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雑徭 - Wikipedia

ざつ(ぞうよう、ざつよう)は、中国ちゅうごくおよ日本にっぽん律令制りつりょうせいしたでの労役ろうえき形態けいたい租税そぜい制度せいどである。

日本にっぽんざつ

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日本にっぽんざつ徭(ざつよう・ぞうよう)は、中国ちゅうごく制度せいどもととしているが、日本にっぽん国情こくじょうわせて導入どうにゅうされている。

地方ちほうにおいて国司こくし徴発ちょうはつ編成へんせいし、治水ちすい灌漑かんがい工事こうじをはじめとする各種かくしゅインフラ整備せいび国衙こくがひとし修築しゅうちくなどをさせた。そのはつ692ねんもちすべ天皇てんのう6ねん)のため『飛鳥あすかきよしはられい』で制定せいていされたとされている。当初とうしょせいひのと(21さい~60さい男性だんせい年間ねんかん60にち以下いかひのとせいひのと障害しょうがいしゃろうひのと(61さい以上いじょう男性だんせい))年間ねんかん30にち以下いかちゅうおとこ(17~20さい男性だんせい年間ねんかん15にち以下いか限度げんどとしたが、757ねん天平てんぴょうたから元年がんねん)にざつ徭を半減はんげんするかくされた。藤原仲麻呂ふじわらのなかまろ死後しごいったんはもともどったが、796ねんのべれき14ねん)に再度さいど半減はんげんされた。

原則げんそくとして食糧しょくりょう支給しきゅうされず、公民こうみんはこの負担ふたんくるしんだ。ざつ徭の賦課ふか国司こくし権限けんげんであり、なかには私用しようざつ徭を国司こくしもおり、はん農民のうみん没落ぼつらく・逃散をうながしたとする見解けんかい通説つうせつである。

ざつ徭の実例じつれいとしては、推古天皇すいこてんのう26ねん618ねん)に安芸あきこく造船ぞうせん使者ししゃ派遣はけんされ、遣唐使けんとうしせんなどの外洋がいよう航海こうかいする大型おおがたせん建造けんぞうしたけんげられる。農閑期のうかんき農民のうみんなどを徴発ちょうはつして、ふねざい伐採ばっさい搬出はんしゅつなどの作業さぎょうをさせた。ふねおおきさは、全長ぜんちょう20m、はば7m前後ぜんご推定すいていされ、半年はんとしあまり完成かんせいさせるというちょう労働ろうどう過重かじゅうであったと推測すいそくされる。

中国ちゅうごくざつ

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中国ちゅうごくざつ徭(ぞうよう、ざつよう)は、きたたかしはじまり、とう完成かんせいした。とうでは地方ちほう官庁かんちょう徴発ちょうはつした。詳細しょうさいについては不明ふめいてんおおく、租庸調そようちょうなら基本きほんてき税目ぜいもくとであったとするせつ基本きほんてき労役ろうえき租庸調そようちょうとはべつ系統けいとうであるしょくやくなどが代表だいひょうれい)であってざつ徭はその補完ほかんでしかない(日本にっぽん等級とうきゅうけて等級とうきゅうごとに負担ふたんする労役ろうえきさだめるせいらなかったため等級とうきゅうらないざつ徭が義務ぎむされた)とするせつがある。またその負担ふたんについても義務ぎむであったとするせつと、臨時りんじてきぜいであり賦課ふかされない場合ばあいもあったとするせつかれている。いさおほん来年らいねんあいだ20にち労役ろうえき義務ぎむであるのにたいし40にちざつ徭によりいさお免除めんじょされ、さらいさおぬのおさめた場合ばあいには労役ろうえき1にちぶん代替だいたい同時どうじざつ徭も2にちぶん免除めんじょされるなど、いさお労役ろうえきざつ徭は表裏一体ひょうりいったいのものであった[1]

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ 渡邊わたなべ信一郎しんいちろうとうだい前期ぜんき賦役ふえき制度せいどさい検討けんとう」(初出しょしゅつ:『とうだい研究けんきゅうだい11ごう(2008ねん)/所収しょしゅう:『中國ちゅうごく古代こだい財政ざいせい國家こっか』(汲古書院しょいん、2010ねんだい12しょう

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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