碇いかりシンジ

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碇いかり シンジ（いかり シンジ）は、日本にっぽんのアニメーション作品さくひん『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン』やそのリメイク・リブート作さく『ヱヴァンゲリヲン新しん劇場げきじょう版ばん』、その派生はせい作品さくひんに登場とうじょうする架空かくうの人物じんぶつで、同どう作さくの主人公しゅじんこうである。担当たんとう声優せいゆうは緒方おがた恵美えみ。

碇いかり シンジ
『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン』シリーズ・『ヱヴァンゲリヲン新しん劇場げきじょう版ばん』シリーズのキャラクター
作者さくしゃ	庵あん野の秀明ひであき 貞さだ本義ほんぎ行ぎょう（デザイン）ほか
声優せいゆう	緒方おがた恵美えみ
プロフィール
別名べつめい	サードチルドレン 第だい3の少年しょうねん
生年月日せいねんがっぴ	2001年ねん6月がつ6日にち（TVシリーズ）
年齢ねんれい	14歳さい
性別せいべつ	男性だんせい
身長しんちょう	157cm（新しん劇場げきじょう版ばん）
血液けつえき型がた	A型がた（TVシリーズ）
肩書かたがき	エヴァンゲリオンパイロット
家族かぞく	碇いかりゲンドウ 碇いかりユイ
使用しよう兵器へいき	エヴァンゲリオン初号しょごう機きほか

プロフィール

アニメ・漫画まんが版ばん 共通きょうつう

主人公しゅじんこう。父ちちは碇いかりゲンドウ、母ははは碇いかりユイ。同居どうきょ人じんは家主やぬしであり上司じょうし兼けん保護ほご者しゃのNERV戦術せんじゅつ作戦さくせん部ぶ作戦さくせん局きょく第だい一いち課か 課長かちょうの葛城かつらぎミサト、EVA弐に号機ごうきパイロットの惣そう流りゅう・アスカ・ラングレー、ミサトのペットでペンギンのペンペン。

エヴァンゲリオン（EVA）とのシンクロには天才てんさい的てきな才能さいのうを見みせる。

容姿ようしは顔立かおだちに関かんしてはミサトから「可愛かわいらしい」と言いわれている。キャラクターデザインを担当たんとうした貞さだ本義ほんぎ行ぎょうによると、シンジは従来じゅうらいのヒーローらしい熱血漢ねっけつかんではなく、女性じょせい的てきな繊細せんさいさや清潔せいけつ感かんとともに、冷さめたやる気きのなさを持もち自分じぶんの殻からを作つくる「現代げんだいっ子こ」のキャラクターとして作つくられた。デザイン的てきには、牛ぎゅう若わか丸まるや日本にっぽん武たけ尊たかしなどの、日本にっぽん古来こらいのヒーロー像ぞうにある中性ちゅうせい的てきな美少年びしょうねんがイメージされ、その女性じょせい的てき要素ようそは『ふしぎの海うみのナディア』の少女しょうじょキャラクター・ナディアの顔かおをおだやかに描えがいて、まつげを取とり髪型かみがたを変かえたかたちになっている。

• 生年月日せいねんがっぴ：2001年ねん6月6日にち
• 血液けつえき型がた：A型がた
• 年齢ねんれい：14歳さい
• 身長しんちょう：157cm
• 所属しょぞく：NERV/EVA初号しょごう機き専属せんぞく操縦そうじゅう者しゃ、第だい3新しん東京とうきょう市立しりつ第だい壱いち中学校ちゅうがっこう2年ねんA組ぐみ
• 特技とくぎ：チェロ演奏えんそう、料理りょうり

テレビ版ばん・旧きゅう劇場げきじょう版ばん

本ほん作品さくひんの主人公しゅじんこう。父ちちゲンドウ・母ははユイの息子むすことして生うまれる。エヴァンゲリオン初号しょごう機きのパイロット（3人にん目めの適格てきかく者しゃ＝サードチルドレン）。一人称いちにんしょうは僕ぼく。

経歴けいれき

2004年ねんに行おこなわれた初号しょごう機きの起動きどう実験じっけんにおいて目めの前まえで母ははを失うしない、その後ごまもなく父ちちにより「先生せんせい」と呼よばれる人物じんぶつの元もとに預あづけられる。そして作中さくちゅう舞台ぶたいとなる2015年ねん、突如とつじょ、父ちちにより、NERV本部ほんぶがある第だい3新しん東京とうきょう市しに呼よばれて初号しょごう機きの専属せんぞくパイロットに命めいじられる。上司じょうしである葛城かつらぎミサトと同居どうきょ生活せいかつすることになり、EVAのパイロットとして使徒しと殲滅せんめつの任務にんむに就つくかたわら、同どう市内しないの市立しりつ第だい壱いち中学校ちゅうがっこうに通かようことになる。

度重たびかさなる使徒しととの戦たたかい、父ちちとの確執かくしつ、ミサトをはじめ、同どうパイロットである綾あや波はレイや惣そう流りゅう・アスカ・ラングレー、そして友人ゆうじんとなる鈴原すずはらトウジや相田あいだケンスケとの出会であい・交流こうりゅうの中なかで、シンジは苦悩くのう・葛藤かっとうし、傷きずつきながらも少すこしずつ成長せいちょうしていき、自分じぶんの存在そんざい意義いぎを求もとめていく。

しかし、次第しだいに状況じょうきょうは過酷かこくなものとなり、度重たびかさなる悲劇ひげきからシンジは精神せいしん的てきに疲弊ひへいしていく。そんな中なか、渚なぎさカヲルを自みずからの手てで殺ころしたことで心しんを完全かんぜんに閉とざし、ゼーレによりその不安定ふあんていな精神せいしんを人類じんるい補完ほかん計画けいかく発動はつどうの依より代だいとされてしまう。リリスと融合ゆうごうしたレイの意思いしにより全すべての決定けってい権けんを委ゆだねられ、一いち度どは他者たしゃの存在そんざいしない裏切うらぎりや傷きずつきのない世界せかいを望のぞむが、最終さいしゅう的てきには「もう一度いちど皆みなに会あいたい」という想おもいから、補完ほかん計画けいかくを破綻はたんさせた。また、テレビ版ばんでは自己じこの存在そんざいを肯定こうていすることで補完ほかんを破綻はたんさせる。

性格せいかく

「逃にげちゃダメだ」と記しるされた缶かんバッジ（公式こうしきグッズ）

幼少ようしょう時じに母親ははおやを亡なくし、父親ちちおやに捨すてられたことから家族かぞくの絆きずなや愛情あいじょうというものを知しらず、それがトラウマになっている。そのことから強烈きょうれつに愛情あいじょうに飢うえており、自分じぶんの存在そんざい価値かちに疑問ぎもんを抱いだき、ややナイーブで内向ないこう的てきな性格せいかくをしている。自分じぶんの居場所いばしょを周囲しゅういに求もとめながらも、痛いたみを恐おそれるあまり互たがいの傷きずつかない距離きょりを保たもとうとし、その結果けっか、表面ひょうめん的てきな付つき合あいをする傾向けいこうにある。

父親ちちおやを苦手にがてとし反発はんぱつする一方いっぽうで、内心ないしんでは分わかり合あいたい、愛あいされたいという屈折くっせつした感情かんじょうを抱だいており、EVAに乗のる理由りゆうも「父親ちちおやに認みとめられたいから」というもの。「逃にげちゃダメだ」と自分じぶんにい聞いきかせるセリフは、強迫きょうはく観念かんねんを表あらわすだけでなく、監督かんとくの庵あん野の秀明ひであき自身じしんの制作せいさく当時とうじの心境しんきょうを映うつしたものでもある。

アスカから「すぐに謝あやまりすぎ」と言いわれるほどに些細ささいな事ことでも謝罪しゃざいするなど、他人たにんとの深ふかいコミュニケーションが苦手にがてとされているが、ゲンドウ以外いがいの人物じんぶつに対たいしては極端きょくたんに苦手にがてという描写びょうしゃはなく、誰だれとでもそつなく会話かいわをこなし、表面ひょうめん上じょうは社交しゃこう性せいがある。大人おとなと対等たいとうに口くちをきく一方いっぽう、ごく普通ふつうの中学生ちゅうがくせいらしい様子ようすを見みせ、次第しだいに感情かんじょうを表ひょうに出だすようになる。また切羽詰せっぱつまった状況じょうきょう下かでは考かんがえるよりも行動こうどうするタイプで、対たい使徒しと戦せんでは勇敢ゆうかんな姿勢しせいや表情ひょうじょうをみせることもある。また、控ひかえめな性格せいかくで、優柔不断ゆうじゅうふだんで状況じょうきょうに流ながされやすい性格せいかくと捉とらえられることが多おおいが、庵あん野のの考かんがえでは「自分じぶんが決きめたら、梃子てこでも動うごかないような、頑かたくなで他人たにんを気きにしない性格せいかく」だという。なお、葛城かつらぎミサトの部屋へやを片付かたづけたり、綾あや波はレイの埃ほこりっぽい部屋へやに躊躇ちゅうちょするなど少々しょうしょう潔癖けっぺき症しょうがみられる。

交流こうりゅう（テレビ版ばん・旧きゅう劇場げきじょう版ばん）

葛城かつらぎミサト

同居どうきょ人じんであり保護ほご者しゃかつ上司じょうし。家いえではミサトがほとんど家事かじをしないため、代かわりに家事かじを担当たんとうし、そのずぼらな性格せいかくに呆あきれながらも、家族かぞくを知しらないシンジにとっては大おおきな存在そんざいとなり、叱咤しった激励げきれいを受うけながら次第しだいに心しんを開ひらいていく。しかし初はつ搭乗とうじょう時じの際さいの「だめよ、逃にげちゃ。お父とうさんから、何なによりも自分じぶんから」という言葉ことばは後押あとおしになった反面はんめん、強迫きょうはく観念かんねんのようにシンジの心しんを抑おさえつけることになる。

劇場げきじょう版ばんでは互たがいにむき出だしの感情かんじょうをぶつけ合あい、口くちづけと共ともにクロスのペンダントを渡わたされ、シンジはそれを最後さいごまで握にぎり締しめつつ補完ほかん計画けいかくに身みを投とうじる。

綾あや波はレイ

同僚どうりょうでありクラスメイト。自分じぶんよりも父ちちに近ちかい存在そんざいだったことで興味きょうみを抱いだき、彼女かのじょの空虚くうきょながらも毅然きぜんとした態度たいどはシンジの心しんに強つよい衝撃しょうげきを与あたえる。ヤシマ作戦さくせんを境さかいに彼女かのじょとの間あいだには絆きずなのようなものが生うまれ、互たがいに徐々じょじょに距離きょりが近ちかづいていく。彼女かのじょを意識いしきしつつも時ときに本当ほんとうの母親ははおやのように思おもえる母性ぼせいを感かんじることもあり、また気持きもちを表ひょうに出だすことを苦手にがてとする両者りょうしゃが関かかわることにより、互たがいの人間にんげん的てきな成長せいちょうが促うながされていく。しかし終盤しゅうばん、彼女かのじょの死しと真相しんそうを知しったことで、シンジは困惑こんわくしてしまう。

劇場げきじょう版ばんでは補完ほかん計画けいかくの最中さいちゅう、シンジは彼女かのじょとの会話かいわの中なかで「もう一度いちどみんなに会あいたい」という他者たしゃが存在そんざいする世界せかいを選択せんたくする。

惣そう流りゅう・アスカ・ラングレー

同僚どうりょうであり同居どうきょ人じんかつクラスメイト。シンジと正せい反対はんたいともいえる彼女かのじょの性格せいかくは、シンジの心しんを外そとに向むけさせる効果こうかになり、互たがいに口論こうろんをする場面ばめんなども見みられる。時ときに異性いせいとして意識いしきすることもあったが、対抗心たいこうしんや愛憎あいぞうに近ちかい感情かんじょうを向むけられ、シンジを戸惑とまどわせる存在そんざいとなる。

劇場げきじょう版ばんでは薬くすりで眠ねむっているアスカに助たすけを求もとめ、偶然ぐうぜん晒さらしけ出だされた彼女かのじょの半裸はんらに欲情よくじょうして自慰じいを行おこない、激はげしく自己じこ嫌悪けんおする。そして精神せいしん世界せかいで強つよい愛憎あいぞうを向むけられるが、シンジの感情かんじょうは非常ひじょうに曖昧あいまいなものであり、楽らくな居場所いばしょとして彼女かのじょの存在そんざいを求もとめたことで拒絶きょぜつされる。その後ご、自みずからが望のぞんだ他人たにんのいる世界せかいで、彼女かのじょは最初さいしょの他人たにんとなる。

碇いかりゲンドウ

実父じっぷであり上司じょうし。自分じぶんを捨すてたゲンドウに対たいし、シンジは反発はんぱつし憎にくみながらも愛情あいじょうを求もとめ、屈折くっせつした感情かんじょうを向むける。NERV入所にゅうしょ時じから冷つめたい態度たいどを向むけられるが、第だい10使徒しと戦せんで「よくやったな、シンジ」と褒ほめられたことで、自分じぶんがEVAに乗のる理由りゆうが「父ちちに褒ほめられたいから」と自覚じかくするようになる。最終さいしゅう的てきに和解わかいには至いたらなかったものの、父ちちに与あたえられたEVAにより、シンジは自分じぶんの居場所いばしょや、自分じぶんを必要ひつようとしてくれる存在そんざいを見出みいだすことになる。

鈴原すずはらトウジ・相田あいだケンスケ

クラスメイト。紆余曲折うよきょくせつを経へて友人ゆうじんになった彼かれらの存在そんざいは思おもいのほか大おおきく、彼かれらといる時ときのシンジは年頃としごろの少年しょうねんらしい表情ひょうじょうを見みせ、内向ないこう的てきな性格せいかくの改善かいぜんにも繋つながっていく。

渚なぎさカヲル

初はじめて自分じぶんのことを「好すき」と言いってくれた存在そんざいであり、自分じぶんを肯定こうていしてくれる彼かれは、親したしい人ひとたちを失うしない疲弊ひへいしていたシンジにとって非常ひじょうに大おおきな存在そんざいとなった。それだけに、彼かれが使徒しとだと知しった時ときの心しんの傷きずは深ふかく、また自みずからの手てで殺ころしたことにより、シンジの心しんに追おい討うちをかけるものとなる。

漫画まんが版ばん

漫画まんが版ばんでは、アニメ版ばんの特徴とくちょう的てき台詞せりふだった「逃にげちゃダメだ」を口くちにしなかったり、嫌悪けんおするゲンドウと自みずからの意思いしで向むき合あおうとする場面ばめんや初はじめてエヴァに乗のった際さいにも心しんの中なかで「ふん、おもしろいじゃないか、やってやる!」と言いったり、初はじめて会あったミサトに対たいしこちらも心しんの中なかとはいえ「ヘンな女おんな」と辛辣しんらつな表現ひょうげんでい放いはなつなど性格せいかくに差異さいが見受みうけられる。アニメ版ばんにおいてのシンジはナイーブであることがストレートに伝つたわる反面はんめん、漫画まんが版ばんにおいては「ごく普通ふつうの少年しょうねん」もしくは「冷さめた子供こども」というキャラクターで成なり立たっている。これらの差異さいは、漫画まんが版ばんを担当たんとうしている貞さだ本ほんによると、「小・中学校しょうちゅうがっこうで委員いいん長ちょうだった庵あん野の監督かんとくとおちこぼれだった自分じぶんとの違ちがいが、シンジの性格せいかくに表あらわれている」「テレビアニメ版ばんのシンジは優等生ゆうとうせい的てきだが、漫画まんが版ばんのシンジは子供こどもっぽくひねくれている」とのこと。

母はは・ユイの死後しご、第だい3新しん東京とうきょう市しに来くるまで、父ちち・ゲンドウにより伯父おじ（ユイの兄あに）の家族かぞくに預あづけられていた。表面ひょうめん上じょうは平凡へいぼんな生活せいかつを送おくっていたが、ユイの死しによる噂うわさや世間体せけんてい、伯父おじ一家いっかとの関係かんけいを気きにしていたため、複雑ふくざつな環境かんきょうで育そだつ。これが原因げんいんで、シンジ自身じしんに「良よい子こでいなければいけない」という生いき方かたを強要きょうようさせ、人格じんかくに少すくなからぬ影かげを落おとしていた。また、本来ほんらいは器量きりょうの良よい性格せいかくだが、周囲しゅういには冷淡れいたんで協調きょうちょう性せいがない内向ないこう的てきな優等生ゆうとうせいとしてふるまっていた。

物語ものがたり後半こうはんで心理しんり的てきに追おい詰つめられていく物語ものがたりの進行しんこうそのものにほぼ変化へんかはないが、レイとはより親交しんこう関係かんけいを深ふかめる描写びょうしゃが多おおくあり、レイをよく気きにかけ、互たがいに手てを繋つないて心しんを通かよわせたり、彼女かのじょの死しの際さいには「君きみを失うしないたくない」と涙なみだするほどで、彼女かのじょに対たいする想おもいの強つよさがうかがえる。レイと相思相愛そうしそうあいの仲なかになる点てんは漫画まんが版ばんのファクターとなっている。

フィフスチルドレンである使徒しとタブリス＝渚なぎさカヲルはアニメ版ばんに比くらべ早はやくから登場とうじょうするが、距離きょり感かんの取とり方かたが分わからず遠慮えんりょ無なく接せっしてくるカヲルに対たいして強気つよきな態度たいどで接せっすることも多おおく、アニメ版ばんのような依存いぞん・傾倒けいとうはほとんどしなかった。この心境しんきょうは「（失うしなって傷きずつくくらいなら）友達ともだちなんか最初さいしょからいない方ほうがマシ」という意識いしきから来きていたが、初号しょごう機きで使徒しとタブリスを扼殺やくさつした後のち、「好すきになってはいけないと思おもっていたのにいつの間まにか渚なぎさカヲルに惹ひかれていた」とミサトに吐露とろしている。

アスカに対たいしてはアニメ版ばん同様どうように振ふり回まわされたり困惑こんわくする場面ばめんも多おおいが、異性いせいとして意識いしきすることもあり、キスでは棒立ぼうだちだったアニメ版ばんと異ことなり、アスカの両りょう肩かたを抱だいて未遂みすいとなると惜おしむ描写びょうしゃや、またアスカが精神せいしん崩壊ほうかいすると毎日まいにちのように病室びょうしつに通かよって気きづかう描写びょうしゃがなされている。貞さだ本ほんによるとレイはシンジにとって母性ぼせいの象徴しょうちょうである一方いっぽう、アスカはシンジのあこがれの異性いせいの象徴しょうちょうとして位置付いちづけられている。また、イスラフェル戦後せんごにアスカの希望きぼうで同居どうきょしている。

戦略せんりゃく自衛隊じえいたいのNERV本部ほんぶ襲撃しゅうげきの際さいは、ベークライトで硬化こうか封印ふういんされたEVA初号しょごう機きを見みて、諦あきらめて何なにもしなかった劇場げきじょう版ばんとは異ことなり、「動うごいてよ、母かあさん!!」と初号しょごう機きに呼よびかけ、ミサトとの約束やくそくを果はたそうとする意欲いよくを見みせる。そして、初号しょごう機きに搭乗とうじょうして本部ほんぶ地上ちじょうに出でた後のち、量産りょうさん機きに追おい詰つめられたアスカの弐に号機ごうきを間一髪かんいっぱつで救出きゅうしゅつし善戦ぜんせんするも、再さい起動きどうした量産りょうさん機きに追おい詰つめられると、シンクロ率りつは250%に達たっし、初号しょごう機きは劇場げきじょう版ばん同様どうように4枚まいの羽はねを広ひろげ、宇宙うちゅうからロンギヌスの槍やりを呼よび寄よせる。そして、劇場げきじょう版ばん同様どうように人類じんるい補完ほかん計画けいかくの依より代だいとされ、レイ＝リリスの問といかけと共ともに、幼おさないころの欠落けつらくしていた記憶きおくまで含ふくめた過去かこのフラッシュバックが起おき、全すべてが徒労とろうに終おわり絶望ぜつぼうしたこともあり、自分じぶんの殻からにこもり、「誰だれも苦くるしまないように」するため、世界せかいの終おわりと、誰だれもいない悲かなしみや傷きずつきのない世界せかいを願ねがう。しかし、補完ほかんされた世界せかいでレイとの再会さいかいを果はたした際さい、「レイと心しんを通かよわせられた経験けいけん」と「幼おさないころのユイとの“約束やくそく“」を思おもい出だしたため、全すべてを肯定こうていした上うえで「父とうさん（＝ゲンドウ）の言いう通とおりに“人ひとは分わかり合あえない”ということが本当ほんとうなのか、自みずからで確たしかめなければいけない」と決断けつだん、レイともう一度いちど手てを繋つなぎ、補完ほかんを否定ひていし元もとの世界せかいを望のぞんだため、レイと別わかれることになった。

全すべての戦たたかいが終おわった後のち、本編ほんぺんから長ながい時間じかんをかけて復元ふくげんされた世界せかいにおいて、明あかり城じょう学院がくいんを受験じゅけんするために上京じょうきょうしており、電車でんしゃから降おりる際さいにアスカとケンスケと出会であう。最後さいごは、物語ものがたり冒頭ぼうとうとリンクしつつも、ミサトのペンダントを傍かたわらに、「未来みらいは無限むげんに広ひろがっている。自分じぶんの歩あるく道みちは自分じぶんの足あしで捜さがす」というシンジ自身じしんの前向まえむきな独白どくはくで物語ものがたりの幕まくは閉とじられる。

パラレル作品さくひん

『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン 鋼鉄こうてつのガールフレンド2nd』（漫画まんが：林はやしふみの）では、鈍感どんかんであるものの、心しん優やさしい健全けんぜんな少年しょうねんとして描えがかれている。

『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン 碇いかりシンジ育成いくせい計画けいかく』（漫画まんが：高橋たかはし脩おさむ）では、両親りょうしん共どもに健在けんざいであり、戦たたかいの無ない世界せかいでごく普通ふつうの中学生ちゅうがくせいとして描えがかれている。作風さくふうから、女性じょせい陣じんの胸むねを揉もんでしまったりスカートの中なかに顔かおを突つっ込こむといったラッキースケベキャラとしての描写びょうしゃが多おおい。

『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン 学園がくえん堕天録ろく』（漫画まんが：眠ねむり民みん）では漫画まんが版ばんに近ちかい性格せいかくである他ほか、「加持かじとは親交しんこうがある」などの設定せっていが追加ついかされている。

新しん劇場げきじょう版ばん

主人公しゅじんこう。EVA初号しょごう機きのパイロット（”第だい3の少年しょうねん”）。一人称いちにんしょうは「僕ぼく」。父ちちは碇いかりゲンドウ、母ははは碇いかりユイ。

新しん劇場げきじょう版ばんでは、シンジはレイをはじめ周囲しゅういの人々ひとびととより能動のうどう的てきに関かかわり、守まもろうとする姿勢しせいが描えがかれるようになっていく。これはシンジの性格せいかく設定せっていが変更へんこうされたわけではなく、鶴巻つるまきからも「序じょのシンジは旧きゅう世紀せいき版ばん第だい壱いち話ばなし〜第だい六ろく話わと同おなじ」とコメントされている。違ちがいが見みられるのは、旧きゅう世紀せいき版ばんに比くらべ、ミサトがシンジと向むき合あうようになったことをはじめ、周囲しゅういの人間にんげんの対応たいおうが変かわったことによりシンジの反はん応おうも変化へんかしたためである。

しかし、3作さく目めである『Q』になってからは、14年ねん前まえ（『破やぶ』）にサードインパクトの元凶げんきょうに意図いとせずになってしまったことから、人間にんげん関係かんけいは一気いっきに悪化あっか。一時いちじの友情ゆうじょうを育はぐくんだカヲルも自身じしんを守まもるために命いのちを落おとしてしまったことから、原作げんさくの終盤しゅうばんと同おなじく、深ふかく心しんが傷きず付つくことになる。

新しん劇場げきじょう版ばん:序じょ

旧きゅう世紀せいき版ばんと同おなじくエヴァンゲリオンの3番目ばんめのパイロット（第だい3の子供こどもまたは第だい3の少年しょうねん）に選えらばれる。序盤じょばんから中盤ちゅうばんにかけてはほぼ同おなじであるが、第だい6の使徒しとの攻撃こうげきを受うけて瀕死ひんしの状態じょうたいに至いたり、エヴァンゲリオンへの搭乗とうじょうを拒絶きょぜつした際さい、ミサトによってL-EEE（レベルトリプルE：扉とびらにセントラルドグマとの表記ひょうき）へと連つれて行いかれ、第だい2の使徒しとリリスの存在そんざいを知しる。そこでミサトから、使徒しとがリリスと接触せっしょくすると人類じんるいは滅亡めつぼうすること、NERV本部ほんぶの面々めんめんも死しぬ覚悟かくごで使徒しとと戦たたかっていることを説とかれる。さらに鈴原すずはらトウジ、相田あいだケンスケといった理解りかい者しゃを得えたことで、それがEVAに乗のる明確めいかくな理由りゆうとなり、再度さいど第だい6の使徒しとと交戦こうせんした際さいには、恐怖きょうふを感かんじながらも果敢かかんな姿勢しせいを見みせ、使徒しとを殲滅せんめつする。

旧きゅう世紀せいき版ばんでは学校がっこう用ようの鞄かばんは手提てさげ鞄かばんだったが、新しん劇場げきじょう版ばんではリュックになっている。

新しん劇場げきじょう版ばん:破やぶ

冒頭ぼうとうにてゲンドウと共ともにユイの墓参ぼさんをする。ミサトに促うながされてのことだが、断絶だんぜつ状態じょうたいの父ちちと会話かいわ出来できたことを素直すなおに喜よろこぶ。他者たしゃとの交流こうりゅうに食事しょくじ・料理りょうり・弁当べんとうなどが用もちいられ、能動のうどう的てきに他者たしゃと関かかわっていく姿すがたが描えがかれていく。テレビ版ばん同様どうようにユーロから転任てんにんしたアスカとの同居どうきょ生活せいかつが始はじまる。クラスメイトたちと海洋かいよう研究けんきゅう施設しせつを訪おとずれたり、特とくにレイに対たいしては物語ものがたり序盤じょばんより気きにかけるようになり、アスカに強要きょうようされたついでとはいえ、自身じしんを含ふくめて4人にん分ぶんの手作てづくり弁当べんとうを作つくり、アスカ、ミサト、レイにふるまうなど明あきらかな変化へんかが見みられる。また加持かじに誘さそわれて農作業のうさぎょうの手伝てつだいをすることになり、ミサトがなぜNERVに入はいったかを教おしえられ、彼女かのじょを守まもってくれと頼たのみ込こまれる。シンジの優やさしさはアスカ、レイに影響えいきょうを与あたえ、孤高ここうを気取きどっていたアスカはシンジに心しんを開ひらいて好意こういを抱いだくようになる。恋愛れんあいに無自覚むじかくなレイもシンジに好意こういを抱いだくようになり、シンジとゲンドウを完全かんぜんに和解わかいさせるため「食事しょくじ会かい」を計画けいかくする。

テレビ版ばんと同おなじく「父ちちに認みとめてもらうためにEVAに乗のる」という動機どうきは明確めいかくに描えがかれ、アスカにもそのことを打うち明あける。愛用あいようしているS-DATは昔むかしの父ちちの持もち物ものであり、それを使つかうことで父ちちが嫌いやな世界せかいから自分じぶんを守まもってくれているように思おもえた。エヴァパイロットとしても突出とっしゅつして優秀ゆうしゅうで第だい8の使徒しと戦せんで三さん体たいのエヴァが擱座かくざした後のちもシンジのシンクロ率りつは60%台だいと、なおも高たかい数値すうちを維持いじしていた。

だが、第だい9の使徒しと戦せんで全すべてが暗転あんてんする。当初とうしょはレイが乗のる予定よていだった3号機ごうきに「食事しょくじ会かい」の日程にっていを気きに掛かけたアスカが乗のったことで第だい9の使徒しとに取とり込こまれる。プラグ内ないにアスカがいることで攻撃こうげきを躊躇ちゅうちょして追おい込こまれるシンジの初号しょごう機きに見切みきりをつけたゲンドウがダミーシステムを使用しよう。シンジの手てを離はなれた初号しょごう機きは第だい9の使徒しとを蹂躙じゅうりんした挙あげ句くにアスカを乗のせたままのエントリープラグを破壊はかいする。この一いち件けんへの怒いかりから初号しょごう機きに篭城ろうじょうするところまでは旧きゅう世紀せいき版ばんと同様どうようだが、『破やぶ』ではただの恫喝どうかつに留とまらず実際じっさいにNERV本部ほんぶの破壊はかい行動こうどうに及およんで外部がいぶからL.C.L.の圧縮あっしゅく濃度のうどを上あげられ、断念だんねんさせられた。また、ゲンドウに対たいする拒絶きょぜつからS-DATを捨すてる。

エヴァに乗のることを断固だんことして拒否きょひしてネルフを退去たいきょ。第だい三さん新しん東京とうきょう市しを離はなれるためにモノレールへ乗車じょうしゃするも上強羅かみごうら駅えき到着とうちゃく前まえに第だい10の使徒しとの襲来しゅうらいによる非常ひじょう停車ていしゃが行おこなわれ、ジオフロントのシェルターへ避難ひなんする。しかし、ジオフロントに侵入しんにゅうした第だい10の使徒しととエヴァ弐に号機ごうき、零れい号機ごうきの交戦こうせんにより避難ひなん先さきのシェルターが危険きけん区域くいきに指定していされ、さらに別べつのシェルターへ避難ひなん指示しじが出だされるが、そのシェルターに1人ひとり留とまるという自殺じさつ行為こういに及およぶ。偶然ぐうぜんにもマリが乗のる大破たいはした2号機ごうきがシェルターに突つっ込こみ、脱出だっしゅつを促うながされたことでジオフロントの惨状さんじょう、そしてエヴァ零れい号機ごうきごと綾あや波はレイが第だい10使徒しとに捕食ほしょく・吸収きゅうしゅうされるのを目まの当あたりにし、再ふたたびエヴァに乗のることを決心けっしんする。ダミーシステムを拒絶きょぜつする初号しょごう機きに対たいし、なおも同どうシステムによる起動きどうを強行きょうこうし続つづけるゲンドウの前まえに現あらわれ、「僕ぼくはエヴァンゲリオン初号しょごう機きパイロット、碇いかりシンジです」と強弁きょうべんして初号しょごう機きに搭乗とうじょう。第だい10の使徒しとがネルフ本部ほんぶへの直接ちょくせつ攻撃こうげきに及および、ミサトをはじめネルフスタッフが死しを覚悟かくごする状況じょうきょうに間一髪かんいっぱつで登場とうじょうし、使徒しとの攻撃こうげきから盾たてとなって彼女かのじょたちを救すくう。

第だい10の使徒しとにより片腕かたうでを落おとされる激痛げきつうを堪こたえて奮闘ふんとうするもエネルギー切きれに陥おちいり、さらに第だい10の使徒しとにより初号しょごう機きごと地面じめんに強打きょうださせられ、シンジ自身じしんも大量たいりょうの血ちを口くちから吐はく。だが「綾あや波はを返かえせ」というシンジの言葉ことばと共ともに初号しょごう機きが再さい起動きどう、擬似ぎじシン化か第だい1覚醒かくせい形態けいたいへ覚醒かくせい。第だい10使徒しとを圧倒的あっとうてきな力ちからでねじ伏ふせる。さらに、第だい10使徒しと内ないに取とり込こまれたレイ自身じしんから助たすけを拒こばまれてもなお「綾あや波はは綾あや波はしかいない」として、使徒しとのコアから強引ごういんにレイを引ひきずり出だす。この時ときのプラグ深度しんどは180を超こえ、目めの色いろは赤あかく変色へんしょくしている。初はじめて自分じぶんの意志いしでエヴァに乗のり、自分じぶんの意志いしでレイを助すけようというシンジをミサトは「行いきなさい」と後押あとおしした。

初号しょごう機きと第だい10の使徒しとの融合ゆうごうにより覚醒かくせい状態じょうたいに陥おちいり、神かみに近ちかい存在そんざいとなった初号しょごう機きによるサードインパクトが始はじまろうとしたとき、突如とつじょ上方かみがたからカシウスの槍やりが初号しょごう機きを貫つらぬき、サードインパクトの発生はっせいは一旦いったんは阻止そしされ、渚なぎさカヲルが搭乗とうじょうするエヴァ6号機ごうき (Mark.06) が飛来ひらいする。これは次つぎ作さくの『Q』では「ニアサードインパクト」と呼称こしょうされる。

新しん劇場げきじょう版ばん:Q

前作ぜんさくから14年ねん後ご、第だい10の使徒しと戦せんでの自みずからの行動こうどうが原因げんいんで、想像そうぞうを遥はるかに超こえた深ふかい絶望ぜつぼうに苛さいなまれることになる。

第だい10の使徒しと戦後せんご、初号しょごう機きに取とり込こまれたまま初号しょごう機きごと大気圏たいきけん外がいに封印ふういんされた状態じょうたいにあったが、ゲンドウと冬ふゆ月がつを除のぞく元もとNERVのスタッフによって結成けっせいされた反はんNERV組織そしきである「WILLE（ヴィレ）」に回収かいしゅうされた初号しょごう機きから「検体けんたいBM-03」としてサルベージされ、ミサトらとの再会さいかいを果はたすが、レイを助すけようとした自身じしんの行動こうどうがニアサードインパクトを引ひき起おこしてしまったのが原因げんいんで、北上きたかみミドリなどヴィレの一般人いっぱんじん出身しゅっしんメンバーたちから恨うらみを抱いだかれ、肝心かんじんの真相しんそうを伝つたえられる間あいだもなく、ミサトからは首くびに爆ばく弾だん付つきの首輪くびわである「DSSチョーカー」を付つけられ、エヴァに乗のることはおろか「何なにもするな」とまで言いわれ困惑こんわく、さらにエヴァとのシンクロ率りつは0%となっていて、記憶きおくの最後さいごから14年ねんの歳月さいげつが過すぎていること、アスカが無事ぶじであることを知しり再会さいかいを喜よろこぶも激はげしい怒いかりをぶつけられて罵ののしられ、シンジの知しる綾あや波はレイはもういないことなどを告つげられ愕然がくぜんとする中なか、アヤナミレイ（仮称かしょう）の駆かるエヴァMark.09がヴンダーを急襲きゅうしゅう、綾あや波はと変かわらぬ声こえを聞きいたことで綾あや波はは生いきていると確信かくしんし、真相しんそうを知しるミサトたちと激はげしい口論こうろんの末すえ、彼女かのじょたちへの不信ふしん感かんと怒いかりに任まかせMark.09と共ともにNERV本部ほんぶへと向むかった。

廃墟はいきょ同然どうぜんと化かしたNERV本部ほんぶで、再会さいかいしたゲンドウには時じが来きたらエヴァに乗のれとだけ言いわれ、アヤナミレイ（仮称かしょう）からも素そっ気けない態度たいどを取とられた結果けっか、完全かんぜんに孤立こりつ状態じょうたいとなってしまう。そのような中なかで渚なぎさカヲルに出会であい、彼かれに半なかば依存いぞんする形かたちで心しんを癒いやしていくが、自動じどう支給しきゅうされた着替きがえのワイシャツに「鈴原すずはらトウジ」の名前なまえを見みて不安ふあんに駆かられ、カヲルに事ことの真相しんそうを問とい、カヲルに世界せかいの惨状さんじょうを見みせられながら、サードインパクトにより人類じんるいが壊滅かいめつ的てき打撃だげきを受うけたこと、その元凶げんきょうが「綾あや波はレイを助たすける」というシンジの願ねがいで起おこされたニアサードインパクトであること、多おおくの人々ひとびとの命いのちさえも奪うばったことを告つげられて愕然がくぜん、それでも「レイを助たすけることは出来できた」と自分じぶんにい聞いきかせたが、冬ふゆ月がつにより、母ははである碇いかりユイがシンジの眼前がんぜんでエヴァ初号しょごう機きのコアへのエントリー実験じっけんの結果けっか帰かえらず「その記憶きおくさえ消去しょうきょされていた」ことや、アヤナミレイ（仮称かしょう）を始はじめとする綾あや波はシリーズの真相しんそう、そして何なにより助たすけたと思おもっていた綾あや波はを助たすけられていなかったことを告つげられた結果けっか、意識いしきが混濁こんだくしエヴァや人々ひとびと、全すべてを拒絶きょぜつし心しんを閉とざしてしまった。

唯一ゆいいつの支ささえであるカヲルさえ不信ふしん感かんから拒絶きょぜつするが、カヲルはシンジにつけられた「DSSチョーカー」を外はずして自みずからの首くびに付つけ、『ロンギヌスの槍やり』と『カシウスの槍やり』、そして第だい13号機ごうきを使つかえば世界せかいを修復しゅうふくすることができるとシンジに告つげ、その言葉ことばを信しんじて彼かれと共ともに第だい13号機ごうきでセントラルドグマへと向むかい、二に本ほんの槍やりをリリスから引ひき抜ぬくため再ふたたびエヴァに乗のることを決意けつい、ドグマ最深さいしん部ぶにてネルフの目論見もくろみを阻止そししようとするアスカの改あらため2号機ごうきと交戦こうせん、苦戦くせんしつつも退しりぞけた。しかし人類じんるい補完ほかん計画けいかくを目論もくろむゲンドウらの罠わなにより、槍やりは二に本ほんとも『ロンギヌスの槍やり』となっており、直前ちょくぜんに真実しんじつに気付きづいたカヲルに制止せいしされるも、「槍やりを手てに入いれて世界せかいを元もとに戻もどしたい」という藁わらにもすがる思おもいから、制止せいしを聞きかずに13号機ごうきを独断どくだんで操作そうさし、強引ごういんに槍やりを引ひき抜ぬいてしまった結果けっか、エヴァMark.06の中なかから復活ふっかつした第だい12の使徒しとの侵食しんしょくを受うけ、カヲルが第だい1使徒しとから第だい13の使徒しとに堕おとされると共ともに、彼かれをトリガーとして第だい13号機ごうきが第だい12の使徒しとを吸収きゅうしゅうして覚醒かくせい、フォースインパクトが発動はつどうしてしまった。

本人ほんにんは自みずからの意志いしと信しんじて行動こうどうしたが、結果けっか的てきにゲンドウの思惑おもわく通どおりに駒こまとして動うごいたに過すぎず、再ふたたび自みずからの過あやまちにより惨状さんじょうを引ひき起おこしたことで、自責じせきの念ねんと罪つみの意識いしきに苛さいなまれる中なか、追おい討うちをかけるようにカヲルの「DSSチョーカー」が作動さどうしカヲルは絶命ぜつめい、既すでにシンジのコントロールを離はなれていた13号機ごうきはガフの扉とびらを開ひらき、マリが駆かる8号機ごうきによりエントリープラグを緊急きんきゅう排出はいしゅつされたことでフォースインパクトは収束しゅうそくし、ガフの扉とびらが閉とじて事態じたいは収束しゅうそくしたが、精神せいしん的てきに完全かんぜんに疲弊ひへいし虚脱きょだつ状態じょうたいに陥おちいり、そこへ同おなじく生還せいかんしたアスカとアヤナミレイ（仮称かしょう）が現あらわれ、アスカに促うながされて共ともに赤あかい大地だいちへと歩あるき出だした。

シン・エヴァンゲリオン劇場げきじょう版ばん𝄇

All About NEWSの石川いしかわカズキによれば、青年せいねんの姿すがたに成長せいちょうしたラストシーンのみ声優せいゆうが代かわり、神木しぼく隆之たかゆき介かいが演えんじている。

交流こうりゅう（新しん劇場げきじょう版ばん）

葛城かつらぎミサト

上司じょうし兼けん保護ほご者しゃ。当初とうしょ、シンジは一人暮ひとりぐらしの予定よていだったが、シンジへの同情どうじょうから、ミサトが引ひき取とるという形かたちで同居どうきょする。

綾あや波はレイ

クラスメイトで同おなじEVAパイロット。レイの怪我けがの状況じょうきょうを見みてEVAに乗のることを決意けついする。『破やぶ』では肉にくが嫌きらいなレイに味噌汁みそしるを渡わたし、学校がっこうの弁当べんとうもシンジが作つくるようになる。

式しき波は・アスカ・ラングレー

クラスメイトで同おなじEVAパイロット。アスカは『破やぶ』から登場とうじょうし、シンジと共ともにミサトの家いえに同居どうきょする。当初とうしょは苗字みょうじの「式しき波は」と呼よんでいたが第だい8の使徒しと戦せんでとっさに「アスカ」と呼よぶ。シンジと初対面しょたいめんからはシンジに対たいしゲンドウの息子むすこ（親おやの七光ななひかり）だからエヴァのパイロットになったという立場たちばに不快ふかい感かんを示しめし「ナナヒカリ（七光ななひかり）」と呼よんでいたが第だい8の使徒しと戦後せんごには「バカシンジ」と呼よぶこととし、代かわりに「アスカ」と呼よぶことを許ゆるす。『Q』では身体しんたいは14歳さいのままだが28歳さいになったアスカに対たいし、冷凍れいとう睡眠すいみんで14歳さいの精神せいしんのままのシンジを年下としした扱あつかいし「ガキ」、「ガキシンジ」「バカガキ」と呼よんでいる。

碇いかりゲンドウ

NERV最高さいこう司令しれいでシンジの父ちち。長ながらく別居べっきょしていたが、ゲンドウがシンジをEVAに乗のせるために第だい3新しん東京とうきょう市しへ呼よび出だす。パイロットになってからも別居べっきょが続つづいていたが、『破やぶ』では2人ふたりでシンジの母はは、碇いかりユイの墓参はかまいりに行いったり、頑張がんばったシンジを褒ほめる。第だい9の使徒しと戦せんでは、ゲンドウが使徒しとに取とり込こまれたアスカもろとも倒たおそうと指示しじを出だしたため、親子おやこ関係かんけいは最悪さいあくとなる。

鈴原すずはらトウジ、相田あいだケンスケ

クラスメイトでシンジの友人ゆうじん。トウジの妹いもうと（鈴原すずはらサクラ）が初号しょごう機きの初陣ういじんとなった第だい4の使徒しと戦せんで戦闘せんとうに巻まき込こまれ怪我けがをしたことを理由りゆうにトウジはシンジを殴なぐる。その後ご、第だい5の使徒しと戦せんにおいて戦闘せんとうを見みるために2人ふたりでシェルターから抜ぬけ出だしてシンジの乗のる初号しょごう機きに助たすけられ、戦闘せんとうで苦くるしむシンジを見みたことで同情どうじょうし、シンジとトウジは和解わかいする。以後いご登とう下校げこう含ふくめ学校がっこうでの行動こうどうを共ともにし、海洋かいよう研究所けんきゅうじょへの見学けんがくにも2人ふたりで同行どうこうする。

渚なぎさカヲル

大半たいはんが廃墟はいきょと化かしたNERV本部ほんぶでシンジが出会であった少年しょうねん。シンジは初対面しょたいめん時じには警戒けいかいしていたが、ピアノの連弾れんだんや一緒いっしょに星空ほしぞらを見みるなどの交流こうりゅうの末すえに友人ゆうじんとなる。

ゲーム版ばん

『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン 鋼鉄こうてつのガールフレンド 特別とくべつ編へん』の追加ついかエンディングにおいては、やけ酒ざけならぬやけコーヒーを披露ひろうしており、14杯はい以上いじょうもコーヒーを飲のみ続つづけゴミ捨ごみすて場ばで酔よいつぶれるというシーンがある。

『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン2』では、条件じょうけん次第しだいでは最後さいごまで和解わかいできなかった原作げんさくとは異ことなりゲンドウと和解わかいし、二人ふたりで並ならんで釣つりをするエンディングを見みることが出来できる。

『名めい探偵たんていエヴァンゲリオン』では内向ないこう的てきな性格せいかくはさほど変かわってはいないが、全ぜん世界せかい共通きょうつうの模擬もぎ試験しけんで1位いとなるほどの天才てんさい的てきな頭脳ずのうを持もち、NERVの特命とくめい捜査そうさ官かんに任命にんめいされる。なお、シンジの回答かいとうによって3794件けんの未み解決かいけつ事件じけんが解決かいけつしたという。

「スーパーロボット大戦たいせんシリーズ」では、内向ないこう的てきな性格せいかくを反映はんえいして弱気よわきな性格せいかくであることがほとんどである。

初はつ参戦さんせんとなった『スーパーロボット大戦たいせんF』では、あるシナリオにおいて出撃しゅつげきを拒否きょひし、街まちを彷徨ほうこうっていたところをアーガマに保護ほごされ、「他たのロボットがいるなら使徒しとは倒たおせるし自分じぶんがエヴァに乗のって戦たたかう必要ひつようなんてない」と身勝手みがってな言動げんどうをした挙あげ句くブライト・ノアに殴なぐられて「父とうさんにも殴なぐられたことが無ないのに」と、かつて一いち年ねん戦争せんそう時じに出撃しゅつげき拒否きょひをして同おなじくブライトに殴なぐられたアムロ・レイと同おなじ台詞せりふを言いい、ブライトから「今いまの貴様きさまは逃にげているだけ」、「始はじめは無理矢理むりやりだったとしても、自分じぶんで決きめたことなら最後さいごまでやり通どおしてみせろ!!」と檄げきを飛とばされ、さらにアムロから「エヴァに乗のりたくないなら戦たたかいが終おわってからネルフの人ひとたちに相談そうだんするんだ」、「だがその前まえに、なぜきみがエヴァに乗のっていたのか、戦たたかっていたのか、自分じぶん自身じしんでよく考かんがえてみてくれ」と諭さとされパイロットを続つづける決意けついをする。また彼かれは「昔むかしのアムロと似にている」と称しょうされている。

『スーパーロボット大戦たいせんαあるふぁ』では家出いえでして街まちを彷徨ほうこうっていた時ときにロンド・ベル隊たいのパイロットに遭遇そうぐうし、彼かれらの会話かいわから再ふたたびエヴァに乗のり込こむことを決断けつだんする。『第だい3次じスーパーロボット大戦たいせんαあるふぁ 終焉しゅうえんの銀河ぎんがへ』では『αあるふぁ』の戦たたかいを戦そよい抜ぬいたことによる確たしかな自信じしんを持もち、性格せいかくも強気つよきになっている他ほか、戦たたかうことに悩なやんだり地球ちきゅう降下こうか後ごにフレイ・アルスターを巡めぐってフレイの恋人こいびとであるサイ・アーガイルに暴力ぼうりょくを振ふるったキラ・ヤマトを諭さとす場面ばめんもあった。

『スーパーロボット大戦たいせんL』以降いこうは新しん劇場げきじょう版ばんの設定せっていで登場とうじょう。招集しょうしゅうされ第だい3新しん東京とうきょう市しに転校てんこうするまでは御崎おんざき町まちに住すんでおり、早瀬はやせ浩一こういちの後輩こうはいとして設定せっていされている。

『スーパーロボット大戦たいせんX-Ωおめが』では「ゴジラシリーズ」とのコラボ企画きかくとして登場とうじょうした『ゴジラ対たいエヴァンゲリオン』で初号しょごう機きカラーに塗ぬられた3式しき機き龍りゅう乙おつ型がたに乗のった他ほか、『エヴァンゲリオン ANIMA』の機体きたいであるスーパーエヴァンゲリオンにも搭乗とうじょうした（ANIMAは旧きゅう世紀せいき版ばんの3年ねん後ごに当あたる作品さくひんだが、本ほん作品さくひんでは新しん劇場げきじょう版ばん『序ついで』『破やぶ』設定せっていでの14歳さいのシンジがそのまま搭乗とうじょうした）。

『第だい3次じスーパーロボット大戦たいせんZ 時とき獄ごく篇へん / 天てん獄ごく篇へん』においても新しん劇場げきじょう版ばん設定せっていで登場とうじょう。『天てん獄ごく篇へん』では『Q』が初はつ参戦さんせんし、第だい13号機ごうきに搭乗とうじょうした。

『スーパーロボット大戦たいせんV』ではシンジは「エヴァ搭乗とうじょう前まえからトウジ、ケンスケと友人ゆうじん」という設定せってい。暴走ぼうそうした初号しょごう機きをマジンガーZがほぼ単独たんどくで止とめ、結果けっか的てきに初陣ういじんで自身じしんとトウジ、ケンスケが甲かぶと児じ一いち人にんに助たすけられ、恩義おんぎと親愛しんあいを感かんじる。また、未熟みじゅく者しゃトリオ（シンジ、バナージ、ハサウェイ）として竜馬りょうまとゲッターチームの猛もう特訓とっくんを受うけて強つよく逞たくましく成長せいちょうする。その後ごは「第だい6の使徒しとを仲間なかまたちのフォローで撃破げきは」「疑似ぎじシン化かで第だい10の使徒しとを倒たおして綾あや波はを救出きゅうしゅつし、第だい9の使徒しとから竜馬りょうまがアスカを助たすけたことで二に人にんとも生いき残のこり、ニアサードインパクトも発生はっせいしない」「暴走ぼうそうしたマジンガーZEROを止とめる」と成長せいちょうぶりを存分ぞんぶんに発揮はっきし、心身しんしん共どもに逞たくましいシンジとして最終さいしゅう話ばなしを迎むかえる。

名前なまえの由来ゆらい

苗字みょうじの由来ゆらいは船ふねの錨いかりと、庵あん野の秀明ひであきの大学だいがく時代じだいの友人ゆうじんで、広告こうこくデザイナーの碇いかり義彦よしひこから。名前なまえのシンジは庵あん野の秀明ひであきの友人ゆうじんである映画えいが監督かんとくの樋口ひぐち真しん嗣から。

その他た

• シンジ役やくはオーディションで決きまらなかったため、テープ審査しんさによる2次じオーディションが行おこなわれ、1次じオーディションには参加さんかしていなかった緒方おがた恵美えみが選えらばれた。緒方おがたの自叙伝じじょでん「再生さいせい（仮かり）」によれば、1994年ねん夏なつ、『美少女びしょうじょ戦士せんしセーラームーンS』の番組ばんぐみ旅行りょこうに参加さんかした際さい、演出えんしゅつ担当たんとうの庵あん野のに宿やどのエレベーターの中なかでオーディション参加さんかを打診だしんされたという。庵あん野のは主役しゅやくを緒方おがたに演えんじてもらいたいと思おもっていたが、オーディション参加さんかを断ことわられたと聞きいたので、2次じを受うけてほしいと緒方おがたに交渉こうしょう。緒方おがたは1次じオーディションを断ことわった所属しょぞく事務所じむしょに相談そうだんしたが、事務所じむしょは「監督かんとくが声優せいゆうに直接ちょくせつ交渉こうしょうするのはルール違反いはんだ、絶対ぜったいに参加さんかさせない」と激怒げきど。結局けっきょく緒方おがたは事務所じむしょの反対はんたいを押おし切きる形かたちでオーディションに参加さんかした。
• 2009年ねん7月がつに発売はつばいされたNTTドコモのSH-06A NERV（シャープ製せい、AQUOS SHOT SH-06Aベース）にプリインストールされている「ひつじのしつじくん」はシンジのプラグスーツを着用ちゃくようしている。同年どうねん8月がつには期間きかん限定げんていでマチキャラとしても配信はいしんされた。

他た作品さくひんへの登場とうじょう

庵あん野の秀明ひであきやGAINAX・カラーが直接ちょくせつ手てがけた事例じれいではないが、2018年ねんの連続れんぞくテレビアニメーション『新幹線しんかんせん変形へんけいロボ シンカリオン』（以下いか『シンカリオン』）において、劇げき中ちゅうに登場とうじょうするロボット「シンカリオン500 TYPE EVA」の運転うんてん士しという設定せっていで登場とうじょう。声こえは原典げんてん同様どうよう、緒方おがた恵美えみが担当たんとう。現実げんじつ世界せかいで展開てんかいされた新幹線しんかんせんと『エヴァンゲリオン』のコラボレーション企画きかく『新幹線しんかんせん：エヴァンゲリオン プロジェクト』から発展はってんする形かたちで登場とうじょうすることになった経緯けいいを受うけ、「『シンカリオン』の世界せかいに存在そんざいする碇いかりシンジ」という設定せっていになっている。同どうコラボ回かいには、洞ほら木き三さん姉妹しまい（ヒカリ・コダマ・ノゾミ）、惣そう流りゅう・アスカ・ラングレー、綾あや波はレイも登場とうじょうしている。また、音声おんせいのみながら葛城かつらぎミサトも登場とうじょうしている。また同どう作品さくひんの劇場げきじょう版ばんである『劇場げきじょう版ばん 新幹線しんかんせん変形へんけいロボ シンカリオン 未来みらいからきた神速しんそくのALFA-X』でも同様どうようにコラボが行おこなわれている。後のちに、2021年ねんから放送ほうそうしている同どう作さくの第だい2期き『新幹線しんかんせん変形へんけいロボ シンカリオンZ』においても第だい21話わで登場とうじょうし、前回ぜんかいのアスカ・綾あや波はに加くわえ碇いかりゲンドウも登場とうじょうした。登場とうじょう機体きたいは「シンカリオンZ 500 TYPE EVA / シンカリオンZ 500ミュースカイ TYPE EVA」。

日本にっぽん国外こくがい版ばんでの声優せいゆう

• 英語えいご
  • スパイク・スペンサー
  • ケイシ・モンジロ（Netflix版ばん）

脚注きゃくちゅう

参考さんこう文献ぶんけん

• 貞さだ本ほん, 義行よしゆき『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン』 1巻かん（初版しょはん第だい18刷さつ）、角川書店かどかわしょてん〈角川かどかわコミックス・エース〉、1995年ねん9月がつ1日にち。ISBN 4-04-713115-6。 
• 貞さだ本ほん, 義行よしゆき『新しん世紀せいきエヴァンゲリオン』 2巻かん（初版しょはん第だい12刷さつ）、角川書店かどかわしょてん〈角川かどかわコミックス・エース〉、1996年ねん3月がつ12日にち。ISBN 4-04-713132-6。 
• 『エヴァンゲリオン・クロニクル 新しん訂てい版ばん』01号ごう、デアゴスティーニ・ジャパン、5-8頁ぺーじ、ASIN B00478NW3S。 
• 『エヴァンゲリオン・クロニクル 新しん訂てい版ばん』21号ごう、デアゴスティーニ・ジャパン、5-8頁ぺーじ、ASIN B00478NVWU。 
• 『エヴァンゲリオン・クロニクル 新しん訂てい版ばん』24号ごう、デアゴスティーニ・ジャパン、5-8頁ぺーじ、ASIN B00478NWI8。