行人
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あらすじ
友達 二郎 は友人 ・三沢 と会 う約束 をして大阪 を訪 れた。だが三沢 は胃腸 を悪 くして病院 に入院 していた。二郎 が三沢 を見舞 うために何 度 も病院 に行 くうちに、病院 にいたある女 に心 を惹 かれる。二郎 が三沢 に彼女 のことを話 すと、三沢 はその女 と入院 する前 に会 って一緒 に酒 を飲 んだという。三沢 はその女 の病室 を見舞 った。三沢 が退院 する段 になって、彼 は急 に、精神 を病 んで同 じ家 に住 んでいた「娘 さん」の話 を二 郎 に始 めた。そして二 人 は別 れた。
兄 三沢 を送 った翌日 、二郎 の母 と兄 ・一郎 、兄 の嫁 ・直 が大阪 にやってきた。四 人 は観光 のためにしばらく滞在 する。その折 、妻 を信 じきれない一郎 は二郎 に対 して、直 と二 人 きりで一 晩 泊 まり、彼女 の節操 を試 してほしいと依頼 する。二郎 は拒否 するがとうとう直 と二人 で旅行 することとなる。嵐 の中 で二 人 は一 晩 過 ごし、一郎 たちのもとへ帰 った。詳 しい話 を東京 で話 すことを約 して、四 人 は東京 へ帰 った。
帰 ってから東京 へ戻 ってからしばらくすると、一郎 は再 び二 郎 に嵐 の晩 のことを話 すよう迫 る。二郎 は特 に話 すべきことはないとして一郎 の追及 を避 けたが、一郎 は激怒 した。以後 、家 の居心地 が悪 くなった二郎 は、下宿 に暮 らすことを決 めて家 を出 た。そのころから、兄 の様子 が家族 の目 から見 てもおかしくなったと、二郎 は周囲 から聞 かされる。
塵労 二郎 は両親 と相談 し、一郎 をその親友 のHに頼 んで、旅行 に連 れ出 してもらう。二郎 はHに、旅行 中 の一郎 の様子 を手紙 に書 いて送 ってくれと頼 んだ。一郎 とHが旅行 に出 かけて11日 目 にHから長 い手紙 が届 いた。その中 には旅行 中 の兄 の苦悩 が、Hの目 を通 して詳 しく書 かれていた。
登場 人物
長野 一郎 学者 であり物事 を深 く掘 り下 げて考 える性質 がある。妻 の直 を理解 できないと思 い、弟 の二郎 に彼女 の貞操 を試 すよう頼 む。長野 二郎 一郎 の弟 。本 作 の語 り部 でもある。直 の結婚 前 から彼女 を知 っているが、兄 の手前 複雑 な気持 ちになり苦 しくもある。直 一郎 の妻 。重 一郞 の妹 。貞 一郎 の家 の下女 。近々 結婚 する。- H
兄 の友人 で、一郎 を旅行 に連 れ出 す。三沢 二郎 の友人 。二郎 と旅行 の待 ち合 わせで大阪 に来 たが、体調 を崩 し入院 してしまう。岡田 一郎 の母方 の縁戚 。大阪 在住 。会社 員 。兼 岡田 の妻 。佐野 貞 の結婚 相手 。額 が広 い。
書誌 情報
文庫本
夏目 漱石 『行人 』新潮 文庫 1952年 3月 、改版 2011年 1月 ISBN 978-4-10-101012-0夏目 漱石 『行人 』集英社 文庫 2014年 4月 ISBN 978-4-08-752058-3夏目 漱石 『行人 』岩波 文庫 改版 1990年 4月 ISBN 978-4-00-310110-0
外部 リンク
- 『
行人 』:新字 新 仮名 -青空 文庫 - 『
行人 』 -国立 国会図書館