統一教会とういつきょうかい信徒しんとの拉致らち監禁かんきん問題もんだい

統一教会とういつきょうかい信徒しんとの拉致らち監禁かんきん問題もんだい（とういつきょうかいしんとのらちかんきんもんだい）は、世界せかい基督教きりすときょう統一とういつ神霊しんれい協会きょうかい（統一教会とういつきょうかい、統一とういつ協会きょうかい。2015年ねんから世界せかい平和へいわ統一とういつ家庭かてい連合れんごう）の信徒しんとに対たいして、家族かぞくが脱会だっかい説得せっとく工作こうさくの専門せんもん家かの教唆きょうさに従したがい、強制きょうせい的てきに隔離かくりして脱会だっかい説得せっとくすることを、統一教会とういつきょうかいが「拉致らち・監禁かんきんであり、信仰しんこうの自由じゆうを侵害しんがいされている」と主張しゅちょうしている問題もんだい。

概要がいよう

統一教会とういつきょうかい信徒しんとの主張しゅちょう

統一教会とういつきょうかいの信徒しんとは、1970年ねん前後ぜんこうから拉致らち・監禁かんきん、強制きょうせい棄教の対象たいしょうとなっており、この60年ねん近ちかくで、約やく4300人にんが被害ひがいにあったとしている。その多おおくは、脱会だっかい業者ぎょうしゃや一部いちぶのキリスト教会きょうかい指導しどう者しゃによる示唆しさや教習きょうしゅうを受うけた親おやや家族かぞくが主導しゅどうし、親族しんぞくや元もと信者しんじゃの協力きょうりょくを得えて、成人せいじんである息子むすこ・娘むすめを拉致らちし、棄教するまで監禁かんきんするシステムである。これは、数すうか月げつ、数すう年ねんと継続けいぞくし、最長さいちょうでは12年ねん以上いじょうという例れいがある。この為ため、信者しんじゃは、精神せいしん的てき・肉体にくたい的てき苦痛くつうを経験けいけんし、後のちにPTSDを発症はっしょうしたり、自殺じさつ、脱出だっしゅつの際さいの転落てんらくや負傷ふしょう、強制きょうせい離婚りこん、記憶きおく喪失そうしつ、性的せいてき嫌いやがらせ、強姦ごうかん、家族かぞくの不和ふわなどの被害ひがいがあったと報告ほうこくされている。

これには、統一教会とういつきょうかいに反対はんたいする弁護士べんごし組織そしきも加くわわっており、棄教した元もと信者しんじゃに、統一教会とういつきょうかいを告訴こくそする方向ほうこうへと誘導ゆうどうし、一連いちれんの裁判さいばんを起おこすことで、彼かれらの収入しゅうにゅうとしてきた。このループが長年ながねんの間あいだ、システム化かしており、業者ぎょうしゃは、講習こうしゅう料りょうや会費かいひとして、親おやからの謝礼しゃれい金きんなどを受うけ取とり、継続けいぞく的てき収入しゅうにゅうを得えることでビジネス化かしていた。また、特定とくていのキリスト教会きょうかい指導しどう者しゃは、新あたらしい教きょう会員かいいんを増ふやすという利点りてんも得えていた。

2015年ねんの民事みんじ訴訟そしょうでの最高裁さいこうさい判決はんけつから、拉致らち監禁かんきんは減少げんしょうをしているが、その後ごも継続けいぞくして発生はっせいしている。また、「エホバの証人しょうにん」などの信者しんじゃにも被害ひがい者しゃがいる。一方いっぽう、拉致らち・監禁かんきんを擁護ようごする側がわでは、これを「保護ほご・説得せっとく」と主張しゅちょうしたり、「統一教会とういつきょうかいの拉致らち監禁かんきんキャンペーン」という宣伝せんでんであるという。

経過けいか

1970、80年代ねんだい

先駆さきがけて、米国べいこくでは、職業しょくぎょう的てき改宗かいしゅう者しゃが行動こうどうしていたが、日本にっぽんでは、1966年ねんから被害ひがいが発生はっせいした。 1970，80年代ねんだいには、教きょう会員かいいんを拉致らちし、強制きょうせい的てきに精神せいしん病院びょういんに入院にゅういんさせて、薬物やくぶつを服用ふくようさせる手段しゅだんが用もちいられた。これも、プロの業者ぎょうしゃによるもの、病院びょういんの関係かんけい者しゃが協力きょうりょくするか、あるいは、積極せっきょく的てきに加担かたんしていた。1980年ねんには、裁判さいばんにより、賠償金ばいしょうきんを支払しはらう判決はんけつが出でたことで、この手段しゅだんは下火したびになった。

• 1978年ねんに、宮本みやもと顕治けんじ日本にっぽん共産党きょうさんとう委員いいん長ちょうが、「統一教会とういつきょうかいとの全面ぜんめん戦争せんそう」を宣言せんげんした。

• 同年どうねん、弁護士べんごし、政治せいじ家か、牧師ぼくし、メディア関係かんけい者しゃが連携れんけいし、「（統一教会とういつきょうかい関連かんれんの）原理げんり運動うんどうを憂慮ゆうりょする会かい」が発足ほっそく、浅見あさみ定雄さだお、川崎かわさき経子けいこ牧師ぼくし（日本にっぽん基督教きりすときょう団だん）が統一教会とういつきょうかいの反対はんたい運動うんどうを開始かいしした。

• 1987年ねんに、社会党しゃかいとう、共産党きょうさんとう系けいの弁護士べんごしにより「全国ぜんこく霊感れいかん商法しょうほう対策たいさく弁護士べんごし連絡れんらく会かい」（全国ぜんこく弁べん連れん）が結成けっせいされ、強制きょうせい脱会だっかいによる元もと信者しんじゃを原告げんこくとして「青春せいしゅんを返かえせ」裁判さいばんを各地かくちで開始かいし。この年としには、約やく200人にんが拉致らち監禁かんきんされた。

• 1988年ねん、日本にっぽん基督教きりすときょう団だんが教団きょうだんを上あげて反はん統一とういつ教会きょうかい活動かつどうに取とり組くむ決議けつぎを採択さいたくした。これにより、キリスト教きょう牧師ぼくしによる拉致らち・監禁かんきんが正当せいとう化かされ、一時いちじは、約やく200人にんの聖職せいしょく者しゃが、関与かんよしていた。この年としには、約やく300人にんが拉致らち監禁かんきんされた。

1990年代ねんだい　

統一教会とういつきょうかいでは、1992年ねんに合同ごうどう結婚式けっこんしきを挙行きょこうし、それがメディアで大おおきく取とり上あげられたことで、1992年ねんには、最大さいだい数すうの375人にん、翌年よくねんには360人にんの拉致らち監禁かんきんが発生はっせいした。

2000年代ねんだい

2011年ねんに、後藤ごとう徹とおるが、12年ねん５か月げつの監禁かんきんを民事みんじ訴訟そしょうで提訴ていそをし、2015年ねんには、最高裁さいこうさい判決はんけつが被告ひこくへの賠償ばいしょう責任せきにんを認みとめた件けん以降いこう、拉致らち・監禁かんきん事件じけんは激減げきげんし、2016年ねんには0件けんとなった。しかし、それ以降いこうも度々たびたび発生はっせいしている。

拉致らち監禁かんきんの工作こうさくマニュアル

拉致らち監禁かんきんを保護ほご説得せっとくとして推進すいしんするマニュアル本ほんは、多数たすう発行はっこうされている。以下いかは、その要約ようやくである。

まず、親おやが、プロや牧師ぼくしの教習きょうしゅうを受うけ、理論りろんや手段しゅだんのマニュアルを学習がくしゅうし、監禁かんきんの場所ばしょなどを準備じゅんびした上うえで、時期じきを見計みはからって行動こうどうする。親戚しんせきなどの手ても借かりて、騙だまして教きょう会員かいいんをおびき出だしたり、路上ろじょうで待まち伏ぶせをし、車両しゃりょうに多数たすうで連つれ込こむ。監禁かんきん場所ばしょは、逃走とうそうを避さける目的もくてきで、人里ひとざと離はなれた場所ばしょであったり、住宅じゅうたくの高層こうそう階かいであったりする。所持しょじ品ひんを取とり上あげる。多数たすうによる圧力あつりょくや罵声ばせいをかけて、既すでに脱会だっかいした者ものも説得せっとくに参加さんかし「脱会だっかいしなければ永遠えいえんに監禁かんきんさせられる」という恐怖きょうふ心しんを与あたえる。監禁かんきん場所ばしょには、あらゆる場所ばしょに施錠せじょうをし、いつも誰だれかが監視かんししている。中なかには、手錠てじょうをかけられたり、鎖くさりでつながれた例れいもあった。

一旦いったん、脱会だっかいの意思いしを表明ひょうめいすると、偽装ぎそう脱会だっかいでないかを試ためす為ための「踏ふみ絵え」とも言いえる行動こうどうを強制きょうせいさせられる。教団きょうだんへの献金けんきん返還へんかん訴訟そしょうに加担かたんさせられたり、メディアで教団きょうだんを糾弾きゅうだんさせる。他たの信者しんじゃやその親おやの住所じゅうしょ等とうをき出きださせる。他たの監禁かんきん者しゃへの監視かんしに加担かたんさせられる。女性じょせいの場合ばあいは、教義きょうぎを捨すてたかどうかの検査けんさとして、性的せいてき嫌いやがらせの対象たいしょうとなった例れいもある。

拉致らち・監禁かんきんの例れい

脱会だっかいに至いたらなかった信者しんじゃの証言しょうげん

• 後藤ごとう徹とおるは、兄妹きょうだいと共ともに教きょう会員かいいんであって、大手おおて建設けんせつ会社かいしゃで働はたらいていたが、まず、兄あにが、宮村みやむら峻たかしに教唆きょうさされた父ちちによって、拉致らち監禁かんきんの上うえ、脱会だっかいさせられた。父ちちと兄あには、妹いもうとを同様どうように脱会だっかいさせた。後藤ごとうは、1987年ねんと1995年ねんの2回かいにわたり拉致らち監禁かんきんされ、新潟にいがたで松本まつもと堡智牧師ぼくしにより説得せっとくを受うけた。また、東京とうきょうのマンション高層こうそう階かいに監禁かんきん場所ばしょが移うつると宮村みやむら峻たかしによって多数たすう回かい説得せっとくを受うけた。兄あには宮みや村むらの元もとで鞄かばん持もちのように働はたらいており、脱会だっかい者しゃの兄嫁あによめ、妹いもうとも加くわわり家族かぞくにより虐待ぎゃくたいを受うけた。この監禁かんきんは、2008年ねん2月がつに、食事しょくじ制限せいげんが原因げんいんでやせ細ほそったまま放逐ほうちくされるまで、12年ねん5か月げつに及およんだ。その後ご、栄養失調えいようしっちょう、筋力きんりょく低下ていか、廃はい用よう性せい筋すじ萎縮いしゅくの為ため、５０日間にちかんの入院にゅういんとなった。2008年ねん4月がつ、後藤ごとうは、監禁かんきんした家族かぞくや宮村みやむら孝たかしなどを刑事けいじ告訴こくそしたが、2009年ねん12月に検察けんさつでは不ふ起訴きそとした。この訴訟そしょうにおいてルポライターの米本よねもと和広かずひろは、教会きょうかいに問題もんだいがあるからといって監かん禁きんしていいという理由りゆうにはならないとする陳述ちんじゅつ書しょを提出ていしゅつしている。後ごの民事みんじ訴訟そしょうでは、最高裁さいこうさいで、被告ひこくらの責任せきにんが認みとめられ賠償ばいしょうする結果けっかとなった。

• 統一教会とういつきょうかい系けい医療いりょう施設しせつで働はたらいていた医師いしは、1992年ねん6月がつ、実家じっかに呼よばれた時ときに、親族しんぞく20人にんほどに囲かこまれワゴン車しゃに乗のせられて拉致らちされた。両親りょうしんは、日本にっぽんイエスキリスト教団きょうだん荻窪おぎくぼ栄光えいこう教会きょうかいの森山もりやま諭さとし牧師ぼくしの指導しどうを仰あおいでいた。その牧師ぼくしの弟子でしである宮村みやむら峻たかしにより、東京とうきょうのマンションで説得せっとくを受うけた。勤務きんむ先さきからの「人身じんしん保護ほご請求せいきゅう」が、東京とうきょう高裁こうさいで認みとめられたことで、７月がつ、松永まつなが堡智牧師ぼくしの手配てはいで、新潟にいがた県けんに準備じゅんびされた監禁かんきん場所ばしょの数すうか所しょを転々てんてんと移動いどうさせられ脱会だっかい説得せっとくを受うけた。1993年ねん６月がつ頃ごろ、彼かれは、精神せいしん的てきに追おい詰つめられ、脱会だっかいを装よそおったが、「踏ふみ絵え」として、他たの信者しんじゃの脱会だっかい説得せっとく、監禁かんきん・施錠せじょうの手伝てつだい、全国ぜんこく弁べん連れんの有名ゆうめい弁護士べんごしを通とおしての勤務きんむ先さきの告訴こくそ等とうの一連いちれんの拉致らち・監禁かんきんシステムを経験けいけんさせられた。約やく２年間ねんかんの監禁かんきんの後のち、1994年ねん4月がつから共産党きょうさんとう系けいの病院びょういんを紹介しょうかいされ勤務きんむしていたが、自力じりきで脱出だっしゅつした。その期間きかん、7月がつに、有田ありた芳生よしおの紹介しょうかいで文春ぶんしゅんの取材しゅざいを受うけたり、9月5日にち、宮みや村むらの紹介しょうかいによりTBSの取材しゅざいを受うけ報道ほうどう特集とくしゅうで偽にせの証言しょうげんをさせられるなど、宣伝せんでんに利用りようされた。1993年ねんに有田ありた芳生よしおと面会めんかいした時ときに「一いち年間ねんかんも閉とじこめられていて、よく耐たえられましたね」と強制きょうせい棄教を承知しょうちしていたと思おもわれる言葉ことばをかけられたと証言しょうげんしているが、有田ありたは発言はつげんを否定ひていし、監禁かんきんされているようには見みえなかったと返答へんとうしている。

脱会だっかい信者しんじゃの証言しょうげん

• 元もと・新体操しんたいそう選手せんしゅの山崎やまざき浩子ひろこは、統一教会とういつきょうかいの合同ごうどう結婚式けっこんしきで夫おっととなった男性だんせいの家族かぞくと自身じしんの姉あね夫婦ふうふの顔合かおあわせをした後のち、母親ははおやの一いち周忌しゅうきの段取だんどりのため訪おとずれていた叔父おじから別べつの場所ばしょでの話はなし合あいを提案ていあんされ、統一教会とういつきょうかいから聞きかされていた拉致らち・監禁かんきんだと感かんじつつも了解りょうかいしあるマンションに連つれて来きたられた。信者しんじゃでもあった山崎やまざきの親友しんゆうによると、統一教会とういつきょうかいは山崎やまざきの失踪しっそう後ご、百ひゃく人にんほどで奪還だっかんを図はかったが失敗しっぱいに終おわったという。母親ははおやの一いち周忌しゅうきの日ひ、涙なみだながらに説得せっとくする姉あねの真剣しんけんさに打うたれた山崎やまざきは翌日よくじつから元もと信者しんじゃでもある牧師ぼくしの説得せっとくを受うけ始はじめた。その中なかで統一教会とういつきょうかいとキリスト教きりすときょうの考かんがえは正せい反対はんたいであり統一教会とういつきょうかいの統一とういつ原理げんりは不可能ふかのうだと気付きづき、さらに統一教会とういつきょうかい創始そうし者しゃ・文ぶん鮮明せんめいの経歴けいれきや美談びだんがデタラメだったことも分わかり、マインドコントロールの恐おそろしさを知しったという。また統一教会とういつきょうかいのいう「強制きょうせい改宗かいしゅうグループ」は存在そんざいせず、いるのは一いち円えんの得とくにもならない説得せっとくを続つづける牧師ぼくしたちだと述のべている。その後ご山崎やまざきは記者きしゃ会見かいけんですべてが間違まちがいだったと認みとめるとともに脱会だっかいを表明ひょうめいし、男性だんせいとの結婚けっこんも解消かいしょうした。

精神せいしん的てき後遺症こういしょう

• 2013年ねん7月がつ、米国べいこく心理しんり学会がっかい（APA）第だい121回かい年次ねんじ総会そうかいで、石崎いしざき淳一じゅんいち教授きょうじゅによる拉致らち・監禁かんきん、強制きょうせい棄教の被害ひがいにあった信者しんじゃのPTSD（心しん的てき外傷がいしょう後ごストレス障害しょうがい）発症はっしょうについての研究けんきゅうが公表こうひょうされた。日本にっぽん全国ぜんこくの拉致らち・監禁かんきん被害ひがい者しゃ400人にんへのアンケート調査ちょうさでは、「直後ちょくごでは約やく72%が症状しょうじょうを示しめし、現在げんざいでも12.5％に上のぼることが判わかった。」「これらの結果けっかが示唆しさしていることは、棄教目的もくてきの強制きょうせい的てき説得せっとくは、大おおきな精神せいしん的てき衝撃しょうげきをもたらすものであり、深刻しんこくな精神せいしん的てき危害きがいをもたらす結果けっかになる可能かのう性せいがあるということだ。」と結論けつろん付つけている。

• 米本よねもと和広かずひろ著ちょ『我われらが不快ふかいな隣人りんじん』には、拉致らち監禁かんきん後ご、重度じゅうどのPTSDを患わずらった３人にんの女性じょせいの件けんが取とり上あげられている。

警察けいさつ・司法しほう関連かんれん

警察けいさつの対応たいおう

警察けいさつは、監禁かんきん事件じけんに接せっしても、監禁かんきん犯はんを逮捕たいほすることはめったになく、拉致らち監禁かんきんの側がわから、「親子おやこ間あいだの問題もんだい」と主張しゅちょうされると容易たやすく信用しんようし、その側がわに協力きょうりょくする事ことが多おおかった。また、実行じっこうマニュアルには、親おやや親族しんぞくは、万一まんいちの警察けいさつによる「職務しょくむ質問しつもん」に備そなえて家族かぞく写真しゃしんを携帯けいたいするとか、警察けいさつの事前じぜんに知しらせてくというような指示しじがあった。

司法しほう

拉致らち監禁かんきんは刑法けいほう220条じょうの逮捕たいほ・監禁かんきん罪ざいに相当そうとうする犯罪はんざいであるが、拉致らち監禁かんきんを実行じっこうした親おやや職業しょくぎょう的てき脱会だっかい者しゃを相手取あいてどった刑事けいじ訴訟そしょうは、全すべて検察けんさつ当局とうきょくによって不ふ起訴きそ処分しょぶんとされ、民事みんじ訴訟そしょうで審理しんりされてきた。また、原告げんこくが敗訴はいそして拉致らち監禁かんきんされたとの主張しゅちょうが認みとめられない事例じれいが多数たすう存在そんざいしている。

後藤ごとう徹とおる裁判さいばん

2015年ねん9月がつ、最高裁さいこうさい第だい3法定ほうていは、職業しょくぎょう的てき改宗かいしゅう活動かつどう家からの上告じょうこくを棄却ききゃくし、東京とうきょう高裁こうさいにおける2014年ねん1月がつ判決はんけつを認みとめる控訴こうそ審しん判決はんけつを下くだした。これにより、拉致らち監禁かんきんは、「家族かぞくといえども違法いほうである」「共同きょうどう不法ふほう行為こうい責任せきにんを負おうべき」として、総額そうがく2200万まん円えんで、宮村みやむら峻たかし1100万まん円えん、松永まつなが堡智牧師ぼくし440万まん円えんと他た、監禁かんきんした家族かぞくが、原告げんこくに支払しはらうよう命めいじた判決はんけつが確定かくていした。

広島ひろしま夫婦ふうふ拉致らち監禁かんきん裁判さいばん

2020年ねん11月27日にち、広島ひろしま高等こうとう裁判所さいばんしょが、拉致らち・監禁かんきんの不法ふほう行為こういを認定にんていし、一いち審しんの判決はんけつを認みとめ、控訴こうそ審しん判決はんけつを下くだした。これは、40代だいの夫婦ふうふで、小学生しょうがくせい以下いかの子供こども2人にんがいたが、2014年ねん７月がつ、家族かぞくが、青谷あおや福音ふくいんルーテル教会きょうかいの高澤たかさわ守まもる牧師ぼくし（捜査そうさ中ちゅうの2015年ねん自殺じさつ）と執事しつじの指導しどうの下した、別々べつべつに拉致らち監禁かんきんし、脱会だっかい強要きょうようを主導しゅどうした件けん。6日にち後ごに、警察けいさつへ通報つうほうしたことで解放かいほうされた。

対たい鈴木すずきエイト訴訟そしょう

2023年ねん10月がつ4日にち、後藤ごとう徹とおるは、東京とうきょう地方裁判所ちほうさいばんしょに、鈴木すずきエイトのX（旧きゅうTwitter）等とうでの発信はっしんで、後藤ごとう徹とおるの拉致らち監禁かんきんについて、「ひきこもり」「どうでもいいです」等とうの発言はつげんをしたことで、名誉めいよ棄損きそんの不法ふほう行為こういとして、慰謝いしゃ料りょう1100万まん円えんの損害そんがい賠償ばいしょうを求もとめ提訴ていそした。

国会こっかいにおける質疑しつぎ応答おうとう、他た

2000年ねん

2000年ねん（平成へいせい12年ねん）4月がつ20日はつか、檜ひのき田でん仁ひとし衆議院しゅうぎいん議員ぎいんが、 第だい147回かい国会こっかい　衆議院しゅうぎいん決算けっさん行政ぎょうせい監視かんし員いん会かい第だい三さん部会ぶかいにて、人権じんけん侵害しんがい・信教しんきょうの自由じゆうに関かんする質問しつもんを行おこなった。その中なかで、「昨年さくねんのアメリカ国務省こくむしょう国際こくさい人権じんけん報告ほうこく書しょ1999年版ねんばんに、警察けいさつが組織そしき的てきに拉致らち、監禁かんきん、暴行ぼうこう等とう傷害しょうがい事件じけんを何なんら救済きゅうさいをとらないばかりか、取とり締しまりをしないという報告ほうこくがされて、日本にっぽんのこの例れいが報告ほうこくされて、日本にっぽんの警察けいさつが国際こくさい社会しゃかいからも信用しんようを失墜しっついしかねない、極きわめて重大じゅうだいな事態じたいになっております。」「 拉致らち、監禁かんきん、暴行ぼうこう、傷害しょうがい罪ざいなど刑事けいじ罰ばつ行為こういに触ふれる行為こういは、罪つみに問とわれないという例外れいがいがございますか。例たとえば、親子おやこや夫婦ふうふなら問とわれないということがございますか。」 「拉致らち・監禁かんきんこの問題もんだいは実じつは20年来ねんらい、1年間ねんかん約やく300人にん程度ていどが組織そしき的てきに、親おやの気持きもちとは別べつに拉致らち監禁かんきんしている集団しゅうだんがあるからだ。この組織そしき的てき拉致らち監禁かんきん集団しゅうだんは、一部いちぶの牧師ぼくしなどが組織そしき的てきに全国ぜんこくでやっている。ある意味いみでは、国家こっかに対たいする、警察けいさつに対たいする重大じゅうだいな挑戦ちょうせんと思おもうが。」と問といかけた。

それに対たいし、警視庁けいしちょう、 田中たなか節夫せつお長官ちょうかんは、「全国ぜんこくの幾いくつかの県けん警察けいさつにおきまして、統一教会とういつきょうかいの信者しんじゃから被害ひがい申告しんこくあるいは相談そうだんがなされたということは承知しょうちをしております。」 「信教しんきょうの自由じゆう及および法ほうのもとの平等びょうどうについて、警察けいさつ活動かつどうがこの憲法けんぽうの規定きていを損そこなうようなことがあってはならないことも当然とうぜんだ。」「拉致らち監禁かんきん、暴行ぼうこう傷害しょうがいなどの事件じけんについては、たとえ親子おやこ、親族しんぞく間あいだであったとしても、例外れいがいなく法ほうの下したで厳正げんせいに対処たいしょする。」と返答へんとうした。

2024年ねん

2024年ねん3月がつ12日にち、浜田はまだ聡さとし参議院さんぎいん議員ぎいんが、参議院さんぎいん総務そうむ委員いいん会かいにて質問しつもんをし、各かく機関きかん代表だいひょうが回答かいとうした。「もう一ひとつの被害ひがい者しゃを挙あげたいと思おもいます。 それは旧きゅう統一とういつ協会きょうかいの信者しんじゃを脱会だっかいさせるために、強制きょうせい的てきに拉致らち監禁かんきんなどをして、強制きょうせい的てき改宗かいしゅうをさせられた被害ひがい者しゃの存在そんざいです。 」「 こういった拉致らち監禁かんきんは家庭かてい連合れんごうの方ほうによると4,300人にんとのことでありますが、政府せいふの把握はあくしているところを教おしえていただければと思おもいます。」 これについては、小林こばやし万里子まりこ文化庁ぶんかちょう審議しんぎ官かんは、返答へんとう「差さし控ひかえる」とした。

続つづいて、「12年ねん5ヶ月かげつという長期間ちょうきかん監禁かんきんされた被害ひがい者しゃの方ほうの存在そんざいについての見解けんかいをお伺うかがいしたいと思おもいます 。」という質問しつもんに、本田ほんだ顕子あきこ文部もんぶ科学かがく大臣だいじん政務せいむ官かんは、「個別こべつの件けんについては差さし控ひかえる」とした。NHKに対たいしては、「NHKは脱会だっかい屋やによる拉致らち監禁かんきんを報道ほうどうすべき重要じゅうよう事項じこうであると考かんがえるかどうか、伺うかがいたい。 」との質問しつもんがなされた。日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい山田やまだ勝美かつみ専務せんむ理事りじは、「回答かいとうを差さし控ひかえる」と答こたえた。

他た、国会こっかい議員ぎいん関連かんれん

2010年ねん12月3日にち、青山あおやま丘たかし・元もと衆議院しゅうぎいん議員ぎいんが『全国ぜんこく拉致らち監禁かんきん・強制きょうせい改宗かいしゅう被害ひがい者しゃの会かい』主催しゅさいの決起けっき集会しゅうかいに参加さんか。民主党みんしゅとうの吉田よしだ公一こういち衆議院しゅうぎいん議員ぎいんと国民こくみん新党しんとうの下地しもじ幹郎みきお衆議院しゅうぎいん議員ぎいんの公設こうせつ秘書ひしょが請願せいがん書しょを受うけ取とった。吉田よしだは陳情ちんじょう書しょを受うけ取とった事ことを有田ありた芳生よしおがブログで非難ひなんした事ことについて、”「信教しんきょうの自由じゆう」は自由じゆう権けん的てき基本きほん権けんの根幹こんかんであり、民主みんしゅ主義しゅぎ制度せいどの骨格こっかくを貫つらぬく基本きほん的てきな人権じんけんだと認識にんしきしている。もちろん、いわゆる「霊感れいかん商法しょうほう」に関かんしての有田ありた議員ぎいんのご主張しゅちょうは承知しょうちしている。私わたしも同おなじ立場たちばである。”と述のべている。また有田ありたが議員ぎいんが陳情ちんじょう書しょを受うけ取とるのは党規とうき違反いはんだと指摘してきした事ことについては党とう国会こっかい対策たいさく委員いいん会かいと幹事かんじ長ちょう室しつの了解りょうかいを得えており、また党とうの方針ほうしんとして議員ぎいん個人こじんが請願せいがんを受うけることに許可きょかは不要ふようと反論はんろんしている。また有田ありたは、この陳情ちんじょうのために国際こくさい勝かち共ども連合れんごう幹部かんぶが自民党じみんとう議員ぎいんなどに依頼いらいしていたと述のべている。

国外こくがいの機関きかんによる公表こうひょう

国連こくれん

2014年ねん、国連こくれんの自由じゆう権けん規約きやく人権じんけん委員いいん会かい（United Nations Human Rights Committee）は、日本にっぽんを含ふくむ条約じょうやく締結ていけつ国こくすべての人権じんけん状況じょうきょうを審査しんさするが、7月がつ24日にちに公表こうひょうされた日本にっぽんに関かんする報告ほうこくでは、拉致らち及および強制きょうせいによる改宗かいしゅう離脱りだつについて述のべられており、外務省がいむしょうホームページの「自由じゆう権けん規約きやく人権じんけん委員いいん会かいによる日本にっぽん審査しんさの最終さいしゅう報告ほうこく書しょ」に掲載けいさいされている。

「21．委員いいん会かいは，新興しんこう宗教しゅうきょうへの改宗かいしゅう者しゃに対たいして，その家族かぞくの構成こうせい員いんが改宗かいしゅう離脱りだつのために本人ほんにんを拉致らち・監禁かんきんしているという報告ほうこくについて懸念けねんを有ゆうする（2条じょう，9条じょう，18条じょう，26条じょう）。締約ていやく国こくは、すべての人ひとに対たいし、自みずからの宗教しゅうきょう若もしくは信条しんじょうを保持ほじし、又またはこれを選択せんたくする自由じゆうを強制きょうせい的てきに侵害しんがいされない権利けんりを保障ほしょうするため、効果こうか的てきな措置そちをとるべきである。」

米国べいこく国務省こくむしょう

毎年まいとし、米国べいこく国務省こくむしょうにより、公表こうひょうされる世界せかい各国かっこくの国際こくさい宗教しゅうきょう自由じゆう報告ほうこく書しょの中なかで、1999年ねんより、同どう問題もんだいが度々どど言及げんきゅうされている。

• 2011年ねん公表こうひょう　「数すう年ねん前まえから、洗脳せんのう解除かいじょ師し（ディプログラマー）らが家族かぞくと協力きょうりょくして、統一教会とういつきょうかいの信者しんじゃや他たの少数しょうすう派は宗教しゅうきょう団体だんたいの信者しんじゃを誘拐ゆうかいしていると報ほうじられている。報告ほうこく件数けんすうは1990年代ねんだいから大幅おおはばに減少げんしょうしているが、非ひ政府せいふ組織そしき（NGO）の国境こっきょうなき人権じんけんインターナショナルが12月に発表はっぴょうした調査ちょうさでは、統一教会とういつきょうかいの信者しんじゃの誘拐ゆうかいや洗脳せんのう解除かいじょは今いまも起おきていると主張しゅちょうしている。」
• 2013年ねん公表こうひょう　「宗教しゅうきょう的てき所属しょぞく、信仰しんこう、または実践じっせんに基もとづく社会しゃかい的てき虐待ぎゃくたいまたは差別さべつの報告ほうこくがありました。」「統一教会とういつきょうかい（UC）信者しんじゃが関与かんよする「脱だつ洗脳せんのう」事件じけんの報告ほうこく件数けんすうは1990年代ねんだい以降いこう大幅おおはばに減少げんしょうしているが、NGOの国境こっきょうなき人権じんけんインターナショナルは、統一教会とういつきょうかい信者しんじゃの誘拐ゆうかいと脱だつ洗脳せんのうは引ひき続つづき発生はっせいしていると述のべた。統一教会とういつきょうかいは、教会きょうかい信者しんじゃが誘拐ゆうかいされた3件けんの事件じけんを報告ほうこくした。統一教会とういつきょうかい信者しんじゃは、信者しんじゃが「行方ゆくえ不明ふめい」になった後のち、信者しんじゃの家族かぞくの家いえを訪おとずれ、警察けいさつに通報つうほうした。3人にんはその後ご再ふたたび姿すがたを現あらわし、教会きょうかいから脱退だったいする旨むねの連絡れんらくを統一教会とういつきょうかいに送おくった。」

• 2015年ねん公表こうひょう　「最高裁判所さいこうさいばんしょは、世界せかい平和へいわ統一とういつ家庭かてい連合れんごう（FFWPU、旧きゅう統一教会とういつきょうかい）信者しんじゃに対たいし、改宗かいしゅうを説得せっとくしようと12年ねん以上いじょうにわたり家族かぞくから拘束こうそくされていたとして損害そんがい賠償ばいしょうを命めいじた下級かきゅう裁判所さいばんしょの判決はんけつを支持しじした。 FFWPUのメンバーが、改宗かいしゅうを説得せっとくするために12年ねん以上いじょうにわたり彼かれを監禁かんきんしたとして家族かぞくを相手取あいてどり、民事みんじ損害そんがい賠償ばいしょう訴訟そしょうを起おこした。FFWPUは、最高裁判所さいこうさいばんしょが9月がつ29日にちに被告ひこく側がわの控訴こうそを棄却ききゃくし、2014年ねん11月の東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの判決はんけつを支持しじしたと述のべた。判決はんけつでは、被告ひこく側がわは総額そうがく2,200万まん円えん（18万まん3,000ドル）の賠償金ばいしょうきんを支払しはらうよう命めいじられた。」

ベルギー人権じんけん団体だんたいの勧告かんこく

国際こくさいNGO団体だんたいを名乗なのるベルギーを拠点きょてんに活動かつどうする人権じんけん団体だんたい「国境こっきょうなき人権じんけん」（en:Human_Rights_Without_Frontiers）は、2010年ねんから日本にっぽんにおける統一教会とういつきょうかいとエホバの証人しょうにんに対たいする拉致らち監禁かんきん問題もんだいについて独自どくじの調査ちょうさを行おこない、2011年ねん12月31日にちに「日本にっぽんにおける棄教を目的もくてきとした拉致らちと拘束こうそく」と題だいしたレポートを発表はっぴょうした。その中なかで国境こっきょうなき人権じんけんは「強制きょうせい棄教を目的もくてきとする拉致らちの存在そんざいを確認かくにんできた」と報告ほうこくし、「警察けいさつと司法しほう当局とうきょくは、成人せいじんを監禁かんきん下かで強制きょうせい棄教させようとする拉致らち行為こういに直接ちょくせつ間接かんせつに関与かんよした人々ひとびとを起訴きそすべきであり、刑事けいじ事件じけん化かを差さし控ひかえるべきでない。」と勧告かんこくした。

報道ほうどう

・1980年ねんー毎日新聞まいにちしんぶん3月5日にちー青年せいねんが、徳島とくしま市しから家族かぞくに拉致らちされ、東京とうきょうの精神せいしん病院びょういんに２か月げつ以上いじょう監禁かんきんされ、薬物やくぶつを投与とうよされた事件じけんで、「統一教会とういつきょうかい入信にゅうしんの息子むすこを強制きょうせい入院にゅういん」「精神せいしん障害しょうがいなし」「両親りょうしんは釈放しゃくほうを」という見出みだしで、東京とうきょう高等こうとう裁判所さいばんしょの判決はんけつを報道ほうどう。

・1984年ねんー朝日新聞あさひしんぶんは（昭和しょうわ59年ねん）5月がつ14日にちの夕刊ゆうかん「ルポ'84」で「信仰しんこう切きれず、鎖くさりが切きれた」と題だいした改宗かいしゅう拉致らちの記事きじを掲載けいさい。ある女性じょせいは東京とうきょう都と内うちの大学だいがくで勧誘かんゆうされ統一教会とういつきょうかい系けいの学生がくせい組織そしき・原理げんり研究けんきゅう会かいに加くわわり組織そしきの合宿がっしゅく寮りょうから通学つうがく。実家じっかに帰かえらない女性じょせいを親おやが山荘さんそうに連つれ出だし足首あしくびを鎖くさりで繋つないでいたが、20日はつか後ごに女性じょせいは爪つめ切ぎりで鎖くさりを切断せつだんし逃走とうそうした。記事きじを執筆しっぴつした高木たかぎ正幸まさゆき編集へんしゅう委員いいんは統一教会とういつきょうかいについて、家族かぞくとの関係かんけいの変化へんかから起おこるトラブルの多おおさが社会しゃかい的てきに問題もんだい視しされる一因いちいんとした上うえで、暴力ぼうりょくなどで入信にゅうしんしたわけではない若者わかもの達たちを強制きょうせい的てきに切きり離はなすやり方かたには、教会きょうかいを批判ひはんしている宗教しゅうきょう家かや学者がくしゃも否定ひてい的てきだとしている。

• 2011年ねんー韓国かんこくSBSドキュメンタリー動画どうが作製さくせい、『統一教会とういつきょうかい（統一とういつ協会きょうかい）信者しんじゃ拉致らち監禁かんきん事件じけんーきよみ13年ねんぶりの帰郷ききょう』11月

• 2013年ねんー月刊げっかん『宝島たからじま』7月がつ号ごう(5月がつ25日にち発売はつばい)　「短期たんき集中しゅうちゅう連載れんさい宗教しゅうきょう最前線さいぜんせん」特集とくしゅう、「［統一教会とういつきょうかい信者しんじゃ“拉致らち監禁かんきん”裁判さいばん傍聴ぼうちょう記き］『保護ほご』か『監禁かんきん』か？失うしなわれた１２年ねん５か月げつを求もとめて」

• 2014年ねんー『財界ざいかいニッポン』11月がつ号ごう、後藤ごとう徹とおる裁判さいばんを掲載けいさい。

• 2022年ねんーTBS 系けい「サンデージャポン」9月がつ25日にち放送ほうそうでMCを務つとめる太田おおた光ひかりが、「今いまでも拉致らちして監禁かんきんして閉とじ込こめたりしていろいろ問題もんだいが起おきている」と発言はつげんして、物議ぶつぎをかもした。

• 2023年ねん1月がつ6日にち、FNNニュース報道ほうどうで、旧きゅう統一教会とういつきょうかいの主張しゅちょうである、「拉致らち監禁かんきん事件じけんと民事みんじ事件じけんの件数けんすうは比例ひれいしている」という件けんについて報ほうじたところ、文化庁ぶんかちょうの高官こうかんが、FNNの役員やくいんを呼よびつけて恫喝どうかつしたという。その記者きしゃは、文化庁ぶんかちょうへの出入でいりを禁止きんしされた。

保護ほご説得せっとくとする側がわの主張しゅちょう

監禁かんきんは、刑法けいほう220条じょう違反いはんであると同時どうじに深刻しんこくな人権じんけん侵害しんがいであるが、保護ほご説得せっとくとする側がわでは、刑法けいほう37条じょうの正当せいとう行為こうい（法令ほうれい又またハ正当せいとうノ業務ぎょうむニ因いんリ為ため（な）シタル行為こういハ之の（これ）ヲ罰ばつセズ）として、その行為こういの違法いほう性せいを阻却される、監禁かんきんは緊急きんきゅう避難ひなんという理由りゆうで、正当せいとうであると説明せつめいしている。また、監禁かんきんマニュアルにも、親おやを納得なっとくさせる根拠こんきょとして、この文面ぶんめんが挙あげられている

• 郷さと路ろ征せい記き弁護士べんごしは、その著書ちょしょの中なかで、「親おやは対話たいわのために、子こどもが逃にげることができないような環境かんきょうを設定せっていせざるをえなくなる。（中略ちゅうりゃく）これらの親おやの行為こういをとらえて、統一とういつ協会きょうかいは拉致らち監禁かんきんと批判ひはんしている。しかし、そのような親おやの行為こういは刑法けいほう上じょう監禁かんきん罪ざいにあたるものではない。」と述のべている。

• 山口やまぐち広ひろ弁護士べんごしの言げんでは、「よかれと思おもってやる家族かぞくと、冷静れいせいに話はなし合あって、本人ほんにんも納得なっとくして、というプロセスは大変たいへんだけど、強制きょうせいはだめ。入会にゅうかいして活動かつどうしている本人ほんにんの気持きもちをよく聞きいて、対応たいおうすることが必要ひつようです。 」当とう弁護士べんごしは、後藤ごとう徹とおる裁判さいばんで、宮村みやむら峻たかしの弁護べんごを担当たんとうした。
• 紀藤きとう正樹まさき弁護士べんごしは、後藤ごとう徹とおる拉致らち監禁かんきん事件じけん裁判さいばんについて、「失うしなわれた30年ねんの問題もんだいで、社会しゃかいがきっちり向むき合あっていれば、このような問題もんだいは起おこらなかった。」とTV番組ばんぐみで語かたっており、このような事例じれいがあったことを認識にんしきしている 。

拉致らち監禁かんきんを受うけたとの主張しゅちょうが認みとめられなかった事例じれい

1. 東京とうきょう高裁こうさい棄却ききゃく。最高裁さいこうさい棄却ききゃく。
2. 東京とうきょう地裁ちさい棄却ききゃく。
3. 横浜よこはま地裁ちさいは原告げんこくのいずれの請求せいきゅうも認みとめず、2004年ねん8月がつに原告げんこくの請求せいきゅうを棄却ききゃくした。原告げんこくは控訴こうそしたが、同年どうねん11月がつ、東京とうきょう高裁こうさいは原告げんこくの請求せいきゅうを棄却ききゃくした。

参考さんこう文献ぶんけん

• 米本よねもと和広かずひろ　『われらの不快ふかいな隣人りんじん－統一教会とういつきょうかいから「救出きゅうしゅつ」されたある女性じょせい信者しんじゃの悲劇ひげき』情報じょうほうセ ンター出版しゅっぱん局きょく　2008年ねん　ISBN 978-4795847620

• 室生むろう忠ただし　『日本にっぽん宗教しゅうきょうの闇やみ・強制きょうせい棄教との戦たたかいの軌跡きせき』室生むろう忠ただし著作ちょさく集しゅう　アートビレッジ　2017年ねん　ISBN 978-4905247616
• 後藤ごとう徹とおる　『私わたしは12年ねん5か月げつ拉致らち監禁かんきんされていた！』月刊げっかん正論せいろん　2023年ねん12月がつ号ごう
• 室生むろう忠ただし　『後藤ごとう徹とおる拉致らち監禁かんきん・強制きょうせい棄教裁判さいばん・控訴こうそ審しんで被害ひがい者しゃ側がわ勝訴しょうそ／12年ねん5か月げつ「監禁かんきん」と評価ひょうか／日本にっぽん宗教しゅうきょう史上しじょう画期的かっきてき判決はんけつ』財界ざいかいにっぽん　2015年ねん2月がつ号ごう　〈日本にっぽんの人権じんけんシリーズ56〉
• 小出こいで浩久ひろひさ『人ひとさらいからの脱出だっしゅつ』改訂かいてい版ばん　光ひかり言げん社しゃ　2023年ねん9月がつ20日はつか　ISBN 978-4876562275
• 福田ふくだますみ『ルポ統一とういつ教会きょうかい１、新聞しんぶん・テレビが報ほうじない“脱会だっかい屋や”の犯罪はんざい』月刊げっかん　Hanada　2022年ねん12月がつ号ごう　「統一教会とういつきょうかい」報道ほうどうの欺瞞ぎまん
• 徳永とくなが信一しんいち、他た　『家庭かてい連合れんごう信者しんじゃに人権じんけんはないのか』グッドタイム出版しゅっぱん　2023年ねん6月がつ22日にち　ISBN 978-4908993336

• 太田おおた朝ちょう久ひさ　『踏ふみにじられた信教しんきょうの自由じゆう：多発たはつする信者しんじゃ失踪しっそう事件じけんの背景はいけい』光ひかり言げん社しゃ　単行本たんこうぼん　2008年ねん7月がつ1日にち　ISBN 978-4876561384  
• 梶栗かじくり玄げん太郎たろう　編集へんしゅう『日本にっぽん収容しゅうよう所しょ列島れっとう: いまなお続つづく統一教会とういつきょうかい信者しんじゃへの拉致らち監禁かんきん』　単行本たんこうぼん　地方ちほう・小しょう出版しゅっぱん流通りゅうつうセンター 2010年ねん8月がつ1日にち　ISBN 978-4990308285
• 紀藤きとう正樹まさき　『決定けってい版ばん　マインド・コントロール』単行本たんこうぼん　アスコム　2017年ねん2月がつ24日にち　ISBN 978-4776209423
• マインド・コントロ-ル研究所けんきゅうじょ　『親おやは何なにを知しるべきか　破壊はかい的てきカルトとマインド・コントロ-ル』いのちのことば社しゃ　1997年ねん4月がつ　ISBN 978-4264016342

関連かんれん項目こうもく

• 世界せかい平和へいわ統一とういつ家庭かてい連合れんごう

外部がいぶリンク

• 全国ぜんこく 拉致らち監禁かんきん・強制きょうせい改宗かいしゅう被害ひがい者しゃの会かい
• 拉致らち監禁かんきんをなくす会かい（最終さいしゅう更新こうしん2020年ねん4月がつ）