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過塩素酸アンモニウム - Wikipedia

塩素えんそさんアンモニウム(かえんそさんアンモニウム、ammonium perchlorate)は塩素えんそさんアンモニウムしおにあたる無機むき化合かごうぶつ

塩素えんそさんアンモニウム
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識別しきべつ情報じょうほう
CAS登録とうろく番号ばんごう 7790-98-9 チェック
EC番号ばんごう 232-235-1
国連こくれん/北米ほくべい番号ばんごう 1442
RTECS番号ばんごう SC7520000
特性とくせい
化学かがくしき NH4ClO4
モル質量しつりょう 117.49 g/mol
外観がいかん 無色むしょく結晶けっしょう
密度みつど 1.95 g/cm3
融点ゆうてん

200 °C以上いじょう溶融ようゆうするまえ発熱はつねつ分解ぶんかい[1]

みずへの溶解ようかい 11.56 g/100 mL (0 °C)
20.85 g/100 mL (20 °C)
57.01 g/100 mL (100 °C)
溶解ようかい メタノールに
アセトンに部分ぶぶんてき
エーテルに不溶ふよう
構造こうぞう
結晶けっしょう構造こうぞう はすかたあきら (< 513 K)
立方りっぽうあきら (> 513 K)
危険きけんせい
安全あんぜんデータシート(外部がいぶリンク) External MSDS
EU分類ぶんるい Oxidant (O)
EU Index 017-009-00-0
NFPA 704
0
1
2
OX
Rフレーズ R9, R44
Sフレーズ (S2), S14, S16, S27, S36/37
関連かんれんする物質ぶっしつ
そのかげイオン 塩素えんそさんアンモニウム
塩化えんかアンモニウム
そのイオン 塩素えんそさんカリウム
塩素えんそさんナトリウム
塩素えんそさんリチウム
関連かんれん物質ぶっしつ 塩素えんそさん
特記とっきなき場合ばあい、データは常温じょうおん (25 °C)・つねあつ (100 kPa) におけるものである。

化学かがくてき性質せいしつ

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結晶けっしょう無色むしょくおおくのアンモニウムしお同様どうよう溶融ようゆうするまえ分解ぶんかいする。物質ぶっしつつよ酸化さんかさせる性質せいしつ固体こたい酸化さんかせい固体こたい)であり、可燃かねんせい物質ぶっしつ混合こんごうさせて、ねつ衝撃しょうげき摩擦まさつにより分解ぶんかいし、きわめてはげしい燃焼ねんしょうる。

加熱かねつするとやく 150 ℃ で分解ぶんかいはじめて酸素さんそ発生はっせいし、400 ℃ で発火はっかする。分解ぶんかい多量たりょうのガスを発生はっせいするので危険きけんである[2]

 

つよねっすると爆発ばくはつこす場合ばあいがある。

製造せいぞう

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アンモニア塩素えんそさん反応はんのうによって生産せいさんされる。塩素えんそさんナトリウム水溶液すいようえき塩化えんかアンモニウムくわえて析出せきしゅつさせて生産せいさんすることもできる[3]

塩素えんそさんアンモニウムと合成ごうせいゴム金属きんぞくなどをこんして成形せいけいしたコンポジット推進すいしんやく(APCP)はロケットエンジンの推進すいしんざい使用しようされている。コンポジット推進すいしんやくもちいた固体こたい燃料ねんりょうロケットブースターアメリカスペースシャトル日本にっぽんH-IIロケットもちいられている。また塩素えんそさんアンモニウムは産業さんぎょうよう火薬かやく一種いっしゅであるカーリットしゅ原料げんりょうとしても使用しようされている。

300℃まで結合けつごうりょく一部いちぶのエポキシけい接着せっちゃくざいふくまれている。

GHSにおける火薬かやくるい等級とうきゅう1.1)または酸化さんかせい固体こたい区分くぶん2)に該当がいとうし、各国かっこく貯蔵ちょぞう運搬うんぱん規制きせいがある(国連こくれん番号ばんごう0402または1442)。日本にっぽんでは船舶せんぱく安全あんぜんほう航空こうくうほうによってGHSにもとづく規制きせいがあり、また消防しょうぼうほうもとづく危険きけんぶつだい1るい指定していされている。

燃焼ねんしょう生成せいせいぶつには有毒ゆうどく発癌はつがんせいがありオゾンそう破壊はかいし、酸性さんせい地球ちきゅう温暖おんだん原因げんいんになる塩素えんそ化合かごうぶつふくまれる。

関連かんれん項目こうもく

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脚注きゃくちゅう

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  1. ^ Liu, L.; Li, F.; Tan, L.; Ming, L.; Yi, Y. (2004), “Effects of Nanometer Ni, Cu, Al and NiCu Powders on the Thermal Decomposition of Ammonium Perchlorate”, Propellant, Explosives, Pyrotechnics 29: 34–38 
  2. ^ T. L. Boggs, Deflagration Rate, Surface Structure and Subsurface Profile of Self-Deflagrating Single Crystals of Ammonium Perchlorate. AIAA Journal, 8(5), 1970, pp. 867--873.
  3. ^ Helmut Vogt, Jan Balej, John E. Bennett, Peter Wintzer, Saeed Akbar Sheikh, Patrizio Gallone “Chlorine Oxides and Chlorine Oxygen Acids” in Ullmann's Encyclopedia of Industrial Chemistry 2002, Wiley-VCH. doi:10.1002/14356007.a06_483