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銃床 - Wikipedia

銃床じゅうしょう(じゅうしょう、えい: Stock:ストック、Buttstock:バットストック)は、じゅうクロスボウ照準しょうじゅん安定あんていさせ、発射はっしゃ反動はんどうおさえるために、かたてる部品ぶひんす。ひもきゃく併用へいようすれば、さらに発砲はっぽう安定あんていられる。本来ほんらい銃床じゅうしょうじゅうのframe(フレーム)とばれる部分ぶぶんで、銃床じゅうしょう前部ぜんぶえる部分ぶぶん)をぜんゆか後部こうぶかたてる部分ぶぶん)をこうゆかまたは台尻だいじり[1]う。とくせいのものをといった。

AR-15コルトスポーター銃床じゅうしょうゆかばん銃床じゅうしょうなかには清掃せいそうキットを収納しゅうのうでき、ゆかばん中央ちゅうおう収納しゅうのうスペースのぶたもうけられている。
初期しょき大砲たいほう保持ほじするストック
銃床じゅうしょうけたじゅう(15世紀せいきごろ)

英語えいごのstock(ストック)という言葉ことばは、スティック(stick, ぼう)から派生はせいしたかたりで、butt(バット)という言葉ことばは「ふとはし」を意味いみする。

ストックは、1571ねんから使つかわれており、ドイツみき意味いみする Stock からている[2]初期しょきつくられた武器ぶきでは、銃身じゅうしんぼう直接ちょくせついちきゃくのようにけて固定こていしていたが、のちアーキバス火縄銃ひなわじゅう)の時代じだいには、点火てんか機構きこう作動さどうさせるがねと、じゅう照準しょうじゅんをしっかり安定あんていさせるため後端こうたん銃床じゅうしょうそなわるようになり、現代げんだいつづ小銃しょうじゅう基本きほんてきなデザインがさだまった。騎兵きへいは、銃床じゅうしょう初期しょきマスケットじゅう装填そうてん利用りようしていた。

概要がいよう

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かたげきちをおこなわないじゅう車両しゃりょう搭載とうさい機銃きじゅう拳銃けんじゅうなど)では銃床じゅうしょう不要ふようである。車両しゃりょう搭載とうさいする場合ばあい歩兵ほへい携行けいこうする場合ばあい両方りょうほう使途しとがあるじゅうでは、銃床じゅうしょうはずせる構造こうぞうとするれいがある(MG34機関きかんじゅうM240汎用はんよう機関きかんじゅうなど)。これとはべつに、サブマシンガンアサルトライフルでは、状況じょうきょうおうじて銃床じゅうしょうたたみ、または短縮たんしゅくできる構造こうぞうとするれいがある。この場合ばあい車両しゃりょうへの搭載とうさいではなく、携行けいこうせい考慮こうりょしたものである。

銃床じゅうしょうはほぼかならじゅうさい後尾こうび配置はいちされるが、寸法すんぽう都合つごうじょうレシーバーの途中とちゅう銃床じゅうしょう構造こうぞうのものもある(バレット M82A2など)。

かつては、銃床じゅうしょうかた木材もくざいクルミなどのたんざい、あるいは合板ごうはん)でつくられた。小銃しょうじゅう時代じだいくだるごとにみじかくなっており、過去かこにはじゅうさきがわとバランスをるためえて銃床じゅうしょう重量じゅうりょう意味いみもあった。とく全長ぜんちょうみじかいサブマシンガンとうでは金属きんぞくせい骨組ほねぐみだけのような構造こうぞうのものや、軽量けいりょうのために合成ごうせい樹脂じゅし主体しゅたいふくあい材料ざいりょうつくられたものもある。

M1ガーランド
M16A1

みぎ写真しゃしんM1ガーランドのように、銃床じゅうしょう位置いち銃身じゅうしんじくせんよりひくいものをきょく銃床じゅうしょうM16のように銃床じゅうしょう位置いち銃身じゅうしんじくせん延長えんちょうじょうにあるものをちょく銃床じゅうしょうという。じゅう照準しょうじゅんをつけるためのアイアンサイト通常つうじょう銃身じゅうしん直上ちょくじょうもうけられるが、銃床じゅうしょう最初さいしょ開発かいはつされたときかたけしたさい視線しせんあきらもんから照星しょうせいとおたかさまでげるため、銃床じゅうしょうなな下垂かすいしたきょく銃床じゅうしょうとなった。しかしけい機関きかんじゅうアサルトライフルひとし連射れんしゃしきじゅう普及ふきゅうしてくると、きょく銃床じゅうしょうには連続れんぞくする反動はんどうによって銃口じゅうこうがるモーメントがつよくわわる問題もんだいこった。そこで、銃口じゅうこうからかたけまで一直線いっちょくせん反動はんどうがりをおさえるちょく銃床じゅうしょう考案こうあん普及ふきゅうした。また従来じゅうらい銃床じゅうしょう区別くべつのためのレトロニムとしてきょく銃床じゅうしょうばれるようになった。一方いっぽうちょく銃床じゅうしょう射手しゃしゅ視線しせんから銃身じゅうしん位置いちひくいため、たかげたピープサイトとする必要ひつようしょうじた。照準しょうじゅん眼鏡めがね(スコープ)を使用しようする場合ばあいでも支柱しちゅうだいたかくなるためくるいをしょうじやすく、きょく銃床じゅうしょうくらたん発射はっしゃでの命中めいちゅう精度せいどでは不利ふりになる。きょく銃床じゅうしょう連射れんしゃ機能きのうたない猟銃りょうじゅうでは依然いぜん主流しゅりゅうであり、やはりたんしゃ精度せいど重視じゅうしする狙撃そげきじゅうにもすくなくない。

白兵戦はくへいせんにおいて、歩兵ほへいようライフルじゅう銃床じゅうしょうは、てきへいなぐりつけるなど格闘かくとうせん手段しゅだんとしてももちいられてきた。きょく銃床じゅうしょう時代じだいには小銃しょうじゅう構造こうぞう自体じたい単純たんじゅんであったうえ殴打おうだしゅとなるぜんゆかから銃床じゅうしょうまで一体いったい構造こうぞう頑強がんきょうなフレームになっており機構きこうつたわる衝撃しょうげきちいさかったが、ちょく銃床じゅうしょうになると複雑ふくざつ連射れんしゃ機構きこう衝撃しょうげきがまともにつたわるうえ分割ぶんかつおおくなったたたしき銃床じゅうしょう伸縮しんしゅくしき銃床じゅうしょうでは、そのような用途ようとにはさらにてきさなくなった。合成ごうせい樹脂じゅしせい銃床じゅうしょう同様どうようで、えられるのはじゅうじくせん方向ほうこうにまっすぐ打撃だげき程度ていどかぎられる。

おなボルトアクションライフルでも歩兵ほへいよう小銃しょうじゅう狙撃そげきじゅう猟銃りょうじゅうとの目立めだ相違そういが、銃床じゅうしょうのうちぜんゆかがわつくりにある。歩兵ほへいじゅうでは銃剣じゅうけん格闘かくとう負荷ふかつため、また連射れんしゃあつくなった銃身じゅうしんによる火傷かしょう防止ぼうしのため、おおくがぜんゆか銃口じゅうこう付近ふきんまで延長えんちょうしてあり、しばしば上面うわつらがわまでおおうハンドガードとなっている。これが不要ふよう猟銃りょうじゅう狙撃そげきじゅうではぜんゆかちいさく銃身じゅうしんだい部分ぶぶんがむきしになる。

構成こうせい

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みぎスターム・ルガー 10/22をれいしめすが、部位ぶいおおきくけてふたつあり、後部こうぶの1)butt、前部ぜんぶの2)forendにけることが出来できる。そのに3) comb, 4) heel, 5) toe, 6) grip, 7) thumbholeがある[3]

種類しゅるい

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ストックをりたたんだ状態じょうたい携行けいこうされるツァスタバM21
たたしき銃床じゅうしょう(folding stock)、おりきょく銃床じゅうしょう
輸送ゆそう空挺くうてい部隊ぶたい装甲車そうこうしゃ部隊ぶたいふね部隊ぶたいなどが携行けいこうしやすさから利用りようする。
  • UZIでは、2つりにしてたた独特どくとく機構きこう採用さいようしている。Vz.61 スコーピオンは、うえ方向ほうこうからたたむようになっている。また、スターリングしも方向ほうこうからたたむ。
伸縮しんしゅくしき銃床じゅうしょう(adjustable fixed stock)
 
伸縮しんしゅくしき銃床じゅうしょう調節ちょうせつしきチークパッドをそなえる20しき5.56mm小銃しょうじゅう
テレスコピックストックまたはリトラクタブルストックともいう。初期しょきのものはばせるながさが固定こていちょうがただったが、近年きんねんのものは段階だんかい調節ちょうせつがたになっている。じゅうじくせん沿ってっすぐばす構造こうぞうじょう射撃しゃげきちゅう反動はんどうまれるちからにより固定こていはずれて機能きのうしなくなるリスクがあり、反動はんどうちいさめのMP5などサブマシンガンから採用さいようはじまった。小銃しょうじゅうクラスでの本格ほんかく採用さいよう冷戦れいせん、アメリカぐんM4カービン大量たいりょう導入どうにゅうったころからで、これはM16けいゆうそことう銃床じゅうしょうない貫入かんにゅうしている構造こうぞうからたた銃床じゅうしょう導入どうにゅうできないことの代替だいたい措置そちめんもあったが、体格たいかく装具そうぐあつみにおうじて調節ちょうせつできるメリットがおおきいことがわかり、以後いごおおくのじゅう採用さいようすすみつつある。FN SCARなどたたみと伸縮しんしゅく機構きこう併設へいせつするものもある。
 
SVDの中空なかぞらストック
中空なかぞら
軽量けいりょうのほか、空洞くうどうされた部分ぶぶん有効ゆうこう活用かつようすることもある。
ブルパップ方式ほうしき
銃床じゅうしょう機関きかん丸々まるまる格納かくのうして、銃身じゅうしんちょう全長ぜんちょうみじかくした方式ほうしき
バンプファイアストック
民間みんかんられるような連射れんしゃ機能きのう制限せいげんされたはん自動じどう火器かき細工ざいくおこな発砲はっぽう反動はんどう連射れんしゃできるようにする方法ほうほうバンプファイアである。バンプファイアストックは、それを容易よういおこなえるようにするオプションパーツである[4]。アメリカは、これを使用しようしたじゅう乱射らんしゃ事件じけんの2018ねん12月に規制きせいした。
 
アンシュッツせい競技きょうぎようライフル
狙撃そげきよう
射撃しゃげき精度せいどとく重視じゅうしする競技きょうぎじゅう狙撃そげきじゅうなどでは、銃床じゅうしょう射手しゃしゅ身体しんたいじゅう一体化いったいかさせるための固定こていだいとなる。肩当かたあてのバットプレートにくわえて、銃床じゅうしょう上部じょうぶには頭部とうぶあづけてサイトへの視線しせん保持ほじするためのほおて(チークピース)がき、とくこう精度せいどもとめるものはネジとう微細びさいなポジション調整ちょうせい可能かのうになっている。近年きんねん標準ひょうじゅん装備そうびのアサルトライフルとうでも、非対称ひたいしょうせんにおいて特殊とくしゅ部隊ぶたい後衛こうえいのパトロール部隊ぶたいなど軽装けいそうへい交戦こうせん比率ひりつ増大ぞうだいしたことで小銃しょうじゅう火力かりょくへの依存いぞんし、狙撃そげき精度せいど向上こうじょうもとめられていることもあり、伸縮しんしゅくしき銃床じゅうしょうかたけの調整ちょうせいがある程度ていど可能かのうになるとともに、チークピースもあつみのことなるなに種類しゅるいかのパッドを交換こうかんするひとし簡易かんいだが調節ちょうせつ可能かのうなものがえてきている。
着脱ちゃくだつしき
とくだい世界せかい大戦たいせんまえごろまで、拳銃けんじゅう小銃しょうじゅうあいだめる火器かきのラインナップがまだうすく、小銃しょうじゅう自体じたい長大ちょうだい携行けいこうせいおとっていた時代じだいには、拳銃けんじゅうマシンピストル必要ひつようおうじてストックを装着そうちゃくピストルカービン小型こがたライフル)やけいサブマシンガンとしての使用しようニーズがすくなくなかった。この時期じきモーゼルC96南部なんぶ大型おおがた自動じどう拳銃けんじゅうひとしには拳銃けんじゅう本体ほんたいをストックに収納しゅうのうできホルスターになるものもあった。比較的ひかくてきあたらしいものでは冷戦れいせんVP70のストックも本体ほんたい収納しゅうのうがたで、またこのストックに内蔵ないぞうするバースト射撃しゃげき機構きこう接続せつぞくしマシンピストルになるというユニークなメカニズムがそなわっていた。その一部いちぶカスタムガンのニーズにまるものの、拳銃けんじゅうようストックるい開発かいはつ販売はんばいつづいている。

用途ようとによる変形へんけい

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宇宙うちゅう飛行ひこう用途ようと
  • TP-82 - ソビエト連邦れんぽうげる有人ゆうじん宇宙船うちゅうせん乗組のりくみいん着陸ちゃくりく使用しようするさん銃身じゅうしんピストル。銃床じゅうしょうが鉈になっている。

注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 台尻だいじりとは - コトバンク”. コトバンク. 2022ねん12月24にち閲覧えつらん
  2. ^ Origin and meaning of stock by Online Etymology Dictionary”. 26 September 2020閲覧えつらん
  3. ^ SAAMI Glossary, S”. 2007ねん10がつ31にち時点じてんオリジナルよりアーカイブ。2008ねん1がつ3にち閲覧えつらん
  4. ^ Slide Fire

関連かんれん項目こうもく

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