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127時間 - Wikipedia

127あいだ

アメリカ、イギリスの映画えいが作品さくひん

127あいだ』(原題げんだい: 127 Hours)は、ダニー・ボイル監督かんとく脚本きゃくほん製作せいさくによる2010ねん映画えいが作品さくひんである。登山とざんアーロン・リー・ラルストン自伝じでん奇跡きせきの6日間にちかん』(Between a Rock and a Hard Place)を原作げんさくとしており、ジェームズ・フランコがラルストンをえんじる。共同きょうどう脚本きゃくほんサイモン・ボーファイ共同きょうどう製作せいさくしゃクリスチャン・コルソンなど、『スラムドッグ$ミリオネア』のスタッフがさい結集けっしゅうしている。

127あいだ
127 Hours
監督かんとく ダニー・ボイル
脚本きゃくほん ダニー・ボイル
サイモン・ボーファイ
原作げんさく アーロン・ラルストン
製作せいさく ダニー・ボイル
クリスチャン・コルソン
ジョン・スミッソン英語えいごばん
製作せいさくそう指揮しき バーナード・ベリュー
リサ・マリア・ファルコーネ
フランソワ・イヴェルネル
ジョン・J・ケリー
キャメロン・マクラッケン
テッサ・ロス
出演しゅつえんしゃ ジェームズ・フランコ
音楽おんがく A・R・ラフマーン
撮影さつえい アンソニー・ドッド・マントル
エンリケ・シャディアック[1]
編集へんしゅう ジョン・ハリス
製作せいさく会社かいしゃ Cloud Eight
Decibel Films
Darlow Smithson Productions
ハンドメイド・フィルムス
フォルム4・プロダクションズ英語えいごばん
配給はいきゅう アメリカ合衆国の旗 フォックス・サーチライト・ピクチャーズ
イギリスの旗 パテ
日本の旗 20世紀せいきフォックス/ギャガ
公開こうかい カナダの旗 2010ねん9がつ12にちTIFF
アメリカ合衆国の旗 2010ねん11月5にち
イギリスの旗 2011ねん1がつ7にち
日本の旗 2011ねん6がつ18にち
上映じょうえい時間じかん 94ふん
製作せいさくこく アメリカ合衆国の旗 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく
イギリスの旗 イギリス
言語げんご 英語えいご
製作せいさく $18,000,000[2]
興行こうぎょう収入しゅうにゅう $57,547,568[2]
2おく360まんえん[3] 日本の旗
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2003ねん4がつ25にち金曜日きんようびよる。アーロン・ラルストン(ジェームズ・フランコ)は、ユタしゅうキャニオンランズ国立こくりつ公園こうえんキャニオニングかける準備じゅんびをしており、いもうとからの電話でんわ無視むしして出発しゅっぱつした。翌朝よくあさかれ自転車じてんしゃはしり、その徒歩とほ目的もくてき目指めざした。道中どうちゅうみちまよっていたクリスティ(ケイト・マーラ)とミーガン(アンバー・タンブリン)のにん出会であい、アーロンはガイドをってた。かれはおもしろいものがあるとい、はばせま峡谷きょうこくとおって地下ちかプールへ案内あんないした。3にんはそのプールになんんでたのしみ、ビデオカメラでその姿すがた撮影さつえいした。あそわった2人ふたりわかぎわにアーロンをグリーン・リバー英語えいごばん町外まちはずれでの明日あしたのパーティにさそい、かれ出席しゅっせき約束やくそくした。しかし、彼女かのじょらは本当ほんとうかれてくれるのか疑問ぎもんおもった。

アーロンがユタしゅう中部ちゅうぶ、グリーン・リバーのまち付近ふきん一帯いったいサン・ラファエル・スウェル英語えいごばんばれる地域ちいきにある目的もくてきブルー・ジョン・キャニオン英語えいごばんというスロット・キャニオン英語えいごばんのキャニオニングをたのしんでいた最中さいちゅういわとも滑落すべりおちして、右手みぎていわかべあいだはさまれてしまう。アーロンは身動みうごきがれなくなり、大声おおごえたすけをんだが周囲しゅういだれなかった。アーロン1人ひとりちからではいわはびくともせず、いわけずろうにもっていた万能ばんのうツールのナイフはまるでやくにたなかった。かれはボトル1ほんみずとわずかな食糧しょくりょういつなぎ、そしてビデオカメラに様子ようす記録きろくはじめた。

いわくずこころみが無駄むだとわかると、今度こんどはさまった自分じぶんみぎうではなそうとしはじめるが、ナイフは皮膚ひふることすらできないくらいにぶいことがわかる。つぎにアーロンはナイフをうですが、ほねふかれないとわかる。またかれみずすとやむめていた自分じぶん尿にょうんでしまう。かれ自分じぶんいのちにゆくのをかんはじめると、ビデオ日記にっきはますますくるっていった。かれ自分じぶん家族かぞくもと恋人こいびととのおも事故じこまえ2人ふたりハイカーのことをゆめはじめるようになる。目前もくぜんにし、かれは、これまでの人生じんせいのすべてがこの峡谷きょうこくでの孤独こどく状態じょうたいかうように運命うんめいづけられたのだとさとるのだった。

翌朝よくあさ(2003ねん5がつ1にち木曜日もくようび)には自身じしんんでいるだろうとおもったが、夜明よあけにまだきていた。その、すぐに「はさまったうでをねじってちからくわえることで、前腕ぜんわんほんほねしゃくこつと橈骨)をることができるのではないか」と直感ちょっかんして実行じっこううつしたが、かれっていた15ドルの懐中かいちゅう電灯でんとうったときにおまけでもらったナイフがみじかかったので切断せつだんには1あいだほどかかった。

うで切断せつだん成功せいこうしたのちながとどまっていたせま渓谷けいこく脱出だっしゅつして垂直すいちょくかべ片手かたて懸垂けんすい下降かこうし、つけた水溜みずたまりの泥水どろみずびるようにんだ。真昼まひる太陽たいようそそなか、8kmほどはなれたくるま目指めざあるとおしたが、その道中どうちゅうにバカンスにていた家族かぞく遭遇そうぐうした。かれらは救助きゅうじょ要請ようせいするためにいそいたが、まもなく捜索そうさくちゅうだったレスキューたいのヘリコプターが到着とうちゃく救助きゅうじょされたのだった。

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事実じじつとの差異さい

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映画えいが序盤じょばんでラルストンが2人ふたりのハイカーを秘密ひみつ天然てんねんプールに案内あんないし、場面ばめんがあるが、ラルストン本人ほんにんは「峡谷きょうこくにはつね危険きけんひそんでいる(からそのようなことはしていない)」と、事実じじつではないとべている[6]。だがこのような変更へんこうてんはあるものの、のこりの部分ぶぶんについてはドキュメンタリーにちかいほど正確せいかくであるとラルストンはひょうしている[7]

製作せいさく

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ダニー・ボイルは4年間ねんかんにわたってラルストンの遭難そうなん映画えいがつくりたがっていた[8]当初とうしょはドキュメンタリー映画えいがとしての製作せいさく予定よていされていたが、ボイルはドラマ仕立したてでの映画えいが提案ていあんした[9]。ボイルが映画えいがのトリートメントをき、そしてサイモン・ボーファイがスクリーンプレイを執筆しっぴつした[10]。ボイルはほんさくを「うごかないアクション映画えいが」と説明せつめいした[11]

2009ねん11月、『ニュース・オブ・ザ・ワールド』はボイルがラルストンやくキリアン・マーフィー希望きぼうしているとほうじた[12]。2010ねん1がつ、ラルストンやくジェームズ・フランコ決定けっていした[13]

撮影さつえいは2010ねん3がつユタしゅうはじまった[13]撮影さつえいにはフィルムもちいスチルもちいデジタルの3種類しゅるいのカメラが使つかわれた[9]。ボイルはダイアログしでフィルムの最初さいしょ部分ぶぶんるつもりだった[8]。2010ねん6がつ17にちまでにはすでにポストプロダクションにはいっていた[14]

公開こうかい

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2010ねんテルライド映画えいがさいトロント国際こくさい映画えいがさい上映じょうえいされた[15]。2010ねん10がつ28にちにはロンドン映画えいがさいのクロージング作品さくひんとして上映じょうえいされた[16]アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくでは2010ねん11月5にち限定げんてい公開こうかいされた[17]日本にっぽんでは2011ねん6がつ20世紀せいきフォックスギャガ共同きょうどう配給はいきゅう公開こうかいされた[18]

テルライド映画えいがさい、トロント国際こくさい映画えいがさいではジェームズ・フランコえんじるラルストンがみずからのうでとすシーンがうつされると、鑑賞かんしょうちゅううしなったり発作ほっさこした観客かんきゃくすうめいたことがほうじられた[19][20][21]。オランダでもプレス試写ししゃ中気ちゅうきうしなもの[22]

評価ひょうか

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『127あいだ』はおおくの批評ひひょうから称賛しょうさんされた。Rotten Tomatoesでは202にんのプロの評論ひょうろんのうち93%が肯定こうていてき論評ろんぴょうをし、平均へいきんてんは10てん満点まんてんで8.2てんであった[23]さらどうサイトのTop Criticsのなかでは、32のレビューで91%の支持しじ[24]。またMetacriticでは37のレビューで100てん満点まんてんちゅう87てんだった[25]。『シカゴ・サンタイムズ』のリチャード・ローパー映画えいがを「A」とし、フランコの完璧かんぺき演技えんぎオスカーノミネートにあたいするとべ、「過去かこじゅう年間ねんかんのベスト作品さくひんひとつ」とひょうした。また、ロジャー・イーバートは4つほし満点まんてんあたえた[26]

受賞じゅしょうとノミネート

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サウンドトラック

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出典しゅってん

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  1. ^ Caranicas, Peter (2010-10-26). “Boyle hikes up number of d.p.'s on '127 Hours'”. Variety. http://www.variety.com/article/VR1118026341.html?categoryid=3683&cs=1. 
  2. ^ a b 127 Hours (2010)”. Box Office Mojo. 2011ねん6がつ22にち閲覧えつらん
  3. ^ キネマ旬報きねまじゅんぽう」2012ねん2がつ下旬げじゅん決算けっさん特別とくべつごう 211ぺーじ
  4. ^ a b c d e f Sciretta, Peter (2010ねん8がつ24にち). “Movie Trailer: Danny Boyle's 127 Hours”. /Film. http://www.slashfilm.com/2010/08/24/movie-trailer-danny-boyles-127-hours/ 2010ねん8がつ27にち閲覧えつらん 
  5. ^ Indrisek, Scott (2010ねん4がつ27にち). “Lizzy Caplan on 'Party Down' and Her 'True Blood' Nude Scenes”. BlackBook. http://www.blackbookmag.com/article/party-downs-lizzy-caplan-is-back-with-bangs/18215 2010ねん7がつ1にち閲覧えつらん 
  6. ^ “アカデミーしょうノミネート作品さくひんうそかくされた秘密ひみつせまる”. MovieWalker. (2011ねん2がつ24にち). https://moviewalker.jp/news/article/20585/ 2021ねん9がつ23にち閲覧えつらん 
  7. ^ Barkham, Patrick (2010ねん12月15にち). “The extraordinary story behind Danny Boyle's 127 Hours”. The Guardian (ロンドン). http://www.guardian.co.uk/film/2010/dec/15/story-danny-boyles-127-hours 2011ねん4がつ14にち閲覧えつらん 
  8. ^ a b Thompson, Anne (2009ねん11月6にち). “Nine Things I Learned at BAFTA's Brittania Awards”. indieWire. オリジナルの2010ねん6がつ19にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5qb0XsnxN?url=http://blogs.indiewire.com/thompsononhollywood/2009/11/06/bafta_brittania_awards_stiller_mcgregor_douglas_schwarzenegger_blunt/ 2010ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  9. ^ a b 注目ちゅうもく映画えいが紹介しょうかい :「127あいだ」 いのち限界げんかいせま孤独こどくたたかい ジェームズ・フランコの名演めいえんひかる”. まんたんウェブ. (2011ねん6がつ17にち). オリジナルの2011ねん6がつ22にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://megalodon.jp/2011-0622-2243-33/mantan-web.jp/2011/06/17/20110617dog00m200013000c.html 2011ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  10. ^ Fleming, Mike (2009ねん11月4にち). “Boyle, Searchlight Firm Mountaineer Tale”. Variety (Reed Business Information). オリジナルの2009ねん11月9にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20091109102900/http://weblogs.variety.com/bfdealmemo/2009/11/boyle-searchlight-firm-mountaineer-tale.html 2010ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  11. ^ Jury, Louise (2010ねん8がつ13にち). “Danny Boyle's latest movie boosts London Film Festival”. London Evening Standard. http://www.thisislondon.co.uk/film/article-23866813-danny-boyles-latest-movie-boosts-london-film-festival.do#readerComments 2010ねん8がつ15にち閲覧えつらん 
  12. ^ Colin, Robbie (2009ねん11月15にち). “Tale of climber who amputated his own arm”. News of the World. オリジナルの2010ねん6がつ19にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5qaydKrPg?url=http://www.newsoftheworld.co.uk/showbiz/598263/Tale-of-climber-who-amputated-his-own-arm.html 2010ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  13. ^ a b Siegel, Tatiana (2010ねん1がつ6にち). “James Franco puts in 'Hours'”. Variety (Reed Business Information). http://www.variety.com/article/VR1118013420.html?categoryid=13&cs=1 2010ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  14. ^ Kemp, Stuart (2010ねん6がつ17にち). “Boyle, Daldry to oversee Olympic ceremonies”. The Hollywood Reporter (e5 Global Media). オリジナルの2010ねん6がつ19にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://web.archive.org/web/20100619005703/http://www.hollywoodreporter.com/hr/content_display/news/e3idc38443dc8d2ef1ad6600ba950f63143 2010ねん6がつ19にち閲覧えつらん 
  15. ^ 127 Hours”. Toronto International Film Festival (2010ねん). 2010ねん8がつ27にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2010ねん8がつ28にち閲覧えつらん
  16. ^ Brooks, Xan (2010ねん8がつ13にち). “Danny Boyle's 127 Hours to close London film festival”. The Guardian. オリジナルの2010ねん8がつ27にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://webcitation.org/5sHk7mqoB?url=http://www.guardian.co.uk/film/2010/aug/13/danny-boyle-127-hours-festival 2010ねん8がつ27にち閲覧えつらん 
  17. ^ Fischer, Russ (2010ねん7がつ30にち). “Fox Searchlight Sets November 5th Release Date For Danny Boyle's '127 Hours'”. /Film. http://www.slashfilm.com/2010/07/30/fox-searchlight-sets-november-5-release-date-for-danny-boyles-127-hours/ 2010ねん8がつ5にち閲覧えつらん 
  18. ^ “『スラムドッグ$ミリオネア』のスタッフがさい結集けっしゅう。『127あいだ』の日本にっぽん公開こうかい決定けってい. ぴあ. http://cinema.pia.co.jp/news/0/41830/ 2011ねん6がつ22にち閲覧えつらん 
  19. ^ Nemiroff, Perri (2010ねん9がつ7にち). “Danny Boyle's '127 Hours' Labeled "Too Intense" After Medics Called to Screenings”. Cinematical.com. オリジナルの2012ねん6がつ30にち時点じてんにおけるアーカイブ。. https://archive.is/20120630185809/http://blog.moviefone.com/2010/09/06/danny-boyles-127-hours-too-intense/ 2010ねん9がつ6にち閲覧えつらん 
  20. ^ “Audience faints at 'realistic' amputation film”. (2010ねん9がつ15にち). http://www.theage.com.au/entertainment/movies/audience-faints--at-realistic-amputation-film-20100915-15bpo.html?autostart=1 2010ねん9がつ15にち閲覧えつらん 
  21. ^ “ダニー・ボイル監督かんとく最新さいしんさく衝撃しょうげきてきなシーンにうしな観客かんきゃくも!”. シネマトゥデイ. (2010ねん9がつ16にち). http://www.cinematoday.jp/page/N0026951 2011ねん1がつ25にち閲覧えつらん 
  22. ^ “Vrouw onwel tijdens persvoorstelling”. (2010ねん12月29にち). http://nos.nl/artikel/208274-vrouw-onwel-tijdens-persvoorstelling.html 2011ねん1がつ12にち閲覧えつらん 
  23. ^ 127 Hours”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2011ねん6がつ22にち閲覧えつらん
  24. ^ 127 Hours Reviews: Top Critics”. Rotten Tomatoes. Flixster. 2011ねん1がつ25にち閲覧えつらん
  25. ^ 127 Hours (2010): Reviews”. Metacritic. CBS Interactive. 2010ねん12月12にち閲覧えつらん
  26. ^ Ebert, Roger (2010ねん11月10にち). “127 Hours :: rogerebert.com :: Reviews”. Chicago Sun-Times. http://rogerebert.suntimes.com/apps/pbcs.dll/article?AID=/20101110/REVIEWS/101119996 2010ねん11月14にち閲覧えつらん 

外部がいぶリンク

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