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杉玉 - Wikipedia

すぎたま

軒先のきさきつるすことで、新酒しんしゅ出来できたことをらせる造形ぞうけいぶつ

すぎたま(すぎたま、すぎだま)とは、スギ穂先ほさき)をあつめてボールじょうにした造形ぞうけいぶつさけりん(さかばやし)ともばれる[1]日本酒にほんしゅつく酒屋ざかやなどの軒先のきさきみどりすぎだまつるすことで、新酒しんしゅ出来できたことをらせる[1]。「しぼはじめました」という意味いみである。

すぎたま発祥はっしょう奈良なら酒蔵さかぐらるされるすぎだまあぶらちょう酒造しゅぞう

概要がいよう

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発祥はっしょう

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すぎたま酒造しゅぞうせん

奈良ならけんにあるおさけ神様かみさままつ大神神社おおみわじんじゃ文化ぶんかだったといわれる。大神神社おおみわじんじゃでは、毎年まいとし11がつ14にちに「おいしいおさけができるように」というねがいをめてすぎだまかざってきたが、その習慣しゅうかん江戸えど時代じだい初頭しょとうから全国ぜんこく酒蔵さかぐらひろまったともいわれる。大神神社おおみわじんじゃにはさけさかえこう(さかえこう)とばれる酒造しゅぞう関係かんけいしゃ信仰しんこう組織そしきがあり、11月の醸造じょうぞう安全あんぜん祈願きがんさい前後ぜんこうからこういんけてすぎだま授与じゅよしている。さけさかえこう大正たいしょう時代じだいつくられた組織そしきのため、そのときにはすでにすぎだまがあったとみられる[2]大神神社おおみわじんじゃがある三輪山みわやま周辺しゅうへんにはスギおお自生じせいし、三輪山みわやまのスギはせいなるものとされているため、スギを使つかったすぎたまができたとされている。本来ほんらい三輪山みわやまのスギでつくられたすぎだまかざることがならわしだったが、現在げんざいでは各地かくち酒蔵さかぐら独自どくじ製造せいぞうしたり、業者ぎょうしゃ依頼いらいしてつくっていることがおお[1][3]

すぎたまはおおむね2がつから3がつかざられるが、この時期じき新酒しんしゅぶしであり、「今年ことし新酒しんしゅができましたよ」という目印めじるしになる[3]るされたばかりのすぎだまはまだ蒼々あおあおとしているが、やがてれて茶色ちゃいろがかってくる。緑色みどりいろ(2がつから6がつごろ)は新酒しんしゅぶしうすみどり初夏しょかからなつごろ)はなつしゅれた茶色ちゃいろあきごろ)はひやおろしのぶしというように、日本酒にほんしゅづくりの時期じきすぎたましょく同調どうちょうしており、すぎたましょく変化へんかがまた人々ひとびとに、新酒しんしゅ熟成じゅくせい具合ぐあいつたえる[3]

今日きょうでは、酒屋さかや看板かんばんのようにられがちであるが、元々もともとさけ神様かみさま感謝かんしゃささげるものであったとされる。

ぞく一休宗純いっきゅうそうじゅんさくとされるうた「極楽ごくらく何処どこさとおもひしにすぎようてたるまたろくもん」は、すぎたまをうたったものである[4]

スギのさけ腐敗ふはいをなおすからスギのをつるすというせつもある。

つくかた

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針金はりがねしんとなるボール(できあがりの半分はんぶんぐらいのおおきさ)をつくり、すぎ下方かほうからじゅんんで固定こていしていく。うえまでしたら、球状きゅうじょうになるようにきれいにぞろえて完成かんせいである。

出典しゅってん

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  1. ^ a b c みうらじゅん監修かんしゅう『アレの名前なまえだい百科ひゃっか』2016ねん、PHP文庫ぶんこ、69ぺーじ
  2. ^ っているようでらない“すぎたま”のはなし - さけばなし”. もっとおさけたのしくなる情報じょうほうサイト. 宝酒造たからしゅぞう株式会社かぶしきがいしゃ. 2024ねん5がつ28にち閲覧えつらん
  3. ^ a b c 酒蔵さかぐらにあるすぎたま、どんな意味いみすぎたま意味いみ由来ゆらいについて”. さわづる株式会社かぶしきがいしゃ. 日本酒にほんしゅろう (2019ねん10がつ28にち). 2020ねん12がつ10日とおか閲覧えつらん
  4. ^ 日本にっぽんしょく文化ぶんか大系たいけい/だいじゅういちかん さけ博物はくぶつ だいよん 177page さけりん 著者ちょしゃ芝田しばた喜三きぞうだい  昭和しょうわろくじゅういちねん

関連かんれん項目こうもく

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