歯茎はぐきふるえ音おん

歯茎はぐきふるえ音おん
	r
IPA 番号ばんごう	122
IPA 表記ひょうき	[r]
IPA 画像がぞう
Unicode	U+0072
文字もじ参照さんしょう	r
JIS X 0213	1-3-82
X-SAMPA	r
Kirshenbaum	r<trl>
	音声おんせいサンプル

歯茎はぐきふるえ音おん（しけいふるえおん）とは子音しいんの種類しゅるいの一ひとつ。舌端ぜったんを歯茎はぐき付近ふきんで振ふるわせた音おと。国際こくさい音声おんせい記号きごうでは[r]と記述きじゅつされる。

いわゆる巻まき舌じたの音おと。日本語にほんごではまれに「ら行ぎょう」の音おとで用もちいられる。江戸えどっ子こ口調くちょうや浜はま言葉ことば、喧嘩けんか口調くちょうなどで使つかわれてきたため、き手きてによっては下品げひんで汚きたない言葉ことば遣づかいと受うけ止とめられる場合ばあいがある。

巻まき舌じた自体じたいは発音はつおん方法ほうほうの一ひとつとして世界せかいの各かく言語げんごで用もちいられており、スペイン語ごやイタリア語ごなどでは巻まき舌じたの有無うむで綴つづりや意味いみが変かわる言葉ことばもある。

また、管楽器かんがっきを吹ふきながら発音はつおんすると、フラッターツンゲとよばれる奏法そうほうができる。

特徴とくちょう

気流きりゅうの起おこし手しゅ - 肺臓はいぞう気流きりゅう機構きこうからの呼気こき。
発声はっせい - 声帯せいたいの振動しんどうを伴ともなった有声音ゆうせいおん。
調音ちょうおん
- 調音ちょうおん位置いち - 舌端ぜったんと歯茎はぐきによる歯茎はぐき音おん。ただし、実際じっさいには歯茎はぐき後部こうぶで調音ちょうおんされることが多おおい。
- 調音ちょうおん方法ほうほう
  - 口腔こうくう内ないの気流きりゅう - 舌したの中央ちゅうおうを気流きりゅうが通とおる中ちゅう線せん音おん。
  - 調音ちょうおん器官きかんの接近せっきん度ど - 瞬間しゅんかん的てきな閉鎖へいさと開放かいほうを繰くり返かえすふるえ音おん。
  - 口蓋こうがい帆ほの位置いち - 口蓋こうがい帆ほを持もち上あげて鼻腔びこうへの通路つうろを塞せいだ口くち音おん。

言語げんご例れい

この音おとは多おおくの言語げんごで使用しようされている。一般いっぱん的てきに“r”の発音はつおんといえばこの音おとであり、英語えいご（接近せっきん音おん）やフランス語ふらんすご（口蓋垂こうがいすい音おん）のような音おとを用もちいるのは稀まれである。ヨーロッパの言語げんごにおけるR音おとの原型げんけいとされていて、現代げんだいの英語えいごやフランス語ふらんすごのR音おとはこの音おとから変化へんかしたものだと考かんがえられる。

有ゆう声ごえ口蓋垂こうがいすい摩擦音まさつおんと並ならび、現代げんだいの日本人にっぽんじんがうまく発音はつおんするのが難むずかしいとされる発音はつおんの一ひとつ。

英語えいごにおいても歌うたを歌うたうときこの音おとを用もちいることもある。特とくにオペラや歌曲かきょくなどのクラシック音楽おんがくにおいて、ラテン語らてんご、ドイツ語ご（舞台ぶたい発音はつおん）、フランス語ふらんすごの歌詞かしの“r”の子音しいんの歌唱かしょうには一般いっぱん的てきにこの音おとが用もちいられる。

子音しいん

**肺臓はいぞう気流きりゅう**
	両りょう唇くちびる		唇くちびる歯ぱ		歯は		歯茎はぐき		後部こうぶ歯茎はぐき		そり舌した		硬かた口蓋こうがい		軟口蓋なんこうがい		口蓋垂こうがいすい		咽頭いんとう		声門せいもん
破裂はれつ	p	b	(p̪)	(b̪)	(t̪)	(d̪)	t	d			ʈ	ɖ	c	ɟ	k	ɡ	q	ɢ	( ʡˤ)		ʔ
鼻はな	(m̥)	m	(ɱ̊)	ɱ	(n̪̊)	(n̪)	(n̥)	n				ɳ		ɲ		ŋ		ɴ
ふるえ	(ʙ̥)	ʙ					(r̥)	r										ʀ
はじき		(ⱱ̟)		ⱱ				ɾ				ɽ		(ɟ̆)				(ɢ̆)		(ʡ̆)
摩擦まさつ	ɸ	βべーた	f	v	θしーた	ð	s	z	ʃ	ʒ	ʂ	ʐ	ç	ʝ	x	ɣ	χかい	ʁ	ħ	ʕ	h	ɦ
側面そくめん摩擦まさつ							ɬ	ɮ
接近せっきん		(βべーた̞)	(ʋ̥)	ʋ			(ɹ̥)	ɹ				ɻ		j		ɰ
側面そくめん接近せっきん							(l̥)	l				ɭ		ʎ		ʟ