次元じげん潜航せんこう艇てい

次元じげん潜航せんこう艇てい（じげんせんこうてい）は、テレビアニメ『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマトIII』に登場とうじょうする架空かくうの宇宙うちゅう艦艇かんてい。デザイン担当たんとうは板橋いたばし克己かつみ。『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト』のリメイク作さくである『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199』より登場とうじょうする次元じげん潜航せんこう艦かん UX-01についても、本ほん項こうで解説かいせつする。

諸しょ設定せってい

諸しょ元もと

全長ぜんちょう	192 m
主おも機き	波動はどうエンジン
武装ぶそう	亜あ空間くうかん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん×6門もん 前部ぜんぶ上じょう甲板かんぱん多連装たれんそうミサイルランチャー×2基き 連装れんそう砲塔ほうとう×2基き

ガルマン・ガミラス帝国ていこくが保有ほゆうする特殊とくしゅ戦闘せんとう艦艇かんてい。次元じげん断層だんそうや亜あ空間くうかんに潜ひそむ特殊とくしゅ能力のうりょくを付与ふよされた戦闘せんとう艦艇かんていであり、現実げんじつ世界せかいにおける潜水せんすい艦かんに相当そうとうする。

塗装とそうはグリーン。直方体ちょくほうたいに近ちかいシンプルな面めん構成こうせいを持もち、先端せんたん部分ぶぶんに開ひらいた大おおきな開口かいこう部ぶと、その周囲しゅういの鮮あざやかな赤色あかいろの塗ぬり分わけが特徴とくちょうである。司令塔しれいとうの形状けいじょうは、現実げんじつ世界せかいにおけるタイフーン型がた原子力げんしりょく潜水せんすい艦かんなどのセイル状じょうドームが重かさなった形状けいじょうをしている。司令塔しれいとうには、レールによって前後ぜんごに移動いどうする機構きこうが備そなわっている。「艇てい」と名ながつくが、全長ぜんちょうは200メートル近ちかくあり、小ちいさくはない。

亜あ空間くうかん断層だんそう発振はっしん装置そうちによって、周囲しゅういに自由じゆうに亜あ空間くうかん断層だんそうを発生はっせいさせることが可能かのうであり、その中なかに潜ひそむことで潜水せんすい艦かんと同様どうようの奇襲きしゅう攻撃こうげきを仕掛しかけることができる。亜あ空間くうかんに潜ひそんだ潜航せんこう艇ていから通常つうじょう空間くうかんを視認しにんする際さいには、潜望鏡せんぼうきょうを使用しようする。通常つうじょうの索敵さくてき方法ほうほうでは発見はっけんできず、一方いっぽう的てきに攻撃こうげきできるが、亜あ空間くうかんソナーなどの超ちょう空間くうかん探知たんち装置そうちを用もちいた探知たんちは可能かのうであり、波動はどう爆雷ばくらいによる攻撃こうげきの影響えいきょうも及およぶ。

通常つうじょう空間くうかん（宇宙うちゅう空間くうかん）を航行こうこうする際さい、現実げんじつ世界せかいの艦船かんせんが起おこす波なみのような見みた目めの、通常つうじょう空間くうかんと亜あ空間くうかんとの境目さかいめである波なみのようなものを艦かん体たいに纏まとう。

主おも兵へい装そうとして艦かん首くびに亜あ空間くうかん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん6門もんを持もつほか、前部ぜんぶ上じょう甲板かんぱんに多連装たれんそうミサイルランチャー2基きと、艦橋かんきょう構造こうぞう物ぶつ前部ぜんぶには格納かくのう式しきで小型こがたの砲身ほうしん付づけ連装れんそう砲塔ほうとう2基きがある（いずれも本編ほんぺん未み使用しよう）。

第だい14話わの劇げき中ちゅう描写びょうしゃで、搭載とうさい機関きかんが波動はどうエンジンであることが判明はんめいしている。推進すいしんノズルは2基きある。

初期しょき案あんではデスラー潜水せんすい艦かんと呼よばれていた。その後ご、多次元たじげん潜航せんこう艇ていに変更へんこうされ、最終さいしゅう的てきには次元じげん潜航せんこう艇ていとなった。没ぼつになった準備じゅんび稿こうには、板橋いたばしだけでなくもとのりゆきによって描えがかれたものもあった。また、本ほん艇ていに関連かんれんしたメカニックとして多次元たじげん潜航せんこう艇てい母艦ぼかんと呼よばれる艦かんも考案こうあんされ、「母艦ぼかんによって運はこばれる」というアイデアが存在そんざいした。

劇げき中ちゅうでの登場とうじょう

第だい14・15・16話わに登場とうじょうする。

第だい14話わで、東部とうぶ方面ほうめん総そう司令しれいガイデルの配下はいかにして、「ガルマンウルフ」の異名いみょうで知しられる名将めいしょう・フラーケンの率ひきいる艦隊かんたいを構成こうせいする艦艇かんていとして10隻せきが登場とうじょう。東部とうぶ方面ほうめん軍ぐん総そう司令しれい部ぶに招集しょうしゅうされたフラーケンは、ヤマトを撃滅げきめつするよう指令しれいを受うけ、出撃しゅつげきする。異い次元じげん空間くうかんからの亜あ空間くうかん魚雷ぎょらいによる一方いっぽう的てきな攻撃こうげきを行おこない、ヤマトに損害そんがいを与あたえるが、訓練くんれん学校がっこうで亜あ空間くうかん戦闘せんとうを履修りしゅうしていた土門どもん竜介りゅうすけに、潜望鏡せんぼうきょうを偶然ぐうぜんに発見はっけんされ、敵てきが亜あ空間くうかんに潜ひそんで攻撃こうげきを仕掛しかけていることを看破かんぱされる。土門どもんの提案ていあんで、異い次元じげん攻撃こうげきに効果こうかがある波動はどう爆雷ばくらいが亜あ空間くうかんに潜もぐっていた潜航せんこう艇てい隊たいに向むけて放はなたれた結果けっか、1隻せきが被弾ひだんして通常つうじょう空間くうかんに浮上ふじょうしたところをヤマトの主砲しゅほうで撃沈げきちんされる。続つづく第だい15話わで、ヤマトを東部とうぶ方面ほうめん軍ぐん総そう司令しれい部ぶへおびき寄よせようとするが、ヤマト側がわが亜あ空間くうかんソナーを急遽きゅうきょ製作せいさくして対抗たいこうしてくる。フラーケンは友軍ゆうぐん艦かん2隻せきを囮おとりにし、亜あ空間くうかんソナーにわざと探知たんちさせて撃沈げきちんさせ、その攻撃こうげき音おんに紛まぎれて接近せっきんして亜あ空間くうかん魚雷ぎょらいを大量たいりょうに浴あびせる。その後ご、東部とうぶ方面ほうめん軍ぐん総そう司令しれい部ぶのある方向ほうこうへ陽動ようどうし、ヤマトを捕獲ほかくすることに成功せいこうする。

第だい16話わでは、ガルマン・ガミラス本ほん星ほしの軍事ぐんじパレード式典しきてんにて1隻せきが超ちょう低空ていくう航行こうこうしている。

次元じげん潜航せんこう艦かん UX-01

諸しょ元もと

艦かん種しゅ	次元じげん潜航せんこう艦かん
全長ぜんちょう	144 m
主おも機き	ゲシュ＝タム機関きかん（通常つうじょう空間くうかん航行こうこう時じ） ゲシュ＝ヴァール機関きかん（次元じげん潜航せんこう時じ）
武装ぶそう	艦かん首くび亜あ空間くうかん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん×6門もん 艦かん尾お亜あ空間くうかん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かん×2門もん 99ミリ単たん装そう陽電子ようでんしビーム砲塔ほうとう×1基き（前ぜん甲板かんぱん） 33ミリ連装れんそうレーザー機関きかん砲ほう×1基き（セイル後方こうほう） ミサイル発射はっしゃ管かん×8門もん（艦かん首くび上面うわつら） 空間くうかん機雷きらい敷設ふせつ装置そうち×5基き（後部こうぶ甲板かんぱん）

『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199』で、ヴォルフ・フラーケンが艦長かんちょうを務つとめるガミラス艦かん。デザイン担当たんとうは石津いしづ泰志やすし、艦内かんないは山根やまね公利きみとし。

通常つうじょう空間くうかんのみならず、異い次元じげん空間くうかんへの往来おうらい・航行こうこうも可能かのうな特殊とくしゅ戦闘せんとう艦艇かんてい。通常つうじょう空間くうかんでは、他たのガミラス艦かんと同様どうようの波動はどう推進すいしん「ゲシュ＝タム機関きかん」で航行こうこうするが、次元じげん潜航せんこう時じは亜あ空間くうかん推進すいしん「ゲシュ＝ヴァール機関きかん」に切きり替かえて航行こうこうする。また、異い次元じげん空間くうかんでの推進すいしんエネルギー浪費ろうひを抑おさえるために備そなえられた多次元たじげん位相いそうバラストタンクでエネルギー流出りゅうしゅつを抑おさえており、さらにそれを転用てんようすることで艦かん体たいの浮上ふじょうや沈降ちんこうを制御せいぎょする。セイルには、次元じげん潜望鏡せんぼうきょうや、その後方こうほうに超ちょう空間くうかんケーブルでつながれた索敵さくてきプローブが備そなわっており、これらを通常つうじょう空間くうかんに露出ろしゅつさせて周辺しゅうへんの様子ようすを探索たんさくできる。次元じげん潜航せんこう時間じかんは最高さいこう軍事ぐんじ機密きみつとなっており、公開こうかいされていない。

開発かいはつ初期しょきの実験じっけん段階だんかいでは異い次元じげん空間くうかんからの浮上ふじょうができず、多おおくの試作しさく艦かんが行方ゆくえ不明ふめいとなっており、その存在そんざいを知しる者ものからは「異い次元じげんの棺桶かんおけ」と揶揄やゆされ、就役しゅうえきすら危あやぶまれたという背景はいけい設定せっていを持もつ。『2199』劇げき中ちゅう時点じてんで就役しゅうえき中ちゅうなのはUX-01のみで、開発かいはつ費ひが高額こうがくかつ貴重きちょうな試作しさく兵器へいきということもあり、総統そうとう直轄ちょっかつの特務とくむ艦かんとされている。

Uボートを元もとにデザインされており、艦かんの形状けいじょうは水上みずかみ船型せんけいをしている。艦かん首くび亜あ空間くうかん魚雷ぎょらい発射はっしゃ管かんの後方こうほうにはガミラス艦かん特有とくゆうの「目玉めだま」状じょう構造こうぞう物ぶつがあり、艦かん尾上おのえ部ぶには「ゲシュ＝タム機関きかん」の推進すいしんノズル、艦かん尾下おくだり部ぶには「ゲシュ＝ヴァール機関きかん」のスクリューが備そなわっている。

亜あ空間くうかん魚雷ぎょらいは通常つうじょうの空間くうかん魚雷ぎょらいとは異ことなり、射出しゃしゅつ後ごに次元じげん境界きょうかい面めんを突破とっぱする必要ひつようがあるため、ゲシュ＝ヴァール機関きかんを小型こがた化かした亜あ空間くうかん推進すいしんタービンを搭載とうさいしている。異い次元じげん空間くうかん内ないでは泡あわのようなものを噴出ふんしゅつしながら移動いどうし、次元じげん境界きょうかい面めんを突破とっぱして通常つうじょう空間くうかんに出でた後のちはブースターに点火てんかして目標もくひょうへ急速きゅうそく接近せっきんする。

劇げき中ちゅうでの登場とうじょう（次元じげん潜航せんこう艦かん）

宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199

第だい12話わから登場とうじょう。ガル・ディッツがエルク・ドメルの依頼いらいを受うけ、総統そうとう府ふを介かいさずに航こう宙ちゅう艦隊かんたい総そう司令しれい官かんの権限けんげんで彼かれに貸与たいよする。銀河系ぎんがけい外縁がいえん部ぶを航行こうこう中ちゅうのヤマトを奇襲きしゅうするが、星ほし間あいだ物質ぶっしつが大量たいりょうに漂ただよう原始げんし星ぼし恒星こうせい系けいへ隠かくれられる。第だい13話わでは、星ほし系けい外がいへデコイを射出しゃしゅつして陽動ようどうを行おこない、ヤマトに亜あ空間くうかんソナーを使用しようさせてそれを逆ぎゃく探知たんちすることによって位置いちを掴つかみ、攻勢こうせいに出でる。しかし、古代こだい進すすむが独断どくだんで発進はっしんさせたコスモシーガルの亜あ空間くうかんソノブイによって索敵さくてきプローブを発見はっけん・破壊はかいされたことから「目め」を潰つぶされ、その隙すきに逃走とうそうされる。

第だい14話わでは、ミーゼラ・セレステラからの命令めいれいで作戦さくせんに必要ひつような特殊とくしゅ粒子りゅうしをヤマトの予想よそう進路しんろ上じょうに散布さんぷした後のち、総統そうとうアベルト・デスラーからの「勅命ちょくめい」による、総統そうとう暗殺あんさつ計画けいかくからデスラーを保護ほごする任務にんむに就つくため、ドメルの指揮しき下かを離はなれる。

第だい19話わ・第だい20話わの七なな色しょく星団せいだん海戦かいせんでは、再ふたたびドメルに貸与たいよされ、ユリーシャ・イスカンダルの拉致らち任務にんむに充あてられる。FS型がた宙ちゅう雷かみなり艇ていを後部こうぶ甲板かんぱんに乗のせた状態じょうたいでヤマトの近辺きんぺんに身みを潜ひそめ、第だい二に次じ攻撃こうげき隊たいの爆撃ばくげきによってヤマトのレーダーが破壊はかいされたのを見計みはからって浮上ふじょうし、宙ちゅう雷かみなり艇ていをヤマトに接せっ舷ふなばたさせると、ユリーシャ（実際じっさいにはユリーシャと誤認ごにんされた森もり雪ゆき）の拉致らちに成功せいこうしてヤマトから離はなれた宙ちゅう雷かみなり艇ていを回収かいしゅうする。第だい21話わでは、惑星わくせいレプタポーダで雪ゆきを引ひき渡わたして任務にんむを終おえるが、囚人しゅうじんたちの反乱はんらんが発生はっせいしたため、雪ゆきたちを再度さいど収容しゅうようしてガミラス星ぼしに向むかう。

デスラー政権せいけん崩壊ほうかい後ごにはディッツの指揮しき下かに入はいり、第だい25話わでは彼かれが各かく方面ほうめん軍ぐんに出だしていた召還しょうかん命令めいれいを無視むししたグレムト・ゲールの前まえに現あらわれ、逮捕たいほ命令めいれいが出でていることを通告つうこくした後のち、攻撃こうげきしてきたゲールが座乗ざじょうするガイテロール級きゅう航こう宙ちゅう戦艦せんかん「ゲルガメッシュ」を撃沈げきちんして帰投きとうする。

宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2202 愛あいの戦士せんしたち

本ほん作さくではUX-01のほか、UX-02からUX-04までの同型どうけい艦かんも登場とうじょうしている。

第だい22話わでは、火星かせい上空じょうくうに待機たいきしている航こう宙ちゅう戦闘せんとう母艦ぼかんCCCの飛行ひこう甲板かんぱん上じょうに係留けいりゅうされた状態じょうたいで、2カットのみ映うつる形かたちで初はつ登場とうじょう。第だい24話わでは4隻せきがヤマトを囲かこむ形かたちで連動れんどうし、ヤマトを異い次元じげん空間くうかんに潜航せんこうさせて都市とし帝国ていこくの中枢ちゅうすう手前てまえまで送おくり届とどける。

宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2205 新あらたなる旅立たびだち

UX-01からUX-04までの4隻せきが冒頭ぼうとうのガルマン星ほし奪取だっしゅ作戦さくせんから全編ぜんぺんを通とおして登場とうじょうする。

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 『ROMAN ALBUM DELUXE 54 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマトIII』徳間書店とくましょてん〈ロマンアルバムデラックスシリーズ〉、1981年ねん6月がつ30日にち。 
• 『ROMAN ALBUM EXCELLENT 54 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト PERFECT MANUAL2』徳間書店とくましょてん〈ロマンアルバムエクセレントシリーズ〉、1983年ねん1月がつ30日にち。 
• 『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト画が報ほう ロマン宇宙うちゅう戦記せんき二に十じゅう五ご年ねんの歩あゆみ』竹たけ書房しょぼう、2001年ねん3月がつ3日にち。ISBN 978-4-8124-0700-4。 
• 『週刊しゅうかん宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト OFFICIAL FACTFILE』デアゴスティーニ・ジャパン、2010年ねん - 2011年ねん。 
• 『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199 公式こうしき設定せってい資料集しりょうしゅう[GARMILLAS]』マッグガーデン、2013年ねん10月がつ31日にち。ISBN 978-4-80-000193-1。 
• 『宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199 COMPLETE WORKS-全ぜん記録きろく集しゅう-Vol.2』マッグガーデン、2014年ねん12月21日にち。ISBN 978-4800004680。 

外部がいぶリンク

• “次元じげん潜航せんこう艇てい”. 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト発信はっしん！情報じょうほう班はん資料しりょう室しつ. 東北新社とうほくしんしゃ、バンダイネットワークス. 2007年ねん12月20日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。2017年ねん3月がつ27日にち閲覧えつらん。
• “次元じげん潜航せんこう艦かん UX-01 メカニック｜宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト２１９９”. 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199先行せんこう上映じょうえい版ばん公式こうしきサイト. 宇宙うちゅう戦艦せんかんヤマト2199製作せいさく委員いいん会かい. 2017年ねん3月がつ27日にち閲覧えつらん。