集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ

集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこ（しゅうえいしゃぶんこ）は、株式会社かぶしきがいしゃ集英社しゅうえいしゃが発行はっこうしている文庫ぶんこレーベル。1977年ねん創刊そうかん。

沿革えんかくと概要がいよう

もともとは、当時とうじ集英社しゅうえいしゃが出だしていた『小説しょうせつジュニア』に掲載けいさいされていた赤松あかまつ光夫みつおや吉田よしだとしなどの青春せいしゅん小説しょうせつの文庫ぶんこ化かからはじまった（今いまのコバルト文庫ぶんこである）。また、1976年ねんからは集英社しゅうえいしゃ漫画まんが文庫ぶんことして、池田いけだ理代りよ子こ『ベルサイユのばら』や本宮もとみやひろ志こころざし『男おとこ一いち匹ひきガキ大将がきだいしょう』などを皮切かわきりに、漫画まんがの文庫ぶんこ化か（ただし、1980年代ねんだい中盤ちゅうばんにいったん消滅しょうめつした）にも早はやくから取とり組くんでいた。それを基盤きばんにして、1977年ねん 5月がつ20日はつかに大人おとな向むけの文庫ぶんこシリーズとして創刊そうかんされた。当初とうしょは価格かかくを抑おさえており、他たの文庫ぶんこではとうに姿すがたを消けしていた200円えん未満みまんの書目しょもくも散見さんけんされた。

創刊そうかん当初とうしょより主おもに集英社しゅうえいしゃが権利けんりをもつ大衆たいしゅう文学ぶんがくを主力しゅりょくとしたが、純文学じゅんぶんがくのフィールドでも、当時とうじ『すばる』の看板かんばん作家さっかだった石川いしかわ淳あつしや、小島こじま信夫しのぶの作品さくひんを積極せっきょく的てきに文庫ぶんこ化かし、広ひろい読者どくしゃ層そうを掘ほり起おこそうともしていた。また、アラン・シリトーやギュンター・グラスなどの、海外かいがいの当時とうじの新鋭しんえい作家さっかの作品さくひんも開拓かいたくした。

1982年ねんに「広瀬ひろせ正ただし小説しょうせつ全集ぜんしゅう」全ぜん6巻かんを刊行かんこう。1993年ねんにジュール・ヴェルヌ・コレクション全ぜん12巻かんを刊行かんこう。1994年ねんに「荒俣あらまた宏ひろしコレクション」全ぜん10巻かんを刊行かんこう、1997年ねんから1998年ねんに「荒あら俣宏コレクション2」全ぜん10巻かんを刊行かんこう。

1994年ねんより「ナツイチ・キャンペーン」を毎年まいとし夏なつに実施じっしし、人気にんき作品さくひんを集あつめた大だい規模きぼなフェアを展開てんかいする。以後いご「新潮しんちょう文庫ぶんこの100冊さつ」、角川かどかわ文庫ぶんこの「カドフェス」と併あわせ書店しょてんの店頭てんとうを彩いろどる夏なつの風物詩ふうぶつしとして定着ていちゃくする。

翌よく1995年ねんからはコミック版ばんを復活ふっかつ。また、2007年ねん6月がつに太宰だざい治おさむ『人間にんげん失格しっかく』の表紙ひょうし画がを小畑おばた健けんにしたところ、異例いれいの売うり上あげとなったため、翌年よくねんのナツイチからは人気にんき漫画まんが家かが期間きかん限定げんていで古典こてん作品さくひんの表紙ひょうし画がを描えがいている。

2002年ねんから2009年ねんまで「集英社しゅうえいしゃbe文庫ぶんこ」というレーベル名めいで、料理りょうりなど生活せいかつ関係かんけいや占うらない、著名ちょめい人じんのエッセイなどを刊行かんこうした。ハードカバーの装幀そうていが特色とくしょくでスピン、花はな布ぬのも用もちいられている。そのため標準ひょうじゅん的てきな文庫本ぶんこぼんよりも若干じゃっかんサイズが大おおきい。

2003年ねんからは古典こてん作品さくひんを紹介しょうかいする文庫ぶんこ内ないレーベルとして集英社しゅうえいしゃ文庫ぶんこヘリテージを刊行かんこうし、2016年ねんに13巻かんでシリーズ完結かんけつ。

創刊そうかん40周年しゅうねんを迎むかえた2017年ねん、イラストレーターNoritakeが手てがけた新しんキャラクター「よまにゃ」が登場とうじょう^[1]。限定げんていカバーをはじめフェア全般ぜんぱんで活躍かつやくしている。 2019年ねんには「セレクション戦争せんそうと文学ぶんがく」が全ぜん8巻かんで刊行かんこうされた。