この項目 こうもく では、動物 どうぶつ の器官 きかん について説明 せつめい しています。動物 どうぶつ の皮膚 ひふ を加工 かこう した素材 そざい については「皮革 ひかく 」を、過去 かこ にペンネーム「肌 はだ 」を用 もち いていた作家 さっか については「編 へん 乃肌 」をご覧 らん ください。
皮膚 ひふ (ひふ)は、動物 どうぶつ の器官 きかん のひとつで、体 からだ の表面 ひょうめん をおおっている層 そう のこと[ 1] 。体 からだ の内外 ないがい を区切 くぎ り、その境 さかい をなす構造 こうぞう である。皮膚 ひふ と毛 もう 、爪 つめ 、羽毛 うもう 、鱗 うろこ など、それに付随 ふずい する構造 こうぞう (器官 きかん )[ 1] とをあわせて、外皮 がいひ 系 けい という器官 きかん 系 けい としてまとめて扱 あつか う場合 ばあい がある。また、動物 どうぶつ 種 しゅ によっては、皮膚 ひふ 感覚 かんかく を伝 つた える感覚 かんかく 器 き の働 はたら きも持 も っている場合 ばあい がある。ヒト の皮膚 ひふ は肌 はだ (はだ)とも呼 よ ばれる。
ヒトの皮膚 ひふ を表面 ひょうめん から見 み たところ
サイ の皮膚 ひふ 高等 こうとう 脊椎動物 せきついどうぶつ では上皮 じょうひ 性 せい の表皮 ひょうひ 、その下 した にある結合 けつごう 組織 そしき 系 けい の真皮 しんぴ から構成 こうせい され、さらに皮下 ひか 組織 そしき そして多 おお くの場合 ばあい には脂肪 しぼう 組織 そしき へと繋 つな がってゆく[ 1] 。
ヒトの皮膚 ひふ は、上皮 じょうひ 部分 ぶぶん では細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ から角 かく 化 か し、垢 あか となって剥 は がれ落 お ちるまで約 やく 4週間 しゅうかん かかる[ 2] 。
ヒトの皮膚 ひふ の構造 こうぞう
ヒト の皮膚 ひふ は体重 たいじゅう の6.3〜6.9%を占 し め[ 1] 約 やく 9kg、面積 めんせき は約 やく 1.6m2 であり、身体 しんたい の中 なか で最 もっと も大 おお きい器官 きかん である[ 2] 。表皮 ひょうひ は0.06-0.2mm[ 3] 、真皮 しんぴ は2.0〜2.2mmだが、掌 てのひら や足 あし の裏 うら など場所 ばしょ によって異 こと なる[ 4] 。重量 じゅうりょう は約 やく 3kg[ 4] 。9kg?3kg?
組成 そせい は水分 すいぶん 約 やく 57.7%、タンパク質 たんぱくしつ 約 やく 27.3%、脂質 ししつ 約 やく 14.2%、灰分 かいぶん 約 やく 0.6%である[ 1] 。口唇 こうしん ・鼻孔 びこう ・まぶた ・外 そと 陰部 いんぶ ・肛門 こうもん では表皮 ひょうひ は粘膜 ねんまく へと移行 いこう する[ 1] 。皮膚 ひふ にはさまざまな付属 ふぞく 器 き があり、毛 もう ・爪 つめ ・皮膚 ひふ 腺 せん (汗腺 かんせん ・皮脂 ひし 腺 せん など)がある[ 1] 。
外 そと 胚葉 はいよう 由来 ゆらい で胎生 たいせい 2〜3週間 しゅうかん で基本 きほん 的 てき な構造 こうぞう が形成 けいせい される[ 5] 表皮 ひょうひ は主 おも にケラチノサイト という細胞 さいぼう で形成 けいせい されている[ 3] 。最 もっと も上側 うわがわ にある表皮 ひょうひ には、真皮 しんぴ と接触 せっしょく し細胞 さいぼう 分裂 ぶんれつ を盛 さか んに起 お こす[ 6] 1層 そう の基底 きてい 細胞 さいぼう があり、そこから生 しょう じる表皮 ひょうひ 細胞 さいぼう が基底 きてい 側 がわ から有 ゆう 棘 とげ 細胞 さいぼう (有 ゆう 棘 とげ 層 そう )・顆粒 かりゅう 細胞 さいぼう (顆粒 かりゅう 層 そう )・淡 あわ 明 あきら 層 そう ・角質 かくしつ 細胞 さいぼう (角質 かくしつ 層 そう )へと変化 へんか しながら外側 そとがわ に動 うご く[ 7] [ 6] 。上皮 じょうひ では不溶性 ふようせい で[ 6] 繊維 せんい 状 じょう のタンパク質 たんぱくしつ の一種 いっしゅ ケラチン を生成 せいせい して保護 ほご 機能 きのう を持 も たせ、また同様 どうよう に生成 せいせい されたメラニン は紫外線 しがいせん から皮膚 ひふ を防御 ぼうぎょ し、エルゴステロール は紫外線 しがいせん によってビタミンD へ変化 へんか する[ 1] 。そして約 やく 4週間 しゅうかん 程度 ていど で[ 6] 表皮 ひょうひ 細胞 さいぼう は表面 ひょうめん で厚 あつ さ10〜20 μ みゅー m、足 あし の裏 うら などではmm単位 たんい の角質 かくしつ (角 かく 層 そう )となり、プログラムされた細胞 さいぼう 死 し を迎 むか えて生命 せいめい 反応 はんのう を止 と め[ 8] 、やがて剥離 はくり する[ 3] 。これらの細胞 さいぼう はいずれも扁平 へんぺい の形状 けいじょう をしている[ 7] 。
角質 かくしつ 部分 ぶぶん は、活動 かつどう を止 と めた細胞 さいぼう を脂質 ししつ が取 と り囲 かこ んでおり、モルタルを挟 はさ んでレンガが積 つ まれたような構造 こうぞう を取 と っている。この脂質 ししつ はセラミド 、コレステロール 、遊離 ゆうり 脂肪酸 しぼうさん が特定 とくてい の比率 ひりつ で層状 そうじょう に重 かさ なっている[ 8] 。これらの脂質 ししつ はケラチノサイト細胞 さいぼう が角膜 かくまく の下部 かぶ に到達 とうたつ するとその内部 ないぶ でラメラ顆粒 かりゅう や層 そう 板 ばん 顆粒 かりゅう と呼 よ ばれる袋 ふくろ をつくり、その中 なか に溜 た め込 こ まれる。細胞 さいぼう が角質 かくしつ となって死 し ぬと、袋 ふくろ から脂質 ししつ が押 お し出 だ されて細胞 さいぼう の間 あいだ に広 ひろ がって層 そう をつくる[ 8] 。この層 そう に入 はい り込 こ んだ樹 き 状 じょう 細胞 さいぼう にはメラノサイト があり、胎生 たいせい 3〜6か月 げつ の頃 ころ に神経 しんけい 堤 つつみ から生 しょう じて進入 しんにゅう し、色素 しきそ 系 けい と形成 けいせい する。その他 た の樹 き 状 じょう 細胞 さいぼう にはランゲルハンス細胞 さいぼう やメルケル細胞 さいぼう 等 ひとし がある[ 7] 。
皮膚 ひふ の表面 ひょうめん には皮 かわ 溝 みぞ (sulcus cutis) と呼 よ ばれる溝 みぞ があり、浅 あさ い皮 かわ 溝 みぞ で囲 かこ まれる細 こま かな隆起 りゅうき を皮 かわ 丘 おか (crista cutis)、太 ふと い皮 かわ 溝 みぞ で囲 かこ まれる複数 ふくすう の皮 かわ 丘 おか を含 ふく む領域 りょういき を皮 かわ 野 の (area cutanea) と呼 よ ぶ。毛 け は太 ふと い皮 かわ 溝 みぞ の交点 こうてん に生 は え、汗腺 かんせん は皮 かわ 野 の に開口 かいこう する。指 ゆび 腹 はら 、手 て 掌 てのひら 、足 あし 底 そこ などでは皮 かわ 溝 みぞ が平行 へいこう して走行 そうこう しており、皮 かわ 溝 みぞ の間 あいだ に形成 けいせい される稜線 りょうせん が指紋 しもん 、掌紋 しょうもん 、足 あし 紋 もん である[ 9] 。
表皮 ひょうひ の下層 かそう にある真皮 しんぴ は中 ちゅう 胚葉 はいよう 由来 ゆらい であり[ 5] 、表皮 ひょうひ との接触 せっしょく 面 めん である凸凹 でこぼこ した乳頭 にゅうとう 層 そう (真皮 しんぴ 乳頭 にゅうとう [ 10] )と、その下 した の網状 もうじょう 層 そう に分 わ けられる。網状 もうじょう 層 そう は皮下 ひか 組織 そしき と明瞭 めいりょう な境界 きょうかい を持 も たず、密 みつ なコラーゲン 繊維 せんい の結合 けつごう 体 たい の中 なか に弾性 だんせい 繊維 せんい が網状 もうじょう に分布 ぶんぷ し[ 11] 、皮膚 ひふ 本体 ほんたい に強靭 きょうじん さを与 あた える[ 2] 。動物 どうぶつ の皮革 ひかく 繊維 せんい はこのコラーゲン繊維 せんい 部分 ぶぶん に防腐 ぼうふ 処理 しょり や柔軟 じゅうなん 化 か を施 ほどこ したものである[ 3] 。コラーゲンの種類 しゅるい は、成人 せいじん の場合 ばあい I型 がた がIII型 がた の3倍 ばい 程度 ていど あるが、15週 しゅう 前後 ぜんこう の新生児 しんせいじ では、III型 がた の方 ほう が多 おお い[ 1] 。また、水分 すいぶん を維持 いじ する糖類 とうるい の一種 いっしゅ ヒアルロン酸 さん も含 ふく まれる[ 12] 。
真皮 しんぴ 部分 ぶぶん には、他 た にコラーゲン繊維 せんい をつくる繊維 せんい 芽 め 細胞 さいぼう や、免疫 めんえき 機能 きのう や炎症 えんしょう などに関係 かんけい する肥満 ひまん 細胞 さいぼう (マスト細胞 さいぼう )がある[ 3] 。また、神経 しんけい は表皮 ひょうひ まで到達 とうたつ するが毛細血管 もうさいけっかん の伸 の びは真皮 しんぴ 内 ない までに止 と まる[ 3] 。真皮 しんぴ には汗 あせ を分泌 ぶんぴつ するエクリン腺 せん とアポクリン腺 せん がある。どちらも球状 きゅうじょう に絡 から まった管状 かんじょう 構造 こうぞう があり一 いち 端 はし を表皮 ひょうひ に伸 の ばすが、前者 ぜんしゃ は直接 ちょくせつ 表皮 ひょうひ に、後者 こうしゃ は毛穴 けあな の側面 そくめん に繋 つな がる[ 13] 。ヒトの場合 ばあい エクリン腺 せん は全身 ぜんしん に200〜500万 まん 個 こ 程 ほど あり、1cm2 に換算 かんさん すると300個 こ 以上 いじょう があり、特 とく に額 がく や掌 てのひら および足 あし の裏 うら に多 おお い[ 13] 。ただし多 おお くの動物 どうぶつ はアポクリン腺 せん の数 かず の方 ほう が多 おお く、またヒトのように汗腺 かんせん が全身 ぜんしん にあるのは霊長 れいちょう 類 るい 以外 いがい には見 み られない[ 13] 。
皮膚 ひふ と筋 すじ 膜 まく など下部 かぶ の組織 そしき を繋 つな ぐ部分 ぶぶん は皮下 ひか 組織 そしき と呼 よ ばれ、真皮 しんぴ と比較 ひかく すると繊維 せんい 密度 みつど が低 ひく い結合 けつごう 組織 そしき でつくられている。この層 そう には皮下脂肪 ひかしぼう と呼 よ ばれる脂肪 しぼう の組織 そしき が多 おお く含 ふく まれており、栄養 えいよう の貯蔵 ちょぞう や体 からだ の保温 ほおん をする機能 きのう を持 も つ[ 14] 。
指紋 しもん
指紋 しもん は皮膚 ひふ 紋 もん 理 り という表皮 ひょうひ に現 あらわ れる線 せん 状 じょう の凹凸 おうとつ がつくる模様 もよう の一種 いっしゅ であり、滑 すべ り止 ど めの機能 きのう を持 も つ。この模様 もよう は真皮 しんぴ に由来 ゆらい し、表皮 ひょうひ との境界 きょうかい にある真皮 しんぴ 乳頭 にゅうとう という2列 れつ の突起 とっき の並 なら びが凸 とつ 部分 ぶぶん になる。そのため、指紋 しもん は成長 せいちょう とともに大 おお きくなったり、加 か 齢 よわい とともにパターンの明瞭 めいりょう さが失 うしな われたりするが、模様 もよう そのものは変化 へんか しない[ 10] 。
皮膚 ひふ 紋 もん 理 り は霊長 れいちょう 類 るい の手足 てあし にあり、クモザル やオマキザル のように尾 お を器用 きよう に使 つか う種 たね では尾 お の内側 うちがわ に持 も つ場合 ばあい もある[ 10] 。またコアラ のような樹木 じゅもく に登 のぼ る動物 どうぶつ の指 ゆび にも指紋 しもん がある[ 10] 。ウシ の鼻 はな にも皮膚 ひふ 紋 もん 理 り (鼻 はな 紋 もん )があり、ヒトの個人 こじん 識別 しきべつ と同様 どうよう に個体 こたい 管理 かんり に用 もち いられる[ 10] 。
皺 しわ
皮膚 ひふ の老化 ろうか で生 しょう じる皺 しわ (しわ)は、真皮 しんぴ の弾力 だんりょく 性 せい が失 うしな われて生 しょう じる。具体 ぐたい 的 てき には弾性 だんせい の元 もと になる真皮 しんぴ のコラーゲンや弾力 だんりょく 繊維 せんい またはヒアルロン酸 さん が減少 げんしょう することが原因 げんいん である。要因 よういん は主 おも に加 か 齢 よわい と紫外線 しがいせん があり、前者 ぜんしゃ は歳 とし とともに弾性 だんせい の元 もと になる物質 ぶっしつ を生 う む酵素 こうそ の働 はたら きが低下 ていか することが影響 えいきょう し、後者 こうしゃ は光 ひかり 老化 ろうか と呼 よ ばれ特 とく に長波 ちょうは 長 ちょう の紫外線 しがいせん が活性 かっせい 酸素 さんそ を発生 はっせい させ「マトリックス・メタロ・プロテアーゼ (MMPs)」というコラーゲンや弾性 だんせい 繊維 せんい を切断 せつだん する酵素 こうそ を生 しょう じさせる影響 えいきょう がある[ 12] 。紫外線 しがいせん は表皮 ひょうひ にも作用 さよう し、短波 たんぱ 長 ちょう がサイトカイン という物質 ぶっしつ を生 しょう じさせ、これが真皮 しんぴ でMMPs生成 せいせい を促 うなが す事 こと も皺 しわ 発生 はっせい に関 かか わる[ 12] 。赤外線 せきがいせん も長波 ちょうは 長 ちょう のIR-Aは活性 かっせい 酸素 さんそ 発生 はっせい を通 つう じてMMPs生成 せいせい を促 うなが し、皺 しわ の要因 よういん になる[ 12] 。
動物 どうぶつ の種類 しゅるい によって、皮膚 ひふ の構造 こうぞう や役割 やくわり は非常 ひじょう に多様 たよう 性 せい に富 と んでいる。様々 さまざま な動物 どうぶつ の持 も っている皮膚 ひふ の主 おも な機能 きのう を以下 いか に挙 あ げる。
皮膚 ひふ は触覚 しょっかく の感覚 かんかく 器 き であり、外部 がいぶ からの刺激 しげき を伝 つた える役割 やくわり を持 も つ[ 1] 。感覚 かんかく を知 し る器官 きかん としては、表皮 ひょうひ の基 もと 底部 ていぶ にあり部分 ぶぶん 的 てき な圧力 あつりょく を検知 けんち するメルケル盤 ばん (英語 えいご 版 ばん ) 、真皮 しんぴ の上方 かみがた にある神経 しんけい 終末 しゅうまつ で触覚 しょっかく 刺激 しげき を知 し るマイスナー小体 こてい 、真皮 しんぴ 下層 かそう の小 しょう 胞内にある神経 しんけい 末 まつ 端 はし で引 ひ っ張 ぱ りなど皮膚 ひふ の変形 へんけい を感知 かんち するルフィニ終末 しゅうまつ 、真皮 しんぴ の下層 かそう や皮下 ひか 組織 そしき にあり高 たか い感度 かんど で最初 さいしょ に接触 せっしょく を感 かん じるパチニ小体 こてい がある[ 15] 。
また、ケラチノサイト細胞 さいぼう 膜 まく には刺激 しげき を受 う けるとATP と結 むす びついてイオンチャネルを働 はたら かせて内部 ないぶ にカルシウムやナトリウムイオンを透過 とうか させ、電気 でんき 信号 しんごう を発生 はっせい させる物質 ぶっしつ がある。内臓 ないぞう の上皮 じょうひ 細胞 さいぼう に見 み られるこれら物質 ぶっしつ のうち、P2X3という受容 じゅよう 体 たい は表皮 ひょうひ 細胞 さいぼう でも作 つく られ、接触 せっしょく 感知 かんち に関与 かんよ する。
[ 16]
高等 こうとう 動物 どうぶつ の皮膚 ひふ には、感覚 かんかく 性 せい の神経 しんけい 終末 しゅうまつ が達 たっ しており、皮膚 ひふ 感覚 かんかく と呼 よ ばれる感覚 かんかく を得 え る感覚 かんかく 器 き としても働 はたら いている。真皮 しんぴ の神経 しんけい 線維 せんい のうち有 ゆう 髄 ずい 繊維 せんい のAδ でるた 繊維 せんい が、刃物 はもの で切 き られた際 さい などの痛覚 つうかく を感 かん じ取 と り、侵害 しんがい 受容 じゅよう 器 き と呼 よ ばれる。絶縁 ぜつえん 体 たい の鞘 さや 構造 こうぞう を持 も つAδ でるた 繊維 せんい が傷 きず つくと電気 でんき 信号 しんごう が発 はっ し、神経 しんけい を非常 ひじょう に早 はや い速度 そくど で伝 つた わり痛覚 つうかく と認識 にんしき される[ 15] 。動物 どうぶつ の種類 しゅるい や部位 ぶい によってこれらの感覚 かんかく の発達 はったつ の程度 ていど は異 こと なる。
また皮膚 ひふ は免疫 めんえき 機能 きのう へも関与 かんよ する。例 たと えば白血球 はっけっきゅう などで合成 ごうせい される免疫 めんえき 機能 きのう の情報 じょうほう 伝達 でんたつ を司 つかさど るタンパク質 たんぱくしつ のサイトカイン は、紫外線 しがいせん の照射 しょうしゃ や角膜 かくまく 剥離 はくり によってケラチノサイトでも合成 ごうせい ・分泌 ぶんぴつ される[ 17] 。また表皮 ひょうひ 中 ちゅう にはランゲルハンス細胞 さいぼう という樹 き 状 じょう 細胞 さいぼう が散在 さんざい し、細菌 さいきん など異物 いぶつ が皮膚 ひふ 内 ない に侵入 しんにゅう すると感知 かんち し、免疫 めんえき 系 けい へ情報 じょうほう を伝達 でんたつ する[ 18] 。そのほか、ケラチノサイトは神経 しんけい 伝達 でんたつ 物質 ぶっしつ のカテコールアミン 類 るい やβ べーた -エンドルフィン なども合成 ごうせい ・分解 ぶんかい する。これらが持 も つ役割 やくわり ははっきりしないが、皮膚 ひふ 内 ない での情報 じょうほう 伝達 でんたつ を担 にな うという考 かんが えもある[ 19] 。
ほぼすべての動物 どうぶつ の皮膚 ひふ で共通 きょうつう なのは、体 からだ を包 つつ み、体 からだ の形 かたち を維持 いじ していることである。細胞 さいぼう が敷石 しきいし 状 じょう に並 なら んでお互 たが いがしっかりとつながりあったり、細胞 さいぼう 外 がい マトリックスや体 からだ 表 ひょう への分泌 ぶんぴつ 物 ぶつ などの働 はたら きで、体 からだ の内側 うちがわ の構造 こうぞう が外 そと に飛 と び出 だ さないような境界 きょうかい をつくっている。さらに、より厚 あつ く発達 はったつ した皮膚 ひふ を持 も つ動物 どうぶつ では、皮膚 ひふ が体 からだ を保護 ほご し、陸上 りくじょう 生物 せいぶつ では乾燥 かんそう から守 まも るという役割 やくわり を果 は たす[ 1] 。体 からだ の外側 そとがわ から皮膚 ひふ に力 ちから が加 くわ わっても皮膚 ひふ でそれを跳 は ね返 がえ したりできる。また、皮膚 ひふ だけでなく、それに付随 ふずい する構造 こうぞう がこの機能 きのう に大 おお きく役立 やくだ っている場合 ばあい もある。頭髪 とうはつ や体毛 たいもう などの毛 もう 、鳥類 ちょうるい の羽毛 うもう 、爬虫類 はちゅうるい や魚類 ぎょるい の鱗 うろこ 、節足動物 せっそくどうぶつ の外 そと 骨格 こっかく などは皮膚 ひふ の一部 いちぶ が変化 へんか してできたものであり、さらに皮膚 ひふ に強度 きょうど を加 くわ えている。
境界 きょうかい 形成 けいせい と保護 ほご を主 おも に担 にな う部分 ぶぶん が表皮 ひょうひ の角質 かくしつ である[ 8] 。しかしこの角質 かくしつ はセロハンテープ を皮膚 ひふ に貼 は って剥 は がせば簡単 かんたん に剥離 はくり するが、すぐ下 した のケラチノサイトが脂質 ししつ を放出 ほうしゅつ して再生 さいせい が加速 かそく され、1日 にち で80%程度 ていど が回復 かいふく する[ 20] 。また、繰 く り返 かえ し圧迫 あっぱく されるとたこ のように局所 きょくしょ 的 てき に厚 あつ くなることが知 し られる[ 20] 。空気 くうき が乾燥 かんそう した状態 じょうたい に1週間 しゅうかん 程度 ていど 置 お かれると、表皮 ひょうひ は角質 かくしつ の厚 あつ みを増 ま す事 こと も実験 じっけん で確 たし かめられている[ 20] 。その一方 いっぽう で、角質 かくしつ を剥離 はくり させた箇所 かしょ にプラスチックフィルム など水 みず を通 とお さない障害 しょうがい 物 ぶつ を貼 は ると修復 しゅうふく は行 おこな われないが、ゴアテックス では貼 は っても角質 かくしつ は修復 しゅうふく される[ 20] 。このように皮膚 ひふ は環境 かんきょう に対応 たいおう するが、これは神経 しんけい 系 けい や循環 じゅんかん 器 き 系 けい から独立 どくりつ した自己 じこ 適応 てきおう 能力 のうりょく と、保護 ほご 機能 きのう が働 はたら く状態 じょうたい をモニターする能力 のうりょく を、どちらも自立 じりつ 的 てき に備 そな えていることを示 しめ す[ 20] 。
これらの自己 じこ 修復 しゅうふく 能力 のうりょく は、皮膚 ひふ の表面 ひょうめん 電荷 でんか が影響 えいきょう するという説 せつ がある。汗 あせ によって電気 でんき 抵抗 ていこう 値 ね が変化 へんか することは古 ふる くから知 し られ、その原理 げんり は嘘 うそ 発見 はっけん 器 き に応用 おうよう された。しかし近年 きんねん 、唇 くちびる など汗腺 かんせん がない箇所 かしょ や無 む 毛 け マウスでもマイナスの電位差 でんいさ があることが明 あき らかになった[ 21] 。この電荷 でんか は、アジ化 か ナトリウム でケラチノサイトの呼吸 こきゅう を止 と めたり、イオンチャネル を止 と める薬剤 やくざい に浸漬 しんせき すると即座 そくざ になくなる[ 21] 。皮膚 ひふ の電荷 でんか は、角質 かくしつ のすぐ下 か にカリウム やカルシウム のイオン が偏在 へんざい することが生 しょう じ、この電荷 でんか の変動 へんどう をケラチノサイトが感知 かんち することによって修復 しゅうふく が働 はたら くと考 かんが えられる[ 22] 。逆 ぎゃく に外 そと から電荷 でんか を皮膚 ひふ にかけると、マイナスの電荷 でんか では再生 さいせい が早 はや まり、プラスだと遅 おく れることが実験 じっけん で確認 かくにん された[ 22] 。
皮膚 ひふ は物質 ぶっしつ の排泄 はいせつ する役割 やくわり も持 も つ[ 1] 。動物 どうぶつ によって特 とく に大 おお きく異 こと なっている機能 きのう は、皮膚 ひふ の物質 ぶっしつ 透過 とうか 性 せい である。ほとんどの陸上 りくじょう 動物 どうぶつ は、体内 たいない の水分 すいぶん を体外 たいがい に奪 うば われないよう、皮膚 ひふ は水分 すいぶん を通 とお さないようになっている。これはその動物 どうぶつ がどのぐらい乾燥 かんそう した環境 かんきょう に適応 てきおう できるか、ということと密接 みっせつ に関連 かんれん している。それに対 たい し、水中 すいちゅう で生活 せいかつ する動物 どうぶつ の場合 ばあい はもう少 すこ し複雑 ふくざつ である。海中 かいちゅう で生活 せいかつ する動物 どうぶつ の場合 ばあい 、海綿 かいめん 、クラゲ などの比較的 ひかくてき 単純 たんじゅん な動物 どうぶつ であれば、体内 たいない で細胞 さいぼう 外 がい にある液体 えきたい (体液 たいえき )は海水 かいすい とその成分 せいぶん は同 おな じであるため、皮膚 ひふ は海水 かいすい が体内 たいない に入 はい るのを遮断 しゃだん する必要 ひつよう がない。こういう動物 どうぶつ は、逆 ぎゃく に、皮膚 ひふ を通 とお して酸素 さんそ を含 ふく んだ新 あたら しい海水 かいすい を取 と り入 い れたり、老廃 ろうはい 物 ぶつ を含 ふく んだ体液 たいえき を排出 はいしゅつ することも可能 かのう である。しかし、海産 かいさん 魚 ぎょ など、より複雑 ふくざつ な構造 こうぞう を持 も つ動物 どうぶつ になると、体液 たいえき の濃度 のうど は海水 かいすい そのものよりも薄 うす いため、この場合 ばあい には皮膚 ひふ を通 とお して海水 かいすい が浸入 しんにゅう しないように、同時 どうじ に、浸透 しんとう 圧 あつ の差 さ の関係 かんけい で、体内 たいない の水分 すいぶん がより高 たか い塩 しお 濃度 のうど の海水 かいすい に奪 うば われないように、水分 すいぶん をできるだけ通 とお さない構造 こうぞう になっている。逆 ぎゃく に、淡水 たんすい で生活 せいかつ する動物 どうぶつ では、体内 たいない の塩分 えんぶん が重要 じゅうよう であり、これが体外 たいがい へ奪 うば われないようになっている。淡水魚 たんすいぎょ や両生類 りょうせいるい もこれに属 ぞく する。 また、水分 すいぶん の透過 とうか 性 せい のある皮膚 ひふ ではそれに溶 と け込 こ んだ空気 くうき を一緒 いっしょ に透過 とうか させることも可能 かのう である。海中 かいちゅう の無 む 脊椎動物 せきついどうぶつ などのほか、一部 いちぶ の両生類 りょうせいるい などでも発達 はったつ しており、皮膚 ひふ 呼吸 こきゅう と呼 よ ばれる。
皮膚 ひふ は外界 がいかい と体内 たいない との熱 ねつ エネルギーのやり取 と りをする場所 ばしょ でもある[ 1] 。特 とく に、恒温動物 こうおんどうぶつ の皮膚 ひふ では、一定 いってい の体温 たいおん を維持 いじ するために重要 じゅうよう な役割 やくわり を担 にな っている。例 たと えば、体温 たいおん が上昇 じょうしょう しかけると、皮膚 ひふ を走 はし る血管 けっかん へ血液 けつえき がより多 おお く運 はこ ばれるように調節 ちょうせつ し、体外 たいがい へより多 おお くの熱 ねつ を排出 はいしゅつ するようにし、逆 ぎゃく に体温 たいおん が下 さ がりかけると、血管 けっかん は縮 ちぢ み、体外 たいがい へ血液 けつえき の熱 ねつ が奪 うば われるのを抑 おさ える。また、汗腺 かんせん から汗 あせ を分泌 ぶんぴつ し、汗 あせ の蒸発 じょうはつ 時 じ の気化 きか 熱 ねつ を利用 りよう して体温 たいおん を下 さ げる働 はたら きもある[ 13] 。ヒトの場合 ばあい 全身 ぜんしん にあるエクリン腺 せん から分泌 ぶんぴつ される汗 あせ がその役 やく を果 は たすが、ウマ などはアポクリン腺 せん からの汗 あせ で体温 たいおん 調整 ちょうせい を行 おこな う[ 13] 。イヌ は汗 あせ をあまりかかず体温 たいおん 調整 ちょうせい はパンティング (英語 えいご 版 ばん ) (浅 あさ 速 そく 呼吸 こきゅう )を主 おも に使 つか い、ゾウ はその大 おお きな耳 みみ からの放射 ほうしゃ 熱 ねつ を利用 りよう する[ 13] 。
主 おも な刺激 しげき 感覚 かんかく には、温度 おんど 変化 へんか や化学 かがく 物質 ぶっしつ との接触 せっしょく などがある。熱 ねつ や酸 さん などの刺激 しげき 性 せい 化学 かがく 物質 ぶっしつ との接触 せっしょく などは、真皮 しんぴ の神経 しんけい 線維 せんい のうち無 む 髄 ずい 繊維 せんい (C繊維 せんい )に因子 いんし が接触 せっしょく する事 こと で感知 かんち される。この部分 ぶぶん は温度 おんど ・化学 かがく 刺激 しげき 以外 いがい にも接触 せっしょく も感知 かんち する多能 たのう 性 せい を持 も つため、ポリモーダル侵害 しんがい 受容 じゅよう 繊維 せんい と呼 よ ばれる[ 15] 。
表皮 ひょうひ にも熱 ねつ や化学 かがく 刺激 しげき を感知 かんち する能力 のうりょく がある。ケラチノサイト細胞 さいぼう のイオンチャネルを働 はたら かせる受容 じゅよう 体 たい の一 いち 種 しゅ TRPVIは、実験 じっけん から43℃以上 いじょう の温度 おんど 、pH 6.6以下 いか の酸性 さんせい 、トウガラシ に含 ふく まれる辛味 からみ 成分 せいぶん カプサイシン への反応 はんのう が確認 かくにん され、逆 ぎゃく に遺伝子 いでんし 操作 そうさ でTRPVI受容 じゅよう 体 たい を持 も たないマウスにこれら因子 いんし への反応 はんのう が見 み られないことが確認 かくにん された[ 23] 。この他 ほか にも、温度 おんど 52℃以上 いじょう で働 はたら くTRPV2受容 じゅよう 体 たい 、32〜39℃で働 はたら くTRPV3受容 じゅよう 体 たい 、27〜35℃で働 はたら くほかにも浸透 しんとう 圧 あつ や機械 きかい 刺激 しげき にも反応 はんのう するTRPV4受容 じゅよう 体 たい 、25〜28℃で働 はたら きメントール などの爽快 そうかい さを感 かん じ取 と るTRPV8受容 じゅよう 体 たい 、17℃未満 みまん で働 はたら くTRPA1受容 じゅよう 体 たい がケラチノサイトでそれぞれ見 み つかっている[ 23] 。
このほか、皮膚 ひふ が光 ひかり を感知 かんち することは視覚 しかく 障害 しょうがい 者 しゃ の生理 せいり 変化 へんか や実験 じっけん から確 たし かめられ、概 がい 日 び リズム の調整 ちょうせい に膝 ひざ の裏 うら に光 ひかり を当 あ てる治療 ちりょう の効果 こうか が報告 ほうこく されている。ただし、このメカニズムははっきり分 わ かっていない[ 24] 。
皮膚 ひふ は紫外線 しがいせん を受 う けてビタミンD を生 なま 合成 ごうせい する。骨 ほね の形成 けいせい に不可欠 ふかけつ なビタミンDを得 え るため、かつて乳児 にゅうじ には日光浴 にっこうよく をさせるべきと母子 ぼし 手帳 てちょう などにも書 か かれていたが、現在 げんざい は削除 さくじょ されている[ 19] 。これは、通常 つうじょう の生活 せいかつ で生 なま 合成 ごうせい に充分 じゅうぶん な光 ひかり を受 う けられる事 こと や、かえって紫外線 しがいせん が与 あた える悪影響 あくえいきょう が問題 もんだい になるためである[ 19] 。しかし、日本 にっぽん においてはビタミンD不足 ふそく によるくる病 びょう の増加 ぞうか が指摘 してき されている[ 25] 。
上述 じょうじゅつ のように、皮膚 ひふ は非常 ひじょう に繊細 せんさい かつ複雑 ふくざつ な組織 そしき で、かつ自己 じこ 以外 いがい の異物 いぶつ を排除 はいじょ する免疫 めんえき の働 はたら きによって、基本 きほん 的 てき に自己 じこ 自身 じしん 由来 ゆらい の皮膚 ひふ しか生 なま 着 ちゃく しない。熱傷 ねっしょう や放射線 ほうしゃせん 被曝 ひばく で皮膚 ひふ の産 さん 生 せい 機能 きのう が失 うしな われると命 いのち を落 お とすこともある[ 注釈 ちゅうしゃく 1] 。
大 だい 規模 きぼ な皮膚 ひふ 移植 いしょく は、移植 いしょく 用 よう にヒトの皮膚 ひふ を大量 たいりょう に確保 かくほ しなければならないという難題 なんだい を伴 ともな う。ヒトに近 ちか い機能 きのう を持 も った動物 どうぶつ 皮膚 ひふ の植皮 しょくひ も研究 けんきゅう されているが、まだ本格 ほんかく 的 てき な実用 じつよう 化 か に至 いた っていない。
「人工 じんこう 皮膚 ひふ 」も研究 けんきゅう ・製造 せいぞう されている。移植 いしょく 医療 いりょう 用 よう としては、患部 かんぶ から一時 いちじ 的 てき に体 からだ 表 ひょう を覆 おお う代替 だいたい として使用 しよう し、失 うしな われた皮下 ひか 組織 そしき や皮膚 ひふ の再建 さいけん を待 ま たなければならない。このほか、真皮 しんぴ まで含 ふく めたヒトの皮膚 ひふ に近 ちか い構造 こうぞう を持 も ち、医薬品 いやくひん や化粧 けしょう 品 ひん などによるヒトの皮膚 ひふ に対 たい する作用 さよう を調 しら べるための人工 じんこう 皮膚 ひふ も開発 かいはつ されている[ 27] 。
汗腺 かんせん と皮脂 ひし 腺 せん は哺乳類 ほにゅうるい 特有 とくゆう のものだが、他 た の脊椎動物 せきついどうぶつ からも皮膚 ひふ 腺 せん は見 み つかっている。魚類 ぎょるい の多 おお くは皮膚 ひふ に粘液 ねんえき を分泌 ぶんぴつ する細胞 さいぼう があり、保温 ほおん や保護 ほご の役目 やくめ を果 は たしている。中 なか には毒 どく を分泌 ぶんぴつ する腺 せん や発光 はっこう 器 き や、より水 みず っぽい漿液 しょうえき を分泌 ぶんぴつ する細胞 さいぼう を持 も つ種類 しゅるい もいる。両生類 りょうせいるい には粘液 ねんえき を分泌 ぶんぴつ する細胞 さいぼう が集 あつ まって嚢のような腺 せん を形成 けいせい している。また、ほとんどの両生類 りょうせいるい には皮膚 ひふ に粒状 りゅうじょう の腺 せん を持 も ち、刺激 しげき 性 せい または毒性 どくせい の化合 かごう 物 ぶつ を分泌 ぶんぴつ する[ 28] 。
魚類 ぎょるい や両生類 りょうせいるい ・爬虫類 はちゅうるい の皮膚 ひふ からもメラニンは発見 はっけん されているが、表皮 ひょうひ は比較的 ひかくてき 無色 むしょく のものが多 おお い。実際 じっさい に見 み えている体 からだ の色 いろ は真皮 しんぴ の色素 しきそ 胞 のものである場合 ばあい が多 おお く、メラニン以外 いがい にもグアニン やカロテノイド 色素 しきそ が含 ふく まれている事 こと もある。カメレオン やヒラメ など多 おお くの種 たね が、この色素 しきそ 胞の大 おお きさを変 か えてカモフラージュ をする[ 28] 。
鳥類 ちょうるい や爬虫類 はちゅうるい の表皮 ひょうひ は哺乳類 ほにゅうるい に近 ちか く、角質 かくしつ 化 か しケラチンで満 み たされた細胞 さいぼう が水分 すいぶん の蒸散 じょうさん を防 ふせ いでいる。これはヒキガエル のような両生類 りょうせいるい の一部 いちぶ にも見 み られる。しかし、これらの動物 どうぶつ は表皮 ひょうひ から真皮 しんぴ に至 いた る細胞 さいぼう 分化 ぶんか がヒトのような明瞭 めいりょう さがなく、あいまいである。哺乳類 ほにゅうるい の表皮 ひょうひ には少 すく なくとも一層 いっそう の基底 きてい 層 そう と角質 かくしつ 層 そう があるが、ヒトが持 も つような中 なか 間 あいだ 層 そう の明 あき らかな区別 くべつ はつけられない。髪 かみ は哺乳類 ほにゅうるい の表皮 ひょうひ に特有 とくゆう のものであり、羽毛 うもう は少 すく なくとも現在 げんざい まで絶滅 ぜつめつ していない種 たね に限 かぎ れば鳥類 ちょうるい 特有 とくゆう のものである[ 28] 。
鳥類 ちょうるい と爬虫類 はちゅうるい は比較的 ひかくてき わずかな皮膚 ひふ 腺 せん しか持 も たず、爬虫類 はちゅうるい のフェロモン 分泌 ぶんぴつ 細胞 さいぼう やほとんどの鳥類 ちょうるい が持 も つ尾 お 脂 あぶら 腺 せん のように、決 き まった機能 きのう に特 とく 化 か していると考 かんが えられる[ 28] 。