移民いみん国籍こくせき法ほう

移民いみん国籍こくせき法ほう（いみんこくせきほう、Immigration and Nationality Act of 1952）は、アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくの移民いみんと国籍こくせきに関かんする事項じこうを定さだめた1952年ねんの法律ほうりつである。通称つうしょうマッカラン=ウォルター法ほう。ネバダ州しゅう選出せんしゅつの上院じょういん議員ぎいんパトリック・マッカランとペンシルベニア州しゅう選出せんしゅつの下院かいん議員ぎいんフランシス・ウォルター（en:Francis E. Walter）が中心ちゅうしんになり1952年ねんに制定せいていされた。

概要がいよう

この移民いみん国籍こくせき法ほうは、それ以前いぜんに帰化きか権けんが認みとめられていた中国人ちゅうごくじん、インド人じん、フィリピン人じんら以外いがいのアジア出身しゅっしん者しゃ（日本人にっぽんじん、朝鮮ちょうせん人じんなど）にも帰化きか権けんを認みとめたが、移民いみん数すうの出身しゅっしん国こく割わり当あて規定きていは存続そんぞくしつづけた。そのため、アジア出身しゅっしん者しゃの移民いみんと帰化きかは制限せいげんされたままであった。1965年ねんの大だい改正かいせい（ハート=セラー法ほう）は出身しゅっしん国こく割わり当あて制限せいげんを撤廃てっぱいし、西半球にしはんきゅう出身しゅっしん者しゃと東半球ひがしはんきゅう出身しゅっしん者しゃという大おおまかな枠わくで移民いみんの数かずを決きめることとし、特別とくべつな技能ぎのうを持もった人材じんざいを積極せっきょく的てきに受うけ入いれる姿勢しせいに転てんじた。

この他ほかにも細部さいぶの改正かいせいは数すう年ねんに一度いちど行おこなわれている。1986年ねんの改正かいせいは偽装ぎそう結婚けっこんによる永住えいじゅう権けん取得しゅとくを困難こんなんにするものであった。2001年ねん9月がつ11日にちの同時どうじ多発たはつテロ以降いこうは、移民いみんを厳きびしく制限せいげんしようとする議論ぎろんが巻まき起おこり、テロリズムを摘発てきはつし阻止そしするため適切てきせつな手段しゅだんを提供ていきょうすることによりアメリカを団結だんけつさせ強化きょうかする法ほう（愛国あいこく者しゃ法ほう）による修正しゅうせいが加くわえられた。

関連かんれん項目こうもく

• 国籍こくせき法ほう
• マイク正岡まさおか - 移民いみん帰化きか法ほう改正かいせいに動うごいたロビイスト
• 排日はいにち移民いみん法ほう

外部がいぶリンク

• 森田もりた幸夫ゆきお「マッカラン=ウォルター移民いみん帰化きか法案ほうあん(1952年ねん)と在米ざいべい日系にっけい人じん」『同志社どうししゃアメリカ研究けんきゅう』第だい6巻かん、同志社大学どうししゃだいがくアメリカ研究所けんきゅうじょ、1970年ねん3月がつ、51-67頁ぺーじ、CRID 1390572174865318144、doi:10.14988/pa.2017.0000008700、ISSN 0420-0918、NAID 110000198998。 
• 菅かん(七なな戸こ)美弥みや「米国べいこく1952年ねん移民いみん・帰化きか法ほうと日本にっぽんにおける「移民いみん問題もんだい」観かんの変容へんよう」『東京学芸大学とうきょうがくげいだいがく紀要きよう. 人文じんぶん社会しゃかい科学かがく系けい. II』第だい61巻かん、東京学芸大学とうきょうがくげいだいがく学術がくじゅつ情報じょうほう委員いいん会かい、2010年ねん1月がつ、127-141頁ぺーじ、CRID 1050006994043754240、hdl:2309/107214、ISSN 1880-4322、NAID 110007591590。