(Translated by https://www.hiragana.jp/)
電報 - Wikipedia

電報でんぽう

電信でんしんもちいた文書ぶんしょ配達はいたつサービス

電報でんぽう(でんぽう、えい: telegram (services))とは、通信つうしん内容ないよう(メッセージ)を電気でんき通信つうしんてき手段しゅだん電信でんしん)で伝送でんそうし、それをかみなどに印刷いんさつして配達はいたつするサービス[1]

システムの略図りゃくず
配達はいたつされた文書ぶんしょれい

概要がいよう

編集へんしゅう

電話でんわのような音声おんせいではなく文字もじ記録きろくとして相手あいてとどてんと、利用りようしゃ設備せつびをもたなくても利用りようできるてん電気でんき通信つうしんサービスとことなる[1]

つぎのような特徴とくちょうがあった[1]。(20世紀せいき手紙てがみ電話でんわ無線むせん通信つうしんとの比較ひかく

  • 手軽てがるおくれる(簡易かんいせい[1]無線むせん通信つうしんなどとことなり、自身じしん無線むせん関連かんれん資格しかく設備せつびたなくてもおくれる)
  • はやとどく(迅速じんそくせい[1]。(郵便ゆうびんによる信書しんしょよりもはやい)
  • 記録きろく紙面しめんのこる(証拠しょうこせい[1]電話でんわことなり、メッセージ内容ないようかみ印刷いんさつされた文字もじかたち証拠しょうことしてのこる)[注釈ちゅうしゃく 1]

日本にっぽんでは世間せけん一般いっぱん電話でんわ普及ふきゅうするまでは肉親にくしん危篤きとくなどの緊急きんきゅう連絡れんらく手段しゅだんもちいられており、1960年代ねんだいころまでを舞台ぶたいとした邦画ほうがでは、危篤きとくなどの緊急きんきゅう連絡れんらくらせる電報でんぽう配達はいたつされるシーンがあることがおおい。その電話でんわ一般いっぱん家庭かてい普及ふきゅうしたことにより緊急きんきゅう連絡れんらくもちいられることは滅多めったになくなった。現在げんざい日本にっぽんでは、電報でんぽうおおくは冠婚葬祭かんこんそうさいおも結婚式けっこんしき葬式そうしき)での祝電しゅくでん弔電ちょうでんよう使つかわれており、NTTのWebサイトホームページ)や電話でんわからもうむことができ、料金りょうきんはwebがやややす電話でんわがややたかい。電話でんわ申込もうしこみ電話でんわ番号ばんごうは115など[注釈ちゅうしゃく 2]

電文でんぶん伝達でんたつ手法しゅほうは、モールス信号しんごう使用しようして電信でんしん技師ぎし人力じんりき打鍵だけん聴取ちょうしゅかえしながらおおくの電報でんぽうきょく中継ちゅうけいする方式ほうしきからはじまり、テレタイプ端末たんまつ交換こうかんによる電報でんぽうきょくあいだ自動じどう中継ちゅうけいて、ISDNパケット通信つうしんによる配達はいたつ委託いたくさきへの直接ちょくせつ伝送でんそう印刷いんさつ使用しようされるようになり、人員じんいん合理ごうりすすんだ。

2006ねん1がつまつには、米国べいこく老舗しにせウエスタンユニオン電報でんぽうサービスを廃止はいしした。

電報でんぽうは、モールス符号ふごう発明はつめいしゃとしてられているアメリカじんサミュエル・モールスが1837ねん作製さくせいした電信でんしんをもとにしてはじまった[1]

アメリカでは民営みんえい事業じぎょうとしてはじまったが、そのおおくの諸国しょこくでは国営こくえい事業じぎょうとして経営けいえいされてきた[1]日本にっぽんでは政府せいふにより1870ねん1がつ26にち旧暦きゅうれき明治めいじ2ねん12月25にち)に東京とうきょう横浜よこはまあいだ国内こくない電報でんぽう取扱とりあつかいがはじまった[1]。1871ねんには大北おおきた(たいほく)電信でんしん会社かいしゃ本社ほんしゃデンマーク)により、長崎ながさき上海しゃんはいあいだおよび長崎ながさきウラジオストクあいだ国際こくさい電報でんぽう取扱とりあつかいがはじめられた[1]

アメリカでの歴史れきし

編集へんしゅう

アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでの電報でんぽうはじまりは、1844ねん5月26にちサミュエル・モールスが、ワシントンからボルティモアのアルフレッド・ベイルへったことからはじまり、電文でんぶんは「かみつくたまいしもの」だった。その1846ねん、ニューヨーク - ワシントンD.C.あいだ電信でんしん開通かいつうした。 電報でんぽうはまず政府せいふ報道ほうどう鉄道てつどうなどの業務ぎょうむようとして普及ふきゅうし、さらに一般いっぱん人々ひとびとにもひろ利用りようされるようになった[1]

1851ねんにいくつかの電報でんぽう会社かいしゃ設立せつりつされたが、1856ねん4がつ合併がっぺいし、ウェスタンユニオン設立せつりつされた。1861ねん同社どうしゃ大陸たいりく横断おうだん電信でんしんせん敷設ふせつした。電報でんぽう通達つうたつ速度そくどポニー・エクスプレス大陸たいりく横断おうだん鉄道てつどうによる郵送ゆうそうまさり、事業じぎょうは1920年代ねんだいから30年代ねんだいにピークをむかえ、20世紀せいきまつには衰退すいたいし、2005ねん配達はいたつされたのは2まんつうだけであった。ウェスタンユニオンは2006ねん1がつ27にち最後さいご電報でんぽう配達はいたつして電報でんぽう事業じぎょうから撤退てったいした[3]が、同社どうしゃ撤退てったいもアメリカでは、iTelegram英語えいごばんやAmerican Telegram(げんAT&T[4]により、電報でんぽうサービスがつづけられている。

日本にっぽん電報でんぽうサービス

編集へんしゅう
 
1960年代ねんだい東京とうきょう中央ちゅうおう電報でんぽうきょくでの電話でんわ受付うけつけ
 
電報でんぽう配達はいたつする局員きょくいん

日本にっぽんでは電気でんき通信つうしん事業じぎょうほう附則ふそくだい5じょうで、当分とうぶんあいだ電報でんぽう事業じぎょう配達はいたつ業務ぎょうむふくむ)を電気でんき通信つうしん役務えきむとみなし、これにかか業務ぎょうむのうち受付うけつけおよ配達はいたつ業務ぎょうむについては、日本電信電話にほんでんしんでんわ公社こうしゃ日本電信電話にほんでんしんでんわ株式会社かぶしきがいしゃ承継しょうけいじんである東日本ひがしにっぽん電信でんしん電話でんわ株式会社かぶしきがいしゃ(NTT東日本ひがしにっぽん)、西日本にしにほん電信でんしん電話でんわ株式会社かぶしきがいしゃ(NTT西日本にしにほんおよ国際電信電話こくさいでんしんでんわ株式会社かぶしきがいしゃ(KDD)→KDD株式会社かぶしきがいしゃ承継しょうけいじんであるKDDI株式会社かぶしきがいしゃ[注釈ちゅうしゃく 3]のみがこれをおこなえることとなっている。

慶弔けいちょう電報でんぽうかんしては、冠婚葬祭かんこんそうさいなどでのメッセージを伝達でんたつする手段しゅだん祝電しゅくでん弔電ちょうでん)として1936ねん逓信ていしんしょうによって開始かいしされた。

1980年代ねんだいまでは、電報でんぽう電話でんわきょくでの内国ないこく電報でんぽう受付うけつけ外国がいこく電報でんぽう託送たくそう受付うけつけきゅうKDDのかく支店してんでの外国がいこく電報でんぽう受付うけつけくわえて、郵便ゆうびんきょく農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあい国鉄こくてつ主要しゅようえきにて内国ないこく電報でんぽう受付うけつけおこなっており、地域ちいきによっては郵便ゆうびんきょく配達はいたつ業務ぎょうむ受託じゅたくしていた(かつて営業えいぎょうしていた大北おおきた電信でんしん会社かいしゃでは長崎ながさき国際こくさい電信でんしんきょくにて外国がいこく電報でんぽうあつかっていた)。

また、加入かにゅう電信でんしんもうテレックス)・国際こくさいテレックスもうのサービス終了しゅうりょうまでは、テレックスでの電報でんぽう受付うけつけおよびテレックスへの電報でんぽう送達そうたつおこなわれており、国際こくさい電報でんぽうのテレックスへの着信ちゃくしんには、テレックス番号ばんごうほかにケーブルアドレスも使用しようされた。

緊急きんきゅう連絡れんらく手段しゅだんとしての用途ようとうすれたことにより、農業のうぎょう協同きょうどう組合くみあい漁業ぎょぎょう協同きょうどう組合くみあい国鉄こくてつ主要しゅようえきでの電報でんぽう受付うけつけ終了しゅうりょうや、郵政省ゆうせいしょう電報でんぽう類似るいじ電子でんし郵便ゆうびんレタックス)への移行いこうにより、電報でんぽう受付うけつけ終了しゅうりょう電報でんぽう電話でんわきょく窓口まどぐち縮小しゅくしょう、KDDのかく支店してん閉鎖へいさなどにより、現在げんざいでは営業えいぎょう窓口まどぐちほか電話でんわ[注釈ちゅうしゃく 2]、インターネット、ファクシミリ[注釈ちゅうしゃく 4]にて受付うけつけされている。また、内国ないこく電報でんぽう配達はいたつ配送はいそう業者ぎょうしゃ委託いたくされ、着信ちゃくしん外国がいこく電報でんぽう配達はいたつは、日本にっぽん郵便ゆうびん株式会社かぶしきがいしゃ委託いたくされている。

NTT東日本ひがしにっぽん・NTT西日本にしにほん国内こくない電報でんぽう

編集へんしゅう

電報でんぽう種類しゅるい電報でんぽうサービス契約けいやく約款やっかんだい5じょうさだめる。

通常つうじょう電報でんぽう
配達はいたつ指定してい扱、慶弔けいちょう扱等の特別とくべつ取扱とりあつかい可能かのう。2023ねん1がつ10日とおかまで、かな・数字すうじ記号きごうのみのかな電報でんぽう漢字かんじ使用しようできる漢字かんじ電報でんぽうの2しゅ存在そんざいしたが、現在げんざい漢字かんじかな電報でんぽう一本いっぽんされた。
ていぶん電報でんぽう(2023ねん1がつ11にち廃止はいし
かな・数字すうじ記号きごう文字もじとうもちいて通信つうしんぶんていぶん使用しようする電報でんぽう夜間やかん配達はいたつ扱・翌朝よくあさ配達はいたつ扱の特別とくべつ取扱とりあつかい可能かのう現在げんざい死亡しぼう通知つうち危篤きとく通知つうち病気びょうき通知つうち怪我けが通知つうち入院にゅういん通知つうち事故じこ通知つうち被災ひさい通知つうち、その緊急きんきゅう連絡れんらくの8区分くぶんからなり、区分くぶんごとに数種類すうしゅるい定型ていけいぶん用意よういされている。定型ていけいぶん使用しようするが、その前後ぜんご20文字もじ以内いない任意にんいぶんすことができる。
無線むせん電報でんぽう(2023ねん1がつ11にち廃止はいし
かな・数字すうじ記号きごう文字もじとう使用しようする電報でんぽうであって、船舶せんぱく電報でんぽうサービス取扱とりあつかいしょにおいて送信そうしんまた受信じゅしんされる電報でんぽうおよ船舶せんぱく託送たくそうはつ設備せつびにおいて発信はっしんまた配達はいたつける電報でんぽう和文わぶん無線むせん電報でんぽう欧文おうぶん無線むせん電報でんぽうの2しゅがあり、事前じぜん登録とうろくされた沿岸えんがん船舶せんぱくとのあいだ発信はっしん受信じゅしんする。

通常つうじょう電報でんぽう

編集へんしゅう

配達はいたつの1かげつまえから申込もうしこみ可能かのうで、翌日よくじつ以降いこう午前ごぜん午後ごご指定していでの配達はいたつができる。いそぎの場合ばあいとく弔電ちょうでん)は、14受付うけつけぶんまでが当日とうじつちゅう配達はいたつとなる。Web(インターネット)受付うけつけサービスはD-MAIL愛称あいしょうがある。12月31にちから1がつ3にち配達員はいたついんによる配達はいたつおこなわず、電話でんわによる配達はいたつとなる。

慶事けいじようの「おい電報でんぽう」、弔事とむらいことようの「おやみ電報でんぽう」ともに数種類すうしゅるい台紙だいしからえらべるようになっている。なお、電報でんぽうりょうのほかに種類しゅるいおうじて台紙だいしりょうなど別途べっと料金りょうきん必要ひつようとなる場合ばあいがある。メロディ電報でんぽう・メロディボイス電報でんぽう同時どうじ物品ぶっぴん配達はいたつできることをかしたフラワー電報でんぽうばな電報でんぽう刺繍ししゅう電報でんぽう・うるし電報でんぽう・ぬいぐるみ電報でんぽうなどで付加ふか価値かちをつけている。

ていぶん電報でんぽう(2023ねん1がつ11にち廃止はいし

編集へんしゅう

てい文例ぶんれいもちいた緊急きんきゅう連絡れんらくよう電報でんぽうである。午前ごぜん8から午後ごご7受付うけつけぶん当日とうじつ配達はいたつする。

無線むせん電報でんぽう(2023ねん1がつ11にち廃止はいし

編集へんしゅう

事前じぜん登録とうろくされた沿岸えんがん船舶せんぱくけに、24あいだ受付うけつけ伝送でんそうおこなわれている。

KDDIの国際こくさい電報でんぽう

編集へんしゅう

電報でんぽう種類しゅるい国際こくさい電報でんぽうサービス契約けいやく約款やっかんだい10じょうだい11じょうさだめる。

人命じんめい安全あんぜん電報でんぽう
国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう憲章けんしょうだい40じょう規定きていもとづく、海上かいじょう陸上りくじょう空中くうちゅうおよ宇宙うちゅう空間くうかんにおける人命じんめい安全あんぜんかんする電報でんぽうおよ伝染病でんせんびょうかんする特別とくべつ緊急きんきゅう電報でんぽうで、世界せかい保健ほけん機関きかん本部ほんぶまたはその地域ちいき機関きかん発信はっしんする電報でんぽう
国際こくさい連合れんごう憲章けんしょう電報でんぽう
国際こくさい連合れんごう憲章けんしょうだい6しょうだい7しょうおよだい8しょう規定きてい適用てきよう地域ちいき紛争ふんそう、ある加盟かめいこくによる加盟かめいこくへの不正ふせい侵略しんりゃくへの対処たいしょじょうにおける危急ききゅう場合ばあいに、一定いっていゆう資格しかくしゃはつ受する電報でんぽう
官報かんぽう
国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう憲章けんしょう附属ふぞくしょさだめる一定いっていゆう資格しかくしゃ発信はっしんする電報でんぽうおよびその返信へんしん
気象きしょう電報でんぽう
気象きしょう観測かんそくまた予報よほうのみを内容ないようとする電報でんぽうで、気象庁きしょうちょう気象台きしょうだいおおやけ関係かんけいにあるきょく相互そうごあいだにおいてはつ受するもの。
赤十字せきじゅうじ電報でんぽう
捕虜ほりょ待遇たいぐうかんする1949ねん8がつ12にちのジュネーヴ条約じょうやく」(1953ねん条約じょうやくだい25ごうまたは「戦時せんじにおける文民ぶんみん保護ほごかんする1949ねん8がつ12にちのジュネーヴ条約じょうやく」(1953ねん条約じょうやくだい26ごう)にもとづき、赤十字せきじゅうじしゃ発信はっしんする電報でんぽう
郵便ゆうびん送金そうきん電報でんぽう
外国がいこくとのあいだ為替かわせおよ払込はらいこみ為替かわせ電信でんしんによって交換こうかんするため外国がいこく郵便ゆうびん為替かわせ交換こうかんきょくし、外国がいこく郵便ゆうびん為替かわせ交換こうかんきょくまた郵便ゆうびん小切手こぎってきょく電報でんぽうならびに外国がいこくとのあいだ振替ふりかえおよはらいみを電信でんしんによって交換こうかんするため、郵便ゆうびん小切手こぎってきょくはつ受する電報でんぽう
ITU料金りょうきん免除めんじょ電報でんぽう
国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう条約じょうやくだい32じょうだい24ごう規定きていする料金りょうきん免除めんじょける権利けんりもとづき、国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう会議かいぎおよ会合かいごうへの代表だいひょう代表だいひょうしゃとうはつ受する電報でんぽう
一般いっぱんわたしほう
うえかく電報でんぽう以外いがい電報でんぽう

なお、国際こくさい無線むせん電報でんぽうとして外洋がいよう船舶せんぱくけに24あいだ受付うけつけ伝送でんそうおこなわれていたが、日本にっぽん国内こくない海岸かいがんきょく無線むせんきょく)の廃止はいしともな取扱とりあつかい終了しゅうりょうとなっている。

このほか、KDDIグループでは子会社こがいしゃKDDIエボルバつうじて国内こくないけの電報でんぽう類似るいじサービスであるでんぽっぽ展開てんかいしている。

電報でんぽう類似るいじサービス

編集へんしゅう

日本にっぽん郵便ゆうびん株式会社かぶしきがいしゃ電子でんし郵便ゆうびん(レタックス)サービス・電子でんし内容ないよう証明しょうめい郵便ゆうびんサービスを実施じっししている。

2003ねん民間みんかん事業じぎょうしゃによる信書しんしょ送達そうたつかんする法律ほうりつ信書しんしょ便法べんぽう)の施行しこう以後いご電気でんき通信つうしん事業じぎょうしゃでない郵便ゆうびん事業じぎょうしゃ日本にっぽん郵便ゆうびん)や民間みんかん事業じぎょうしゃ特定とくてい信書しんしょ便びん事業じぎょうしゃ)が類似るいじのサービスをおこなっており、そのかずは2012ねん時点じてんで200しゃ以上いじょうにのぼる[5]

2009ねん6がつ1にち総務そうむしょう告示こくじ電気でんき通信つうしん番号ばんごう規則きそく細目さいもくさだめたけん」が一部いちぶ改正かいせいされ、電報でんぽう受付うけつけ電話でんわ番号ばんごう「115」ばんがNTT東西とうざい以外いがいに、特定とくてい信書しんしょ便びん事業じぎょうしゃ提供ていきょうする電報でんぽう類似るいじサービス(提供ていきょう条件じょうけん電報でんぽうじゅんずる特定とくてい信書しんしょ便びん役務えきむ)の受付うけつけようにも開放かいほうされた[6]ソフトバンクまご会社かいしゃであるPSコミュニケーションズが提供ていきょうする「ほっと電報でんぽう」〈2021ねん8がつ31にちサービス終了しゅうりょう〉、佐川急便さがわきゅうびんのグループ会社かいしゃである佐川さがわヒューモニー株式会社かぶしきがいしゃ提供ていきょうの「VERYCARD」は、このれいである)。

日本にっぽんでの歴史れきし

編集へんしゅう
 
1950年代ねんだい電報でんぽう配達はいたつじん(広島ひろしま電報でんぽうきょく)。

黎明れいめい日本にっぽん電報でんぽう普及ふきゅうにちしんにち戦争せんそうふか関係かんけいにあった。

  • 1870ねん1がつ26にち明治めいじ2ねん12月25にち):東京とうきょう - 横浜よこはまあいだ国内こくない電報でんぽう開始かいしされる。電信でんしんきょくみん大蔵おおくら2しょう所管しょかん)をき、通信つうしん規則きそく料金りょうきんさだめ、公衆こうしゅう電報でんぽう取扱とりあつかい開始かいしした(公私こうし一般いっぱん通信つうしんはじめ)[7]
  • 1871ねん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃ(グレート・ノーザン・テレグラフ。デンマーク資本しほん)による長崎ながさき - 上海しゃんはい長崎ながさき - ウラジオストクあいだ海底かいてい電信でんしんせん敷設ふせつおう陸上りくじょう電信でんしんせん経由けいゆ国際こくさい電報でんぽう開始かいしされる。
  • 1873ねん東京とうきょう - 長崎ながさきあいだ国内こくない電報でんぽう開始かいし大北おおきた電信でんしん会社かいしゃとも接続せつぞくされ、逓信ていしんしょうによる国際こくさい電報でんぽう託送たくそう開始かいしされた。以後いご国内こくない各地かくちへの電信でんしんせん敷設ふせつ急速きゅうそくすすめられた。
  • 1877ねん:(西南せいなん戦争せんそう勃発ぼっぱつ
  • 1878ねん東京とうきょう木挽こびきまち電信でんしん中央ちゅうおうきょく開業かいぎょうしたことにより、海外かいがい電報でんぽうあつかいが開始かいし以後いご本格ほんかくてき電信でんしん利用りようはじまる。
  • 1883ねん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃによる呼子よぶこ - 釜山ぷさんあいだ海底かいてい電信でんしんせん敷設ふせつ同社どうしゃに20年間ねんかん海外かいがい通信つうしん独占どくせんけんあたえる。
  • 1890ねん呼子よびこ - 対馬つしまあいだ海底かいてい電信でんしんせん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃから買収ばいしゅう
  • 1894ねん:(にちしん戦争せんそう勃発ぼっぱつ
  • 1897ねん日本にっぽん独自どくじ大隅半島おおすみはんとう - もとたかしあいだ海底かいてい電信でんしんせん敷設ふせつ
  • 1898ねん台湾たいわん - 福建ふっけんあいだ海底かいてい電信でんしんせん日本にっぽん買収ばいしゅうイースタン・テレグラフ・カンパニーしゃ大東だいとう電信でんしん会社かいしゃイギリス資本しほんケーブル・アンド・ワイヤレスしゃ)のThe Red Routeにより接続せつぞくされる。
  • 1904ねん:(にち戦争せんそう勃発ぼっぱつ
  • 1904ねん5月7にち - 1905ねん9月29にち読売新聞よみうりしんぶんが、本紙ほんし直接ちょくせつ購読こうどくしゃ対象たいしょうに、電報でんぽうりょう読者どくしゃ負担ふたん重大じゅうだい事件じけん速報そくほう電報でんぽうつたえる「電報でんぽう通信つうしん」サービスをおこな[8]
  • 1906ねん東京とうきょう - 小笠原おがさわら - グアムあいだ海底かいてい電信でんしんせん敷設ふせつ日本にっぽんとアメリカがコマーシャル・パシフィックケーブルしゃ商業しょうぎょう太平洋たいへいよう電線でんせん会社かいしゃアメリカ資本しほん)のマニラ - グアム - サンフランシスコせんにより接続せつぞくされる。
  • 1908ねん無線むせん電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1910ねん:(韓国かんこく併合へいごう
  • 1911ねん対馬つしま - 釜山ぷさんあいだ海底かいてい電信でんしんせん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃより買収ばいしゅう
  • 1914ねん
    • だいいち世界せかい大戦たいせんによる好景気こうけいき国内こくない外国がいこく電報でんぽう利用りようすう激増げきぞうする。
    • 朝鮮ちょうせん - ウラジオストクあいだりくせん連絡れんらくおよ南北なんぼく樺太からふとあいだりくせん連絡れんらくもうけられる[9]
  • 1930ねん写真しゃしん電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1934ねん年賀ねんが電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1936ねん慶弔けいちょう電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1943ねん大東だいとう電信でんしん会社かいしゃ運用うんようけん買収ばいしゅう海底かいてい電信でんしんせん日本にっぽん領海りょうかいない切断せつだん大東だいとう電信でんしん名称めいしょう国内こくないからえる。
  • 1946ねん模写もしゃ電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1955ねん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃ請求せいきゅうけん解決かいけつごく戦後せんご賠償ばいしょう)。
  • 1969ねん大北おおきた電信でんしん会社かいしゃ独占どくせんけん喪失そうしつ
  • 1976ねん至急しきゅう電報でんぽう(ウナでん)サービス終了しゅうりょう
  • 1985ねん夜間やかん配達はいたつを19から翌朝よくあさ8けた緊急きんきゅうていぶん電報でんぽうのみに変更へんこう
  • 1988ねん:ひらがな電報でんぽうサービス開始かいし
  • 1991ねん3月31にち受付うけつけ時間じかんを8から22までに変更へんこう
 
漢字かんじ電報でんぽう対応たいおうした受付うけつけ入力にゅうりょく装置そうちのキーボード(NTT技術ぎじゅつ史料しりょうかん所蔵しょぞう
  • 1994ねん漢字かんじ電報でんぽうサービス開始かいし
  • 2004ねん4がつ1にち千代田ちよだ電報でんぽう配達はいたつしょ中央ちゅうおう電報でんぽう配達はいたつしょ合併がっぺい日本一にっぽんいちのマンモス配達はいたつしょになる。
  • 2018ねん1がつ1にち緊急きんきゅうていぶん電報でんぽうていぶん電報でんぽう名称めいしょう変更へんこうし、受付うけつけ時間じかん午前ごぜん8から午後ごご7短縮たんしゅく。また、通常つうじょう電報でんぽう受付うけつけ時間じかん午後ごご7までに変更へんこう
  • 2023ねん1がつ10日とおかていぶん電報でんぽう無線むせん電報でんぽう、ファクシミリによる電報でんぽう受付うけつけ終了しゅうりょう[10][11][12]
  • 2023ねん1がつ11にち料金りょうきん体系たいけい文字数もじすう単位たんい料金りょうきんから、ページ単位たんい料金りょうきん変更へんこう

戦前せんぜん電報でんぽう

編集へんしゅう

電報でんぽう規則きそく無線むせん電報でんぽう規則きそくにちまん電報でんぽう規則きそくにちはな電報でんぽう規則きそくとうさだめられていた。

内国ないこく電報でんぽう
内地ないちならびに台湾たいわん朝鮮ちょうせん樺太からふと関東かんとうちょう管内かんない南洋なんようちょう管内かんない相互そうごあいだ電報でんぽう
にちはな電報でんぽう
内地ないち台湾たいわん樺太からふと南洋なんようヤップとう関東かんとうちょう付属ふぞくまたは中華民国ちゅうかみんこくしばとのあいだならびに朝鮮ちょうせん関東かんとうちょう付属ふぞくおよびしば罘とのあいだ電報でんぽう
まん電報でんぽう
内地ないち朝鮮ちょうせん台湾たいわん樺太からふとまたはヤップとうと、関東かんとうしゅうみなみまんしゅう鉄道てつどう付属ふぞくまたまんしゅうこくとのあいだおよびこれら各地かくちしば罘とのあいだおこなわれた電報でんぽうである。これは、日本にっぽん政府せいふ電信でんしんけいまんしゅう電信でんしん電話でんわ電信でんしんけいによる。本文ほんぶん全部ぜんぶ数字すうじ記載きさいされた和文わぶん電報でんぽうでは、名宛なあて中国ちゅうごく電報でんぽう新編しんぺんによる数字すうじ記載きさいすることができる。料金りょうきん最低さいてい5ぶんせられる(1とは、本文ほんぶんおよ指定していつうじて、かく5またはその端数はすうごと)。名宛なあてすべて2として計算けいさんされ、連記れんきされただい2以下いか名宛なあて発信はっしん人名じんめいおよび逐書した追尾ついび電報でんぽうまた再送さいそう電報でんぽうだい2以下いか居所きょしょは、字数じすうかかわらず1計算けいさんされる。特殊とくしゅあつかいには、至急しきゅうあきらこう電報でんぽう受信じゅしん報知ほうち郵便ゆうびん受信じゅしん報知ほうち同文どうぶん謄写とうしゃ時間じかんがい別使べっし配達はいたつおよはしけせん配達はいたつがあり、新聞しんぶん電報でんぽうには至急しきゅう同文どうぶん謄写とうしゃやく新聞しんぶん電報でんぽうおよやく同文どうぶん謄写とうしゃがあり、翌朝よくあさ配達はいたつ別使べっし配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらいおよはしけせん配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらい取扱とりあつかいはなく、このほかおおむ内国ないこく電報でんぽうおなじである。まん無線むせん電報でんぽうは、内地ないち朝鮮ちょうせん台湾たいわん樺太からふとおよ南洋なんよう群島ぐんとうにある海岸かいがんきょくまた関東かんとうしゅうみなみまんしゅう鉄道てつどう付属ふぞくおよまんしゅうこくにある海岸かいがんきょくによって日本にっぽんまたまんしゅうこく船舶せんぱくきょくもしくは託送たくそうはつ受所と送受そうじゅし、取扱とりあつかいはおおむ内国ないこく無線むせん電報でんぽうおなじである。まん年賀ねんが電報でんぽうもある。
外国がいこく電報でんぽう
万国ばんこく電信でんしん条約じょうやくげん国際電気こくさいでんき通信つうしん連合れんごう条約じょうやく)およびどう付属ふぞく国際こくさい業務ぎょうむ規則きそくしたがって日本にっぽん外国がいこくとのあいだはつ受された電報でんぽう上海しゃんはい発着はっちゃく和文わぶん電報でんぽう外国がいこく電報でんぽうであった。電報でんぽうには、有線ゆうせん海底かいていケーブルふくむ)と無線むせんがあり、用語ようごは、普通ふつう外国がいこくのほか、マ字まじつづりの日本語にほんごも、隠語いんごゆるされた。種別しゅべつでは、普通ふつう電報でんぽう至急しきゅう電報でんぽう一部いちぶ至急しきゅう電報でんぽうあきらこう電報でんぽう受信じゅしん報知ほうちなどがあって、特別とくべつ電報でんぽうとして後回あとまわ電報でんぽう書信しょしん電報でんぽう(day letter telegram)、クリスマスおよび新年しんねん祝賀しゅくが電報でんぽう料金りょうきん受信じゅしんじんはらい電報でんぽう、このほか海上かいじょう電報でんぽう信号しんごう電報でんぽう新聞しんぶん電報でんぽう無線むせんどうほう電報でんぽうなどがあって、料金りょうきん低減ていげんなどの特典とくてんがあった。

内国ないこく電報でんぽう特殊とくしゅ取扱とりあつかい

編集へんしゅう
きょくまち電報でんぽう
いそいで返信へんしんりたい場合ばあいに、電報でんぽう差出人さしだしにん発信はっしんきょくっていて、そこで返信へんしんけることができた。これをきょくまち電報でんぽうといった。指定していりゃく符号ふごう和文わぶんはヤム。この指定していをすることにより名宛なあてじん差出人さしだしにんきょくっていることをり、きょく気付きつけ返信へんしんした。付加ふか料金りょうきんは1音信いんしん相当そうとうする料金りょうきん和文わぶんで15ぶん欧文おうぶんで5ぶん)。
再送さいそう電報でんぽう
受信じゅしんじん居所きょしょ異動いどうなどの場合ばあい受信じゅしんじんまたは宿所しゅくしょもの請求せいきゅうによってその移転いてんさき新居しんきょしょ再送さいそうされる。再送さいそう1かいごとにあらたに電報でんぽうしたものとして相当そうとうする電報でんぽうりょう徴収ちょうしゅうされたが、通常つうじょう受信じゅしんじんがこれを支払しはらった。再送さいそう請求せいきゅう期間きかん着信ちゃくしんから3日間にちかん指定していりゃく符号ふごう和文わぶんはナチ(欧文おうぶん符号ふごうでRF)。
至急しきゅう電報でんぽう
普通ふつう電報でんぽう先立さきだって送達そうたつされた。官報かんぽう局報きょくほうおよわたしほうがあった。料金りょうきんは、官報かんぽう通常つうじょう電報でんぽう料金りょうきんの2ばいわたしほう通常つうじょう電報でんぽう料金りょうきんの3ばいであった。指定していりゃく符号ふごう和文わぶんはウナ(欧文おうぶん符号ふごうでUR)。
受信じゅしん報知ほうち電報でんぽう
電報でんぽう受信じゅしんじん送達そうたつされた日時にちじ着信ちゃくしんきょくから発信はっしんじん電報でんぽう報知ほうちしたものである。指定していりゃく符号ふごう和文わぶんはツニ(欧文おうぶん符号ふごうでPC)。
照合しょうごう電報でんぽう
電文でんぶん誤謬ごびゅう未然みぜん防止ぼうしするため送受そうじゅさい名宛なあておよ本文ほんぶん反復はんぷく照合しょうごうして伝達でんたつされる。付加ふか料金りょうきん通常つうじょう電報でんぽうの4ぶんの1であった。指定していりゃく符号ふごうはムニ。
親展しんてん電報でんぽう
受信じゅしんじん以外いがいものによるひらき披をはばか電報でんぽうたいしてその指定していによって封緘ふうかんほどこされたもの。指定していりゃく符号ふごう和文わぶんはニカ(欧文おうぶん符号ふごうでCL)。発信はっしんじん指定してい付加ふかすればよく、付加ふか料金りょうきん不要ふようであった。
追尾ついび電報でんぽう
指定していりゃく符号ふごうはチラ。受信じゅしんじん今日きょうはA翌日よくじつはBというように転々てんてんとして移動いどうする場合ばあいに、以下いかの2つの方法ほうほうがあった。
  1. 発信はっしんじん受信じゅしんじん所在地しょざいち予想よそうして頼信紙らいしんしにそれを記載きさいする。
  2. 行先ゆくさき配達はいたつきょく調査ちょうさ一任いちにんしてわかるかぎり追尾ついびする。
追尾ついび電信でんしんによるのであり、電報でんぽう送達そうたつ郵便ゆうびんおくられるのではなかった。料金りょうきん追尾ついび箇所かしょ1箇所かしょごとに新規しんき料金りょうきんようし、すんでおさめ料金りょうきん不足ふそくするときは受信じゅしんじんから不足ふそく料金りょうきん徴収ちょうしゅうした。
同文どうぶん電報でんぽう
同一どういつ電信でんしん官署かんしょ着信ちゃくしんし、または同一どういつ市町村しちょうそんてた電報でんぽうで、電報でんぽう本文ほんぶん同一どういつであるときに、これを一括いっかつして「同文どうぶん電報でんぽう」としてあつかった。この場合ばあいは、原信はらしん指定していりゃく符号ふごうムヨを付加ふかし、そのかくつうには本文ほんぶん記載きさい省略しょうりゃくし、なおいくつう一括いっかつにするのかそのつうすう電報でんぽう頼信紙らいしんし余白よはく付記ふきした。料金りょうきん原信はらしん一般いっぱん電報でんぽうりょう同一どういつ料金りょうきん)のほか1つうごとに15せんであった。同文どうぶん電報でんぽうのうち1つうもしくはすうつうたいして至急しきゅうあきらこう時間じかんがい特殊とくしゅ取扱とりあつかい請求せいきゅうすることはできなかったが、そのの、追尾ついび親展しんてんなどの特殊とくしゅ取扱とりあつかい請求せいきゅうすることはできた。なお至急しきゅうあきらこう時間じかんがい特殊とくしゅ取扱とりあつかい原信はらしんについてのみ特殊とくしゅ取扱とりあつかいりょう納付のうふすればそれでよかった。
留置とめおき電報でんぽう
電報でんぽう受取うけとりじん旅行りょこう行商ぎょうしょうなどをするもので、居所きょしょ一定いっていしない場合ばあい利用りようされた。発行はっこうじん受取うけとりじん便利べんり電信でんしんきょくまたは郵便ゆうびんきょく指定していして発信はっしんする。留置とめおき期間きかん到着とうちゃくから3日間にちかん、その日限にちげんない受信じゅしんじん交付こうふすることが出来できないとき着信ちゃくしん電信でんしん官署かんしょ保管ほかんされ、そのむね発行はっこう電信でんしん官署かんしょ経由けいゆ発信はっしんじん通知つうちされた。指定していりゃく符号ふごうはムナ。有料ゆうりょう文字数もじすう算入さんにゅうされるほかは特別とくべつ料金りょうきんようしなかった。
はしけせん配達はいたつ電報でんぽう
船舶せんぱくてられた電報でんぽうで、はしけせん配達はいたつされた。料金りょうきんは30ぜにただ配達はいたつ実費じっぴがこれを超過ちょうかするもの、また配達はいたつじょう別使べっしはしけせん両方りょうほうようする場合ばあい発信はっしんじんがその一方いっぽうのみを指定していしたとき配達はいたつし、その不足ふそくがく発信はっしんじんからついおさめさせた。はしけせん配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらいとする取扱とりあつかいもあった。
別使べっし配達はいたつ電報でんぽう
電報でんぽうちょく配達はいたつ区域くいきがいてた電報でんぽうで、特使とくしによって配達はいたつされた。料金りょうきん着信ちゃくしんきょくから8km以内いないは30せん、8kmをえるときは4kmまでごとに25ぜに発信はっしんじん納付のうふした別使べっし配達はいたつりょう不足ふそくするとき受取うけとりじんから徴収ちょうしゅうした。島嶼とうしょ配達はいたつする別使べっし電報でんぽうはその里程りていかかわらず30せん配達はいたつ実費じっぴ超過ちょうかするとき実費じっぴがく徴収ちょうしゅうした。別使べっし配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらいとする方法ほうほうもあった。この電報でんぽう配達はいたつされたとき電報でんぽう受取うけとり受信じゅしんじん捺印なついんまたは署名しょめいをなすことによって授受じゅじゅあきらかにした。あらかじ受信じゅしんじんから自分じぶんあて配達はいたつかた指定していのない電報でんぽうについてもその請求せいきゅうをすることが出来できた。
返信へんしんりょう前納ぜんのう電報でんぽう
電報でんぽうすとき返信へんしんようする電報でんぽう料金りょうきん前納ぜんのうしたものである。着信ちゃくしん局所きょくしょにおいて前納ぜんのう料金りょうきんがく記載きさいされた返信へんしんりょう前納ぜんのう証書しょうしょ発行はっこうして、その電報でんぽうとも受信じゅしんじん送達そうたつする。ただ着信ちゃくしん電報でんぽう電話でんわにより送達そうたつするとき前納ぜんのう証書しょうしょを3日間にちかん着信ちゃくしん局所きょくしょ留置とめおき、もしも受信じゅしんじんがこれを使用しようしないときは、受信じゅしんじん送達そうたつする。受信じゅしんじん返信へんしんりょう前納ぜんのう証書しょうしょ電報でんぽう発信はっしんすることはつかえないが、前納ぜんのう証書しょうしょ1つうすうつう電報でんぽう料金りょうきん充当じゅうとうし、またはすうつうで1つう電報でんぽう料金りょうきん充当じゅうとうすることは出来できない。前納ぜんのう電報でんぽうりょう不足ふそくするときはそれに相当そうとうする不足ふそくがくついおさめすればよかった。返信へんしんりょう前納ぜんのう証書しょうしょ使用しよう期間きかん発行はっこうから30日間にちかん
年賀ねんが電報でんぽう
新年しんねん祝賀しゅくがぶんのみをおくる。受付うけつけ期間きかんは12月25にちから1がつ6にちまでで、頼信紙らいしんし郵便ゆうびん切手きってらんに「年賀ねんが電報でんぽう」と記載きさいし、本文ほんぶんらん逓信ていしんしょうさだめた新年しんねん祝賀しゅくが文例ぶんれいからひとつをえらび、あるいはその略号りゃくごうしるし、す。同文どうぶん電報でんぽう以外いがい特殊とくしゅ取扱とりあつかいおよび着信ちゃくしん電報でんぽう電報でんぽうによる送達そうたつあつかわれない。12月31にちまでにけられた年賀ねんが電報でんぽうは1がつ1にち電報でんぽう取扱とりあつかい時間じかん開始かいし時刻じこくけられたものとなされて名宛なあてじん送達そうたつされる。送達そうたつはデザイン、図案ずあんほどこされている。料金りょうきん祝賀しゅくがぶん字数じすうにかかわらず定額ていがく。ほかにまん年賀ねんが電報でんぽう外国がいこく和文わぶん祝賀しゅくが電報でんぽう新年しんねん祝賀しゅくが特別とくべつ外国がいこく電報でんぽうなどがある。
新年しんねん祝賀しゅくが文例ぶんれいは、略号りゃくごう - 文例ぶんれい順番じゅんばん
  • イ - 謹ミテ新年しんねん
  • ロ - 謹ミテ新年しんねん祝詞のりとさるゲマス
  • ハ - あきらケマシテ御座ぎょざヒマス
  • ニ - しんたまとしはじめ寿ことぶきしゅくさるゲマス
  • ホ - 謹ミテ新年しんねん尊家そんか万福ばんぷくいのり
  • ヘ - 謹ミテ新年しんねん平素へいそ御無音ごぶいんしゃ
  • ト - 謹ミテ新年しんねん倍旧ばいきゅう愛顧あいこねがい
  • チ - 新年しんねん御座ぎょざヒマスしょうへんラズ引立ひきたてテヲねがいヒマス
  • リ - 謹ミテ年頭ねんとう挨拶あいさつさるえき繁栄はんえいいのり
  • ヌ - 謹ミテ新年しんねん早々そうそう賀詞がしたまものなんゆうそんジマス
  • ル - 洋上ようじょうヨリはるか故国ここく新年しんねん
  • ヲ - 新年しんねん安着あんちゃくまち
  • ワ - 謹ミテ新年しんねん一路いちろ平安へいあんいのり
  • カ - 新年しんねんウゴザヒマス当方とうほうみな無事ぶじ安心あんしんサイ。
慶弔けいちょう電報でんぽう
好評こうひょうだった年賀ねんが電報でんぽう儀礼ぎれい電報でんぽうにも拡大かくだいしたもの[13]内地ないちだけでなく、外地がいち艦船かんせん航空機こうくうきへも発着はっちゃくできた。
略号りゃくごう/番号ばんごう 文例ぶんれい
慶祝けいしゅく文例ぶんれい 出産しゅっさん 安產あんざんしゅく
入学にゅうがく 入學にゅうがくしゅく
入學にゅうがく目出度めでた
合格ごうかく 合格ごうかくしゅく
卒業そつぎょう 卒業そつぎょうしゅく
卒業そつぎょう目出度めでた
結婚けっこん 結婚けっこんしゅく
華燭かしょく盛典せいてんしゅく多幸たこういのり
謹ミテ婚礼こんれいしゅくさるシマス
栄転えいてん 榮轉えいてんしゅく
栄進えいしん 榮進えいしんしゅく
入選にゅうせん 入選にゅうせんしゅく
入賞にゅうしょう 入賞にゅうしょうしゅく
当選とうせん 當選とうせんしゅく
優勝ゆうしょう 優勝ゆうしょうしゅく
成功せいこう 成功せいこうしゅく
安着あんちゃく 安着あんちゃくしゅく
帰朝きちょう 無事ぶじ歸朝きちょうしゅく
寿ことぶき かえれき祝典しゅくてん
会合かいごう 盛會せいかいしゅく
落成らくせい 新築しんちく落成らくせいしゅく
開業かいぎょう 開業かいぎょうしゅく
開店かいてんしゅく繁榮はんえいいのり
入営にゅうえい 入營にゅうえいしゅく
凱旋がいせん 光輝こうきゆう凱旋がいせんしゅく
共通きょうつう 盛典せいてんしゅく
目出度めでた
謹ミテしゅくさるシマス
出発しゅっぱつ はれ鹿島かしまりつしゅく一路いちろ平安へいあんいのり
出征しゅっせい 出征しゅっせいしゅく皇國こうこくため奮鬪ふんとういのり
弔慰ちょうい文例ぶんれい いち 謹ミテ逝去せいきょヲ悼ム
謹ミテ悔ミさる
さん 謹ミテ哀悼あいとうおもて
よん 逝去せいきょヲ悼ミ冥福めいふくいのり
永眠えいみん謹ミテ悔ミさるシマス
ろく 謹ミテ護國ごこく英靈えいれいたい敬弔けいちょうおもて
きゅう 尊父そんぷさま逝去せいきょヲ悼ミ謹ミテ悔ミさるシマス
じゅう 母堂ぼどうさま逝去せいきょヲ悼ミ謹ミテ悔ミさるシマス
年賀ねんが文例ぶんれい 謹ミテ新年しんねん
謹ミテ新年しんねん祝詞のりとさるゲマス
あかりケマシテ目出度めでた御座ぎょざイマス
しんたまとしはじめことぶきしゅくさるゲマス
謹ミテ新年しんねん尊家そんか萬福ばんぷくいのり
謹ミテ新年しんねん平素へいそ御無音ごぶいんしゃ
謹ミテ新年しんねん倍舊ばいきゅう愛顧あいこねがい
新年しんねん御座ぎょざイマスしょうへんラズ引立ひきたてテヲねがいヒマス
謹ミテ年頭ねんとう挨拶あいさつさるえき繁榮はんえいいのり
謹ミテ新年しんねん早早そうそう賀詞がしたまものハリなんゆうそんジマス
洋上ようじょうヨリはるか故國ここく新年しんねん
新年しんねん安着あんちゃくまち
謹ミテ新年しんねん一路いちろ平安へいあんいのり
新年しんねん御座ぎょざイマス當方とうほうみな無事ぶじ安心あんしんサイ
謹ミテ新年しんねん皇國こうこくため一層いっそう奮鬪ふんとういのり

新聞しんぶん電報でんぽう

編集へんしゅう

新聞紙しんぶんし掲載けいさいする目的もくてきで、認可にんかけた新聞しんぶんしゃまたは新聞しんぶん通信つうしんしゃあてに発信はっしんされる。新聞しんぶん事業じぎょう公共こうきょうせいび、新聞しんぶんしゃ経営けいえいには通信つうしん機関きかん十分じゅうぶん利用りようしなければその機能きのう発揮はっきしがたいために、一般いっぱん電報でんぽうよりも料金りょうきんひくい。1904ねん7がつ外国がいこく新聞しんぶん電報でんぽう制度せいどもうけられ、1907ねん1がつ内国ないこく新聞しんぶん電報でんぽう取扱とりあつかい開始かいしされた。内国ないこく新聞しんぶん電報でんぽう帝国ていこくない相互そうごに、外国がいこく新聞しんぶん電報でんぽう帝国ていこく中華民国ちゅうかみんこくアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく、およびその諸国しょこく相互そうごはつ着信ちゃくしんする。まんしゅうこくうち関東かんとうしゅうおよびまんてつ沿線えんせん内地ないちあいだ内国ないこく新聞しんぶん電報でんぽうじゅんじてあつかわれる。

内国ないこく新聞しんぶん電報でんぽう取扱とりあつかいけるには、新聞しんぶんしゃまたは通信つうしんしゃ持主もちぬし名義めいぎで、新聞紙しんぶんし題号だいごう掲載けいさい事項じこう種類しゅるい発行はっこう定日ていじつ発行はっこうしょおよび受信じゅしんじんとう記載きさいされた申請しんせいしょに、新聞紙しんぶんし見本みほん1えて、所轄しょかつ逓信ていしんきょく差出さしだ認可にんかける。申請しんせい通常つうじょう2週間しゅうかん程度ていど認可にんかされるが、認可にんかされれば発信はっしん証票しょうひょう交付こうふけ、新聞しんぶん電報でんぽうのつどこれを提示ていじする。その料金りょうきんつぎとおり。

  • 内地ないち各地かくちない - 50以内いない25せん、50以内いないすごとに20ぜに
  • 朝鮮ちょうせんまんしゅうしば相互そうごあいだ - 50以内いない25せん、50以内いないすごとに20ぜに
  • 内地ないち小笠原おがさわらとうあいだ - 50以内いない35せん、50以内いないすごとに30ぜに
  • 内地ないちまたは小笠原おがさわらとう台湾たいわん樺太からふと朝鮮ちょうせんおよび南洋なんようヤップとうあいだ - 50以内いない35せん、50以内いないすごとに30ぜに
  • 内地ないち台湾たいわん樺太からふとまんしゅうしば相互そうごあいだ - 50以内いない35せん、50以内いないすごとに30ぜに

同文どうぶん新聞しんぶん電報でんぽうりょうは、それぞれの料金りょうきんのほぼ半額はんがくで、至急しきゅう新聞しんぶん電報でんぽうりょうは3ばいである。このほか1ねんつうじて毎日まいにち発信はっしんする電報でんぽうで、発着はっちゃくきょくはつ受信じゅしんじんおよび発信はっしん時刻じこく一定いっていしたものは、所轄しょかつ逓信ていしん局長きょくちょう認可にんかけてやく新聞しんぶん電報でんぽうとすることができる。やく新聞しんぶん電報でんぽう発信はっしんじん希望きぼうした時刻じこくおくられ、かつ料金りょうきん低廉ていれんである。新聞しんぶん電報でんぽう後納こうのう取扱とりあつかい認可にんかければ料金りょうきんを1ヶ月かげつぶんずつまとめて後払あとばらいとすることができる。

外国がいこく新聞しんぶん電報でんぽう認可にんか申請しんせいしょ逓信ていしんしょうでんつとむきょく提出ていしゅつして認可にんかける。料金りょうきんあてによってことなり、おおむね一般いっぱん電報でんぽう料金りょうきんの4ぶんの1程度ていどである。たとえば、以下いかのとおりである。

  • 上海しゃんはい - 新聞しんぶん電報でんぽう料金りょうきん8せん一般いっぱん電報でんぽう料金りょうきん30ぜに
  • ニューヨーク - 新聞しんぶん電報でんぽう料金りょうきん45せん一般いっぱん電報でんぽう料金りょうきん1えん68ぜに
  • ロンドン - 新聞しんぶん電報でんぽう料金りょうきん34せん一般いっぱん電報でんぽう料金りょうきん1えん38ぜに

外国がいこく新聞しんぶん電報でんぽうにはやく取扱とりあつかい制度せいどはないが、一定いってい保証ほしょうきんおさめて料金りょうきん受信じゅしんじんはらいとすることができる。その電報でんぽう通常つうじょうは、R.T.P.としょうし、外国がいこく新聞しんぶん電報でんぽうの9わりめる。

特別とくべつ電報でんぽうりゃく符号ふごう

編集へんしゅう
指定してい事項じこう 和文わぶん 欧文おうぶん
親展しんてん ニカ CL
至急しきゅう ウナ UR
至急しきゅう親展しんてん ウニ UC
あきらこう ムニ TC
時間じかんがい取扱とりあつかい ララ SS
返信へんしんりょう前納ぜんのう ナツ RP
返信へんしん至急しきゅう ナウ RU
返信へんしんあきらこう ナム RT
電報でんぽう受信じゅしん報知ほうち ツニ PC
郵便ゆうびん受信じゅしん報知ほうち ツツ PP
追尾ついび チラ FS
再送さいそう ナチ RF
夜間やかん配達はいたつ タラ NS
翌朝よくあさ配達はいたつ ヨナ MR
同文どうぶん ムヨ TM
同文どうぶん連名れんめい ヨイ MA
電話でんわ送達そうたつ ムチ TF
はしけせん配送はいそう ハホ BD
はしけせん配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらい ハナ BR
別使べっしりょう電報でんぽう報知ほうち 別使べっし マム XT
別使べっしりょう電報でんぽう報知ほうち はしけせん ハム
別使べっしりょう郵便ゆうびん報知ほうち 別使べっし マヨ XM
別使べっしりょう郵便ゆうびん報知ほうち はしけせん ハヨ
留置とめおき ムナ TR
別使べっし配達はいたつ マツ XP
別使べっし配達はいたつりょう受信じゅしんじんはらい マナ XR
きょくとく ヤム WT
外国がいこく郵送ゆうそう ツタ PN
あいだ送電そうでんほう タヨ
書留かきとめ郵便ゆうびん配達はいたつ ツナ PR
緘配たち ナレ RO
停車場ていしゃじょう掲示けいじ ムツ
ちゃくきょく特定とくてい ラホ

戦後せんご電報でんぽう

編集へんしゅう

日本電信電話にほんでんしんでんわ公社こうしゃ国内こくない電報でんぽう

編集へんしゅう

戦後せんごながらく日本にっぽん国内こくない電報でんぽう日本電信電話にほんでんしんでんわ公社こうしゃあつかっていた。

打電だでん方法ほうほう
編集へんしゅう
  • 電報でんぽうきょくへの電話でんわ申込もうしこ
  • 電報でんぽうきょく電話でんわきょく郵便ゆうびんきょく窓口まどぐち頼信紙らいしんし記入きにゅう
  • 電報でんぽう配達員はいたついんへの依頼いらい
  • 電報でんぽう取扱とりあつかいえき窓口まどぐち
  • 車掌しゃしょうへの依頼いらい
種類しゅるい
編集へんしゅう
  • 市内しない電報でんぽう
    • 普通ふつう電報でんぽうのうち、発信はっしんきょく配達はいたつ区域くいきうちまたは発信はっしんきょく同一どういつ市町村しちょうそんあて電報でんぽう東京とうきょう都内とないにおいては23区内くないあて電報でんぽう
  • 市外しがい電報でんぽう
    • 普通ふつう電報でんぽうのうち市内しない電報でんぽう以外いがいのもの。
  • 至急しきゅう電報でんぽう(ウナでん
    • 夜間やかん配達はいたつされる電報でんぽう通常つうじょう普通ふつう電報でんぽう午後ごご9以降いこう受付うけつけぶん翌日よくじつ午前ごぜん7以降いこう配達はいたつとなっていた。至急しきゅう電報でんぽう指定していするりゃく符号ふごうは、URGENTからられた"UR"であったが、英文えいぶんモールス符号ふごうでの"UR"に対応たいおうする、和文わぶんモールス符号ふごう和文わぶんの「ウナ」を、和文わぶん電報でんぽうでのりゃく符号ふごうとしていたことからこのがある[注釈ちゅうしゃく 5]料金りょうきん普通ふつう電報でんぽうの2ばい(1961ねん6がつ)。至急しきゅう電報でんぽう1976ねん廃止はいしされた。
  • 照合しょうごう電報でんぽう
  • 同文どうぶん電報でんぽう
  • 親展しんてん電報でんぽう
  • 配達はいたつ日時にちじ指定してい電報でんぽう
  • 通信つうしんぶんづけ為替かわせ電報でんぽう
  • 写真しゃしん電報でんぽう
  • 模写もしゃ電報でんぽう
  • 修学旅行しゅうがくりょこう電報でんぽう
  • 案内あんない電報でんぽう
  • 広告こうこく電報でんぽう
  • 発信はっしんじんきょくまち電報でんぽう
    • 発信はっしんじんいそいで返信へんしんりたい場合ばあいあるいは発信はっしんじんみずからの所在しょざい相手方あいてがたらせたい場合ばあい電報でんぽう差出人さしだしにん発信はっしんきょくっていることを受取うけとりじんらせる電報でんぽう返信へんしん局留きょくどめとする。追加ついか料金りょうきん5えん(1961ねん6がつ)。
  • クリスマス電報でんぽう

国際電信電話こくさいでんしんでんわ株式会社かぶしきがいしゃ国際こくさい電報でんぽう

編集へんしゅう

戦後せんごながらく日本にっぽん国際こくさい電報でんぽう国際電信電話こくさいでんしんでんわ株式会社かぶしきがいしゃ(KDD)があつかっていた。

種類しゅるい
編集へんしゅう
  • 通常つうじょう電報でんぽう
  • 書信しょしん電報でんぽう
  • 至急しきゅう電報でんぽう
  • 照合しょうごう電報でんぽう
  • 同文どうぶん電報でんぽう
  • 返信へんしんりょう前払まえばらい電報でんぽう
  • 無線むせん電報でんぽう
  • 新聞しんぶん電報でんぽう

言葉ことば金融きんゆうへの影響えいきょう

編集へんしゅう

電報でんぽう文体ぶんたい

編集へんしゅう

内国ないこく電報でんぽうしゅながらくカタカナ一部いちぶ記号きごうとうかぎられ(ただし、大北おおきた電信でんしん会社かいしゃによる外国がいこく電報でんぽうでは、でんによる漢文かんぶん使用しようできた)、かつ電報でんぽうりょう濁点だくてんはん濁点だくてん空白くうはく句読点くとうてんふくめた字数じすう課金かきんされるため、通常つうじょう敬語けいご一般いっぱんにはもちいられず、丁寧ていねいながらも簡潔かんけつ文語ぶんごたい文章ぶんしょうをカナしかつ濁点だくてんはん濁点だくてん省略しょうりゃくするのが一般いっぱんてきであった(れいとしておでくださいを「オイデコウ」など)。また、単語たんごそのものを略語りゃくごした電報でんぽう略号りゃくごう符丁ふちょう多用たようされた。KDDによる外国がいこく電報でんぽうでは英数字えいすうじのみが使つかえ、電報でんぽうりょう字数じすう課金かきんであったため、内国ないこく電報でんぽう同様どうよう電略でんりゃく符丁ふちょう多用たようされた。電報でんぽうにより送達そうたつされる文章ぶんしょうまたはその文体ぶんたい電文でんぶんといった。

電報でんぽう文体ぶんたいれい

編集へんしゅう
  • “チチキトクスクカエレ”(ちち危篤きとくすぐかえれ):おとうさんが危篤きとくだから、だい至急しきゅう実家じっかもどりなさい
  • “ヘンシンコウ”(返信へんしんう):返事へんじをおねがいします
  • “ヒゼウ”:非常ひじょう
  • “アトフミ”(ぶん):詳細しょうさいのちほど手紙てがみ葉書はがき)で
  • サクラサク“ / “サクラチル“:大学だいがく入試にゅうし合否ごうひらせる電報でんぽう。サクラサク(合格ごうかく)/サクラチル(合格ごうかく)は、早稲田大学わせだだいがく1956ねん開始かいしした、合否ごうひ通知つうちもちいられたことにはしはっする。またこのほかにも大学だいがくごとにちがった定型ていけいぶんもちいられた[14]
  • また、電報でんぽう発信はっしんとう日付ひづけには "ヒ"=った(れい:7にちなら「7ヒ」)。その文体ぶんたい緊急きんきゅう連絡れんらくあらわすものとして文学ぶんがくれられた。
  • 電報でんぽう発信はっしんとう時刻じこくには"ゼ"=午前ごぜん、"ゴ"=午後ごごった(れい午後ごご7なら「ゴ7ジ」)。
  • 「アー、ヤー、グットマン」/「ゲー、ペー、ウー」:人名じんめい組織そしきめいかぎ括弧かっこくくり、区切くぎりには読点とうてん使つかわれた(電報でんぽうでは中点ちゅうてん使用しようできないため)。

通話つうわひょう

編集へんしゅう

内国ないこく電報でんぽう送信そうしんするさいには通話つうわひょうにより送信そうしんされていた。「ヘンシンコウ」の場合ばあいは、平和へいわのへ、おしまいのン、新聞しんぶんのシ、おしまいのン、子供こどものコ、上野うえののウのようにする。

電報でんぽうおくさい注意ちゅうい

編集へんしゅう

電報でんぽうおくるには、まず電信でんしんきょく電報でんぽう用紙ようしり、要件ようけん手短てみじかかりやすく必要ひつようがあった。現代げんだい電子でんしメールとはちがって、ぜん文字もじカタカナ表記ひょうき字数じすう制限せいげんがあるため電報でんぽうだけでは詳細しょうさい内容ないようつたえられず、おくがわったがわ内容ないよう認識にんしき誤差ごさしょうじるなど不便ふべんめんもあった。

090金融きんゆう取立とりた

編集へんしゅう

やみ金融きんゆう、そのなかでも090金融きんゆう取立とりたてに、慶弔けいちょう電報でんぽう(そのなかでもうるし電報でんぽう)が利用りようされ社会しゃかい問題もんだいとなった。そのため、電報でんぽう拒否きょひ可能かのうとなった。

また、借金しゃっきんカタげた携帯けいたい電話でんわから、電報でんぽうもうみをおこなって多額たがく料金りょうきんたおしをおこな行為こうい多発たはつしたため、携帯けいたい電話でんわ料金りょうきんとあわせての請求せいきゅうは、1ヶ月かげつ5つうまでとなった。

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

編集へんしゅう
  1. ^ このため、競艇きょうてい選手せんしゅ病気びょうきのためレースを欠場けつじょうするさい連絡れんらくには現在げんざいでも電報でんぽうもちいられている[2]
  2. ^ a b 国内こくないでは「NTTファクス115」の電話でんわ番号ばんごう:115(全国ぜんこく共通きょうつう)。外国がいこく電報でんぽうはKDDIの「国際こくさい電報でんぽう」の電話でんわ番号ばんごう:0120-44-5124(無料むりょう)。
  3. ^ 国際こくさい電報でんぽうのみ。なお、日本にっぽん国内こくないおよび一部いちぶ国外こくがいけの電報でんぽう類似るいじサービス「でんぽっぽ」を、KDDI100%子会社こがいしゃKDDIエボルバおこなっている。
  4. ^ 国内こくないでは「NTTファクス115」のFAX番号ばんごう:0120-789379(全国ぜんこく共通きょうつう)。外国がいこく電報でんぽうはKDDIの「国際こくさい電報でんぽう」のFAX番号ばんごう:0120-11-5931(無料むりょう)。
  5. ^ これ以外いがい指定していりゃく符号ふごうも、元々もともと意味いみからけられた欧文おうぶんモールス符号ふごう対応たいおうする和文わぶんモールス符号ふごうによるりゃく符号ふごう使つかわれている。

出典しゅってん

編集へんしゅう
  1. ^ a b c d e f g h i j k 日本にっぽんだい百科全書ひゃっかぜんしょ』【電報でんぽう
  2. ^ どちゃんこTV【だい56かい報知新聞社ほうちしんぶんしゃしょう静波しずなみまつりはい開催かいさい4にち】1がつ13にち(土)ボートレース多摩川たまがわ 2024ねん1がつ13にち配信はいしん(1あいだ15ふん30びょうごろより)
  3. ^ べい電信でんしん会社かいしゃ、150ねん以上いじょうおよ電報でんぽうサービスにまく Wired AP通信つうしん 2006ねん2がつ7にち
  4. ^ American Telegram”. 2013ねん9がつ25にち閲覧えつらん
  5. ^ 進化しんかする電報でんぽう”200しゃ参入さんにゅう激戦げきせんに、喪中もちゅう見舞みまいにも最適さいてき!?日経にっけいトレンディ、2012ねん11月28にち
  6. ^ 総務そうむしょう (2009ねん6がつ1にち). “電報でんぽう類似るいじサービス(電報でんぽうじゅんずる特定とくてい信書しんしょ便びん役務えきむ)の受付うけつけようへの115ばん使用しようについて” (PDF). 2010ねん5がつ30にち閲覧えつらん
  7. ^ 明治めいじ前期ぜんき財政ざいせい経済けいざい史料しりょう集成しゅうせい17こうしょう沿革えんかく報告ほうこく 大蔵省おおくらしょうへん
  8. ^ 1904(明治めいじ37)ねん5がつ7にち 電報でんぽう通信つうしん 【『読売新聞よみうりしんぶんひゃくじゅうねん』(読売新聞社よみうりしんぶんしゃ、1994)掲載けいさい実業じつぎょう研究けんきゅう情報じょうほうセンター(公益こうえき財団ざいだん法人ほうじん渋沢しぶさわ栄一えいいち記念きねん財団ざいだん)、2009ねん5がつ7にち
  9. ^ にち年鑑ねんかん 1929ねん にち貿易ぼうえき通信つうしんしゃ
  10. ^ 電報でんぽうサービス提供ていきょう条件じょうけん見直みなお内容ないようについて”. NTT東日本ひがしにっぽん. 2023ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  11. ^ 電報でんぽうサービス提供ていきょう条件じょうけん見直みなお内容ないようについて”. NTT西日本にしにほん. 2022ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  12. ^ 危篤きとく至急しきゅう連絡れんらくされたし」NTT、緊急きんきゅう定型ていけいぶん電報でんぽうサービス廃止はいし 船舶せんぱく無線むせん電報でんぽう”. 産経新聞さんけいしんぶんしゃ. 2022ねん1がつ19にち閲覧えつらん
  13. ^ 昭和しょうわじゅうよん年度ねんどばん でんつとむ年鑑ねんかん -(4)- P.93 逓信ていしんしょうでんつとむきょく 1939ねん12月28にち
  14. ^ メッセージ特集とくしゅう大学だいがく合格ごうかく電報でんぽう

関連かんれん項目こうもく

編集へんしゅう

外部がいぶリンク

編集へんしゅう
電気でんき通信つうしん事業じぎょうほう附則ふそくだい5じょうにおいて定義ていぎされた電気でんき通信つうしん役務えきむとしてなされているもの
その電報でんぽう類似るいじサービス)