96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう

96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう（きゅうろくしきじそう120ミリはくげきほう）は、陸上りくじょう自衛隊じえいたいが装備そうび、運用うんようする120mm迫撃はくげき砲ほう RTを装そう軌車に車載しゃさいして自じ走はし砲ほう化かした車両しゃりょうである。

96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう

基礎きそデータ
全長ぜんちょう	6.70m
全幅ぜんぷく	2.99m
全ぜん高こう	2.95m
重量じゅうりょう	23.5t
乗員じょういん数すう	5名めい
装甲そうこう・武装ぶそう
主しゅ武装ぶそう	120mm迫撃はくげき砲ほう RT
副ふく武装ぶそう	12.7mm重じゅう機関きかん銃じゅうM2
機動きどう力りょく
速度そくど	50km/h
エンジン	デトロイトディーゼル8V-71T 2ストロークV型がた8気筒きとう液えき冷ひやスーパーチャージド・ディーゼル 411hp/2,300rpm
行動こうどう距離きょり	300km

防衛ぼうえい省しょうは略称りゃくしょうを「120MSP」、広報こうほう向むけ愛称あいしょうを「ゴッドハンマー」としており、配備はいび部隊ぶたい内ないでは「自じ走はし120モーター」などとも呼よばれる。

概要がいよう

陸上りくじょう自衛隊じえいたい唯一ゆいいつの機甲きこう師団しだんである北海道ほっかいどうの第だい7師団しだん第だい11普通ふつう科か連隊れんたいでは、機甲きこう化かされている普通ふつう科か（歩兵ほへい）部隊ぶたいに追従ついしょうする必要ひつよう上じょう、迫撃はくげき砲ほう部隊ぶたいも機甲きこう化かされており、従来じゅうらいは60式しき装甲車そうこうしゃの派生はせい型がたである60式しき自じ走はし107mm迫撃はくげき砲ほうおよび60式しき自じ走はし81mm迫撃はくげき砲ほうが配備はいびされていた。しかし、60式しきは制式せいしき化かから30年ねん以上いじょうが経過けいかし、老朽ろうきゅう化かが著いちじるしいことから、普通ふつう科か連隊れんたい重じゅう迫撃はくげき砲ほう中隊ちゅうたいに配備はいびが始はじまっていた120mm迫撃はくげき砲ほう RTを搭載とうさいする自じ走はし迫撃はくげき砲ほうが開発かいはつされることになった。

開発かいはつは1994年ねん（平成へいせい6年ねん）に開始かいしされ、車体しゃたいに既存きそんの車両しゃりょうを使用しようしたことから翌よく1995年ねん（平成へいせい7年ねん）には試作しさく車しゃが完成かんせいし、1996年ねん（平成へいせい8年ねん）に制式せいしき化かされた。

構造こうぞう

車体しゃたい

車体しゃたいは日立製作所ひたちせいさくしょが生産せいさんを行おこなっている。シャーシは92式しき地雷原じらいげん処理しょり車しゃからの流用りゅうようであり、73式しきけん引いん車しゃ・87式しき砲ほう側がわ弾薬だんやく車しゃともコンポーネントを共有きょうゆうしている。

配置はいちは、前部ぜんぶ左側ひだりがわが機関きかん室しつ、右側みぎがわが操縦そうじゅう士し席せきとなっており、操縦そうじゅう士し席せきの後方こうほうに車くるま長ちょう席せきがある。車体しゃたい後方こうほうは戦闘せんとう室しつとなっており、主おも兵へい装そうである120mm迫撃はくげき砲ほう RTを搭載とうさいする。

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  後方こうほうから見みた戦闘せんとう室しつ付近ふきんの様子ようす
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  車体しゃたい側面そくめんから見みた様子ようす。乗員じょういんの乗車じょうしゃ位置いちが分わかる

兵へい装そう

平成へいせい22年度ねんど富士ふじ総合そうごう火力かりょく演習えんしゅうで120mm迫撃はくげき砲ほう RTによる射撃しゃげきを行おこなう96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう

120mm迫撃はくげき砲ほう RTはタレス・グループ（TDA）で開発かいはつされた迫撃はくげき砲ほうで、豊和工業ほうわこうぎょうがライセンス生産せいさんしたものを搭載とうさいしている。ターン・テーブルに載のせられており、左右さゆう45度どに旋回せんかいが可能かのうだが、基本きほん的てきな構造こうぞうや射撃しゃげき能力のうりょくは普通ふつう科か連隊れんたい重じゅう迫撃はくげき砲ほう中隊ちゅうたいに配備はいびされている車輪しゃりん式しきのものと変かわらないが、車載しゃさい用よう制せい退すさ器うつわが組くみ込こまれている。

射撃しゃげき時ときには戦闘せんとう室しつ上方かみがたと後方こうほうのハッチを開ひらき、後方こうほうに向むかって発射はっしゃ体制たいせいをとる。搭載とうさいする120mm砲弾ほうだんは50発はつで、戦闘せんとう室しつの左右さゆうに格納かくのうされる。

このほか、自衛じえい用ように12.7mm重じゅう機関きかん銃じゅうM2を1丁ちょう、車くるま長ちょう用ようキューポラに装備そうびする。

配備はいび

整列せいれつした96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう

予定よてい通どおり、北海道ほっかいどうの第だい7師団しだん第だい11普通ふつう科か連隊れんたいの重じゅう迫撃はくげき砲ほう中隊ちゅうたいにのみ配備はいびされた。前任ぜんにん装備そうびの60式しき自じ走はし迫撃はくげき砲ほうは第だい7師団しだんのほかにも配備はいびされていることから、更さらに生産せいさんして増ぞう備する構想こうそうもあったが、第だい7師団しだん第だい11普通ふつう科か連隊れんたいに次つぐ配備はいび先さきになる予定よていの第だい2師団しだん第だい3普通ふつう科か連隊れんたいは96式しき装そう輪わ装甲車そうこうしゃを装備そうびする装そう輪わ装甲車そうこうしゃ化か部隊ぶたいとなる計画けいかくになったため、装そう軌車両しゃりょうである本ほん車しゃを装備そうびすることはないとされ、増ぞう備の構想こうそうは解消かいしょうし生産せいさん完了かんりょうとなった。

2002年ねんの最終さいしゅう調達ちょうたつ契約けいやくまでの総そう生産せいさん数すうは24両りょうである。

96式しき自じ走はし迫撃はくげき砲ほう調達ちょうたつ数すう

予算よさん計上けいじょう年度ねんど	調達ちょうたつ数すう
平成へいせい8年度ねんど（1996年ねん）	6両りょう
平成へいせい9年度ねんど（1997年ねん）	6両りょう
平成へいせい10年度ねんど（1998年ねん）	3両りょう
平成へいせい11年度ねんど（1999年ねん）	3両りょう
平成へいせい12年度ねんど（2000年ねん）	3両りょう
平成へいせい13年度ねんど（2001年ねん）	1両りょう
平成へいせい14年度ねんど（2002年ねん）	2両りょう
合計ごうけい	24両りょう

参考さんこう文献ぶんけん

• 自衛隊じえいたい装備そうび年鑑ねんかん 2006-2007 朝あさ雲くも新聞しんぶん社しゃ P57 ISBN 4-7509-1027-9

関連かんれん項目こうもく

• 自じ走はし迫撃はくげき砲ほう
• 60式しき自じ走はし107mm迫撃はくげき砲ほう
• 60式しき自じ走はし81mm迫撃はくげき砲ほう
• 120mm迫撃はくげき砲ほう RT

外部がいぶリンク

• 陸上りくじょう自衛隊じえいたい - 96式しき自じ走はし120mm迫撃はくげき砲ほう