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迫撃砲 - Wikipedia

迫撃はくげきほう(はくげきほう、えい: mortar臼砲きゅうほうどうかたり)は、簡易かんい構造こうぞうからなる火砲かほうたかかくをとることから砲弾ほうだんおおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどう[ちゅう 1]えがく。

120mm迫撃はくげきほうM120で砲撃ほうげきする米兵べいへい「イラクの自由じゆう作戦さくせん)。そこばん反動はんどう地面じめんつたえる様子ようすかる

しょう人数にんずう運用うんようでき操作そうさ比較的ひかくてき簡便かんべんなため、砲兵ほうへいではなく歩兵ほへい装備そうびであることが一般いっぱんてきで、最前線さいぜんせん戦闘せんとう部隊ぶたいにとっては数少かずすくない間接かんせつ照準しょうじゅんによるじききょう支援しえん火器かきひとつである。

射程しゃてい犠牲ぎせいにしてほうこう初速しょそく[ちゅう 2]ひくおさえることで、各部かくぶ必要ひつよう強度きょうど低減ていげん全体ぜんたい小型こがたかつ軽量けいりょうにできる。また、射撃しゃげき反動はんどう地面じめん吸収きゅうしゅうさせる方式ほうしきによるためちゅう退すさふくといった反動はんどう制御せいぎょ機構きこう省略しょうりゃくし、機構きこう簡素かんそすることができる。おおくはほうこう装填そうてんしきぜんそうしき)のため閉鎖へいさ不要ふようであり、どう口径こうけい[ちゅう 3]榴弾りゅうだんほうくらきわめて軽量けいりょう・コンパクトである。小中こなか口径こうけい迫撃はくげきほう分解ぶんかいして携行けいこうでき、120 mmクラスのじゅう迫撃はくげきほう小型こがた車輌しゃりょう牽引けんいんできるなど搬性にすぐれる。

ひく命中めいちゅう精度せいどみじか射程しゃていといった短所たんしょもあるが、軽量けいりょうおおきな破壊はかいりょくをもち、速射そくしゃせいたかく、安価あんか生産せいさんせいすぐれるなど、おおくの長所ちょうしょゆうしている。そのため、かつて師団しだん砲兵ほうへい標準ひょうじゅんてき装備そうびひとつであった105 - 122 mmクラスの榴弾りゅうだんほう近年きんねんでは120 mm迫撃はくげきほう更新こうしんされつつあり、このこともほんほう有用ゆうようせいしめしている。

本稿ほんこうでは、もっと一般いっぱんてきな81 mmおよび120 mmクラスの(はししきでない)迫撃はくげきほう中心ちゅうしんに、その迫撃はくげきほう火砲かほうとの比較ひかくさら古代こだい曲射きょくしゃ弾道だんどう兵器へいきから迫撃はくげきほういた発展はってん歴史れきしなどについても敷衍ふえんする。

火砲かほう射程しゃてい弾道だんどう特性とくせいによって大別たいべつしたしき
(1)対戦たいせんしゃほうおよ戦車せんしゃほう)はとおるきのえだんひとしによって目標もくひょう装甲そうこう貫徹かんてつすることがしゅ目的もくてきで、かく水平すいへいちか砲弾ほうだんていしん弾道だんどうをとる。また、(2)対空たいくうほうは「よりたかく」、(5)野砲やほうカノンほうのう)は「よりとおく」へ砲弾ほうだん到達とうたつさせることがもとめられる。カノンほう後述こうじゅつする榴弾りゅうだんほう一般いっぱんてき弾道だんどうは擲射弾道だんどうぶ。
(1)(2)(5)はかくことなるだけで、いずれも砲弾ほうだんこう初速しょそく発射はっしゃする"gun"、つまり広義こうぎのカノンほうふくまれちょう砲身ほうしんである。したがって、対戦たいせんしゃ戦闘せんとう可能かのう対空たいくうほうやカノンほう存在そんざいし、とく現代げんだいかんほう遠距離えんきょり砲戦ほうせんをはじめ至近しきんでの水平すいへい射撃しゃげきから対空たいくう戦闘せんとうまで幅広はばひろくカバーする。
これらとくらべ、(3)迫撃はくげきほう臼砲きゅうほう)の砲弾ほうだんおおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどうえがき、ほうこう初速しょそくひくおさえているため射程しゃていみじかい。空気くうき抵抗ていこう安定あんていつばさ使用しようによって着弾ちゃくだん角度かくど垂直すいちょくちかくなる。
狭義きょうぎの(4)榴弾りゅうだんほうはカノンほうくらたん砲身ほうしんてい初速しょそく最大さいだい射程しゃていみじかい。ただし、榴弾りゅうだんほうとカノンほう定義ていぎ曖昧あいまい[ちゅう 4]で、現代げんだいでは榴弾りゅうだんほうちょう砲身ほうしんにより野砲やほう・カノンほう消滅しょうめつ統合とうごうされ、(4)(5)ともに"howitzer"と名付なづけられるれいおおい。
なお、たい戦車せんしゃほう対空たいくうほう機関きかんほうのぞく)は現在げんざいおおくの軍隊ぐんたいミサイル代替だいたいされている。


構造こうぞう

編集へんしゅう
M2 60mm 迫撃はくげきほうだい世界せかい大戦たいせん代表だいひょうてきけい迫撃はくげきほう
L16 81mm 迫撃はくげきほう現代げんだい代表だいひょうてきちゅう口径こうけい迫撃はくげきほうひとつであり、軽量けいりょうかつちょう射程しゃていられる。非対称ひたいしょう支持しじ特徴とくちょう
120mm迫撃はくげきほう RT現代げんだい代表だいひょうてきじゅう迫撃はくげきほうひとつであり、牽引けんいんようのトレーラーがほう一体いったいになっており、迅速じんそく移動いどう展開てんかい可能かのうである。単位たんい時間じかんあたりの炸薬さくやく投射とうしゃりょう自重じちょう7t以上いじょうの155mm榴弾りゅうだんほう凌駕りょうがする

ほう本体ほんたい

編集へんしゅう

81mmクラスのちゅう口径こうけい迫撃はくげきほう各部かくぶ分解ぶんかいしてすうめい兵員へいいん運搬うんぱんでき、また、120mmクラスのじゅう迫撃はくげきほうでは支持しじほう)の構造こうぞうがやや複雑ふくざつになり牽引けんいんようのトレーラー[ちゅう 5]くわわることもおおいが、基本きほん構造こうぞう同一どういつである。

迫撃はくげきほうおも口径こうけいは、60mm・81mm・82mm[ちゅう 6]・107mm・120mmであり、#分類ぶんるいべるように、かく階梯かいていおうじた口径こうけいのものが配備はいびされている。現代げんだいでも実戦じっせん配備はいびされている最大さいだい口径こうけいのものはロシアの240mmじゅう迫撃はくげきほう2B8で、同国どうこくはし迫撃はくげきほうである2S4チュリパンにもどうほう搭載とうさいされている。また、フィンランドイスラエルには160mmじゅう迫撃はくげきほう存在そんざいする。

火砲かほうくらべてみじかつつじょうの「砲身ほうしん(barrelまたはcannon)」、きゃくによって砲身ほうしんささえる「支持しじ(bipodまたはmount)」、ほう接合はぎあわされた「そこばん(base plate)」の、おもに3つのコンポーネントで構成こうせいされる。

砲身ほうしん
砲身ほうしんちょう一般いっぱん火砲かほうくらみじかく、おおむね20口径こうけい未満みまん[ちゅう 7]であり、たとえばL16A2なら砲身ほうしんちょうは1.28mでおおむね15.8口径こうけいMO120RT砲身ほうしんちょうは2.08mでおおむね17.3口径こうけいである。砲身ほうしん構造こうぞう自体じたい単純たんじゅんであるが、軽量けいりょうするためにくあつうすく、また砲弾ほうだんがいみちほう内径ないけい公差こうさ射撃しゃげき精度せいど左右さゆうするために、こう品位ひんい鋼材こうざい精密せいみつ加工かこうする必要ひつようがある。一部いちぶ迫撃はくげきほうには冷却れいきゃくりょくすため、砲身ほうしん外周がいしゅう放熱ほうねつフィンがきざまれている。
砲身ほうしん内部ないぶほどこせじょうされていないすべり腔砲であることがおおい。そもそも迫撃はくげきほうひくほうこう初速しょそく曲射きょくしゃ弾道だんどうであることから、ライフリングによって砲弾ほうだん旋転せんてんさせることでられる弾道だんどう安定あんてい効果こうかひくい。飛翔ひしょうちゅう砲弾ほうだん弾道だんどう安定あんていさせるのは、砲弾ほうだんけられた安定あんていつばさによるが、この方式ほうしき横風おうふう影響えいきょうやすいため命中めいちゅう精度せいどがやや低下ていかする。
ただし、だい世界せかい大戦たいせんアメリカ使用しようしたM2 107mm迫撃はくげきほうやその後継こうけいM30 107mm迫撃はくげきほう陸上りくじょう自衛隊じえいたい装備そうびしているフランスせい120mm迫撃はくげきほう RT砲身ほうしんはライフリングされており、たまたい旋転せんてん安定あんてい方式ほうしきをとるため、迫撃はくげきほうすべすべり砲身ほうしんというわけではない。
支持しじ
支持しじきゃく支柱しちゅう構成こうせいされ砲身ほうしん中央ちゅうおう付近ふきん接合せつごうし、そこばんわせて砲身ほうしんさんてん支持しじする態様たいようをとることがおおい。しかし、一部いちぶ迫撃はくげきほうなかにはきゃくもちいずに、支柱しちゅう直接ちょくせつそこばん接合せつごうされたものもある。支柱しちゅうには、照準しょうじゅんほう俯仰ふぎょう上下じょうげ)を操作そうさするステアリングとうけられる。
そこばん
射撃しゃげき反動はんどうそこばんかいして地面じめん吸収きゅうしゅうさせる方式ほうしきをとり、そこばん接地せっちめんつよ固定こていされることがのぞましい。だい大戦たいせんまえまでは、M2 60mm 迫撃はくげきほうのように四角形しかっけいそこばん一般いっぱんてきであり、この場合ばあいかく左右さゆうおおきく変更へんこうする場合ばあいほうなお必要ひつようがあった。しかし、ソビエト連邦れんぽう82mm迫撃はくげきほうBM-37円形えんけいそこばん導入どうにゅうしたことにより、ほうそこばん接合せつごう付近ふきん中心ちゅうしんほう旋回せんかいさせることで、ぜんしゅう360射撃しゃげきできるようになった。120mm迫撃はくげきほう RTの場合ばあいほうはトレーラーもねているが、タイヤを左右さゆうそれぞれぎゃく方向ほうこう回転かいてんさせることで人力じんりきでも容易よういほう旋回せんかいさせることができ、ちょんあまねしゃかい確保かくほしている。

すぐれた設計せっけい思想しそう

編集へんしゅう
 
155mm榴弾りゅうだんほうM198(比較ひかくのため掲載けいさい
そう重量じゅうりょうは7tをえ、ちゅう退すさふく平衡へいこう閉鎖へいさはたほうなど大掛おおがかりな各種かくしゅ構造こうぞうが覗える。しかし、単位たんい時間じかんあたりの炸薬さくやく投射とうしゃりょうくらべると、重量じゅうりょう600kg未満みまんの120mm迫撃はくげきほうMO120RTがM198のやく4ばいものだい火力かりょくをもつ。(後述こうじゅつ
ただし射程しゃていではおおきくおとり、M198の最大さいだい射程しゃてい30,000mにしてMO120RTは13,000mにぎない。(いずれもRAP使用しよう

冒頭ぼうとうべたように、ほうこう初速しょそくひくおさえたうえで、射撃しゃげき反動はんどう地面じめん吸収きゅうしゅうさせるというてんが、火砲かほうことなるもっと重要じゅうよう特徴とくちょうであり、おおきな仰角ぎょうかくをとって射撃しゃげきするのはこのためである。

通常つうじょう火砲かほうは、抵抗ていこうをかけながら砲身ほうしんこう(スライド)させることで発射はっしゃ反動はんどう緩衝かんしょうする「ちゅう退すさ」、させた砲身ほうしんもと位置いちもどす「ふく[ちゅう 8]ほう俯仰ふぎょう円滑えんかつにするため砲身ほうしんのバランスをとる「平衡へいこう」、そうやく燃焼ねんしょうガスがくすりしつから漏出ろうしゅつするのをふせぐ「閉鎖へいさ」、およびこれらの機構きこう砲身ほうしんふくめたおおきな重量じゅうりょう支持しじするための堅牢けんろうな「ゆら」・「ほう」などが必要ひつようである。(155mm榴弾りゅうだんほうM198の画像がぞう参照さんしょう

迫撃はくげきほうは、前述ぜんじゅつ反動はんどう吸収きゅうしゅう方式ほうしきによってちゅう退すさふく省略しょうりゃくまたは簡素かんそできるため、どう口径こうけい榴弾りゅうだんほうくらきわめて軽量けいりょうかつコンパクトにおさまる。くわえて、ひく初速しょそく各部かくぶ強度きょうどおさえることを可能かのうにし、それだけ砲身ほうしんにくあつうすくするなど、軽量けいりょう小型こがた寄与きよする。砲身ほうしんかる俯仰ふぎょう仕組しくみもシンプルなため、平衡へいこう不要ふようである。

また、こうそうしき火砲かほうそうやく爆発ばくはつしょうじる高圧こうあつ燃焼ねんしょうガスを密閉みっぺいするためほうたいあつ気密きみつ構造こうぞう閉鎖へいさ機構きこうもうけるが、弾薬だんやく装填そうてんするためには容易ようい開閉かいへいできねばならず、これらの相反あいはんする機能きのう両立りょうりつさせる必要ひつようがある。このため、閉鎖へいさ製作せいさくにはたか工作こうさく精度せいど要求ようきゅうされるが、ほうこう装填そうてんしきぜんそうしき)の迫撃はくげきほう閉鎖へいさ不要ふよう短期間たんきかんかつ安価あんか製造せいぞうできる。

砲弾ほうだん砲身ほうしんないすべとすだけの落発しきによるため速射そくしゃ能力のうりょくたかく、迫撃はくげきほうはこれらのすぐれた着想ちゃくそうわせた画期的かっきてき火砲かほうである。

なお、車載しゃさいがた迫撃はくげきほうでは車輌しゃりょうサスペンションあたえる衝撃しょうげき疲労ひろう軽減けいげんするため簡易かんいてきちゅう退すさふくをもつ場合ばあいがある。だい口径こうけいもしくはちょう砲身ほうしん迫撃はくげきほうでも同様どうよう。また、こうそうしき場合ばあい当然とうぜん閉鎖へいさもうけられる。

砲弾ほうだん

編集へんしゅう
 
81mm迫撃はくげきほうおも砲弾ほうだん
うえからM374A2榴弾りゅうだん(HighExplosive)、M375A2発煙はつえんだん(WhitePhosphorus)、M301A3照明しょうめいだん(Illumination)

迫撃はくげきほう砲弾ほうだんたまたい発射はっしゃやく一体化いったいかされたカートリッジ方式ほうしきであり、榴弾りゅうだんほうられるような砲弾ほうだんくすり嚢(そうやくつつんだふくろ)がべつになった分離ぶんり装填そうてん方式ほうしきをとらない。ただし、射程しゃてい延伸えんしんはかるため、発射はっしゃやくとう増加ぞうか発射はっしゃやくを1から複数個ふくすうこけるモジュール方式ほうしきることが一般いっぱんてきで、そのかずによって射距離しゃきょり調節ちょうせつできる。増加ぞうか発射はっしゃやく使つかわず、発射はっしゃやくだけでも射撃しゃげき可能かのうである。増加ぞうか発射はっしゃやくはリングじょうふくろじょうのものをたまたい後部こうぶけるか、ふくろじょうのものを安定あんていつばさあいだはさむことで装着そうちゃくする。ライフリングされたほう場合ばあい安定あんていつばさ不要ふようなため、その部分ぶぶん増加ぞうか発射はっしゃやくけることもある。

発射はっしゃやくとう側面そくめんには多数たすうしょうあなもうけられており、そこから噴出ふんしゅつした燃焼ねんしょうガスが増加ぞうか発射はっしゃやく点火てんかする。発射はっしゃやくとう増加ぞうか発射はっしゃやく燃焼ねんしょうガスは砲弾ほうだん後半こうはん部分ぶぶん加圧かあつし、ほうこうかって推進すいしんさせる。

ゆうつばさだん場合ばあいほうがい弾道だんどう安定あんていさせるために、安定あんていつばさ加工かこう組立くみたて精度せいどくわえて、たまたい鋳造ちゅうぞう精度せいど重要じゅうようとなる。

迫撃はくげきほうもちいられるおも砲弾ほうだん榴弾りゅうだん発煙はつえんだん照明しょうめいだんであり、派生はせいがたとして対人たいじんよう破片はへん榴弾りゅうだん焼夷弾しょういだん用意よういされている。おおむ榴弾りゅうだんほうおなだんしゅそろっており、兵員へいいん装甲車そうこうしゃりょうなどのソフト・ターゲットを目標もくひょうとする。また、近年きんねんでは、ストリックス迫撃はくげき砲弾ほうだんたい装甲そうこう破片はへん榴弾りゅうだん(PRAB)などのたい装甲そうこうだん開発かいはつ配備はいびされている。

能力のうりょく特性とくせい

編集へんしゅう
迫撃はくげきほうそこばんはこ兵士へいし
ちゅう口径こうけいクラスまでの迫撃はくげきほうは、このように分解ぶんかいして運搬うんぱんすることが可能かのう現代げんだいでも、迫撃はくげきほう歩兵ほへい携行けいこうできるもっと強力きょうりょく支援しえん火器かきである
べいぐんじゅう迫撃はくげきほう陣地じんち朝鮮ちょうせん戦争せんそう
後方こうほう大量たいりょう砲弾ほうだん集積しゅうせきされているが、この程度ていど弾薬だんやく急速きゅうそく射撃しゃげきおこなえばすうふんくしてしまうほど迫撃はくげきほう速射そくしゃ能力のうりょくたか
モンテ・カッシーノ撮影さつえいされた、ドイツ空軍くうぐん空挺くうていへい操作そうさする迫撃はくげきほう砲弾ほうだん砲身ほうしん装填そうてんされた直後ちょくご一瞬いっしゅんをとらえた写真しゃしんで、砲弾ほうだん装着そうちゃくされた増加ぞうか発射はっしゃやくしろうつっている。砲弾ほうだん砲身ほうしんそこまで落下らっかしたら発射はっしゃされるので、砲手ほうしゅたち発砲はっぽうおんほうくちえんそなえている。
迫撃はくげきほうおおきな仰角ぎょうかくをとって射撃しゃげきする曲射きょくしゃ弾道だんどうをとるため、ほう露出ろしゅつせずに設置せっちして射撃しゃげきすることができる
梱包こんぽうされた砲弾ほうだん弾薬だんやくばこ
写真しゃしんは81mm迫撃はくげきほうしろりん発煙はつえんだん訓練くんれんちゅう光景こうけい迫撃はくげきほう様々さまざま用途ようと使つかわれるため、弾薬だんやく消費しょうひやすく、大量たいりょう補給ほきゅう必要ひつようである
近接きんせつ支援しえん射撃しゃげきちゅう迫撃はくげきほうイタリア戦線せんせん
写真しゃしんべいぐんの81mm迫撃はくげきほうM1で、歩兵ほへい大隊だいたい随伴ずいはんして行動こうどうし、大隊だいたいの3歩兵ほへい中隊ちゅうたい近接きんせつ支援しえんする。砲兵ほうへいことなり、ちゅう口径こうけいまでの迫撃はくげきほう歩兵ほへいじききょうできることがおおきな特徴とくちょうである
密林みつりんせんにおける迫撃はくげきほう陣地じんち(ニューギニア)
ジャングルでは密生みっせいした木々きぎ弾道だんどう障害しょうがいとなるが、迫撃はくげきほうだん直角ちょっかくちか角度かくど落下らっかするため、榴弾りゅうだんほうなどにくら砲撃ほうげき効果こうかたかくなる

外観がいかんなどの特徴とくちょうについては「構造こうぞう」のふししるしたため、ここでは性能せいのうじょう特性とくせいについてしるす。なお、ひとつの項目こうもく長所ちょうしょ短所たんしょ両方りょうほう包含ほうがんする場合ばあいがあることに留意りゅうい

みさおようせい
構造こうぞうがシンプルで操作そうさ簡便かんべんであることから高度こうど砲兵ほうへい教育きょういくようさず、一般いっぱん歩兵ほへい比較的ひかくてき短期間たんきかん訓練くんれんあつかえる。また、どう口径こうけい榴弾りゅうだんほうしてきわめて軽量けいりょうのため搬性にすぐれ、迅速じんそく展開てんかい陣地じんち転換てんかんおこな機動きどうてき運用うんようできる。運用うんようようする兵員へいいんすうすくない。
口径こうけい60mmや81mmクラスのものは分解ぶんかいしてすうめい兵員へいいん運搬うんぱんできるため、中隊ちゅうたいレベルなど最前線さいぜんせん歩兵ほへい部隊ぶたい運用うんようできる数少かずすくない火力かりょく支援しえん兵器へいきひとつであり、自衛隊じえいたいをはじめ、現代げんだい軍隊ぐんたいでも多用たようされている。
速射そくしゃ能力のうりょく
照準しょうじゅん調整ちょうせいしたのち砲弾ほうだん砲身ほうしんないとしむだけというシンプルな射撃しゃげきメカニズム(落発しき)であり、一定いってい時間じかんないによりおおくの射撃しゃげきができる。また、前述ぜんじゅつ反動はんどう吸収きゅうしゅう方式ほうしきによるため、おおくの迫撃はくげきほう射撃しゃげきちゅう退すさふくようする工程こうてい不要ふようとなる。
一般いっぱんに、持続じぞく射撃しゃげきにおいてまいぶん10はつ前後ぜんこう発射はっしゃでき、緊急きんきゅうきゅう速射そくしゃげきでは短時間たんじかんかぎられるがばいちか発射はっしゃ可能かのうである。
たとえば、L16A2場合ばあい持続じぞく射撃しゃげき15はつ/ぶん急速きゅうそく射撃しゃげき30はつ/ぶん120mm迫撃はくげきほう RT場合ばあい持続じぞく射撃しゃげき12はつ/ぶん急速きゅうそく射撃しゃげき20はつ/ぶんものたか速射そくしゃ能力のうりょくつ。
破壊はかいりょく
ほうこう初速しょそくひくおさえていることから射撃しゃげき衝撃しょうげきちいさく、砲身ほうしんだけでなく砲弾ほうだんがいからにくあつうすくできるため、それだけ炸薬さくやくりょう増加ぞうかできる。砲弾ほうだん爆発ばくはつエネルギーは炸薬さくやくりょう依存いぞんするため、どう口径こうけいほか火砲かほうして1はつあたりの破壊はかいりょくおおきい。たか速射そくしゃ性能せいのうわせ、単位たんい時間じかんあたりの炸薬さくやく投射とうしゃりょうおおく、ひく命中めいちゅう精度せいど補完ほかんしている。
上記じょうき榴弾りゅうだん場合ばあいとおるきのえだんのような運動うんどうエネルギーを利用りようする砲弾ほうだんのぞく。なお、榴弾りゅうだんばくえんばくふうではなくたまから破片はへんによって軟目標もくひょう殺傷さっしょう目的もくてきとするため、炸薬さくやくたまからあつさはバランスが重要じゅうよう単純たんじゅん炸薬さくやくりょうおおければいというわけではない)
たとえば、120mm迫撃はくげきほう RTで使用しようする榴弾りゅうだんPR14は砲弾ほうだん重量じゅうりょうが18.5kgで炸薬さくやくはそのうちやく4.5kg、一方いっぽうべいぐんM198 155mm榴弾りゅうだんほう使用しようする榴弾りゅうだんM107砲弾ほうだん重量じゅうりょうやく44kgで炸薬さくやくはそのうち7kg前後ぜんこうである。120mm迫撃はくげきほう RTの発射はっしゃ速度そくどまいぶん12はつ、M198の発射はっしゃ速度そくどまいぶん2はつであり(いずれも持続じぞく射撃しゃげき)、単位たんい時間じかんあたりの炸薬さくやく投射とうしゃりょう比較ひかくすると120mm迫撃はくげきほう RTはM198の4ばいちかおおきな火力かりょくゆうする。
費用ひようたい効果こうか
簡易かんい構造こうぞうであり、火砲かほうくら各部かくぶ強度きょうどをそれほど必要ひつようとしないため、ていコスト・短期間たんきかん製造せいぞうできる。また、初速しょそくひくいために砲身ほうしん命数めいすう寿命じゅみょう)がながく、砲身ほうしん交換こうかんようする運用うんようコストもおさえられる。また、砲弾ほうだん重量じゅうりょうたいする発射はっしゃやくそうやく)のりょうすくなく、炸薬さくやくりょうおおいことなど、コスト・パフォーマンスが非常ひじょうい。
ただし、汎用はんようせいたかいがゆえ頻繁ひんぱんもちいられ、めん制圧せいあつ兵器へいきという特性とくせいからも砲弾ほうだん大量たいりょう消費しょうひしがちで弾薬だんやくコストは増加ぞうかする。
曲射きょくしゃ弾道だんどう
砲弾ほうだんおおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどうえが垂直すいちょくちか角度かくど着弾ちゃくだんすることから、遮蔽しゃへいぶつによって防御ぼうぎょされた目標もくひょうたいして直上ちょくじょうから攻撃こうげきできる。防御ぼうぎょ一般いっぱん正面しょうめん優先ゆうせんすることがおおいため、上方かみがたへの攻撃こうげき効果こうかたかい。また、砲弾ほうだん落下らっか角度かくど垂直すいちょくちかいほど、たまから破片はへん効率こうりつ飛散ひさんするため殺傷さっしょう効果こうかたかい。
おおきな仰角ぎょうかくをとって射撃しゃげきすることから、ほう塹壕ざんごう掩体などの防御ぼうぎょ陣地じんちない設置せっちしてそのまま射撃しゃげきでき、たか防壁ぼうへき稜線りょうせん後背こうはい位置いちする目標もくひょう攻撃こうげきできる。また、森林しんりんやジャングルなど樹木じゅもく密生みっせいした戦場せんじょうにおいて、榴弾りゅうだんほう弾道だんどうでは木々きぎみき砲弾ほうだん接触せっしょくしてしまうが、迫撃はくげきほうならしげったけてジャングルの下地したじ着弾ちゃくだんさせることができる。
たとえば、ビルマ戦線せんせん(1945ねん)の英軍えいぐん迫撃はくげきほうほうやくつことに気付きづき、おおくの火砲かほう迫撃はくげきほうかわそうした。また、ベトナム戦争せんそうでもべいぐん迫撃はくげきほう重視じゅうしし、地上ちじょう部隊ぶたい大量たいりょう迫撃はくげきほう配備はいびしている[1]
射程しゃてい距離きょり
ほうこう初速しょそくひくうえおおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどうをとることから、必然ひつぜんてき射程しゃていみじかい。ぜん各項かくこうは、ほとんどが射程しゃてい犠牲ぎせいにしてられる利点りてんである。
ただし、ぐん砲兵ほうへい師団しだん砲兵ほうへいなどの長距離ちょうきょり火力かりょく支援しえん部隊ぶたいは、あやまおそれがあるため、友軍ゆうぐん近接きんせつした目標もくひょう砲撃ほうげきできない。そのため、大隊だいたい中隊ちゅうたい配備はいびされた迫撃はくげきほう砲兵ほうへいのカバーできない範囲はんい近接きんせつ火力かりょく支援しえんおこなう。つまり、任務にんむことなるため、みじか射程しゃてい一概いちがい短所たんしょとはえない。
なお、近年きんねんではロケット・アシストだん(RAP)の登場とうじょうによって射程しゃてい延伸えんしん可能かのうとなっている。
命中めいちゅう精度せいど
安定あんていつばさ使つか砲弾ほうだん横風おうふう影響えいきょうやすく、砲弾ほうだん弾道だんどう頂点ちょうてんたっしたのち自由じゆう落下らっかながいため、おな射距離しゃきょりであれば火砲かほうくら命中めいちゅうりつひくい。CEP半数はんすう必中ひっちゅうかい)を比較ひかくすると、たとえば155mm榴弾りゅうだんほうのCEPは射程しゃてい20kmの場合ばあい300mであり、一方いっぽう、120mm迫撃はくげきほうのCEPは射程しゃてい7kmでも636mとおおきくおとる。ただし、命中めいちゅう精度せいど距離きょり反比例はんぴれいして向上こうじょうし、81mm迫撃はくげきほうのCEPは射程しゃてい2kmの場合ばあい75mのため近接きんせつ支援しえん火器かきとして十分じゅうぶん使用しよう可能かのうである。[疑問ぎもんてん]
この命中めいちゅう精度せいどひくさと1はつあたりの炸薬さくやくりょうおおさがあいまった結果けっかとして、火力かりょく支援しえんきんせり距離きょり弾着点だんちゃくてんをどこまで味方みかた地上ちじょう部隊ぶたいちかづけられるか)が榴弾りゅうだんほうよりもながくなることもある。
きんせり距離きょり負傷ふしょう公算こうさん関係かんけい
使用しようほう 負傷ふしょう公算こうさんが10%となるきんせり距離きょり [m] 負傷ふしょう公算こうさんが0.1%となるきんせり距離きょり [m]
1/3射程しゃてい 2/3射程しゃてい 最大さいだい射程しゃてい 1/3射程しゃてい 2/3射程しゃてい 最大さいだい射程しゃてい
M224 60mm 迫撃はくげきほう 60 65 65 100 150 175
M252 81mm 迫撃はくげきほう 75 80 80 165 185 230
M120/121 120mm 迫撃はくげきほう 100 100 100 150 300 400
M102/M119 105mm榴弾りゅうだんほう 85 85 90 175 200 275
M109/M198 155mm榴弾りゅうだんほう 100 100 125 200 280 450
155mmDPICMたま 150 180 200 280 300 475
出典しゅってん - GlobalSecurity.org. “FM 3-90.2 Appendix G, Fires Integration” (英語えいご). 2011ねん8がつ16にち閲覧えつらん
迫撃はくげきほう主要しゅよう役割やくわりひとつが制圧せいあつ射撃しゃげきであり、たとえ直撃ちょくげきできなくとも目標もくひょう退避たいひさせ、戦闘せんとう行動こうどう抑制よくせいされる状態じょうたいにあれば制圧せいあつ目的もくてきたっしたことになる。そもそも迫撃はくげきほう対戦たいせんしゃほうのようなピンポイントの精密せいみつ射撃しゃげきではなくめん制圧せいあつ目的もくてきとしたほうであり、当然とうぜん移動いどう目標もくひょうたいする攻撃こうげき不向ふむきである。
また、近年きんねんでは、XM395(CEPはGPS/INS誘導ゆうどうで118m、レーザー誘導ゆうどう[ちゅう 9]で2m以下いか[2])などの誘導ゆうどうほうだん開発かいはつされており、非常ひじょう精密せいみつ射撃しゃげき可能かのうである。また、スウェーデンSTRIX赤外線せきがいせん映像えいぞうによる目標もくひょう識別しきべつ能力のうりょくをもち、移動いどう目標もくひょうであっても自己じこ誘導ゆうどう命中めいちゅうするたか精度せいどつ。ただしこの場合ばあい砲弾ほうだんのコストは増大ぞうだいする。現在げんざいでは安価あんか小型こがたドローンとうたま位置いち修正しゅうせいすることで精度せいど向上こうじょうさせることが可能かのうになった。
たま速度そくど
ひく初速しょそくおおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどうをとるため、飛翔ひしょう時間じかんながくなり、たいほうはさまレーダー射撃しゃげき位置いち捕捉ほそくされやすい。同様どうように、発射はっしゃおん砲弾ほうだん飛翔ひしょうおんこえてから着弾ちゃくだんまでの時間じかん比較的ひかくてきながく、目標もくひょう退避たいひ態勢たいせいをとられる可能かのうせいたかくなる(発射はっしゃおん認識にんしきできるかかは、射程しゃてい地形ちけい天候てんこうなどにもよる)。
ただし、たま速度そくどおそいということは爆発ばくはつ衝撃しょうげき地面じめん吸収きゅうしゅうされにくくなることでもあり、爆発ばくはつ効果こうかおよ範囲はんいひろくなる。口径こうけい60mmクラスの迫撃はくげきほうですら、開闢かいびゃくなどの理想りそうてき条件下じょうけんかであれば殺傷さっしょう半径はんけいは20mにたっする[1]
貫徹かんてつりょく
砲弾ほうだん運動うんどうエネルギーで目標もくひょう貫徹かんてつするほうではないため、迫撃はくげきほう使用しようするたましゅには通常つうじょうとおるきのえだん」は用意よういされない。このため、あつ防御ぼうぎょほどこされた掩体や装甲そうこう車両しゃりょうなど、ハード・ターゲットの撃破げきはには不向ふむきである。
ただし、近年きんねんでは成形せいけい炸薬さくやくだんによる平射へいしゃ可能かのうなガンモーターや既存きそんの120mm迫撃はくげきほう使用しよう可能かのう対戦たいせんしゃ迫撃はくげきほうだん、また、けい装甲車そうこうしゃりょうなら十分じゅうぶん撃破げきは可能かのうたい装甲そうこう破片はへん榴弾りゅうだん(PRAB)などが開発かいはつされ、「かた目標もくひょう不得手ふえて」というかつての定義ていぎわりつつある。

代表だいひょうてき迫撃はくげきほう主要しゅようしょもと

編集へんしゅう

記事きじちゅう説明せつめい補完ほかんするため、代表だいひょうてき迫撃はくげきほう主要しゅようしょもと以下いかかかげる。なお、下段げだん比較ひかくのためにかかげるほか火砲かほう主要しゅようしょもとである。

凡例はんれい 「重量じゅうりょう」はほう本体ほんたい一体化いったいかされたトレーラーなどのそう重量じゅうりょう、「要員よういん」は運搬うんぱんおよび操作そうさようする最低さいてい兵員へいいんすう、「射程しゃてい」は通常つうじょうだん使用しよう最大さいだい射程しゃてい、「RAP」はロケット・アシストだん使用しよう最大さいだい射程しゃてい、「持続じぞく」は持続じぞく射撃しゃげき最大さいだい射撃しゃげき回数かいすう、「急速きゅうそく」は急速きゅうそく射撃しゃげき最大さいだい射撃しゃげき回数かいすう、「初速しょそく」はほうこう初速しょそく、「俯仰ふぎょう」は上下じょうげかく、「かい」は左右さゆうかい、「年代ねんだい」は実戦じっせん配備はいび開始かいし年代ねんだい

口径こうけい
(mm)
  しょう 重量じゅうりょう
(kg)
要員よういん 射程しゃてい
(m)
RAP
(m)
持続じぞく
(r/min)
急速きゅうそく
(r/min)
砲身ほうしんちょう
(mm)
初速しょそく
(m/s)
俯仰ふぎょう
(°)
かい
(°)
開発かいはつ 年代ねんだい 備   こう
50 はちきゅうしきじゅう擲弾筒てきだんとう 4.7 1 670 25 254 45   1930' きゅう日本にっぽん陸軍りくぐん代表だいひょうてきけいせり
60 M224 21.1 3 3,490 20 30 1,000 213 14   べい 1980' けいせりモードでは重量じゅうりょう8.2kg。
81 M1 61.5 3 3,010 18 35 1,210 213   べい 1930' だい大戦たいせんちゅうべいぐん標準ひょうじゅん中迫なかざこ
81 sGrW34 57.0 3 2,400 15 25 1,143 174 45-90 10-23   どく 1930' だい大戦たいせんちゅう独軍どくぐん標準ひょうじゅん中迫なかざこ
81 L16A2 35.3 3 5,675 15 30 1,280 225   えい 1960' 現在げんざい代表だいひょうてきなか口径こうけい迫撃はくげきほう
120 PM-43 280.0 5,700 15 1,862 272   1940' だい大戦たいせんちゅう最優秀さいゆうしゅうじゅうせり
120 MO120RT 582.0 6 8,135 13,000 12 20 2,080 30-85 14   ふつ 現在げんざい代表だいひょうてきじゅう迫撃はくげきほう
160 ソルタムM66 341.0 6 9,600 30-80 20   現代げんだい牽引けんいんしきなかでは最大さいだい口径こうけい
榴弾りゅうだんほう主要しゅようしょもと比較ひかくよう
105 L118 1,858.0 7 17,200 3 8 -5-70 5.6   えい 1980' 80~00年代ねんだい代表だいひょうてきけい榴弾りゅうだんほう
122 2A18(D-30) 3,210.0 8 15,400 21,900 1 8 4,636 -7-70 360   1960' 冷戦れいせん代表だいひょうてきソ連それんせいけい榴弾りゅうだんほう
155 M198 7,154.0 9 22,400 30,000 2 4 6,096 -5-72   べい 1980' 80~00年代ねんだい代表だいひょうてき榴弾りゅうだんほう

運用うんよう

編集へんしゅう

迫撃はくげきほう運用うんようほうだい世界せかい大戦たいせんにほぼ確立かくりつされ、現代げんだいにおいても基本きほんわっていない。以下いかでは分類ぶんるい編成へんせい戦術せんじゅつじょう役割やくわりなど、運用うんようかんする項目こうもくについてしるす。

分類ぶんるい

編集へんしゅう
 
ふつぐんの50mmけい迫撃はくげきほう F1
 
160mm迫撃はくげきほうM66

けいちゅうじゅうという区分くぶん厳密げんみつ定義ていぎはないが、おおむ口径こうけい重量じゅうりょう運用うんよう分類ぶんるいされる。おな口径こうけいでも時代じだいによって分類ぶんるいことなる場合ばあいがあるてん留意りゅうい

けい迫撃はくげきほう
口径こうけい37-51mm程度ていど分解ぶんかいせずに兵員へいいん1めい携行けいこうできるものがおおい。弾薬だんやく運搬うんぱん考慮こうりょせねばならないため、運用うんよう自体じたい兵員へいいん2-3めいおこない、歩兵ほへい小隊しょうたいごとにすうもん装備そうびする。
日本にっぽん陸軍りくぐんではちゅう口径こうけい迫撃はくげきほう歩兵ほへい部隊ぶたい標準ひょうじゅん装備そうびとはしなかったため、けい迫撃はくげきほうであるはちきゅうしきじゅう擲弾筒てきだんとう多用たようした。とくに、現代げんだいほど無線むせん技術ぎじゅつ発達はったつしていなかっただい世界せかい大戦たいせんにおいては、最前線さいぜんせん歩兵ほへい小隊しょうたい支援しえん火器かき直接ちょくせつ運用うんようできることはおおきなメリットであり、相対あいたいしたべいぐんからもたか評価ひょうかている。
ベトナム戦争せんそうころからけい迫撃はくげきほう役割やくわりグレネードランチャーになうようになったが、間接かんせつ射撃しゃげき可能かのうというすぐれた特性とくせいゆうするため、ふつぐんF1など一部いちぶくにでは現代げんだいでも装備そうびしている。
ちゅう迫撃はくげきほう
口径こうけい60-82mm程度ていどちゅう口径こうけい迫撃はくげきほうとも。分解ぶんかいして兵員へいいんすうめい運搬うんぱんでき、迫撃はくげきほうはん5めい前後ぜんこうで1もん運用うんようすることがおおい。
ちゅう迫撃はくげきほうすうもんじゅう機関きかんじゅうなどをくわえて火力かりょく支援しえん小隊しょうたい編成へんせいし、歩兵ほへい中隊ちゅうたい隷下れいかかく小隊しょうたい支援しえんする。現代げんだいでは81・82mmクラスの軽量けいりょうすすんだため60mm迫撃はくげきほう減少げんしょう傾向けいこうにあるものの、いまだにおおくの軍隊ぐんたい使用しようされている。
べいぐんM224 60mm 迫撃はくげきほうは"Handheld Mode"があり、支持しじはずし、そこばん小型こがたのものへ変更へんこうすることで重量じゅうりょう8.2kgとなり、けい迫撃はくげきほうとして兵員へいいん1めい運搬うんぱん操作そうさできる。
じゅう迫撃はくげきほう
口径こうけいおおむね100mm以上いじょう主流しゅりゅうである120mmクラスのものは人力じんりき設営せつえい可能かのうだが、長距離ちょうきょり移動いどう弾薬だんやく運搬うんぱん車輌しゃりょうおこなわれる。120mm迫撃はくげきほう RTなど、牽引けんいんようのトレーラーがほうまれたものもある。
師団しだんじゅう迫撃はくげきほう大隊だいたいまたは連隊れんたいじゅう迫撃はくげきほう中隊ちゅうたい配備はいびされ、かくきゅう隷下れいか歩兵ほへい部隊ぶたい支援しえんする。120mmをえるだい口径こうけい迫撃はくげきほう場合ばあい歩兵ほへいではなく砲兵ほうへい運用うんようすることもおおい。
近年きんねんでは、かつて105mmや122mmクラスのかる榴弾りゅうだんほうになっていた師団しだん砲兵ほうへいとしての役割やくわりを、120mmクラスのじゅう迫撃はくげきほう代替だいたいしつつある。
 
98mm迫撃はくげきほうM-98
欧州おうしゅう通常つうじょう戦力せんりょく条約じょうやく(CFE)では口径こうけい100mm以上いじょう火砲かほう保有ほゆう総数そうすう制限せいげんしているため、ポーランドは98mmというれいない口径こうけい迫撃はくげきほう98mm迫撃はくげきほうM-98開発かいはつした

編成へんせい

編集へんしゅう
 
べいぐんライフル中隊ちゅうたい編成へんせい(1941)
歩兵ほへい野戦やせん教範きょうはん「INFANTRY FIELD MANUAL(2 JUN 1941)」より
 
迫撃はくげきほう兵科へいか記号きごうSTANAG2019)
APP-6Aの名称めいしょう標準ひょうじゅんされており、北大西洋きたたいせいよう条約じょうやく機構きこう(NATO)加盟かめいこく共通きょうつう兵科へいか記号きごうである。
①は迫撃はくげきほう全般ぜんぱんし、②③④がそれぞれけいなかじゅう迫撃はくげきほうしめす。⑤⑥のような表記ひょうきがなされる場合ばあいもある。
なお、兵科へいか記号きごうはマップ・アイコンと適切てきせつ併用へいようしなければ意義いぎちいさいが、ユニット・シンボルとマップ・アイコンだけで1,000ページをえるマニュアルが用意よういされているほどである
アメリカぐん歩兵ほへい連隊れんたい編成へんせいれい(1941)
だい世界せかい大戦たいせんどきべいぐんでは、定数ていすう3,068めい1個いっこ歩兵ほへい連隊れんたいM2 60mm 迫撃はくげきほうが27もんM1 81mm 迫撃はくげきほうが18もん配備はいびされていた。
ライフル中隊ちゅうたいは3ライフル小隊しょうたい1個いっこ火器かき小隊しょうたい編成へんせいされ、火器かき小隊しょうたいは2機関きかんじゅう分隊ぶんたいと3迫撃はくげきほう分隊ぶんたい(M2をかく1もん装備そうび)からなるため、3ライフル小隊しょうたいを3もんの60mm迫撃はくげきほう支援しえんした。
一方いっぽう歩兵ほへい大隊だいたいは3ライフル中隊ちゅうたい1個いっこ重火器じゅうかき中隊ちゅうたい編成へんせいされ、重火器じゅうかき中隊ちゅうたい迫撃はくげきほう小隊しょうたいはM1を6もん装備そうびしていた。1個いっこ連隊れんたいは3歩兵ほへい大隊だいたい構成こうせいされていたのでけい18もんとなる。


ドイツぐん歩兵ほへい連隊れんたい編成へんせいれい(1940)
だい大戦たいせん独軍どくぐん歩兵ほへい連隊れんたいは、連隊れんたい本部ほんぶ麾下きかに3歩兵ほへい大隊だいたい1個いっこ歩兵ほへいほう中隊ちゅうたい1個いっこ対戦たいせんしゃ中隊ちゅうたい各種かくしゅ補給ほきゅうだんれつなどがはいされ、かく歩兵ほへい大隊だいたいは3歩兵ほへい中隊ちゅうたい1個いっこ重火器じゅうかき中隊ちゅうたいによって構成こうせいされていた。
そして、歩兵ほへい中隊ちゅうたい中隊ちゅうたい本部ほんぶ麾下きかに3歩兵ほへい小隊しょうたい1個いっこ対戦たいせんしゃじゅう分隊ぶんたい・4しゅ補給ほきゅうだんれつはいされ、かく歩兵ほへい小隊しょうたいは4歩兵ほへい分隊ぶんたい1個いっこけい迫撃はくげきほうはんによって構成こうせいされていた。
けい迫撃はくげきほうはんは3めい歩兵ほへい編成へんせいされており、50mmけい迫撃はくげきほう5 cm leGrW 36かく1もん装備そうびしていたため1個いっこ連隊れんたいけい27もん装備そうびしていた。ただし、後備こうび師団しだんなど装備そうび充足じゅうそくりつひく部隊ぶたいではまった装備そうびしていないことがある。このほうけいせりながら精密せいみつ構造こうぞう命中めいちゅうりつたかかったが、おもうえ威力いりょく中途半端ちゅうとはんぱなため大戦たいせん中期ちゅうき以降いこうだい一線いっせんから退しりぞいていき、後述こうじゅつする大隊だいたい支援しえんようの81mm中迫なかさこがその役割やくわりあわせてになうようになる。
一方いっぽう重火器じゅうかき中隊ちゅうたい中隊ちゅうたい本部ほんぶ麾下きかに3機関きかんじゅう小隊しょうたい1個いっこ迫撃はくげきほう小隊しょうたい複数ふくすう補給ほきゅうだんれつ歩兵ほへい中隊ちゅうたい補給ほきゅうだんれつより規模きぼおおきい)がはいされ、かく迫撃はくげきほう小隊しょうたいは3迫撃はくげきほう分隊ぶんたい構成こうせいされていた。
かく迫撃はくげきほう分隊ぶんたい兵員へいいん定数ていすうは8めい、81mm迫撃はくげきほう8 cm sGrW 34など)2もん装備そうびしていたため、1個いっこ連隊れんたいけい18もん装備そうびしていた。なお、大戦たいせん後期こうきにはさら1個いっこじゅう迫撃はくげきほう小隊しょうたい増強ぞうきょうした連隊れんたい存在そんざいし、このおもさこ小隊しょうたいは120mm迫撃はくげきほう12 cm GrW 42)を4もん装備そうびしていた。

戦術せんじゅつ

編集へんしゅう

作戦さくせん行動こうどうちゅう迫撃はくげきほうたす戦術せんじゅつじょう役割やくわりは、以下いかの3つに大別たいべつされる[1]

近接きんせつ支援しえん射撃しゃげき
てき部隊ぶたい壊滅かいめつ無力むりょく、または制圧せいあつして前線ぜんせん歩兵ほへい部隊ぶたい火力かりょく支援しえんすること。迫撃はくげきほう素早すばや展開てんかい陣地じんち転換てんかんでき、携行けいこう可能かのう前線ぜんせん戦闘せんとう部隊ぶたい密接みっせつ連携れんけいすることができるため、近接きんせつ支援しえん射撃しゃげきには理想りそうてき火器かきであり、迫撃はくげきほうもっと主要しゅよう任務にんむである。
重砲じゅうほうことなり、迫撃はくげきほうてき部隊ぶたいを「壊滅かいめつ」できるのは掩体から露出ろしゅつした兵員へいいんたいして弾幕だんまく射撃しゃげきくわえたときのみで、塹壕ざんごううちてきへいたいしては「無力むりょく」が最大さいだい目的もくてきとなる[ちゅう 10]
なお、近接きんせつ支援しえん射撃しゃげきには攻撃こうげき準備じゅんび射撃しゃげき煙幕えんまく射撃しゃげき標示ひょうじ射撃しゃげきふくむ。
  • 攻撃こうげき準備じゅんび射撃しゃげき」とは、友軍ゆうぐん攻勢こうせいまえてき抵抗ていこう陣地じんち戦線せんせん正面しょうめん弾幕だんまく射撃しゃげきくわえること。おも砲兵ほうへい任務にんむだが、ちょん火力かりょくとうずることがおおいため前線ぜんせんちかくに配置はいちされる迫撃はくげきほう支援しえんする。
  • 煙幕えんまく射撃しゃげき」とは、敵陣てきじん前方ぜんぽう発煙はつえんだん発射はっしゃして目標もくひょう視認しにんできなくしたり、戦況せんきょう正確せいかく把握はあくできなくすること。友軍ゆうぐん突撃とつげきおよび撤退てったい両方りょうほう使用しようされる。
  • 標示ひょうじ射撃しゃげき」とは、砲兵ほうへい航空機こうくうき攻撃こうげきさきんじて、距離きょり測定そくてい目標もくひょう標示ひょうじようのマーカーとして砲弾ほうだん発射はっしゃすること。カラーリングされた煙幕えんまくだん使用しようすることもある。
たい射撃しゃげき
直接ちょくせつまたは間接かんせつ照準しょうじゅん射撃しゃげきおこなっているてき火器かき観測かんそくしょ指揮しき統制とうせい施設しせつ破壊はかいする砲撃ほうげきである。とくに、てき火砲かほう迫撃はくげきほうたいする射撃しゃげきを「たいほうせり射撃しゃげき」という。
通常つうじょう砲兵ほうへい攻撃こうげき準備じゅんびととのうまでは迫撃はくげきほうによるたい射撃しゃげきおこなうが、これが標示ひょうじ射撃しゃげきねることもおおい。
阻止そし射撃しゃげき
まだ攻撃こうげき防御ぼうぎょ態勢たいせいととのっていないてき攻撃こうげきして損害そんがいあたえること。てき基地きち後方こうほう連絡れんらくせん集結しゅうけつ地点ちてん兵站へいたん本部ほんぶなどをねらう。
阻止そし射撃しゃげきには、攻撃こうげき準備じゅんび破砕はさい射撃しゃげき交通こうつう遮断しゃだん射撃しゃげきふくむ。
  • 攻撃こうげき準備じゅんび破砕はさい射撃しゃげき」とは、てき攻勢こうせい開始かいしされる直前ちょくぜんに、だい一線いっせん付近ふきん集結しゅうけつしたてき部隊ぶたい砲撃ほうげきすること。
  • 交通こうつう遮断しゃだん射撃しゃげき」とは、てき予備よび兵力へいりょく増援ぞうえん配置はいち転換てんかんによる移動いどうさまたげ、弾薬だんやく糧食りょうしょくなどが最前線さいぜんせん補給ほきゅうされるのを阻止そしするために道路どうろ連絡れんらくもう損害そんがいあたえること。

せんわざ

編集へんしゅう
 
M252で照準しょうじゅんさだめる米兵べいへい
M252は81mm迫撃はくげきほうL16のべいぐん仕様しようモデルである

以下いかに、射撃しゃげき準備じゅんびからたままでの簡単かんたんながれをしめす。迫撃はくげきほう射撃しゃげき

射撃しゃげき準備じゅんび
  1. 指揮しきかん設置せっち場所ばしょ決定けっていするとかく分隊ぶんたいごとに分隊ぶんたいちょう個別こべつ設置せっち場所ばしょ基準きじゅんせん方向ほうこうしめす。
    • 迫撃はくげきほう設置せっちされる場所ばしょ小型こがたのものほど前線ぜんせんちかくなり、中隊ちゅうたい隷下れいか火器かき小隊しょうたい味方みかた歩兵ほへい小隊しょうたいのすぐ後背こうはい布陣ふじんする。このため後方こうほう砲兵ほうへい部隊ぶたいくら迅速じんそく展開てんかいようする。
  2. 迫撃はくげきほう火砲かほうおなじく水平すいへい場所ばしょ設置せっちする必要ひつようがあるため、えんさじ(シャベル)などで平坦へいたんにする。
  3. 設置せっち場所ばしょそこばんつよ固定こていしてほう本体ほんたいてる。
  4. 目標もくひょうけた基準きじゅんせん設定せっていする。
    • 初期しょきには通常つうじょう測量そくりょうおなじように測量そくりょうぼうしめぎ竿ざお)をてていたが、敵陣てきじんちか位置いち布陣ふじんすることのおお迫撃はくげきほうにとっては危険きけんたかい。
    • だい世界せかい大戦たいせんころにはコリメーター照準しょうじゅんまれるようになり、測量そくりょうぼう不要ふようとなった。
    • 近年きんねんではレーザー測量そくりょうGPSわせなどによる電子でんしシステムにより、これらの作業さぎょう大幅おおはば簡略かんりゃくされている。
  5. 簡易かんい設営せつえい作業さぎょうでは完全かんぜん水平すいへいにすることはできないため、水平すいへいによって照準しょうじゅん調整ちょうせいする。
照準しょうじゅん
  1. 目標もくひょうまでの距離きょり測定そくていする。
  2. ひょうもと距離きょりから仰角ぎょうかく算出さんしゅつしてわせる。かく表示ひょうじがある場合ばあいには表示ひょうじ距離きょりたましゅ設定せっていして目盛めもりにわせる。
  3. 基準きじゅんせんたいして目標もくひょうがどれだけずれた位置いちにいるかを判断はんだんして左右さゆう角度かくど調節ちょうせつする。
装填そうてん-たま
  1. 砲弾ほうだんほうこうえ、射撃しゃげき指示しじによって砲身ほうしんないとしむ。(装填そうてん
    • ライフリングされたほう場合ばあい砲身ほうしんみぞ砲弾ほうだんがわたまたいわせて装填そうてんする必要ひつようがある。
    • だい口径こうけい迫撃はくげきほう場合ばあい人力じんりきほうこうから装填そうてんするのは困難こんなんなためそうしき主流しゅりゅう
  2. 砲弾ほうだん砲身ほうしんないすべち、ほうそこもうけられたげきはりによって砲弾ほうだんがわ雷管らいかん作動さどうする。
    • 120mm迫撃はくげきほう RTなど一部いちぶ製品せいひんでは、墜発しきとししき)とひしげなわしきとを選択せんたくできる。後者こうしゃでは砲弾ほうだん装填そうてんしたのちげきはつようのロープを任意にんいのタイミングでって発射はっしゃする。
  3. 雷管らいかん起爆きばくされて発射はっしゃやく点火てんかし、その爆発ばくはつエネルギーによる砲身ほうしんない圧力あつりょく砲弾ほうだん発射はっしゃされる。
  4. 発射はっしゃされた砲弾ほうだんは、おおきく湾曲わんきょくした曲射きょくしゃ弾道だんどうえがきながら飛翔ひしょうする。
  5. 砲弾ほうだん垂直すいちょくちか角度かくど着弾ちゃくだんし、信管しんかん作動さどうして炸薬さくやく起爆きばくさせる。
    • 射撃しゃげき仰角ぎょうかくによっては、垂直すいちょくちか角度かくどでは着弾ちゃくだんしない。
    • 信管しんかん設定せってい種類しゅるいによって、爆発ばくはつ高度こうどことなる。

兵站へいたん

編集へんしゅう
 
臼砲きゅうほう弾薬だんやく工廠こうしょう模様もよう(19世紀せいきまつ
 
大量たいりょう投棄とうきされた砲弾ほうだんそら薬莢やっきょう
だいいち大戦たいせんでは、それまでの戦争せんそうとは比較ひかくにならないほど膨大ぼうだい弾薬だんやく消費しょうひされた。りょう陣営じんえい西部せいぶ戦線せんせん使用しようした砲弾ほうだんそう重量じゅうりょうは1,200まんtをえる

迫撃はくげきほう汎用はんようせいたか戦闘せんとう様々さまざま局面きょくめん火力かりょく支援しえん使用しようされるじょう速射そくしゃせいすぐれるため短時間たんじかん多数たすう砲弾ほうだん消費しょうひしがちである。したがって、大量たいりょう弾薬だんやく供給きょうきゅうするため輜重しちょうだんれつ補給ほきゅう部隊ぶたい)の随伴ずいはん不可欠ふかけつとなる。

とく工業こうぎょう生産せいさんりょくひく兵站へいたん脆弱ぜいじゃくだった日本にっぽんにとってこの問題もんだい深刻しんこくであり、陸軍りくぐんだい一線いっせん歩兵ほへい大隊だいたいたいする曲射きょくしゃ歩兵ほへいほうじゅういちねんしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほうきゅうななしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう)の全面ぜんめんてき配備はいび躊躇ちゅうちょし、直接ちょくせつ照準しょうじゅんによる精密せいみつ射撃しゃげき可能かのう従来じゅうらいがた歩兵ほへいほう配備はいび優先ゆうせんしたという経緯けいいがある。

たとえばじゅういちねんしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう場合ばあいほう本体ほんたい重量じゅうりょうは63kgだが弾薬だんやく定数ていすう112はつ重量じゅうりょう運搬うんぱん用具ようぐなどをふくめて364kgもあり、ほう自体じたい兵員へいいんすうめい携行けいこうできても弾薬だんやく運搬うんぱんには人員じんいん8めいうま2とうようした。いち会戦かいせんにどの程度ていど弾薬だんやく準備じゅんびするかは作戦さくせんによってことなるが、おおいときでは1t以上いじょうもの弾薬だんやく輸送ゆそうせねばならず、十分じゅうぶん車輌しゃりょう保有ほゆうなかった輜重しちょう部隊ぶたい負担ふたん相当そうとうなものであった(全力ぜんりょく射撃しゃげきおこなえば、定数ていすう112はつぜんたまくすのに10ふんようしない)。

このように、兵站へいたんへの負担ふたん弾薬だんやくコストがふくらみがちであるという迫撃はくげきほうのデメリットは看過かんかできない。しかし、これはてきかた条件じょうけんおなじであり、「能力のうりょく特性とくせい」にしるした長所ちょうしょがこれらの短所たんしょ上回うわまわるため、迫撃はくげきほう現代げんだいでもますます多用たようされる傾向けいこうにある。

 
多量たりょう物資ぶっし車輌しゃりょう揚陸ようりくする連合れんごうぐん輸送ゆそう船舶せんぱく
(ノルマンディー/1944)

きん現代げんだい迫撃はくげきほうは、だいいち世界せかい大戦たいせんとき使用しようされたイギリスのストークス・モーターを原型げんけいとしており、英語えいごおなじ"mortar"である臼砲きゅうほうとは構造こうぞう運用うんようともにおおきくことなる。しかし、「曲射きょくしゃ弾道だんどう」というかくとなる特徴とくちょうにおいて共通きょうつうしており、曲射きょくしゃ弾道だんどう兵器へいきなか軽量けいりょう小型こがたみち分化ぶんかしたほうひとつの到達とうたつてんである。

古代こだい投石とうせきはじまり、せきほう火砲かほう進化しんかしたのちも、おおきな破壊はかいりょくをもった曲射きょくしゃ弾道だんどう兵器へいきだい重量じゅうりょうなものにかぎられていたが、すぐれた設計せっけい思想しそう榴弾りゅうだんとのわせによって、従来じゅうらいとは比較ひかくにならないほど軽量けいりょう小型こがたあつかやす画期的かっきてきほう誕生たんじょうした。

 
火砲かほう変遷へんせん

語源ごげん用語ようご

編集へんしゅう
 
南北戦争なんぼくせんそうどきの203mm臼砲きゅうほう
臼砲きゅうほうは、火砲かほうなかでも早期そうき登場とうじょうだい世界せかい大戦たいせんまで使用しようされつづけた。外観がいかんはまさに「うす」である
 
マレットほう(Mallet's Mortar)
1857ねん製造せいぞうされた口径こうけい36インチ(910mm)という当時とうじ最大さいだい臼砲きゅうほうである。英語えいごではおなじ"mortar"だが、もちろん迫撃はくげきほうではない
 
はちきゅうしきじゅう擲弾筒てきだんとう
1930年代ねんだい日本にっぽん開発かいはつした口径こうけい50mmのけい迫撃はくげきほうちゅう口径こうけいクラスの迫撃はくげきほう装備そうびすすんでいなかった日本にっぽんぐんにとって、歩兵ほへい部隊ぶたいひろわたっていたほん兵器へいき重宝ちょうほうされた。べいぐんからもたか評価ひょうかされている
語源ごげん
英語えいごの"mortar"(モーター)は、乳鉢にゅうばち擂鉢すりばち(すりばち)など臼状きゅうじょうのものを意味いみする仏語ふつごの"mortier"から派生はせいしており、臼砲きゅうほう(きゅうほう)をすのはそのため。幕末ばくまつ日本にっぽんでは「モルチール(ほう)」としょうされた。建築けんちく材料ざいりょうのモルタルもスペル・発音はつおんともにおなじで、「ってぜる」ことからラテン語らてんごの"mortarium"(乳鉢にゅうばち)に由来ゆらいしており語源ごげんおなじである。
臼砲きゅうほう
初期しょきせきほう"bombard"は素材そざい強度きょうど不足ふそくからいちじるしくにくあつみじか砲身ほうしんをしており、その外観がいかんうすのようであった。近世きんせいはい野戦やせんでの平射へいしゃおも目的もくてきとする初期しょき野砲やほう"howitzer"が出現しゅつげんすると、これと区別くべつするために従来じゅうらいがたたん砲身ほうしんほう臼砲きゅうほう"mortar"とばれるようになる(当時とうじ、"bombard"という用語ようご火砲かほう全般ぜんぱんした)。
近世きんせいつうじて火砲かほう徐々じょじょ進化しんかし、とく産業さんぎょう革命かくめいこった近代きんだい以降いこう冶金やきん鋳造ちゅうぞう技術ぎじゅつ発達はったつ臼砲きゅうほうだい口径こうけいちょう砲身ほうしんすすむ。しかし、ほう外観がいかん変化へんかしてからも、おおきな仰角ぎょうかくってひく初速しょそく射撃しゃげきするほうつづき"mortar"=臼砲きゅうほうばれた。ちゅう退すさふく平衡へいこう発明はつめいされていなかったころ大型おおがたほうおおくは、迫撃はくげきほう同様どうよう射撃しゃげき反動はんどう地面じめん吸収きゅうしゅうさせる方式ほうしき採用さいようしている。
迫撃はくげきほう
臼砲きゅうほう一時期いちじきすたれていたが、にち戦争せんそうからだいいち世界せかい大戦たいせんにかけて塹壕ざんごうせん要塞ようさいせん本格ほんかくすると、射程しゃていみじかくとも威力いりょくおおきな臼砲きゅうほう需要じゅようし、ふたた多数たすう臼砲きゅうほうつくられた。このなかには従来じゅうらいとはぎゃく軽量けいりょう小型こがた追求ついきゅうしたほうもあり、ここから発展はってんしたものが現代げんだい迫撃はくげきほうである。
以上いじょうのように、歴史れきしじょう経緯けいいから"mortar"という単語たんご臼砲きゅうほう迫撃はくげきほう両方りょうほうす。ただし、現代げんだいではたんに"mortar"としょうした場合ばあい本稿ほんこう主題しゅだいであるきん現代げんだいがた迫撃はくげきほうす。また、臼砲きゅうほう明確めいかく区別くべつするため、"infantry mortar"あるいは"modern mortar"と表記ひょうきすることもある。

各国かっこくにおける用語ようご

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日本にっぽん
日本語にほんごの「迫撃はくげきほう」という用語ようごは、にち戦争せんそうにおいて現地げんち部隊ぶたい急造きゅうぞうされた即製そくせいの擲弾発射はっしゃを「てきせまってつ」という迫撃はくげきほう命名めいめいしたのが嚆矢こうしである。のちに、この迫撃はくげきほうという名称めいしょう公文書こうぶんしょ使用しようされたことから、英語えいごで"mortar"といちくくりにされる曲射きょくしゃ弾道だんどう兵器へいき日本にっぽんでは臼砲きゅうほう迫撃はくげきほうけられた。さら大正たいしょうはいって迫撃はくげきほう砲兵ほうへい管轄かんかつであるとされたことから、歩兵ほへい運用うんようする迫撃はくげきほうは「曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう」としょうすることとなり、分類ぶんるいじょう複雑ふくざつまねいている。
なお、日本にっぽん陸軍りくぐんはちきゅうしきじゅう擲弾筒てきだんとう構造こうぞう用法ようほうからけい迫撃はくげきほう分類ぶんるいしてもよい兵器へいきだが、英語えいごでは"grenade discharger"(擲弾発射はっしゃ)として紹介しょうかいされることがおおい。
ドイツ
ドイツでは、迫撃はくげきほうのことを"Granatwerfer"(擲弾投射とうしゃ)としょうしており、それ以前いぜん小型こがた曲射きょくしゃほう後述こうじゅつ)も"Minenwerfer"(爆薬ばくやく投射とうしゃ)としている。これは、擲弾歩兵ほへい砲弾ほうだん砲兵ほうへい爆薬ばくやく工兵こうへい[ちゅう 11]というセクショナリズムによるもので、性能せいのう形状けいじょう区別くべつしているわけではない。
イギリス
イギリスにおいてもリーベンス・プロジェクター対戦たいせんしゃ兵器へいきPIATのように、構造こうぞう簡易かんい射程しゃていみじかいものは「ほう」というよりも投射とうしゃえい:projector/どく:Werfer)としてあつかわれている。
英国えいこくは、後述こうじゅつするスピガット・モーターの射出しゃしゅつ方式ほうしき利用りようした兵器へいき数多かずおお開発かいはつしており、ヘッジホッグのように現代げんだいでも派生はせいがた利用りようされている兵器へいきすくなくない。
アメリカ
アメリカ国防総省こくぼうそうしょう(DoD)による"Mortar"の定義ていぎほうこう装填そうてんしき間接かんせつ射撃しゃげき兵器へいきでライフルまたはすべり砲身ほうしん榴弾りゅうだんほうよりもたん射程しゃていおおきな仰角ぎょうかくをとって射撃しゃげきし、砲身ほうしんちょうは10-20口径こうけいである[3]
ただし、近年きんねんではこうそうしきほう登場とうじょう榴弾りゅうだんほう匹敵ひってきする射程しゃてい平射へいしゃ可能かのうなものなど、定義ていぎてはまらない迫撃はくげきほうえつつある。

古代こだい中世ちゅうせい後期こうき

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古代こだいもちいられたオナガーonager)、あるいは中世ちゅうせい登場とうじょうしたマンゴネルmangonel)やトレビュシェットtrebuchet)といった投石とうせきは、火薬かやくこそ使用しようしないものの曲射きょくしゃ弾道だんどう兵器へいきというてん共通きょうつうしており、臼砲きゅうほう迫撃はくげきほう系譜けいふつらなっている。また、バリスタballista)やスコーピオscorpio)などのいしゆみゆみなかにはおおきな仰角ぎょうかくをとって曲射きょくしゃできるものもあり、防壁ぼうへきなどの遮蔽しゃへいぶつしに攻撃こうげきできた。

火薬かやく燃焼ねんしょうエネルギーを利用りようした砲身ほうしんない圧力あつりょくそうやく化学かがく変化へんかによってしょうじるガスの膨張ぼうちょうあつ)で砲弾ほうだん加速かそくする、いわゆる「火砲かほう」は12世紀せいき初頭しょとうのイスラム世界せかいでようやく誕生たんじょうするが、初期しょきのマスケット(じゅう)がながいあいだちょうゆみおよばなかったのと同様どうよう火砲かほう進化しんかにもなが年月としつきようし、トレビュシェットは火砲かほう登場とうじょうも300ねんちか使用しようされつづけた。

なお、はる後代こうだいだいいち世界せかい大戦たいせんなかフランスぐんはオナガーやマンゴネルを簡易かんい縮小しゅくしょうした「スプリングガン」を前線ぜんせん多数たすう配備はいびした。ゴムやバネのちからで擲弾を発射はっしゃする仕組しくみで投石とうせき近代きんだいさい設計せっけいばんえたが、射出しゃしゅつできる擲弾がちいさく力不足ちからぶそくうえ射程しゃていみじかく、射距離しゃきょり調節ちょうせつ照準しょうじゅんむずかしいことから早期そうき使用しようされなくなった。

中世ちゅうせい末期まっき

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ひじりヨハネ騎士きしだんせきほう
自重じちょうは3.3tもあり、260kgの砲弾ほうだん射出しゃしゅつできる。ロードスとう攻防こうぼうせん城壁じょうへき内側うちがわから防御ぼうぎょようもちいられた。
砲身ほうしん中央ちゅうおう突起とっきが15世紀せいきなかばに発明はつめいされた「ほうみみ」で、これを支点してんにして容易よういほう俯仰ふぎょうをとることが可能かのうになった

草創そうそう火砲かほう種類しゅるいいくつかあるが、そのなかから発展はってんげて主流しゅりゅうをなしたもののひとつがせきほうbombard)である。えいふつひゃくねん戦争せんそう(1339-1453)のころには火砲かほう普遍ふへんてき使用しようされるようになり、トレビュシェットはほぼ完全かんぜん駆逐くちくされた。火砲かほうが、みさおようせい生産せいさんせいそしてなによりも威力いりょくてん従来じゅうらい投石とうせき凌駕りょうがするにいたったためである(いしほう和訳わやくされるがてつだん発射はっしゃする)。

投石とうせき同様どうようせきほう最大さいだい目的もくてき城壁じょうへきとう破壊はかいつまりおさむしろせんにあった。したがって、よりおおきくおも砲弾ほうだん投射とうしゃすべくだい口径こうけいほうもとめられたが、冶金やきん工学こうがく鋳造ちゅうぞう技術ぎじゅつ限界げんかい砲身ほうしんもちいられるてつ強度きょうどよわく、初期しょきせきほういちじるしくにくあつ砲身ほうしんみじかい。

中世ちゅうせい末期まっきせきほうは「モンス・メグ」や「ウルバンのきょほう」に代表だいひょうされるようにだい口径こうけいすす砲身ほうしんながくなっていくが、一部いちぶのものは初期しょきせきほう形態けいたい踏襲とうしゅうし、臼砲きゅうほうとしてほういち分野ぶんや形成けいせいしつつだい大戦たいせんまで500ねん以上いじょうにわたって使用しようされつづけた。

これは、巨大きょだいしたほうおおきな仰角ぎょうかくをとらせることが至難しなんで、防壁ぼうへきなどの遮蔽しゃへいぶつしに曲射きょくしゃする目的もくてきであればかく変更へんこう容易ようい臼砲きゅうほうのほうがやすかったためである。大型おおがたほう俯仰ふぎょう自在じざい変更へんこうするためには、平衡へいこう発明はつめいたねばならない。

近世きんせい

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15世紀せいきなかばまで大半たいはん火砲かほう鉄製てつせいだったが、近世きんせいはいると青銅せいどうほう主流しゅりゅうとなる。その理由りゆうは、(1)柔軟じゅうなんせいたか青銅せいどうてつくら砲身ほうしんあつみや口径こうけい規格きかくどおりに生産せいさんでき、射撃しゃげき燃焼ねんしょうエネルギーの損失そんしつすくなかったこと、(2)加熱かねつほう問題もんだいから、鍛造たんぞう鉄製てつせいほうよりも鋳造ちゅうぞう青銅せいどうほうのほうが短時間たんじかん製造せいぞうでき、また、すずどう鉱山こうざん開発かいはつすすんで原料げんりょう恒常こうじょうてき入手にゅうしゅできるようになり量産りょうさん容易よういになったこと、(3)火薬かやく改良かいりょうすすんで爆発ばくはつりょく向上こうじょうし、当時とうじてつではほう破裂はれつ頻発ひんぱつするようになったため、ねばりがある青銅せいどうのほうが耐久たいきゅうせいすぐれていたこと、などである。この結果けっか、16世紀せいき前半ぜんはん1520ねんころ)に鉄製てつせいほう消滅しょうめつした。

砲身ほうしんにくあつうすくしても強度きょうどたもてるようになると、ぐん移動いどう随伴ずいはんできる機動きどうてきな「野砲やほう」(howitzer)が登場とうじょうし、おも野戦やせんようであったがおさむしろせんにももちいられた。また、従来じゅうらいだい口径こうけいたん砲身ほうしんほう軽量けいりょうすすみ、野砲やほう区別くべつするため「臼砲きゅうほう」とばれるようになった。臼砲きゅうほう射程しゃていこそみじかいものの、だい口径こうけい砲弾ほうだん破壊はかいりょくおさむしろせんかせないものとなる。これらのほう普及ふきゅうによって、重量じゅうりょう過大かだい運搬うんぱん設置せっち多大ただい労力ろうりょくようするじゅうボンバルドは急速きゅうそく姿すがたしていった。

野砲やほう臼砲きゅうほう登場とうじょうで、野戦やせんおさむしろせんともに戦術せんじゅつめんおおきな変革へんかくこる。とくおさむしろせんでは城砦じょうさい防御ぼうぎょりょくして火砲かほう攻撃こうげきりょく圧倒的あっとうてきになり、うすたか防壁ぼうへき尖塔せんとうからなる中世ちゅうせい様式ようしき城砦じょうさい容易ようい粉砕ふんさいされるようになった。たとえばイタリア戦争せんそう(1494-1559)において、140もん機動きどう火砲かほうひきいたフランスのシャルル8せいイタリアしょ都市とししばたあいだ席捲せっけんしている。かつて、ひとつの城砦じょうさい陥落かんらくさせるためにければ数ヶ月すうかげつあるいはとし単位たんい攻囲こういようしたことにくらべると革命かくめいてき変化へんかであり、火砲かほう発達はったつともな城郭じょうかく様式ようしきヴォーバン代表だいひょうされるほしがたりょう堡式へと順次じゅんじ変貌へんぼうしていく。

また、ほう発展はってんとも重要じゅうようてん錬鉄れんてつだん開発かいはつである。このてつだん登場とうじょうまではいしだん使用しようされていたが、錬鉄れんてつだん城壁じょうへきたいする貫徹かんてつりょくいしだんくらべ3ばいたかく、これが石造いしづくりの中世ちゅうせいしき城砦じょうさいたいして絶大ぜつだい威力いりょく発揮はっきしたのである[4]

なお、野砲やほう射程しゃてい向上こうじょうねらって次第しだいちょう砲身ほうしんしていきカノンほうfield gun)へと進化しんかするが、臼砲きゅうほう外観がいかん時代じだいすすんでもほとんど変化へんかしていない。ただし、17世紀せいき後期こうきには「クーホルンほう」とばれる搬式臼砲きゅうほう登場とうじょうしており、重量じゅうりょう90kg前後ぜんこう兵員へいいん4めい運搬うんぱんできた。現代げんだい迫撃はくげきほうくらべればはるかにおもいが、携行けいこう可能かのうという当時とうじとしては画期的かっきてき軽量けいりょう小型こがたほうであり、迫撃はくげきほう始祖しそひとつとえる。

にち戦争せんそう(1904~1905)

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ロシアぐん使用しようした迫撃はくげきほう
既存きそん47mmほう流用りゅうようしたスピガット・モーターで、砲弾ほうだん射出しゃしゅつ仕組しくみをレオニード・ゴビャート考案こうあんした。日本にっぽんぐん即製そくせい迫撃はくげきほうとは構造こうぞうことなる

にち戦争せんそうだいいち世界せかい大戦たいせん前哨ぜんしょうせんともえ、しん兵器へいきである機関きかんじゅう塹壕ざんごう堡塁ほうるいわせた本格ほんかくてき野戦やせん防御ぼうぎょ陣地じんち構築こうちくされたはつだい規模きぼ近代きんだい戦争せんそうであり、迫撃はくげきほうのプロトタイプである小型こがた軽量けいりょう近接きんせつ支援しえん火器かき本戦ほんせんやくはじめて登場とうじょうする。

旅順りょじゅんにおける日本にっぽんだい3ぐん死闘しとうはつとに名高なだかいが、最前線さいぜんせんではてき塹壕ざんごう至近しきんから爆薬ばくやく投擲とうてきしあう肉弾にくだんせん展開てんかいされ、りょうぐんともに甚大じんだい損害そんがいしていた。これを憂慮ゆうりょした日本にっぽんぐんおさむじょう砲兵ほうへい司令しれい今沢いまざわ義雄よしお中佐ちゅうさが、より遠方えんぽう爆薬ばくやく投射とうしゃするために打上花火うちあげはなび仕組しくみを応用おうようして即製そくせいの擲弾発射はっしゃ考案こうあんし、「てきせまって砲撃ほうげきする」というから迫撃はくげきほう名付なづけられた。

このときかく部隊ぶたい急造きゅうぞうされた擲弾発射はっしゃは、木製もくせいつつたけたが(たが)をつらねて補強ほきょうした口径こうけい12-18cmの砲身ほうしんをもち、黒色こくしょく火薬かやくそうやく導火どうかせん点火てんかするという簡素かんそ構造こうぞうであった。また、砲弾ほうだんそうやく分離ぶんりしており、だいいち大戦たいせん登場とうじょうしたストークスがた迫撃はくげきほうのようにカートリッジ方式ほうしきではない。

なお、この木製もくせいほうのち技術ぎじゅつ審査しんさにおける鉄製てつせいじゅうせんちめーとるはん携帯けいたい迫撃はくげきほう開発かいはつへと発展はってんし、明治めいじ38ねん8がつには下志津原しもしづはら射撃しゃげき試験しけんおこなわれた。しかし、砲身ほうしん破裂はれつして死者ししゃ3めい負傷ふしょうしゃ多数たすう事故じここし、改良かいりょう模索もさくしているうちににち戦争せんそう終結しゅうけつしてしまい実戦じっせんにはわず開発かいはつ中止ちゅうしとなった。これ以降いこうだいいち世界せかい大戦たいせんはじまるまで日本にっぽんにおける迫撃はくげきほう開発かいはつ停滞ていたいすることになる[5]

日本にっぽんぐんほかにも口径こうけい7cm・12cm・18cmの迫撃はくげきほう開発かいはつしていたことが記録きろくのこっている[6]。この12cm迫撃はくげきほうは、幕末ばくまつ購入こうにゅうした旧式きゅうしきじゅうつが臼砲きゅうほう砲弾ほうだんさい利用りようしていた。また、明治めいじ38ねんづけ資料しりょうには、擲弾筒てきだんとう彷彿ほうふつさせる口径こうけい44mm・砲身ほうしんちょう200mm・全長ぜんちょう329mmというけい迫撃はくげきほう記載きさいされている[7]

同様どうよう小型こがた曲射きょくしゃ兵器へいきロシアぐん使用しようしており、レオニード・ゴビャート開発かいはつしたものは"Бомбомёт"(直訳ちょくやくすればばくだん(擲弾)発射はっしゃ)とばれ、だいいち大戦たいせんわるころまでは迫撃はくげきほう意味いみしていた。ゴビャートが考案こうあんした迫撃はくげきほうのちに「スピガット・モーター」(後述こうじゅつ)としてかれ著書ちょしょとも欧米おうべいひろまり、だいいち大戦たいせんひろ使用しようされることになる。

なお、本戦ほんせんやくには外国がいこくからも多数たすう観戦かんせん武官ぶかんにちりょうぐん随伴ずいはんし、しん兵器へいき威力いりょく従来じゅうらいとはことなった戦闘せんとう推移すいいについておおくの報告ほうこく本国ほんごくおくられたが、極東きょくとうにおける局地きょくちせんいち事象じしょうとしてほとんどかえりみられず、つづ世界せかい大戦たいせん各国かっこくにち戦争せんそう以上いじょう代償だいしょう支払しはらうことになる。

だいいち大戦たいせん(1914~1918)

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塹壕ざんごう待機たいきするロシアぐん兵士へいし東部とうぶ戦線せんせん/1917ねん

だいいち世界せかい大戦たいせんではにち戦争せんそう以上いじょう塹壕ざんごうせん特徴とくちょうであり、西部せいぶ戦線せんせんにおいてスイスから北海ほっかいいた長大ちょうだい前線ぜんせんめぐらされた塹壕ざんごうそう延長えんちょうは40,000kmにたっした。これは、にち戦争せんそうでもその威力いりょく発揮はっきした「機関きかんじゅう」の普及ふきゅうにより、砲兵ほうへいによる攻撃こうげき準備じゅんび射撃しゃげき歩兵ほへい突撃とつげきという従来じゅうらい戦術せんじゅつではてき陣地じんち突破とっぱ困難こんなんになったためである。その防御ぼうぎょ火力かりょく絶大ぜつだいで、「1てい機関きかんじゅう1個いっこ大隊だいたい突撃とつげき阻止そしする」とわれたほどであった。

攻撃こうげきまえにどれほど砲弾ほうだんあめらせても塹壕ざんごうない伏在ふくざいする機関きかんじゅう完全かんぜん排除はいじょすることはできず、戦線せんせん長期ちょうきにわたって膠着こうちゃく状態じょうたいおちいり、交戦こうせんするりょう陣営じんえいともにてき機関きかんじゅう陣地じんち沈黙ちんもくさせることがさい重要じゅうよう目標もくひょうひとつとなった。そこで、砲兵ほうへいによる攻撃こうげきのちは、前進ぜんしんする最前線さいぜんせん部隊ぶたいてき機関きかんじゅう発見はっけん次第しだい近傍きんぼうから直接ちょくせつ攻撃こうげきして破壊はかいする方法ほうほうがとられることになる。

その結果けっか協商きょうしょうこくがわでは「ストークス・モーター」、同盟どうめいこくがわでは「ミーネンヴェルファー」というふたつの小型こがた曲射きょくしゃほう誕生たんじょうする。ミーネンヴェルファーは直訳ちょくやくすると「爆薬ばくやく投射とうしゃ(mine launcher)」で、おおきな仰角ぎょうかくをとることが可能かのう小型こがた精密せいみつ曲射きょくしゃほうである。一方いっぽう、ストークス・モーターは現代げんだい迫撃はくげきほうおな構造こうぞう簡易かんい曲射きょくしゃほうであった。いずれも従来じゅうらいほうとはことなり小型こがた軽量けいりょうだが、とくにストークス・モーターはかなり狭隘きょうあい塹壕ざんごうないでも設置せっちできるほどコンパクトなうえわずすうめい兵員へいいん携行けいこう操作そうさできた。

ミーネンヴェルファーもストークス・モーターも塹壕ざんごうせん契機けいきとして誕生たんじょうしたほうだが、ストークス・モーターは塹壕ざんごうせんまらず歩兵ほへいじききょう支援しえん火器かきとして以後いごさら発展はってんし、それとはぎゃくにミーネンヴェルファーはだいいち大戦たいせんすたれていった。これは、ストークス・モーターのほう簡易かんい構造こうぞう生産せいさん容易よういであり、軽量けいりょうあつかやす歩兵ほへい直接ちょくせつあつかえたためで、現代げんだい迫撃はくげきほうはストークス・モーターを原型げんけいとしている

なお、迫撃はくげきほう発明はつめいした始祖しそイギリスウィルフレッド・ストークスだが、その標準ひょうじゅん影響えいきょうおよぼしたのはフランスエドガー・ウィリアム・ブラントである。ブラントが開発かいはつした60mm・81mm・120mmの迫撃はくげきほう各国かっこくライセンス生産せいさんされ、弾薬だんやく互換ごかんせいたもつために後継こうけいほうでもおなほうこう直径ちょっけいのものをもちいざるをなかったため、現代げんだいでもNATO標準ひょうじゅん規格きかくSTANAG)ではこれらとおな口径こうけい迫撃はくげきほうだん指定していされている。

せんあいだだい大戦たいせん(~1945)

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オマハ・ビーチ/1944ねん6がつ6にち
だい大戦たいせんちゅう、ドイツぐん敵陣てきじんからわずか550-800mの距離きょり迫撃はくげきほう配備はいびして連合れんごうぐん砲撃ほうげきびせた。ノルマンディー上陸じょうりく作戦さくせんにおいてこの戦術せんじゅつによって死傷ししょうした連合れんごうぐん兵士へいし作戦さくせん全体ぜんたい死傷ししょうしゃの70%にもたっした[1]

出現しゅつげんした当初とうしょからストークスがた迫撃はくげきほう完成かんせいたかく、だい世界せかい大戦たいせんさら洗練せんれんされ、現代げんだいいたるまで基本きほん構造こうぞうおおきな変化へんかはない。主要しゅよう参戦さんせんこく地上ちじょう部隊ぶたいかなら迫撃はくげきほう装備そうびしていた。

日本にっぽん陸軍りくぐんにおいては、ストークスがた迫撃はくげきほう導入どうにゅう以前いぜんから「曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう」という名称めいしょうでミーネンベルファー類似るいじ小型こがた迫撃はくげきほう装備そうびしていたが、これを更新こうしんするものとして軽量けいりょう榴弾りゅうだんほう配備はいびしたため、直接ちょくせつ照準しょうじゅんでの射撃しゃげきのできないストークスがた迫撃はくげきほうについては当初とうしょ導入どうにゅう見送みおくり、瓦斯がすだん投射とうしゃ兼用けんよう砲兵ほうへい装備そうびとして採用さいようされた拡大かくだいがた口径こうけい90mm・射程しゃてい3,800m)の迫撃はくげきほう砲兵ほうへい所管しょかん独立どくりつ部隊ぶたい配備はいびするにとどまっていた。しかし、ささえ戦線せんせんにおいて中国ちゅうごくぐん使用しようするドイツせい迫撃はくげきほう威力いりょくたりにし、あらためて口径こうけい81mmのストークスがた迫撃はくげきほうきゅうななしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほうという名称めいしょう歩兵ほへい部隊ぶたいにも配備はいびすることになったという経緯けいいがある。また、海軍かいぐんではきゅうななしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう簡略かんりゃくしたさんしき迫撃はくげきほう海防かいぼうかん艦橋かんきょうまえ設置せっちし、潜水せんすいかんたいする威嚇いかく攻撃こうげきもちいたほか、陸軍りくぐん機動きどうていなどの揚陸ようりくかんかんくび迫撃はくげきほう装備そうびして揚陸ようりく支援しえん射撃しゃげきもちいた。なお、陸軍りくぐんにおいては砲兵ほうへい所管しょかんのものを「迫撃はくげきほう」、歩兵ほへい所管しょかんのものを「曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう」としょうするが、形式けいしきとしてはいずれもおな迫撃はくげきほうである。

だい世界せかい大戦たいせんでは歩兵ほへい機械きかいすすみ、はししき迫撃はくげきほう登場とうじょうした。軽量けいりょう迫撃はくげきほう車載しゃさい容易よういで、トラック車台しゃだい既製きせい迫撃はくげきほう搭載とうさいしただけのものから、既存きそん装甲そうこう車両しゃりょう改造かいぞうして固定こてい武装ぶそうしたものまで様々さまざまである。

また、迫撃はくげきほうではないが、おなじ"mortar"である臼砲きゅうほう曲射きょくしゃほうでは、ドイツの「カールはし臼砲きゅうほう口径こうけい540mmまたは600mm)」、米国べいこくの「リトル・デーヴィッド口径こうけい914mm)といったきょほう製造せいぞうされた。

冷戦れいせん現代げんだい

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82mm自動じどう迫撃はくげきほう2B9"Vasilek"
クリップで連結れんけつされた4はつ砲弾ほうだん連射れんしゃできる

前述ぜんじゅつのとおり、一般いっぱんてき迫撃はくげきほう外観がいかん基本きほん構造こうぞうだい世界せかい大戦たいせんときからほとんど変化へんかしていないが、近年きんねんではアルミニウム合金ごうきん多用たようなど素材そざい改良かいりょうによって軽量けいりょうすすんでおり、各国かっこく軍隊ぐんたいでは従来じゅうらい装備そうびしていたものよりいちまわおおきな口径こうけい迫撃はくげきほう更新こうしんするれいおおい。105-122mmクラスの榴弾りゅうだんほうを120mmじゅう迫撃はくげきほうかわそうするれいえており、迫撃はくげきほう今後こんご砲撃ほうげきようプラットフォームとしてさら多用たようされる傾向けいこうにある。

砲弾ほうだん進化しんかでは、たとえばロケット・アシストだん(RAP)の採用さいよう射程しゃていさら延伸えんしんしており25,000mもの射程しゃていをもつ迫撃はくげきほう存在そんざいする。120mm迫撃はくげきほう RTのRAPだん射程しゃていやく13,000mであり、105mmまたは122mm榴弾りゅうだんほう射程しゃてい通常つうじょうだん)15,000mにせまりつつある。また、赤外線せきがいせんやレーザーによる対戦たいせんしゃ誘導ゆうどうだん開発かいはつなど、命中めいちゅう精度せいどいちじるしく向上こうじょうさせた砲弾ほうだん出現しゅつげんしており、これらの先進せんしんてき砲弾ほうだん高価こうかだが弾薬だんやく消費しょうひりょう激減げきげんする。

はし迫撃はくげきほうにも様々さまざまなものが登場とうじょうしているが、大半たいはん車体しゃたい容積ようせきおおきな装甲そうこう兵員へいいん輸送ゆそうしゃなどに既存きそん迫撃はくげきほう砲身ほうしん設置せっちするターンテーブル[ちゅう 12]砲弾ほうだん格納かくのう搭載とうさいしたもので、砲身ほうしんはずして車外しゃがい運用うんようすることも想定そうていし、支持しじそこばん別途べっと用意よういしていることもおおい。

ただし、はし迫撃はくげきほうとして専用せんよう開発かいはつされた車輌しゃりょう存在そんざいし、ロシア2S4チュリパン 240mmはし迫撃はくげきほう自動じどう装填そうてん機構きこうゆうしたのちそうしきはし迫撃はくげきほうであり、2S9ノーナ-S 120mmはしほうのように砲塔ほうとうそなえ、直接ちょくせつ照準しょうじゅんによる平射へいしゃ可能かのうはし迫撃はくげきほう登場とうじょうした。もちろん自動じどう装填そうてん装置そうちゆうたか速射そくしゃ能力のうりょくをもつ。また、特殊とくしゅれいだが、イスラエル戦車せんしゃたい歩兵ほへいようとして砲塔ほうとう外部がいぶに60mm迫撃はくげきほう装備そうびしていることがおおく、とく国産こくさん戦車せんしゃメルカバのMk.2以降いこうこうそうしきのソルタム60mm迫撃はくげきほう砲塔ほうとう内蔵ないぞうして車内しゃないからの操作そうさ可能かのうとなっている。

はししきではない迫撃はくげきほうでも1970年代ねんだい自動じどう装填そうてんタイプのものが登場とうじょうし、たとえば2B9 82mm自動じどう迫撃はくげきほうは4はつ砲弾ほうだん連射れんしゃでき、榴弾りゅうだんほうのような外観がいかんをもつ。また、フランスのトムソン・ブラントしゃは、ガン・モーターばれる迫撃はくげきほう旧来きゅうらい歩兵ほへいほうわせたような射撃しゃげきシステムを開発かいはつし、60mmおよび81mmのものが歩兵ほへい戦闘せんとうしゃなどを改修かいしゅうして装備そうびされている。いずれも直接ちょくせつ照準しょうじゅんによる平射へいしゃ可能かのうで、たい歩兵ほへいせんおおきな威力いりょく発揮はっきする。

なお、安価あんか操作そうさ容易よういうえ軽量けいりょうなわりにおおきな破壊はかいりょくをもつ迫撃はくげきほうとくに60-82mmのなか口径こうけい迫撃はくげきほう)は、正規せいきぐん以外いがいにもゲリラはん政府せいふ武装ぶそう組織そしき使用しようされることもおおく、しょう火器かきあわせ、地域ちいき紛争ふんそう激化げきかさせることが懸念けねんされている。

最新さいしんまたは開発かいはつちゅう迫撃はくげきほう

編集へんしゅう

機関きかんじゅう榴弾りゅうだんほう基本きほん構造こうぞうが80ねんまえにほぼ完成かんせいされ、現代げんだいでもほとんど変化へんかしていないのと同様どうように、迫撃はくげきほうのメカニズムもほう本体ほんたい構造こうぞうすでかたまっているため、冷戦れいせん1990年代ねんだいはいってからは砲弾ほうだんきゅうだん機構きこう射撃しゃげき管制かんせいシステム改良かいりょう開発かいはつ主眼しゅがんとなっている。

たとえば、スイスのRUAGしゃ開発かいはつした120mm迫撃はくげきほう射撃しゃげきシステム"BIGHORN"は、セミ・オートマチック装填そうてん方式ほうしきのため比較的ひかくてき軽量けいりょうたか発射はっしゃ速度そくど確保かくほしており、歩兵ほへい戦闘せんとうしゃなどに搭載とうさいしてたか機動きどうせい発揮はっきする。STRIXなどの誘導ゆうどう砲弾ほうだん使用しようでき、操作性そうさせいわるたか射撃しゃげき管制かんせいシステムが攻撃こうげきをアシストする。

また、フィンランドのパトリアしゃおよびスウェーデンのBAEヘグルントしゃ協同きょうどう開発かいはつした"AMOS"も連装れんそうがたの120mm迫撃はくげきほう射撃しゃげきシステムで、車両しゃりょうだけでなく小型こがた舟艇しゅうていにも搭載とうさい可能かのうとなっている。たんそうがたは"NEMO"としょうする。いずれも平射へいしゃ可能かのう近距離きんきょり戦闘せんとうにも対応たいおうできる。

アメリカ海兵かいへいたいにおいてもEFSSドラゴンファイア開発かいはつちゅうであり、歩兵ほへい戦闘せんとうしゃクラスの車輌しゃりょう搭載とうさいできる120mmクラスの自動じどう装填そうてんしき迫撃はくげきほう新型しんがた射撃しゃげき管制かんせいシステムを統合とうごうしたユニットの開発かいはつ近年きんねん傾向けいこうである。

これらの射撃しゃげきシステムを搭載とうさいした車輌しゃりょうは、射程しゃていこそみじかいものの迫撃はくげきほう速射そくしゃせいあわせもつため軽量けいりょうながら従来じゅうらいがたはしほうよりも大幅おおはば攻撃こうげきりょく向上こうじょうしている。そうタイプの車輌しゃりょう搭載とうさいされたものもおおいが、そう車輌しゃりょう砂漠さばく泥濘でいねい以外いがいならそう軌車りょうよりも機動きどうりょくたかく、流動的りゅうどうてき戦闘せんとう推移すいいにも迅速じんそく追随ついずいでき、戦場せんじょう変化へんか柔軟じゅうなん対応たいおう可能かのうである。また、小型こがた舟艇しゅうていにも搭載とうさい可能かのうであることから、沿岸えんがん河川かせんなどでの地上ちじょう水上みずかみ戦闘せんとうにおける戦術せんじゅつ変化へんかすることが予測よそくされる。

スピガット・モーター

編集へんしゅう
 
58mm迫撃はくげきほう2がた
だいいち大戦たいせんでフランスが使用しようした
 
イスラエルのダヴィドカ
めずらしく戦後せんご使用しようされたスピガット・モーターである

"spigot mortar"、直訳ちょくやくすると「差込さしこみがた迫撃はくげきほう」となるこの兵器へいきは、だいいち世界せかい大戦たいせんときにミーネンヴェルファーやストークス・モーターととも多用たようされた曲射きょくしゃほういち形態けいたいで、ロケットランチャーちか運用うんようがなされた。ただし、砲弾ほうだんロケットだんのように飛翔ひしょうちゅう推進すいしんされるわけではない。

構造こうぞう一般いっぱんてき迫撃はくげきほうよりもさら簡素かんそで、もと底部ていぶ台座だいざ)に棒状ぼうじょうまたは中空なかぞらのロッドが接合はぎあわされ、砲弾ほうだんをロッドにむことで装填そうてんされる。支持しじはないこともおおい。ロッド(砲身ほうしん)の直径ちょっけいよりもだい口径こうけい砲弾ほうだん装填そうてんできるため、ほう自体じたいのサイズとしてかなりおおきい砲弾ほうだん射出しゃしゅつできることが特徴とくちょうである。ただし、破壊はかいりょくおおきい反面はんめん命中めいちゅう精度せいど射程しゃてい発射はっしゃ速度そくどおとり、たとえばだいいち大戦たいせんもちいられた2インチちゅう迫撃はくげきほう射程しゃていニュートン6インチ迫撃はくげきほう半分はんぶん以下いかである(砲弾ほうだん重量じゅうりょうはいずれもやく24kg)。

このため、だいいち大戦たいせんはストークスの迫撃はくげきほう淘汰とうたされてほとんどもちいられなくなった。歩兵ほへいじききょう支援しえんようとしては砲弾ほうだんおもぎて少量しょうりょうしか携行けいこうできないうえにストークスがたほどの速射そくしゃはできず、また、火力かりょく支援しえんようとしてはロケットランチャーのほうが射程しゃていなが軽便けいべんで、性能せいのう中途半端ちゅうとはんぱだったためである(ロケットランチャーも命中めいちゅう精度せいど同様どうようわるい)。

しかし、日本にっぽん陸軍りくぐんだい威力いりょく簡便かんべんあつかえるてん着目ちゃくもくしてきゅうはちしき臼砲きゅうほう開発かいはつし、太平洋戦争たいへいようせんそう運用うんようした。まただい大戦たいせんちゅうドイツ国防こくぼうぐんは、せんきゅう兵器へいきとなったしょう口径こうけい火砲かほうにスピガット・モーターのような差込さしこみしきそと砲弾ほうだんもちいて火力かりょく不足ふそくおぎなっていた。戦後せんごにおいても、だいいち中東ちゅうとう戦争せんそう兵器へいき不足ふそくなやまされたイスラエルダヴィドカ迫撃はくげきほう生産せいさんして使用しようしている。

なお、野戦やせんようとしては使つかわれなくなったが、スピガット・モーターの構造こうぞう射出しゃしゅつ方式ほうしき幅広はばひろ応用おうようされており、スピガット・モーターから派生はせいした兵器へいき下記かきのとおりすくなくない。それぞれの詳細しょうさい当該とうがい記事きじ参照さんしょう

小銃しょうじゅう擲弾
小銃しょうじゅう擲弾小銃しょうじゅう先端せんたん装着そうちゃくして曲射きょくしゃする擲弾のこと。だいいち大戦たいせん使用しようされた初期しょきのものは反動はんどうつよく、台座だいざ利用りようしたり銃床じゅうしょう接地せっちしてけい迫撃はくげきほうのように射撃しゃげきするものがおおかった。
現代げんだいではグレネードランチャー普及ふきゅうしたため、べいぐんではほとんもちいられないが、22mmライフルグレネードとして東西とうざいりょう陣営じんえい標準ひょうじゅんされている。「専用せんようのランチャーなしでもてる、小銃しょうじゅうさえあればだれでもてる」という、グレネードランチャーにはない特長とくちょうがあるため、自衛隊じえいたいをはじめ、イタリアぐんフランスぐんなどグレネードランチャーより積極せっきょくてきもちいているくにもある。
対戦たいせんしゃ兵器へいき
だい大戦たいせんちゅう開発かいはつされたイギリスブラッカー・ボンバードPIATは、くすりしつ後方こうほう閉鎖へいさされているという構造こうぞうじょう特徴とくちょう曲射きょくしゃ弾道だんどうというてんでスピガット・モーターに分類ぶんるいされる。
また、戦後せんご登場とうじょうしたソ連それんRPG-7は、発射はっしゃのサイズのわりにおおきめの砲弾ほうだん使用しようできるというスピガット・モーターの特徴とくちょうと、ロケットだんわせた画期的かっきてき携行けいこうがた対戦たいせんしゃ兵器へいきである。
たいせん兵器へいき
爆雷ばくらいをよりとおくまで投射とうしゃするためにスキッドリンボーヘッジホッグなどのたいせん兵器へいき開発かいはつされ、駆逐くちくかんフリゲートなどに搭載とうさいされた。これらは「たいせんロケットだん」とやくされることがおおいが、厳密げんみつには多連装たれんそうのスピガット・モーターである。日本語にほんごの「迫撃はくげきほう」という用語ようごには馴染なじまないが、「たいせん迫撃はくげきほう」とやくされることもおおい。

迫撃はくげきほう亜種あしゅ

編集へんしゅう

スピガット・モーター以外いがいにも、以下いかのような迫撃はくげきほう亜種あしゅ類似るいじする兵器へいき存在そんざいする。

ルフトミーネンヴェルファー
だいいち世界せかい大戦たいせんでオーストリア=ハンガリー帝国ていこくもちいたそらあつしき迫撃はくげきほうで("Luft"=空気くうき)、火薬かやくではなく圧縮あっしゅく空気くうきちから砲弾ほうだん射出しゃしゅつする。迫撃はくげきほう着弾ちゃくだんまでの時間じかんながいため、てき退避たいひ態勢たいせいをとる可能かのうせいすが、圧縮あっしゅく空気くうきでは射撃しゃげき閃光せんこう砲煙ほうえんず、発射はっしゃおんちいさいという利点りてんがある。このため砲撃ほうげきしたことをてき察知さっちされにくく、射撃しゃげき位置いち特定とくていされにくい。しかし、空気くうき圧縮あっしゅくするためのコンプレッサーと貯蔵ちょぞうようのボンベが必要ひつようなうえ、さい充填じゅうてん手間てまがかかりおも不便ふべんであることからだいいち大戦たいせんすたれた。なお、開発かいはつしたのはドイツだが、自軍じぐんでは使用しようしていない。
対空たいくう迫撃はくげきほう
だい世界せかい大戦たいせんなか、きわめてめずらしいが日本にっぽん阻塞だん発射はっしゃイギリスホールマン投射とうしゃのように迫撃はくげきほう対空たいくう兵器へいきとして利用りようしようというこころみもなされた。しかし、高射こうしゃほう機関きかんほう不足ふそくしていたゆえ代替だいたい兵器へいきにすぎず、所期しょき成果せいかることはできなかったため普及ふきゅうにはいたらなかった。
その粗製そせい迫撃はくげきほう
迫撃はくげきほう射撃しゃげきメカニズムは非常ひじょうにシンプルで、命中めいちゅう精度せいど耐久たいきゅうせい度外視どがいしすれば砲身ほうしんてつパイプでも代用だいよう可能かのうである。構造こうぞう簡単かんたん製造せいぞう高度こうど技術ぎじゅつ設備せつび必要ひつようとしない粗製そせい迫撃はくげきほうは、アイルランドのバラックバスター日本にっぽん迫撃はくげきだんのように、テロリストの密造みつぞう兵器へいきとして世界中せかいじゅう使用しようされてきた。

化学かがく兵器へいきとしての迫撃はくげきほう

編集へんしゅう
 
防毒ぼうどくマスクを装着そうちゃくした西部せいぶ戦線せんせん兵士へいし(1917ねん/ベルギー)
 
リーベンス・プロジェクター

化学かがく兵器へいき運用うんよう部隊ぶたいおおくは迫撃はくげきほう装備そうびしていた。これは、どくガスなどの化学かがく物質ぶっしつ充填じゅうてんされた砲弾ほうだん短時間たんじかん大量たいりょう投射とうしゃする手段しゅだんとして迫撃はくげきほうてきしていたためである。化学かがくせんでの運用うんよう前提ぜんてい開発かいはつされた迫撃はくげきほう存在そんざいし、これらは前述ぜんじゅつ理由りゆうからだい口径こうけいのものがおおい。だいいち世界せかい大戦たいせんではひろ利用りようされたどくガスだが、戦術せんじゅつじょうきわめてあつかいにくく効果こうか測定そくてい不確ふたしかなため、だい世界せかい大戦たいせんでは実戦じっせん使用しようされる機会きかいすくなく、通常つうじょうだんもちいる火力かりょく支援しえんなどをおこなうようになった部隊ぶたいおおい。

イギリスぐん
だいいち大戦たいせんちゅう使用しようされたリーベンス・プロジェクターは、化学かがくせん専用せんよう開発かいはつされた迫撃はくげきほうである。だいいち大戦たいせんでは、英国えいこく以外いがい軍隊ぐんたいどくガスを多用たようした。
アメリカぐん
だい大戦たいせんちゅう一部いちぶ歩兵ほへい師団しだん隷下れいか化学かがく迫撃はくげきほう大隊だいたい(chemical mortar battalion)という化学かがくせん部隊ぶたい編成へんせいしており、M2 107mm迫撃はくげきほう装備そうびしていた。
日本にっぽんぐん
きゅうよんしきけい迫撃はくげきほう当初とうしょから化学かがくせんようのガスだん投射とうしゃとして開発かいはつされた。
ドイツぐん
10cmNbW3510cmNbW40といった化学かがくせんよう迫撃はくげきほう開発かいはつしていた。"NbW"はネーベルヴェルファーし、ロケット・ランチャーである41がた以降いこうがよくられているが、初期しょきの35がた・40がた迫撃はくげきほうである。直訳ちょくやくすれば「煙幕えんまく発射はっしゃ」で、本来ほんらい用途ようと欺瞞ぎまんするための名称めいしょうである。
 
一斉いっせい放出ほうしゅつされるどくガスのしろけむり風向かざむ次第しだいでは友軍ゆうぐん被害ひがいおよぼすため、兵器へいきとしては大変たいへんあつかいにくかった

各国かっこく製品せいひん一覧いちらん

編集へんしゅう

以下いかでは、時代じだいごとの迫撃はくげきほう列挙れっきょする。一部いちぶ参考さんこうのためきん現代げんだい迫撃はくげきほう(ストークスがた迫撃はくげきほう以外いがいの"mortar"も掲載けいさい

だいいち大戦たいせん

編集へんしゅう
  イギリス帝国ていこく 1.57インチちゅう迫撃はくげきほう(40mm) ・ 2インチちゅう迫撃はくげきほう(50.8mm)(en)ストークス3インチ迫撃はくげきほう(3.2in=81.2mm)(en)ストークス4インチ迫撃はくげきほう(107mm)(en)ニュートン6インチ迫撃はくげきほう(152mm)(en)203mm化学かがくせんよう迫撃はくげきほう"LivensProjector"(en)9.45インチじゅう迫撃はくげきほう(240mm)(en)
  フランスだいさん共和きょうわせい 58mm迫撃はくげきほう2がた(en)バティニョール240mmじゅう迫撃はくげきほう(en)
  ロシア帝国ていこく 58mm迫撃はくげきほうFR1915オーセン3.5インチ迫撃はくげきほう(88.9mm)9cm迫撃はくげきほうGR
  ドイツ帝国ていこく 7.58cmミーネンヴェルファー(en)17cmミーネンヴェルファー(mMW)(en)24cmじゅうフリューゲルミーネンヴェルファー25cmミーネンヴェルファー(sMW)(en)
  オーストリア=ハンガリー帝国ていこく 8cmルフトミーネンヴェルファーM15(en)9cmミーネンヴェルファーM14(en)10.5cmルフトミーネンヴェルファーM15(en)12cmルフトミーネンヴェルファーM15(en)12cmルフトミーネンヴェルファーM16(en)14cmミーネンヴェルファーM15(en)15cmルフトミーネンヴェルファーM15(en)20cmルフトミーネンヴェルファーM16(en)22.5cmミーネンヴェルファーM15(en)26cmミーネンヴェルファーM17(en)
  オーストラリア ガーランド迫撃はくげきほう(65mm) ・ ジャパニーズ迫撃はくげきほう(75mm)

だい大戦たいせん

編集へんしゅう
 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 60mm迫撃はくげきほうM2(en)60mm迫撃はくげきほうM19(en)81mm迫撃はくげきほうM1(en)107mm迫撃はくげきほうM2(en)105mm迫撃はくげきほうT13155mm迫撃はくげきほうT2536インチ迫撃はくげきほう"Little David"(914mm)(en)
 ソビエト連邦れんぽう 37mmけい迫撃はくげきほう(en)82mm迫撃はくげきほうPM-36(en)82mm迫撃はくげきほうBM-37(en)50mmけい迫撃はくげきほうRM-38(en)120mm迫撃はくげきほうPM-38(en)50mmけい迫撃はくげきほうRM-39(en)50mmけい迫撃はくげきほうRM-40(en)50mmけい迫撃はくげきほうRM-41(en)82mm迫撃はくげきほうPM-41(en)82mm迫撃はくげきほうPM-43(en)107mm迫撃はくげきほうGVPM-38(en)120mm迫撃はくげきほうPM-43(en)160mm迫撃はくげきほうM-43(en)
 イギリス帝国ていこく 2インチ迫撃はくげきほう(50.8mm)(en)3インチ迫撃はくげきほう(3.18in=81mm)(en)4.2インチ(4.2in=106.7mm)迫撃はくげきほう(en)
 自由じゆうフランス
 ヴィシー・フランス
50mm迫撃はくげきほうMle3760mm迫撃はくげきほうMle1935ブラント81mm迫撃はくげきほうMle27/31(en)
 ナチス・ドイツ 5cmけい迫撃はくげきほうIGrW36(en)8cm迫撃はくげきほうsGrW34(en)Kz8cmたん迫撃はくげきほうGrW42(en)10cmネーベルヴェルファーNbW35(en)10cmネーベルヴェルファーNbW40(en)12cm迫撃はくげきほうGrW42(en)21cm迫撃はくげきほうGrW69(en)38 cm sLdgW(en)20cmスピガットしき工兵こうへい迫撃はくげきほう_(けいうんほう)
 大日本帝国だいにっぽんていこく じゅういちねんしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう(70mm)(en)じゅうよんねんしきじゅう迫撃はくげきほう(274.4mm) ・ はちきゅうしきじゅう擲弾筒てきだんとうきゅうよんしきけい迫撃はくげきほう(90.5mm)[ちゅう 13]きゅうろくしきちゅう迫撃はくげきほう(150.5mm)(en)[ちゅう 14]きゅうろくしきじゅう迫撃はくげきほう(305mm) ・ きゅうななしき曲射きょくしゃ歩兵ほへいほう(81.3mm) ・ さんしき迫撃はくげきほう(81.3mm) ・ きゅうななしきけい迫撃はくげきほう(90.5mm)[ちゅう 15]きゅうななしきちゅう迫撃はくげきほう(150.5mm)[ちゅう 16]きゅうはちしきせんちめーとる投擲とうてき(50mm) ・きゅうきゅうしきしょう迫撃はくげきほう(81.3mm)[ちゅう 17]きゅうきゅうしきたんちゅう迫撃はくげきほう(150.5mm) ・ しきじゅうせんちめーとる迫撃はくげきほう(120mm)
 イタリア王国おうこく Brixia45mm迫撃はくげきほうModel35(en)81mm迫撃はくげきほうModello 35
 ベルギー 50mm迫撃はくげきほうDBT
 チェコスロバキア 81mm迫撃はくげきほうvzor36(en)90mm迫撃はくげきほうvz.17 ・ 140mm迫撃はくげきほうvz.18
 ポーランド 46mm迫撃はくげきほうwz.36
 中華民国ちゅうかみんこく きゅうしき150ミリ迫擊はくげき31しき60ミリ迫撃はくげきほうさんさんしき120ミリ迫擊はくげき
 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく みんこくななねんしき擲弾筒てきだんとう

冷戦れいせん現代げんだい

編集へんしゅう
 アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく 60mm迫撃はくげきほうM224(en)81mm迫撃はくげきほうM29(en)107mm迫撃はくげきほうM30(en)120mm迫撃はくげきほうM120(en)81mm迫撃はくげきほうM252(en)M1129 ストライカーMC120mmEFSS"ドラゴン・ファイアII"(en)
 ソビエト連邦れんぽう
 ロシア連邦れんぽう
160mm迫撃はくげきほうM-160(ru)240mm迫撃はくげきほうM-240(en)(ru)82mm自動じどう迫撃はくげきほう2B9"Vasilek"(en)240mmはし迫撃はくげきほう2S4"Tyulpan"(en)120mmはし迫撃はくげきほう2S9"Nona-S"(en)120mm迫撃はくげきほう2B11"Sani"(en)82mm迫撃はくげきほう2B14"Podnos"(en)120mmはし迫撃はくげきほう2S31"Vena"(en)420mmはし迫撃はくげきほう2B1"Oka"(en)
 イギリス連邦れんぽう 51mmけい迫撃はくげきほうL9A1(en)81mm迫撃はくげきほうL16(en)
 フランス共和きょうわこく 51mmけい迫撃はくげきほうF1ブラント60mmLRガンモーター(en)ブラント81mmガン・モーターMCB-8181mm迫撃はくげきほうLLR(en)120mm迫撃はくげきほうMO120RT(en)
 フィンランド共和きょうわこく 81mm迫撃はくげきほう81KRH71Y(en)120mm迫撃はくげきほう120KRH92(en)パトリア160mm迫撃はくげきほうM58120mm迫撃はくげきほう射撃しゃげきシステム"NEMO"(en)連装れんそう120mm迫撃はくげきほう射撃しゃげきシステム"AMOS"(en)
 チェコ(スロバキア) 60mmけい迫撃はくげきほう"ANTOS"82mm迫撃はくげきほうvzor52120mm迫撃はくげきほうPRAM-L120mmはし迫撃はくげきほうShM-85(PRAM-S)
 イスラエル 76.2mmダヴィドカ迫撃はくげきほうソルタム120mm迫撃はくげきほうM-65ソルタム160mm迫撃はくげきほうM-66ソルタムK6 120mm迫撃はくげきほう120mmはし迫撃はくげきほう(Makmat)160mmはし迫撃はくげきほう(Makmat)
 日本にっぽん 64しき81mm迫撃はくげきほう68しき155mm迫撃はくげきほう60しきはし81mm迫撃はくげきほう60しきはし107mm迫撃はくげきほう96しきはし120mm迫撃はくげきほう
 ポーランド共和きょうわこく 60mm迫撃はくげきほうLM-6081mm迫撃はくげきほうM-8198mm迫撃はくげきほうM-98120mm迫撃はくげきほうM-120
 ギリシア共和きょうわこく 81mm迫撃はくげきほうE-44120mm迫撃はくげきほうE-56
 インド共和きょうわこく 81mm迫撃はくげきほうE1120mm迫撃はくげきほうE1
 アルゼンチン共和きょうわこく 120mmはし迫撃はくげきほうVCTM(en)
 ユーゴスラビア連邦れんぽう 120mm迫撃はくげきほうUB-M52
 中華民国ちゅうかみんこく台湾たいわん 41しき81ミリ迫撃はくげきほう62しき4.2インチ迫撃はくげきほう63しき120ミリ迫撃はくげきほうT-75しき60ミリ迫撃はくげきほうT-75 81ミリ迫撃はくげきほうXT-81迫撃はくげきほうXT-86迫撃はくげきほう
 中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく 63-1しき60mm迫撃はくげきほうW85しき60mm迫撃はくげきほうW90しき60mm迫撃はくげきほう53しき82mm迫撃はくげきほう67しき82mm迫撃はくげきほう74しき82mm迫撃はくげきほう83しき82mm迫撃はくげきほうPP87しき82mm迫撃はくげきほうYW304がた82mmはし迫撃はくげきほう71しき100mm迫撃はくげきほう80しき100mm迫撃はくげきほう55しき120mm迫撃はくげきほう64しき120mm迫撃はくげきほうYW381がた120mmはし迫撃はくげきほう56しき160mm迫撃はくげきほう

脚注きゃくちゅう

編集へんしゅう

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 真空しんくうちゅうであれば砲弾ほうだん放物線ほうぶつせんえがくが、迫撃はくげきほうもっとつよ空気くうき抵抗ていこう影響えいきょうけるため砲弾ほうだん落下らっか角度かくど垂直すいちょくちかくなる。くわしくははすかた投射とうしゃ参照さんしょう
  2. ^ ほうこう初速しょそく(muzzle velocity)とは、砲身ほうしんから射出しゃしゅつされた直後ちょくご砲弾ほうだん飛翔ひしょう速度そくどのこと。たん初速しょそくともいう。砲弾ほうだん砲身ほうしんないすすんでいるあいだそうやく燃焼ねんしょうガスによる圧力あつりょく加速かそくつづけるため、ちょう砲身ほうしんであるほど初速しょそくたかくなる(ただしバランスがあり、砲身ほうしんちょうければながいほどいとはかぎらない)
  3. ^ 口径こうけい」にはとおりの意味いみがあり、ストレートにほうこう直径ちょっけいなに mmであるかを場合ばあいたとえば「口径こうけい155 mm」と表記ひょうき)と、砲身ほうしんちょうほうこう直径ちょっけいなんばいであるかを場合ばあいたとえば「71口径こうけい88 mmほう」と表記ひょうき)がある。後者こうしゃは「口径こうけいちょう」をりゃくした「口径こうけい」である。まぎらわしいのが拳銃けんじゅう小銃しょうじゅう機関きかんじゅうなどの口径こうけい表記ひょうきで、たとえば30口径こうけい銃身じゅうしんちょうではなく口径こうけい7.62 mmをす。50口径こうけいなら12.7 mmで、これは1インチ(25.4 mm)の0.3ばい、0.5ばいであることから。「.30」「.50」と表記ひょうきすることもある
  4. ^ ほう全般ぜんぱん分類ぶんるい用語ようごそのものが曖昧あいまいで、厳密げんみつ分類ぶんるい非常ひじょう困難こんなんおな用語ようごでもくに時代じだいによって語義ごぎやその範囲はんいことなることもある。また、日本語にほんごにはまぎらわしい和訳わやく造語ぞうごおおいので注意ちゅういようする。れいとして、英語えいごの"cannon(キャノン)"はすべての火砲かほう包括ほうかつする名詞めいしだが、大日本帝国だいにっぽんていこく陸軍りくぐんにおいて「のう(カノンほう)」とはちょう砲身ほうしんほうす(帝国ていこく陸軍りくぐんはドイツしきはんをとったため、ドイツの"kanone"に由来ゆらい)。また、「榴弾りゅうだん」はたましゅ用語ようごでほぼすべての火砲かほうほうしゅ)で使用しようする砲弾ほうだんだが、「榴弾りゅうだんほう」としてほう自体じたい名称めいしょうもちいられる。
  5. ^ 牽引けんいんようのトレーラー」とは、タイヤとトレイル(あし)で構成こうせいされた車台しゃだいのことで、牽引けんいんするがわ牽引けんいんしゃ)のトラクターのことではない
  6. ^ ロシアせい(またはきゅう共産きょうさんけん)のなか口径こうけい迫撃はくげきほうは81mmではなく82mm口径こうけいであり、ロシアぐんてきの81mm砲弾ほうだん使用しようできるが相手あいてがわはロシアぐんの82mm砲弾ほうだん使用しようできない。ただし、間隙かんげきが1mmすため射程しゃてい距離きょり命中めいちゅう精度せいどなどのてん所期しょき性能せいのう発揮はっきできるわけではない
  7. ^ 砲身ほうしんちょう10口径こうけい未満みまんは「臼砲きゅうほう」とする定義ていぎもあるが、ほとんどの臼砲きゅうほうさらみじか砲身ほうしんであることがおお
  8. ^ ちゅう退すさふく一体化いったいかされていることもおおく、「ちゅう退すさふく」としょうする
  9. ^ レーザー誘導ゆうどうおこなうためには目標もくひょうにレーザーを照射しょうしゃする観測かんそくはん必要ひつようである
  10. ^ 壊滅かいめつ」とは、部隊ぶたいが30%以上いじょう人員じんいん損耗そんこうけ、戦闘せんとうりょく大幅おおはば喪失そうしつして補充ほじゅうなどをけねば戦力せんりょくにならない状態じょうたいす。「無力むりょく」とは、部隊ぶたいが10%以上いじょう人員じんいん損耗そんこうけ、数時間すうじかん交戦こうせんできない状態じょうたいす。「制圧せいあつ」とは、てきへい攻撃こうげき中断ちゅうだんさせ、掩蔽えんぺいてて応射おうしゃ精度せいど威力いりょくぐことである
  11. ^ だいいち世界せかい大戦たいせんにおいて、ミーネンヴェルファーあつかうのは戦闘せんとう工兵こうへいであり、工兵こうへい管轄かんかつぞくしていた。どう時期じき砲兵ほうへい部隊ぶたいではミーネンヴェルファーそっくりな形状けいじょう性能せいのう臼砲きゅうほう運用うんようしていた
  12. ^ ターンテーブルは360旋回せんかい可能かのうなものがおおく、最新さいしんがたでは発射はっしゃ反動はんどうによる車体しゃたいやサスペンションへの負担ふたん軽減けいげんさせるためにちゅう退すさふくもうけていることがある
  13. ^ 口径こうけいが90mmであるにもかかわらず「けい」といている理由りゆう欺瞞ぎまんようにあえててい威力いりょくであるかのようによそおったためという記述きじゅつられるが、たんどう時期じき開発かいはつされた3しゅ迫撃はくげきほうちゅう最小さいしょう口径こうけいであったゆえ名称めいしょうである。元来がんらいだいいちきゅう秘密ひみつ兵器へいきであり、存在そんざいそのものが秘匿ひとくされていた。これは化学かがくせんでの運用うんようだいいちとするガスだん投射とうしゃ兵器へいきであったためであるが、通常つうじょう榴弾りゅうだん用意よういされ、実戦じっせんでは中国ちゅうごく戦線せんせん一部いちぶどくガスだん使用しようしたほか通常つうじょうだんたたかっている。ストークブランしき迫撃はくげきほうであるが、簡易かんいちゅう退すさふくもうけられている
  14. ^ きゅうよんしきけい迫撃はくげきほう同様どうよう、150mmクラスであるにもかかわらず欺瞞ぎまんように「ちゅう迫撃はくげきほう」と名付なづけられたともわれるが、どう時期じき開発かいはつされた迫撃はくげきほう中間ちゅうかん口径こうけいであったゆえ命名めいめいである。ストークブランしき迫撃はくげきほうとしてはめずらしい大型おおがたちゅう退すさふくもうけられ、その複雑ふくざつさとだい重量じゅうりょうかたきとなりほとんど生産せいさんされずにわった。
  15. ^ きゅうよんしきけい迫撃はくげきほうからちゅう退すさふくはぶき、大型おおがた木製もくせい床板とこいた併用へいようすることで本体ほんたい軽量けいりょうはかった。ただし、木製もくせい床板とこいたふくめた重量じゅうりょうきゅうよんしきけい迫撃はくげきほうよりもおもくなっている
  16. ^ きゅうろくしきちゅう迫撃はくげきほうからちゅう退すさふくはぶいた簡易かんいばんで、「ちょう」(およそ12.9口径こうけい)と「たん」(およそ9.3口径こうけい)の2種類しゅるい存在そんざいする。重量じゅうりょうはそれぞれ「ちょう」342kg、「たん」232.5kgで、きゅうろくしきちゅう迫撃はくげきほうの722kgから軽量けいりょうはかられたものの、「ちょう」の木製もくせいふく床板とこいた重量じゅうりょうは370kgにおよび、本体ほんたいわせた場合ばあい重量じゅうりょうはさほど変化へんかなく、「たん」は軽量けいりょうのために射程しゃてい半分はんぶん以下いかおさえている
  17. ^ 空挺くうてい部隊ぶたいおよ歩兵ほへい近接きんせつ支援しえん火器かきであるが、曲射きょくしゃ歩兵ほへいほうではなく迫撃はくげきほうという名称めいしょうけられている

出典しゅってん

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  1. ^ a b c d クリス・マクナブ, ウィル・ファウラー「3 支援しえん火器かき」『コンバット・バイブル』2003ねん、126〜171ぺーじISBN 4-562-03624-9 
  2. ^ [1]
  3. ^ 米国べいこく国防総省こくぼうそうしょう国防こくぼう技術ぎじゅつ情報じょうほうセンター(DTIC Online)
  4. ^ 近世きんせい」のふし…『戦略せんりゃく戦術せんじゅつ兵器へいき事典じてん(5)~ヨーロッパ城郭じょうかくへん』p.82~83
  5. ^ 図説ずせつ にち戦争せんそう-兵器へいきぜん戦闘せんとうしゅう』p.26-27、『大砲たいほう入門にゅうもん』p.87-89
  6. ^ アジア歴史れきし資料しりょうセンター所蔵しょぞう迫撃はくげきほう献納けんのうけん[2]
  7. ^ アジア歴史れきし資料しりょうセンター所蔵しょぞう迫撃はくげきほう使用しようほう送付そうふけん[3]

参考さんこう文献ぶんけん

編集へんしゅう
兵器へいき
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