きょういく・前期ぜんき中等ちゅうとう教育きょういくにおいては学校がっこう教育きょういく法ほう施行しこう規則きそくに授業じゅぎょう時間じかん数すうは定さだめられている）、指導しどうする内容ないよう、特別とくべつ活動かつどうの内容ないようなどが細こまかく定さだめられている。詳細しょうさいは学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうを参照さんしょうのこと。

かつては、国立こくりつ学校がっこう・公立こうりつ学校がっこう・私立しりつ学校がっこうともに例外れいがいなく学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうに従したがうことが学校がっこう教育きょういくの要ようだった。1998年ねん改定かいてい時じのゆとり教育きょういく導入どうにゅうに関かんする件けんにより、学習がくしゅう指導しどう要領ようりょうは従来じゅうらいの「教育きょういくの上限じょうげん」から「教育きょういくの下限かげん」へとその性質せいしつを変かえたとされるものの、下限かげんでありながらも高等こうとう学校がっこう必履修りしゅう科目かもく未み履修りしゅう問題もんだいなどが起おこった。

教則きょうそく（旧きゅう制度せいど）

明治めいじ時代じだい中期ちゅうきから学校がっこう教育きょういく法ほうが施行しこうされるまで、教育きょういく課程かていの詳細しょうさいを定さだめていた文部省もんぶしょう（現在げんざいの文部もんぶ科学かがく省しょう）の文書ぶんしょである。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 平沢ひらさわ茂しげる編へん『教育きょういくの方法ほうほうと技術ぎじゅつ』図書としょ文化ぶんか社しゃ、2006年ねん

関連かんれん事項じこう

• 義務ぎむ教育きょういく
• 予備よび役やく将校しょうこう訓練くんれん課程かてい
• カリキュラム