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重火器 - Wikipedia

重火器じゅうかき(じゅうかき)は火器かき[注釈ちゅうしゃく 1]のうち相対そうたいてき大型おおがたのものをあらわし、しょう火器かき対立たいりつ概念がいねんである。したがって重火器じゅうかき多義たぎであり[注釈ちゅうしゃく 2]一般いっぱんてきまんにんれられる定義ていぎ存在そんざいしない。その文脈ぶんみゃくから意味いみ汲取くみとることが必要ひつようである。

おも定義ていぎ

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防衛ぼうえいしょう規定きてい

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現行げんこう防衛ぼうえいしょう規格きかくでは火器かき口径こうけい20 mmを基準きじゅんにして2つにかち、20 mm未満みまんしょう火器かき銃器じゅうきじゅう)、20 mm以上いじょう火砲かほうほうほう熕武)と定義ていぎしている。したがって重火器じゅうかき概念がいねんもちいていない。

帝国ていこく陸軍りくぐん歩兵ほへい操典そうてん

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用語ようご重火器じゅうかき」が明示めいじてき定義ていぎされていたわけではない。しかし歩兵ほへい操典そうてん昭和しょうわ15ねん)によれば歩兵ほへい前進ぜんしん運動うんどう(たとえば突撃とつげきへいとともに前進ぜんしんするのは小銃しょうじゅうけい機関きかんじゅう擲弾筒てきだんとうおよび手榴弾しゅりゅうだんとされ、それ以外いがい火器かき砲兵ほうへい重火器じゅうかきけているので[1]じゅう機関きかんじゅうおよび歩兵ほへい所属しょぞく小型こがたほう歩兵ほへいほう対戦たいせんしゃほう)が重火器じゅうかきとしてあつかわれていたことになる。また砲兵ほうへいあつかいの重砲じゅうほう除外じょがいされていたことになる。

米国べいこく陸軍りくぐん

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米国べいこく陸軍りくぐん規格きかく U.S. Army regulations 320-5 (AR 320-5) によれば重火器じゅうかき(heavy weapon)は「迫撃はくげきほう榴弾りゅうだんほうほう[注釈ちゅうしゃく 3]じゅう機関きかんじゅうおよび反動はんどうほうであって通常つうじょう歩兵ほへい装備そうび一部いちぶとされるものすべて」である。[注釈ちゅうしゃく 4]したがって、歩兵ほへい装備そうびではない重砲じゅうほう以上いじょう)の装備そうび除外じょがいされていた。[注釈ちゅうしゃく 5]

その定義ていぎ

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重火器じゅうかきは、一般いっぱんてきには地上ちじょう部隊ぶたい使用しようする火器かきのうち、砲兵ほうへいなどの専科せんかへい運用うんようするもの、すなわち榴弾りゅうだんほうカノンほう臼砲きゅうほう対地たいちミサイル対空たいくうミサイル個人こじん携行けいこうできるものをのぞく)などをす。

日本にっぽんでは自衛隊じえいたい海外かいがい派遣はけんかんする議論ぎろんなかで、自衛隊じえいたい携行けいこうする武器ぶきしょう火器かき限定げんていするという文言もんごんから、「しょう火器かきとはなにか」という議論ぎろんきた。最終さいしゅうてき自衛隊じえいたい携行けいこうできる武器ぶきじゅう機関きかんじゅうや、迫撃はくげきほう携帯けいたい対戦たいせんしゃロケットほうなどがふくまれないことになったので、結果けっかてきにはこれらを重火器じゅうかきとしてあつかったことになる。

また、だいいち世界せかい大戦たいせんドイツは、ヴェルサイユ条約じょうやくにおいて重火器じゅうかき保有ほゆう禁止きんしされていたが、当時とうじ概念がいねんでは重火器じゅうかきとはいわゆる大砲たいほうし、現代げんだいでは重火器じゅうかき分類ぶんるいされるミサイル未知みち技術ぎじゅつであったことから重火器じゅうかきふくまれておらず、結果けっかとしてミサイルの保有ほゆう禁止きんしされていなかった。このため、ドイツはミサイルの研究けんきゅうみ、世界せかい先駆さきがけてV2ロケットなどの弾道だんどうミサイル実用じつよう成功せいこうすることになる。

脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ 火薬かやくなどのエネルギーを利用りようして飛翔ひしょうたい弾丸だんがんなど)を射出しゃしゅつする装置そうち
  2. ^ おなじくしょう火器かき多義たぎになりうる。そのてんたん火器かき口径こうけいによりしょう火器かき定義ていぎする防衛ぼうえいしょう方法ほうほう単純たんじゅん明快めいかいさのてんすぐれている
  3. ^ この文脈ぶんみゃくでは原文げんぶん gun はじゅうではなく直線ちょくせん弾道だんどう火砲かほうのこと
  4. ^ "heavy weapons" are all "weapons such as mortars, howitzers, guns, heavy machineguns and recoilless rifles which are usually part of infantry equipment."
  5. ^ よって米国べいこく陸軍りくぐん重火器じゅうかき概念がいねん帝国ていこく陸軍りくぐんのものと、ほぼおなじである

出典しゅってん

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  1. ^ たとえばだいしょうだいせつだいいち款 戦闘せんとうため前進ぜんしん だいひゃくよんじゅうよんに「...をこう重火器じゅうかき砲兵ほうへいとう射撃しゃげき効果こうか利用りようして...」とある(原文げんぶんカナ、前後ぜんご省略しょうりゃく)。

文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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