夫役ぶやく（ぶやく）は、日本にっぽん史し上うえの各かく為政者いせいしゃが農民のうみんなどに賦課ふかした労働ろうどう課か役やくのこと。
古代こだいには律令りつりょう制度せいどの下した、公民こうみんは重おもい夫役ぶやくに苦くるしめられていた。根幹こんかん租税そぜいの一ひとつである庸いさおや雑ざつ徭、仕丁じちょう、兵士へいし役やく（防人さきもりなど）が挙あげられる。これらの負担ふたんは結局けっきょく律令りつりょう制度せいどを崩壊ほうかいさせ、社会しゃかいシステムを荘園しょうえん制度せいどへ移行いこうすることになった。
中世ちゅうせいには荘園しょうえん制度せいどの下した、年貢ねんぐと公事こうじと呼よばれる2つの租税そぜい体系たいけいが構築こうちくされた。そのうち、公事こうじの中なかでも人的じんてきな賦課ふかの部分ぶぶんを夫役ぶやくと呼よんで、その他たの公事こうじ（雑ざつ公事こうじとも呼よばれる）と区別くべつした。
荘園しょうえん領主りょうしゅのために仕丁じちょうや京上きょうじょう夫おっと（京都きょうとにて奉仕ほうしする）・鎌倉かまくら夫おっと（鎌倉かまくらにて奉仕ほうしする）、兵士へいし役やくを務つとめたり、在地ざいちにおいて炭焼すみやき夫おっとや草刈くさかり夫おっと・佃つくだなどを行おこなった。
南北なんぼく朝あさ時代じだいから室町むろまち時代ときよにかけて、守護しゅごや地頭じとう権限けんげんを背景はいけいに武士ぶしによる押領が進すすみ、荘園しょうえん制度せいどは崩壊ほうかいしていき、守護しゅご大名だいみょうや幕府ばくふの支持しじを受うけた国人くにびとによる領国りょうごく支配しはいが進行しんこうし、幕府ばくふや守護しゅご大名だいみょうが衰退すいたいすると、新あらたに戦国せんごく大名だいみょうによる分ぶん国こく支配しはいが進行しんこうした。領民りょうみんたちは守護しゅご大名だいみょうや戦国せんごく大名だいみょうあるいはその配下はいかの国人くにびとによって動員どういんされ、軍夫ぐんぷ・陣じん夫おっと・人夫にんぷなどとして奉仕ほうしした。また、実際じっさいの労働ろうどうによって奉仕ほうししていた夫役ぶやくの代だい銭ぜに納おさめが行おこなわれるようになった。
江戸えど時代じだいにおいては、武士ぶし・百姓ひゃくしょう・町人ちょうにんの身分みぶん制度せいどが確立かくりつし、夫役ぶやくは百姓ひゃくしょうが負担ふたんする小物こもの成なりの一種いっしゅとして分類ぶんるいされた。また、宿場しゅくばにおいては伝馬てんまや助じょ郷さとの負担ふたんを農民のうみんが負おった。
幕まく藩はん領主りょうしゅは普請ふしん・掃除そうじ・交通こうつうなどのために、領民りょうみんに人足ひとあし役やくを賦課ふかしていた。しかし、江戸えど時代じだいの中期ちゅうき以降いこう、代だい銭ぜに納おさめ化かされていく傾向けいこうにある。その場合ばあい、「夫役ぶやく銭ぜに」などと呼よばれる。
また、村落そんらくや町まち(ちょう)が、自みずからの共同きょうどう体たい的てきな機能きのうを維持いじするために住民じゅうみんに賦課ふかする人足ひとあし役やく（掃除そうじ・普請ふしん・番ばん・荷物にもつ持もち）も「夫役ぶやく」と呼よぶ場合ばあいがある。
この項目こうもくは、日本にっぽんの歴史れきしに関連かんれんした書かきかけの項目こうもくです。この項目こうもくを加筆かひつ・訂正ていせいなどしてくださる協力きょうりょく者しゃを求もとめています（P:日本にっぽん/P:歴史れきし/P:歴史れきし学がく/PJ日本にっぽん史し）。
