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貸金業法 - Wikipedia

貸金かしきん業法ぎょうほう

日本にっぽん法律ほうりつ

貸金かしきん業法ぎょうほう(かしきんぎょうほう、昭和しょうわ58ねん法律ほうりつだい32ごう)は、「貸金かしきんぎょうくに経済けいざい社会しゃかいにおいてたす役割やくわりにかんがみ、貸金かしきんぎょういとなものについて登録とうろく制度せいど実施じっしし、その事業じぎょうたい必要ひつよう規制きせいおこなうとともに、貸金かしきん業者ぎょうしゃ組織そしきする団体だんたい認可にんかする制度せいどもうけ、その適正てきせい活動かつどう促進そくしんすることにより、貸金かしきんぎょういとなもの業務ぎょうむ適正てきせい運営うんえい確保かくほし、もって資金しきん需要じゅようしゃとう利益りえき保護ほごはかるとともに、国民こくみん経済けいざい適切てきせつ運営うんえいすることを目的もくてきとする」(1じょう法律ほうりつである。1983ねん5月13にち公布こうふ同年どうねん11がつ1にち施行しこう

貸金かしきん業法ぎょうほう
日本国政府国章(準)
日本にっぽん法令ほうれい
通称つうしょう略称りゃくしょう ノンバンク規制きせいほう
法令ほうれい番号ばんごう 昭和しょうわ58ねん法律ほうりつだい32ごう
種類しゅるい 金融きんゆうほう消費しょうひしゃほう
効力こうりょく 現行げんこうほう
成立せいりつ 1983ねん4がつ28にち
公布こうふ 1983ねん5がつ13にち
施行しこう 1983ねん11月1にち
所管しょかん大蔵省おおくらしょう→)
金融きんゆうちょう
銀行局ぎんこうきょく金融きんゆう企画きかくきょく総務そうむ企画きかく総務そうむ企画きかくきょく総合そうごう政策せいさくきょく
消費しょうひしゃちょう消費しょうひしゃ政策せいさく
おも内容ないよう 貸金かしきんぎょう規制きせいとう
関連かんれん法令ほうれい 出資しゅっし受入うけいれ、あずかきんおよ金利きんりとう取締とりしまりにかんする法律ほうりつ出資法しゅっしほう)、利息りそく制限せいげんほう
制定せいてい題名だいめい 貸金かしきんぎょう規制きせいとうかんする法律ほうりつ
条文じょうぶんリンク 貸金かしきん業法ぎょうほう - e-Gov法令ほうれい検索けんさく
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旧称きゅうしょうは「貸金かしきんぎょう規制きせいとうかんする法律ほうりつ」であり、「貸金かしきんぎょう規制きせいほう」または「貸金かしきん業法ぎょうほう」の略称りゃくしょうもちいられていた。改正かいせい[1]ともない、2007ねん12月19にちより、正式せいしき題名だいめいが「貸金かしきん業法ぎょうほう」となった。

所管しょかん官庁かんちょう

編集へんしゅう
しゅ所管しょかん
ふく所管しょかん
  • 消費しょうひしゃちょう消費しょうひしゃ政策せいさく - 企画きかく立案りつあん共管きょうかん消費しょうひしゃちょう処分しょぶんについて勧告かんこくけんち、そのための検査けんさ権限けんげんつ。また、処分しょぶんについて金融きんゆうちょうから事前じぜん協議きょうぎける。
連携れんけい

内容ないよう

編集へんしゅう

事業じぎょう登録とうろく業務ぎょうむかんするしょ規制きせい貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃ選任せんにん業界ぎょうかい団体だんたいとしての「日本にっぽん貸金かしきんぎょう協会きょうかい」の設立せつりつなどがさだめられている。

従来じゅうらい貸金かしきんぎょう規制きせいほうは、43じょうにおいて、利息りそく制限せいげんほう1じょう1こう制限せいげん利息りそくえた超過ちょうか部分ぶぶんグレーゾーン金利きんり)も債務さいむしゃ任意にんい支払しはらった場合ばあい一定いってい要件ようけんした有効ゆうこう利息りそく弁済べんさいとすることとしている(みなし弁済べんさい)。これについて、最高裁判所さいこうさいばんしょが「利息りそく制限せいげんほう制限せいげんえる利息りそく支払しはらったのちでも、過払かばらいきん返還へんかん請求せいきゅうできる」と判示はんじしたのにたいし、おおきな制約せいやくすものとなった。

しかし、最高裁さいこうさい平成へいせい18ねん1がつ13にち判決はんけつみんしゅう60かん1ごう1ぺーじ)が、期限きげん利益りえき喪失そうしつ約款やっかんしたでの支払しはらいにつき原則げんそくとして任意にんいせい否定ひていしたため、貸金かしきん業者ぎょうしゃがみなし弁済べんさい主張しゅちょうすることは困難こんなんとなった[2]

これにたいする平成へいせい15ねんおよび平成へいせい18ねん改正かいせいにより消費しょうひしゃ保護ほごはかられた一方いっぽうきびしい貸付かしつけ条件じょうけんによってやみ金融きんゆう跋扈ばっこまねいたとされる。また零細れいさい自営じえい業者ぎょうしゃ一時いちじてき資金しきんのジャンプなどの資金繰しきんぐりがむずかしくなり、景気けいき衰退すいたいまねいたとの批判ひはんつよく、再度さいど改正かいせい必要ひつようとの意見いけんつよい。

改正かいせい

編集へんしゅう

平成へいせい15ねん改正かいせい

編集へんしゅう

ヤミ金融きんゆうといわれる悪質あくしつ違法いほう業者ぎょうしゃまることを目的もくてきに、2003ねん平成へいせい15ねん8がつ1にち規制きせい強化きょうかした改正かいせいほう平成へいせい15ねん法律ほうりつだい136ごう通称つうしょう「ヤミ金融きんゆう対策たいさくほう」)が成立せいりつ2004ねん平成へいせい16ねん1がつ1にち施行しこうされた。

平成へいせい18ねん改正かいせい

編集へんしゅう

2006ねん平成へいせい18ねん)、金融きんゆうちょう自民党じみんとうなどで、グレーゾーン金利きんり廃止はいしなどの法律ほうりつ改正かいせい議論ぎろんされ、後藤田ごとうだ正純まさずみ規制きせい強化きょうか主張しゅちょうするひとと、保岡やすおかきょう例外れいがい措置そちとして従来じゅうらいどおりの金利きんりのこすと主張しゅちょうするひと対立たいりつした。

しかし、日本にっぽん弁護士べんごし連合れんごうかい、マスコミ世論せろん民主党みんしゅとう反発はんぱつけて、グレーゾーン金利きんり廃止はいしとうんだ内閣ないかく提案ていあん改正かいせい法案ほうあん[1]同年どうねん10がつ31にちだい165かい臨時りんじ国会こっかい提出ていしゅつされ、同年どうねん12がつ13にち成立せいりつ同月どうげつ20にち公布こうふされた(平成へいせい18ねん12月20にち法律ほうりつだい115ごう貸金かしきんぎょう規制きせいとうかんする法律ほうりつとう一部いちぶ改正かいせいする法律ほうりつ)。そして、2007ねん平成へいせい19ねん)12月19にち本体ほんたい部分ぶぶん施行しこうされた。

どう改正かいせいほうおも内容ないようつぎのとおりである。

  • 貸金かしきんぎょう適正てきせい
    • 参入さんにゅう必要ひつよう純資産じゅんしさんがく引上ひきあげ(現行げんこう個人こじん300まんえん法人ほうじん500まんえんから、施行しこう1ねんはん以内いないに2000まんえんに、上限じょうげん金利きんり引下ひきさ(4じょう施行しこう)に5000まんえん以上いじょう順次じゅんじげる。)
    • 貸金かしきんぎょう協会きょうかい自主じしゅ規制きせい機能きのう強化きょうか
    • 夜間やかんくわちゅう執拗しつよう取立とりた行為こうい規制きせい
    • 自殺じさつによる生命せいめい保険ほけんきんによる弁済べんさい禁止きんし
    • 特定とくてい公正こうせい証書しょうしょ(強制きょうせい執行しっこう認諾にんだくづけ公正こうせい証書しょうしょ)作成さくせいのための委任いにんじょう取得しゅとく禁止きんし
    • 利息りそく制限せいげんほうえる契約けいやくについての特定とくてい公正こうせい証書しょうしょ作成さくせい嘱託しょくたく禁止きんし
    • 過剰かじょう貸付かしつけの抑制よくせい総量そうりょう規制きせい本体ほんたい施行しこうから2ねんはん以内いないとなる2010ねん6月18にち施行しこう
      • 1しゃで50まんえんまた他社たしゃわせて100まんえんえる貸付かしつけをおこな場合ばあいには、源泉げんせん徴収ちょうしゅうひょうとう提出ていしゅつけることを義務付ぎむづけ、年収ねんしゅうとうの3ぶんの1をえる貸付かしつけを原則げんそくとして禁止きんしする。
    • 指定してい信用しんよう情報じょうほう機関きかん制度せいど創設そうせつ本体ほんたい施行しこうから1ねんはん以内いない施行しこう
    • 正当せいとう理由りゆうなくして登録とうろくから6ヶ月かげつ以内いない事業じぎょう開始かいししなかったり、6ヶ月かげつ以上いじょう事業じぎょう休止きゅうしした場合ばあい登録とうろくしの対象たいしょうとなる。
  • グレーゾーン金利きんり廃止はいし本体ほんたい施行しこうから2ねんはん以内いないとなる2010ねん6月18にち施行しこう
    • みなし弁済べんさい制度せいど廃止はいし
    • 利息りそく制限せいげんほう所定しょてい制限せいげん利率りりつ(15%〜20%)と出資法しゅっしほう所定しょてい上限じょうげん利率りりつ(20%)のあいだ金利きんりでの貸付かしつけについては、行政ぎょうせい処分しょぶん対象たいしょうとする。
    • 日賦ひぶ貸金かしきん業者ぎょうしゃおよ電話でんわ担保たんぽ金融きんゆう特例とくれい廃止はいし
  • ヤミ金融きんゆう対策たいさく強化きょうか
    ヤミ金融きんゆうたいする罰則ばっそく最高さいこうけいを、懲役ちょうえき5ねんから懲役ちょうえき10ねん強化きょうかする(この部分ぶぶん公布こうふから1かげつ施行しこうされた)。

どう改正かいせいほう本体ほんたい施行しこう(2007ねん12月19にち)から、本法ほんぽう題名だいめいは「貸金かしきんぎょう規制きせいとうかんする法律ほうりつ」から「貸金かしきん業法ぎょうほう」とあらためられた。ただし、上記じょうきのとおり、みなし弁済べんさい廃止はいし総量そうりょう規制きせい導入どうにゅうについては本体ほんたい施行しこう2ねんはん以内いない実際じっさいには2010ねん6がつ18にち)に施行しこうされるなどの例外れいがいもうけられ、全体ぜんたいとしては5段階だんかい施行しこうとなっている。

段階だんかい施行しこう

編集へんしゅう
  • だい1施行しこう公布こうふより施行しこう2006ねん平成へいせい18ねん)12がつ20日はつか施行しこう
    • 附則ふそく66じょうのみ
  • だい2施行しこう公布こうふより1ヶ月かげつ経過けいかしたから施行しこう2007ねん平成へいせい19ねん)1がつ20日はつか施行しこう
    • 改正かいせいほう1じょう、6じょう関係かんけい
  • だい3施行しこう公布こうふより1ねん以内いない施行しこう2007ねん平成へいせい19ねん)12月19にち施行しこう
    • 法律ほうりつ名称めいしょう変更へんこう 「貸金かしきんぎょう規制きせいとうかんする法律ほうりつ」から「貸金かしきん業法ぎょうほう」に。
    • 業者ぎょうしゃ登録とうろく要件ようけん強化きょうか
    • 行為こうい規制きせい強化きょうか
    • 監督かんとくちょう監督かんとく強化きょうか
    • 貸金かしきんぎょう協会きょうかい取扱とりあつかい変更へんこう(「社団しゃだん法人ほうじん全国ぜんこく貸金かしきんぎょう協会きょうかい連合れんごうかい」の解散かいさんと、内閣ないかく総理そうり大臣だいじん認可にんかもとづく自主じしゅ規制きせい団体だんたい日本にっぽん貸金かしきんぎょう協会きょうかい設立せつりつ移行いこう)などがさだめられている。
  • だい4施行しこう本体ほんたい施行しこうだい3施行しこう)より1ねんはん以内いない施行しこう2009ねん平成へいせい21ねん)6がつ18にち施行しこう
    • 業者ぎょうしゃ財産ざいさんてき基礎きそ要件ようけん引上ひきあ
    • 貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃ資格しかく制度せいど創設そうせつ
    現在げんざいも「貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃ」の制度せいどはある。これは日本にっぽん貸金かしきんぎょう協会きょうかいとう研修けんしゅうけて試験しけん合格ごうかくしたものであるが、国家こっか資格しかくではない。改正かいせいは、貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃ国家こっか資格しかくとなる。
    • 指定してい信用しんよう情報じょうほう機関きかん制度せいど創設そうせつ
  • だい5施行しこう本体ほんたい施行しこうだい3施行しこう)より2ねんはん以内いない施行しこう完全かんぜん施行しこう)。2010ねん平成へいせい22ねん)6がつ18にち施行しこう
    • 貸金かしきん業務ぎょうむ取扱とりあつかい主任しゅにんしゃの必置
    • 財産ざいさんてき基礎きそ要件ようけんさい引上ひきあ
    • 行為こうい規制きせい強化きょうか
    • 過剰かじょう貸付かしつけ規制きせい強化きょうか
    • みなし弁済べんさい制度せいど廃止はいし
    • 利息りそく制限せいげんほう改正かいせい
    • 出資法しゅっしほう改正かいせい

なお、だい5施行しこう同時どうじに、見直みなおしをするむね規定きていがおかれた。(附則ふそく67じょう

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 平成へいせい18ねん12月20にち法律ほうりつだい115ごう
  2. ^ 最高さいこう裁判所さいばんしょだいしょう法廷ほうてい判決はんけつ平成へいせい18ねん01がつ13にち みんしゅう だい60かん1ごう1ぺーじ昭和しょうわ39(くだりツ)92、『 貸金かしきん請求せいきゅう事件じけん』。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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