流木りゅうぼく(りゅうぼく)とは、河川かせんや海うみに流ながれ込こんだ樹木じゅもくやその一部いちぶ、およびそれらが河岸かわぎしや海岸かいがんに漂流ひょうりゅう物ぶつとして打うち上あげられたもののことである。
多量たりょうに発生はっせいする原因げんいんとして、河川かせんの上流じょうりゅう部ぶでは、山間さんかん部ぶで発生はっせいした土砂どしゃ災害さいがいによる倒木とうぼくなどが河川かせんに流ながれ込こむことが挙あげられる。また、中なか・下流かりゅう部ぶでは、倒木とうぼくし川底かわぞこに堆積たいせきしていた河畔かはん林りんが洪水こうずいにより洗あらい流ながされて流木りゅうぼくが発生はっせいする。海浜かいひん部ぶでは、希まれに航行こうこう中ちゅうの貨物かもつ船せんから流出りゅうしゅつした木材もくざいが大量たいりょうに漂着ひょうちゃくすることもある。
流木りゅうぼくは本来ほんらい水中すいちゅうにあるものではなく、偶発ぐうはつ的てきに流入りゅうにゅうするものではあるが、その頻度ひんどは低ひくくなく、存在そんざいすることがほぼ恒常こうじょう的てきである。そのためこれを資源しげんとして消費しょうひし、そこで生活せいかつする動物どうぶつはいくつかある。たとえばフナクイムシやキクイムシは海産かいさん動物どうぶつであるが、流木りゅうぼくを生活せいかつの場ばとしている。
海岸かいがんに漂着ひょうちゃくする流木りゅうぼくを使つかってアート作品さくひんを作成さくせいする芸術げいじゅつ家かがいる。
また、アクアリウムの世界せかいでは、水槽すいそうレイアウトに利用りようするほか、生体せいたいの隠かくれ家がや水草みずくさや苔こけを活着かっちゃくさせるなど、幅広はばひろく利用りようされている。流木りゅうぼくから発生はっせいするアクはフミン酸さん(腐植ふしょく酸さん)である。
ダムに流ながれ込こむ流木りゅうぼくを引ひき上あげてチップ化かする事業じぎょうが行おこなわれているが、採算さいさんは取とれないとされる。泥どろによる汚よごれが酷ひどいため製紙せいし用ようには用もちいることはできず、バーク堆肥たいひ化かなどバイオマスとして利用りようされる。
流木りゅうぼくがもたらす被害ひがいとして、以下いかのようなものが挙あげられる。漂着ひょうちゃくした流木りゅうぼくの処分しょぶんは、地元じもと自治体じちたいが行おこなうこととなる。