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核生成 - Wikipedia

かく生成せいせい(Nucleation)とは、非常ひじょう局所きょくしょてき領域りょういきで、ことなるねつ力学りきがくまとしょう出現しゅつげんすることである。かく形成けいせいともばれる。たとえば、液体えきたいちゅうでは結晶けっしょうガラス領域りょういき気体きたいあわなどの発生はっせい実例じつれいとしてげられる。一般いっぱんられているれいとしてはメントスガイザーがある。そらあなクラスタの発生はっせいにもかかわっており、半導体はんどうたい産業さんぎょうなどで重視じゅうしされる。飽和ほうわ水蒸気すいじょうきからえきしずく形成けいせいされる現象げんしょうかく生成せいせい一種いっしゅであり(くも凝結ぎょうけつかく)、人工じんこう降雨こううのプロセスやあわばこきりばこのような実験じっけん器具きぐともふか関連かんれんしている。例外れいがい存在そんざいするが(電気でんき化学かがくてきかく生成せいせい)、ほとんどのかく生成せいせい過程かてい物理ぶつりてき現象げんしょうであり、化学かがくてき現象げんしょうではない。

Rock candy。過飽和かほうわ砂糖さとうすいにつけたぼう表面ひょうめんかく生成せいせいこり、おおきな結晶けっしょう成長せいちょうする。

通常つうじょう、この現象げんしょうかく生成せいせい部位ぶいばれる、流体りゅうたい表面ひょうめんせっしている場所ばしょこる。かかにごもの微小びしょう気泡きほう表面ひょうめんでも発生はっせいする。このようなタイプのかく生成せいせい均質きんしつかく生成せいせい (heterogeneous nucleation) とばれるが、明確めいかくかく生成せいせい部位ぶいのない均質きんしつかく生成せいせい (homogeneous nucleation) も存在そんざいする。均質きんしつかく生成せいせい自発じはつてき・ランダムにこるが、これには過熱かねつ冷却れいきゃく必要ひつようである。

れい 編集へんしゅう

 
ゆびいたCO2あわ
  • 炭酸たんさんすいつねあつかれると、すぐにかく生成せいせいにより二酸化炭素にさんかたんそあわ発生はっせいする。このようにかく生成せいせい界面かいめん存在そんざいによって促進そくしんされ(均質きんしつかく生成せいせい)、沸騰ふっとうせきやRock candy(うえ写真しゃしん)などのれいがある。メントスガイザー(メントスコーラ)は劇的げきてき事例じれいである。
    • シャンパンステアラーにはこれを応用おうようした製品せいひんがあり、表面積ひょうめんせきかくおお形状けいじょうによって炭酸たんさん効率こうりつてきのがすことができる。
  • 液体えきたい圧力あつりょく減少げんしょうした場合ばあい沸点ふってん低下ていかして過熱かねつ状態じょうたいとなり、液体えきたいバルク部分ぶぶんかく生成せいせいきることがある。だがこれよりも、せいひく容器ようき表面ひょうめん亀裂きれつなどにちいさな気泡きほう付着ふちゃくし、ここがかく生成せいせい部位ぶいとなることがおおい。このため、過熱かねつこすには容器ようき表面ひょうめんなめらかでれやすく、液体えきたいだつされていることが必要ひつようになる。
  • じゅう合体がったい[2]合金ごうきんセラミックスなどで重要じゅうよう概念がいねんである。
    • 化学かがく生物せいぶつ物理ぶつりがくでは、重合じゅうごう過程かていなかあいだたいとしての多量たりょうたい形成けいせいにこの言葉ことばもちいられる。これは結晶けっしょうアミロイド形成けいせい説明せつめいするモデルとして有用ゆうようである。
    • 分子生物学ぶんしせいぶつがくでは、たんりょうたいちいさなクラスタから急速きゅうそく重合じゅうごうこり、ポリマー構造こうぞう生成せいせいされるさい用語ようごとしてもちいられる。 たとえば、2分子ぶんしアクチン結合けつごうゆるいが、3分子ぶんし結合けつごうすることで安定あんていする。このさんりょうたいにさらに分子ぶんし結合けつごうし、かく生成せいせい部位ぶいができる。これは微小びしょう繊維せんい重合じゅうごう過程かていにおいてりつそく段階だんかいとなっている。

機構きこう 編集へんしゅう

均質きんしつかく生成せいせい 編集へんしゅう

均質きんしつ溶液ようえきちゅうでのかく生成せいせいこりにくい過程かていであるが、均質きんしつかく生成せいせいばれる。形成けいせいされたかくあたらしいそうとの境界きょうかいめん提供ていきょうすることになる。

えきゆたか均質きんしつかく生成せいせい温度おんど融点ゆうてん)を下回したまわるが、均質きんしつかく生成せいせい温度おんどじゅん物質ぶっしつ凝固ぎょうこてん)を上回うわまわっている状態じょうたいのことを、冷却れいきゃくという。これはアモルファス固体こたいのようなじゅん安定あんてい状態じょうたい構造こうぞうつくとき役立やくだつが、プロセス化学かがく鋳造ちゅうぞうにおいてはのぞましくない状態じょうたいである。冷却れいきゃくにより過飽和かほうわ状態じょうたいしょうじ、かく生成せいせい駆動くどうりょくとなる。これは形成けいせいされた固体こたいない圧力あつりょく液体えきたい圧力あつりょくよりちいさい場合ばあいこり、液体えきたい固体こたいあいだでの単位たんい体積たいせきあたりの自由じゆうエネルギー  変化へんかをもたらす。この変化へんかりょうは、体積たいせきえることによる自由じゆうエネルギー獲得かくとくあらたな表面ひょうめん表面ひょうめんエネルギーによるエネルギー損失そんしつとして決定けっていされる。全体ぜんたいとしての自由じゆうエネルギー変化へんか  まけになったとき、かく生成せいせいこる。

かくちいさすぎると(不安定ふあんていかく、またはようかく "embryo")、体積たいせき増加ぞうかによるエネルギーが表面ひょうめんエネルギーを上回うわまわることができず、かく生成せいせい促進そくしんされない。かくおおきさはその半径はんけいによってあらわされるが、これが臨界りんかい半径はんけい r=r* をえるとかく生成せいせい促進そくしんされるようになる。

クラスタ形成けいせい単位たんい体積たいせきあたり -Gv J(ここで Gvまけ)のエネルギーが獲得かくとくされるが、あらたに生成せいせいする単位たんい面積めんせきあたり σしぐま のエネルギーを損失そんしつするとしたとき、半径はんけいrのクラスタの形成けいせい必要ひつようなエネルギーはつぎのようになる[3]

 

はつこう体積たいせき増加ぞうかによるエネルギー獲得かくとくだいこうあたらしい表面ひょうめん表面張力ひょうめんちょうりょく( )によるエネルギー損失そんしつしめ[4]

このクラスタに分子ぶんしくわえるにはエネルギーが必要ひつようである( であるため)が、半径はんけい臨界りんかい半径はんけい

 

たっすると   となる[4]

 
よこじく半径はんけいたてじく自由じゆうエネルギー変化へんか臨界りんかい半径はんけいは r*でしめされている

臨界りんかい半径はんけいよりおおきいクラスタへの分子ぶんし付加ふかでは自由じゆうエネルギーが獲得かくとくされるため、これ以降いこうのクラスタの成長せいちょうかく生成せいせいではなく拡散かくさんによって制限せいげんされることになる[5]

臨界りんかい半径はんけいのクラスタの生成せいせい必要ひつよう自由じゆうエネルギーは

 

となり、このてん 最大さいだい となる[4]

 平衡へいこう温度おんど, 融解ゆうかいねつ ( )のしきあらわすと、

 

融点ゆうてん での平衡へいこうてん ( ) でこのしき評価ひょうかすると、

 

 以前いぜんしき代入だいにゅうすると、

 

さらに、ひや   であるため、

 

となる。一旦いったんこのてんえると、クラスタの成長せいちょうともなあらたな表面ひょうめん形成けいせい十分じゅうぶんなエネルギーが供給きょうきゅうされるようになる。最終さいしゅうてきあらたなねつ力学りきがくてき平衡へいこうたっするまで、かく成長せいちょうしていく。

   もちいてあらわすと、

 
 

これは、ひやおおきいほどあい変態へんたい促進そくしんされ、臨界りんかい半径はんけい・エネルギーがちいさくなることを意味いみしている。

均質きんしつかく生成せいせい 編集へんしゅう

通常つうじょう均質きんしつかく生成せいせいよりも均質きんしつかく生成せいせいほう発生はっせいしやすい。これは不純物ふじゅんぶつ容器ようきかべなどとの境界きょうかいめん発生はっせいし、均質きんしつかく生成せいせいよりもひくいエネルギーでかく生成せいせいこる。このような場所ばしょでは、表面ひょうめんエネルギーがひくくなることでエネルギー障壁しょうへき低下ていかするためにかく生成せいせい促進そくしんされる。これはせいつよ関連かんれんしており、接触せっしょくかくが 0°にちかいほどかく生成せいせいをよりつよ促進そくしんする。 これに必要ひつよう自由じゆうエネルギーは、均質きんしつかく生成せいせいさいのエネルギーと、接触せっしょくかく関数かんすうとのせきになる。

 

ここで、 

 
エネルギー障壁しょうへき

エネルギー障壁しょうへき低下ていかしているため、必要ひつようひやちいさくなる。接触せっしょくかくがクラスタ形状けいじょう影響えいきょうするために、臨界りんかい半径はんけい変化へんかしないがクラスタの体積たいせきちいさくてむ。

均質きんしつかく生成せいせい場合ばあいは、かべ流体りゅうたいはなれることで解放かいほうされるエネルギーも重要じゅうようである。たとえばペットボトルの表面ひょうめんにCO2あわ形成けいせいされるような場合ばあいみずとボトルの接触せっしょくめんはなれることで解放かいほうされるエネルギーは、あわみずあわとボトルの接触せっしょくめん形成けいせいするエネルギーとなる。おな現象げんしょう沈殿ちんでん粒子りゅうし結晶けっしょうつぶかい形成けいせいられる。また、これは均質きんしつかく生成せいせい依存いぞんする現象げんしょうである、金属きんぞく時効じこうさまたげる。

かく生成せいせい速度そくど 編集へんしゅう

かく生成せいせい速度そくど I は臨界りんかいクラスタの平均へいきんすう n* とクラスタの拡散かくさん速度そくど 依存いぞんする。

 

n*は

 

となる。ここで、

  • ΔでるたG*臨界りんかい半径はんけい対応たいおうする臨界りんかい自由じゆうエネルギー
  • N単位たんい体積たいせきあたりの潜在せんざいてきかく生成せいせい部位ぶいかず
  • kBボルツマン定数ていすう

一定いっていのサイズにたっしたクラスタすうは、けいぜん分子ぶんしすう・クラスタ生成せいせい必要ひつよう自由じゆうエネルギー・温度おんど関数かんすうとなる。クラスタすう温度おんどとも増加ぞうかする。

臨界りんかいかくあらたな原子げんしくわわるかくりつは、Volmer-Weber理論りろんによると

 

となる。ここで A は分子ぶんし結合けつごうする表面ひょうめん形状けいじょう粒子りゅうし振動しんどう周波数しゅうはすう依存いぞんする係数けいすう、Qは分子ぶんし移動いどう必要ひつよう活性かっせいエネルギーである。

これによりかく生成せいせい部位ぶいでの拡散かくさん考慮こうりょすることができる。だがこの理論りろん問題もんだいてんは、臨界りんかい半径はんけい以上いじょうのクラスタの形成けいせい無視むしし、クラスタのサイズ分布ぶんぷ一定いっていであると仮定かていしていることである。

かく生成せいせい速度そくど

 

あらわされる。ここで、

 
かく生成せいせい速度そくど

温度おんどひくすぎると拡散かくさん速度そくどひくいため、かく生成せいせい部位ぶい到達とうたつする粒子りゅうしすくなくなり、かく生成せいせい速度そくどおそくなる。だが、温度おんどたかすぎると分子ぶんしかくからけだしてしまい、やはりかく生成せいせい速度そくどおそくなる。

定常ていじょう状態じょうたいでのかく形成けいせいようする時間じかん  [6]

 

というしきあらわされる。ここで a平均へいきん粒子りゅうしみちである。

スピノーダル領域りょういき 編集へんしゅう

あい転移てんい過程かていスピノーダル分解ぶんかいによっても説明せつめいすることができる。これは、ちいさな摂動せつどうによりけいのエネルギーが減少げんしょうすることで自発じはつてき成長せいちょうはじまる領域りょういきはいるまで、あい分離ぶんりおくれることである[7]

現代げんだいてき理論りろん 編集へんしゅう

古典こてん理論りろん問題もんだいてん 編集へんしゅう

古典こてんてきかく生成せいせい理論りろん (CNT) にはおおくの前提ぜんてい条件じょうけんがあるため、実際じっさい問題もんだいへの応用おうよう制限せいげんされている。CNTは分子ぶんし巨視的きょしてき性質せいしつ微視的びしてきうごきに適用てきようできることを前提ぜんていとしているが、これは10分子ぶんし程度ていどからなるちいさなクラスタの密度みつど表面張力ひょうめんちょうりょく飽和ほうわ蒸気じょうきあつなどをあつかさい破綻はたんする。また、かく周辺しゅうへんでの粒子りゅうし相互そうご作用さよう考慮こうりょされていない。

変更へんこうてん 編集へんしゅう

ここ50ねん収集しゅうしゅうされた実験じっけん結果けっかにより、あらたなかく生成せいせいモデルがつくられている。そのひとつが Self-consistent theory (SCT) である[8]。この理論りろんによると、

 

ここで、

この理論りろんのもとでは、かく生成せいせい速度そくど

 

となる。ここで、I は古典こてん理論りろん計算けいさんされたかく生成せいせい速度そくどである。係数けいすうたんりょうたい表面ひょうめんエネルギーをあらわす。

べつ現代げんだいてき理論りろんとしてDillmann-Meier理論りろんがある。これによると自由じゆうエネルギー変化へんか

 

あらわされる。ここで

  • τたうkn ・qo任意にんい係数けいすう
  • Vけい体積たいせき

係数けいすう kn はクラスタの表面ひょうめんエネルギーと巨視的きょしてきえきしずくとの反映はんえいする。だいだいさんこうは、えきしずく自由じゆうエネルギーたいして並進へいしん振動しんどう回転かいてん自由じゆう考慮こうりょする。だいよんこうじゅん安定あんてい状態じょうたい緩和かんわ考慮こうりょしたものである。おおくの研究けんきゅうしゃは、この方程式ほうていしきによってクラスタ形成けいせいのエネルギーにかんする重要じゅうよう知見ちけんられるとかんがえている[9]

このような修正しゅうせいによってモデルの適合てきごうせい向上こうじょうしているが、様々さまざま状況じょうきょう対応たいおうできるモデルをつくるために研究けんきゅうつづけられている。

応用おうよう 編集へんしゅう

この現象げんしょうは、様々さまざま科学かがく技術ぎじゅつてき側面そくめんから注目ちゅうもくびている。化学かがく工業こうぎょうでは、触媒しょくばいとして金属きんぞくちょう分散ぶんさん粉末ふんまつ調製ちょうせいするような場合ばあいにも多用たようされる。たとえば、TiO2のナノ粒子りゅうし白金はっきん結合けつごうさせたものをもちいると、みずからの水素すいそ合成ごうせい触媒しょくばいすることができる[10]。また半導体はんどうたい産業さんぎょうでは、ギャップはば金属きんぞくナノクラスタのサイズに影響えいきょうされるために重要じゅうようである[11]

実験じっけん 編集へんしゅう

実験じっけんてきかく生成せいせい速度そくどもとめるのはむずかしい場合ばあいがある。かく生成せいせいこすには十分じゅうぶん冷却れいきゃく必要ひつようであるが、その温度おんどではかく成長せいちょう速度そくどおそすぎて測定そくていできない場合ばあいがあるためである。この問題もんだいたいしては、Gustav Tammann により開発かいはつされた方法ほうほうがある。 [12] この方法ほうほうでは、低温ていおん Tnかく生成せいせいこし、高温こうおん Tg結晶けっしょう成長せいちょうさせる。条件じょうけんとしては、Tnでのかく生成せいせい速度そくどがTgでの速度そくどより十分じゅうぶんはやいこと(I(Tn)>> I(Tg))、Tg での成長せいちょう速度そくどが Tn での速度そくどより十分じゅうぶんおそいこと(U(Tg) >> U(Tn))がげられる。また、高温こうおんでは臨界りんかい半径はんけいおおきくなるため、加熱かねつぎるとクラスタは臨界りんかい半径はんけいたっすることができずに溶解ようかいしてしまう。そのため加熱かねつ慎重しんちょうおこなわなければならない。

Koster はアモルファス金属きんぞくのための方法ほうほう提案ていあんしている[6]。この方法ほうほう結晶けっしょうおおきさがことなる場合ばあいについても考慮こうりょしており、成長せいちょうりつからいつ結晶けっしょう形成けいせいされたか決定けっていすることをこころみている。これは均質きんしつ均質きんしつかく生成せいせいどちらの場合ばあいにも使つかえる。

脚注きゃくちゅう 編集へんしゅう

  1. ^ E.M-V. and R. Bowles (2007) Surface nucleation in the freezing of gold nanoparticles. Phys. Rev. Lett. May 4;98 (18) 185503
  2. ^ R. J. Young (1981) Introduction to Polymers (CRC Press, NY) ISBN 0-412-22170-5
  3. ^ F. F. Abraham (1974) Homogeneous nucleation theory (Academic Press, NY)[Google Books|https://books.google.com/books?id=uftWE2eAH10C&lpg=PA76&dq=homogeneous%20nucleation&pg=PA78#v=onepage&q=homogeneous%20nucleation&f=false]
  4. ^ a b c かく生成せいせい界面かいめん
  5. ^ Frank S. Ham (1959) Diffusion-limited growth of precipitate particles, J. Appl. Phys. 30:1518-1525
  6. ^ a b Schmelzer, J (Ed.), Fokin, Yuritsyn, Zanotto. Nucleation Theory and Applications. Nucleation and Crystallization Kinetics in Silicate Glasses: Theory and Experiment. P. 76-83. 2005. Wiley-VCH Verlag GmbH & Co.
  7. ^ Mendez-Villuendas E et al. (2007) A limit of stability in supercooled liquid clusters. J Chem Phys. Oct 21;127 (15):154703
  8. ^ S.L. Girshick, C.-P. Chiu, The Journal of Chemical Physics 93 (2), pp. 1273-1277 (1990)
  9. ^ Anisimov, M.P., Nucleation: theory and experiment. Russian Chemical Reviews, 2003. 72(7): p. 591-600
  10. ^ R Palmans, A J Frank J. Phys. Chem. 95 9438 (1991)
  11. ^ T Rajh, O I Micic, A J Nozik J. Phys. Chem. 97 11999 (1993)
  12. ^ Tammann, Z. Physical Chemistry. B 25, 441. 1898.