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黙祷 - Wikipedia

黙祷もくとう(もくとう、だま禱、えい: Moment of silence, silent prayer)とは、こえてずにいのをささげること。せきすわっているときは起立きりつし、合掌がっしょうをつぶる、かるあたまげる行為こういともなうこともある。

概要がいよう

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トルコアンタルヤ開催かいさいされたG20首脳しゅのう会合かいごうでのパリ同時どうじ多発たはつテロ犠牲ぎせいしゃへの黙祷もくとう(2015ねん11月)。出席しゅっせきしゃ信仰しんこうはさまざまであり、死者ししゃへの追悼ついとうはそれぞれの信仰しんこうもとづいて、沈黙ちんもくのうちに個人こじん内心ないしんにおいておこなわれる。

黙祷もくとうは、なにがしかにこえてずにいの行為こういで、しんなか対象たいしょうかたけることや、内証ないしょう自分じぶん気持きもをみつめかんが整理せいりすること)がおこなわれる。日本にっぽんでは弔意ちょうい(すでにくなったひといの気持きもち)をあらわさいにもおこなわれ、終戦しゅうせんなどに戦死せんし戦没せんぼつしゃへの慰霊いれい意味いみから黙祷もくとうおこな行事ぎょうじられる。事故じこ災害さいがいひとくなったり、著名ちょめいじん訃報ふほうはいって急遽きゅうきょおこな場合ばあいもある。

だまっておこなうためにきわめて個人こじんてき行為こういではあるが、こういった各々おのおの個人こじんてき気持きもちはしんなかにしまわれるため、黙祷もくとうさいだれなにおもっているかは、かたられない部分ぶぶんである。墓参はかまいでは故人こじんたいして日々ひびらしの報告ほうこくをしたりするし、その故人こじんがなくなってあさときには、自分じぶんさびしい気持きもちをしんなかべたりもする。慰霊いれいなどにたいしては故人こじんなん懸念けねんやすめるようにといのり、いわゆるかみたいしては自分じぶんのかなえてしいねがいをべたり、日々ひび満足まんぞくしていることをべたりと、宗教しゅうきょう様式ようしきいのひと価値かちかんにもよって様々さまざまである。

なお黙祷もくとうでは、一種いっしゅれい敬礼けいれいてき側面そくめんもあり、また特定とくてい宗教しゅうきょう限定げんていされず、所定しょてい宗教しゅうきょうにおける儀式ぎしきてき意味合いみあいもなく、ただ対象たいしょうたいしてれいをすることともほぐされる。このため特定とくてい宗教しゅうきょう宗派しゅうは依存いぞんしない儀式ぎしきさいには、各々おのおのしんじる宗教しゅうきょう宗派しゅうは関係かんけいなくいのるという様式ようしきにおいてもちいられる。

大抵たいていすうびょうから1ふん程度ていどみじかあいだませられる行動こうどうであるが、そのかぎられたみじか時間じかんなかで、ひと様々さまざまおもいをしんいだくのである。しん外部がいぶをいったんはなすという意味いみで、をつぶる場合ばあいもある。

ふるくは中国ちゅうごくとうかんいよいよにある「潜心せんしんだま禱若ゆうおう あに正直しょうじきのうかんどおり」にみられる言葉ことばである。室町むろまち時代ときよ中期ちゅうきの『文明ぶんめい本節ほんぶしようしゅう』にあるがその節用せつようしゅうには掲載けいさいされていない。江戸えど時代じだいには曲亭馬琴きょくていばきんの『南総里見八犬伝なんそうさとみはっけんでん』にみられる程度ていどである。

1919ねん11月11にち11イギリスジョージせい発案はつあんによりだいいち世界せかい大戦たいせんたいするsilent prayer黙祷もくとう)がおこなわれた。

日本にっぽんでの普及ふきゅう

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東日本ひがしにっぽん大震災だいしんさい犠牲ぎせいしゃへの黙祷もくとうおこな内閣ないかく総理そうり大臣だいじんかん直人なおと財務ざいむ大臣だいじん野田のだ佳彦よしひこ(2011ねん3がつ17にち衆議院しゅうぎいんほん会議かいぎ

明治天皇めいじてんのう大喪たいそうれいのおり、1912ねん大正たいしょう元年がんねん)9がつ8にち讀賣新聞よみうりしんぶんに「市民しみん黙祷もくとう学生がくせい」という記事きじがある。『明治天皇めいじてんのうおさむ』に「市民しみん一斉いっせい黙祷もくとうし」と記述きじゅつされた。ただしこれら以外いがいのほとんどでは「遥拝ようはい」(ようはい)と記述きじゅつされている。

日本にっぽん国内こくない黙祷もくとう浸透しんとうしたのは、1923ねん大正たいしょう12ねん)9がつ1にち発生はっせいした関東大震災かんとうだいしんさいによるところがおおきい。関東大震災かんとうだいしんさいの1ねんにあたる1924ねん大正たいしょう13ねん)9がつ1にち東京とうきょうにて慰霊いれいさいおこなわれ、その慰霊いれいさいなか地震じしん発生はっせい時刻じこく午前ごぜん1158ふんにあわせて1分間ふんかん黙祷もくとうをするもよおしがおこなわれた。日本にっぽん事件じけん事故じこ災害さいがい発生はっせい時刻じこくわせて黙祷もくとうをするという習慣しゅうかんはこのとき最初さいしょだとわれている。これ以後いご毎年まいとし9がつ1にちどう時刻じこく関東大震災かんとうだいしんさい黙祷もくとうおこなわれるとともに、事件じけん事故じこ災害さいがいなどについても発生はっせい祥月しょうつき命日めいにちどう時刻じこく黙祷もくとうをする習慣しゅうかん全国ぜんこくてきひろまった。

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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