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MIMO - Wikipedia

MIMO (multiple-input and multiple-output、マイモ)とは、無線むせん通信つうしんにおいて、送信そうしん受信じゅしん双方そうほう複数ふくすうのアンテナを使つかい、通信つうしん品質ひんしつ向上こうじょうさせることをいう。スマートアンテナ技術ぎじゅつひとつ。なお、"input" および "output" とのいいかたはアンテナを装備そうびした機器きき基準きじゅんとするのではなく、信号しんごう伝送でんそうする無線むせん伝送でんそう基準きじゅんとしている(伝送でんそうから入力にゅうりょくとなる送信そうしんがわが "input"、伝送でんそうから出力しゅつりょくとなる受信じゅしんがわが "output" となる)。

SISO, SIMO, MISO, MIMO

帯域たいいきはば送信そうしん出力しゅつりょく強化きょうかしなくともデータのスループットやリンクできる距離きょり劇的げきてき改善かいぜんするということで、無線むせん通信つうしん業界ぎょうかい注目ちゅうもくされているテクノロジーである。周波数しゅうはすう帯域たいいき利用りよう効率こうりつたかく(帯域たいいきはば1ヘルツたりのビットレートがたかくなる)、リンクの信頼しんらいせいまたは多様たようせいたかめている(フェージング低減ていげん)。以上いじょうからMIMOは、IEEE 802.11n (Wifi)、4G3GPP Long Term EvolutionWiMAXHSPA+といった最近さいきん無線むせん通信つうしん規格きかく重要じゅうよう一部いちぶとなっている。

背景はいけい

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この分野ぶんや最初さいしょのアイデアとしては、A.R. Kaye と D.A. George(1970ねん)、W. van Etten(1975ねん、1976ねん)までさかのぼる。ベル研究所けんきゅうじょの Jack Winters と Jack Salz は1984ねんと1986ねんビームフォーミングかんする応用おうようについての論文ろんぶん発表はっぴょうした[1]

原理げんり考案こうあん

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Arogyaswami PaulrajThomas Kailath は1993ねん、MIMOを使つかった 空間くうかん多重たじゅう (SM, spatial multiplexing) の概念がいねん提唱ていしょうした。1994ねんには空間くうかん多重たじゅうかんする特許とっきょアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく特許とっきょだい 5,345,599ごう)を申請しんせいしており[2]とく無線むせん放送ほうそうでの応用おうよう強調きょうちょうしている。

1996ねん、Greg Raleigh と Gerard J. Foschini はMIMOテクノロジーのあらたなアプローチを考案こうあんし、リンクのスループットを効果こうかてき改善かいぜんすべく、ひとつの送信そうしん複数ふくすうのアンテナを設置せっちした構成こうせい検討けんとうした[3][4]

1998ねん、ベル研究所けんきゅうじょはMIMO通信つうしんシステムの性能せいのう改善かいぜんする主要しゅようテクノロジーである空間くうかん多重たじゅう実験じっけんしつレベルでのプロトタイプ開発かいはつ成功せいこうした[5]

無線むせん規格きかく

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世界せかいはつ実用じつようは2001ねんのことで、Iospan Wireless Inc. がMIMOと直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞくテクノロジー (MIMO-OFDMA) を使つかったシステムを開発かいはつした。Iospanの技術ぎじゅつは、ダイバーシティコーディングと空間くうかん多重たじゅう両方りょうほうをサポートしていた。2005ねんAirgo Networks はMIMOにかんする特許とっきょもとづき、まだ規格きかく策定さくていちゅうだった IEEE 802.11n をいちはや実装じっそうした。よく2006ねんには、数社すうしゃブロードコムインテルマーベル)がMIMO-OFDMを採用さいようし、まだ規格きかく確定かくていしていない802.11nの実装じっそうおこなっている。おなじく2006ねん数社すうしゃ(Beceem Communications、サムスン電子でんし、Runcom Technologies )がMIMO-OFDMAを採用さいようWiMAX(IEEE 802.16e)の実装じっそうおこなった。今後こんご4GシステムもMIMOテクノロジーを採用さいようする予定よていである。研究けんきゅうレベルでは1Gbit/sのプロトタイプも登場とうじょうしている。

MIMOのおも機能きのうは、プリコーディング、空間くうかん多重たじゅう (SM)、ダイバーシティコーディングの3つに分類ぶんるいされる。

プリコーディング (en)
プリコーディングとは狭義きょうぎには、マルチストリームのビームフォーミング意味いみする。広義こうぎには送信そうしんにおけるあらゆる空間くうかん処理しょり意味いみする。(単一たんいつそうの)ビームフォーミングにおいては、おな信号しんごうをそれぞれの送信そうしんアンテナから適当てきとう位相いそう(およびときには適当てきとう利得りとく)におもけして送信そうしんし、受信じゅしんがわ信号しんごうのパワーが最大さいだいになるようにする。ビームフォーミングの利点りてん受信じゅしんがわ信号しんごう利得りとく増大ぞうだいさせることであり、そのためにことなるアンテナから放射ほうしゃされた信号しんごう構築こうちくてき加算かさんすることができ、多重たじゅう伝送でんそうによるフェージング影響えいきょう低減ていげんさせる。散乱さんらんがなければビームフォーミングは指向しこうせいパターンをしめすが、典型てんけいてき携帯けいたい電話でんわのビームとはことなる。受信じゅしんがわ複数ふくすうのアンテナを場合ばあい送信そうしんがわによるビームフォーミングでぜん受信じゅしんアンテナの信号しんごうレベルを同時どうじ最大さいだいすることはできず、マルチストリームのプリコーディングが使つかわれる。なおプリコーディングをおこなうには、送信そうしんがわチャネル状態じょうたい情報じょうほう (CSI) についての知識ちしきっていることが要求ようきゅうされる。
空間くうかん多重たじゅう (en)
空間くうかん多重たじゅうにはMIMOがたのアンテナ構成こうせい必要ひつようとする。こう転送てんそうレートの信号しんごうてい転送てんそうレートの複数ふくすうのストリームに分割ぶんかつし、それぞれのストリームをそれぞれの送信そうしんアンテナからおな周波数しゅうはすうチャネルに発信はっしんする。受信じゅしんがわのアンテナ・アレイで個々ここのアンテナの空間くうかん特性とくせい十分じゅうぶんことなるなら、それらの信号しんごうがそれぞれのアンテナによって受信じゅしんされ、並列へいれつのチャネルとしてそれらのストリームを分離ぶんりすることができる。空間くうかん多重たじゅうは、たかSN通信つうしん容量ようりょう増大ぞうだいさせる非常ひじょう強力きょうりょく技法ぎほうの1つである。空間くうかんストリームの最大さいだいすうは、送信そうしんがわまたは受信じゅしんがわのアンテナすうすくないほうに制限せいげんされる。空間くうかん多重たじゅうには伝送でんそうについての知識ちしきかならずしも必須ひっすではない。空間くうかん多重たじゅう複数ふくすう受信じゅしんへの同時どうじ送信そうしん使つかうこともでき、それを空間くうかん分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞく (SDMA) とぶ。
ダイバーシティコーディング (en)
送信そうしんがわにチャネル状態じょうたい情報じょうほうについての知識ちしきまったくない場合ばあい技法ぎほう空間くうかん多重たじゅうとはことなり単一たんいつのストリームを送信そうしんするが、その信号しんごう時空じくうあいだ符号ふごうという技法ぎほう符号ふごうされる。その信号しんごうを(ほぼ)完全かんぜん直交ちょっこう符号ふごうとしてそれぞれの送信そうしんアンテナから発信はっしんする。ダイバーシティコーディングは、複数ふくすうアンテナリンクにおける個々ここのフェージングを利用りようして、信号しんごうダイバーシティ強化きょうかする。チャネルについて知識ちしきがないため、ダイバーシティコーディングでビームフォーミングをおこなうことはできない。

送信そうしんがわでチャネルについての知識ちしきがあれば、空間くうかん多重たじゅうとプリコーディングを組合くみあわせることができ、復号ふくごう信頼しんらいせいとのトレードオフで空間くうかん多重たじゅうとダイバーシティコーディングを組合くみあわせることもできる。

形態けいたい

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マルチアンテナがた

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802.11n 製品せいひんなどはマルチアンテナがた(シングルユーザーMIMO)の実装じっそうである。MIMOが縮退しゅくたいするとSISO (single input and single output)/SIMO/MISOとなる。受信じゅしんがわ単一たんいつアンテナとなる縮退しゅくたい状態じょうたいがMISO (multi input and single output) で、送信そうしんがわ単一たんいつアンテナとなる縮退しゅくたい状態じょうたいが SIMO (single input and multi output) である。SISOは送信そうしんがわ受信じゅしんがわ単一たんいつアンテナの通常つうじょう無線むせん通信つうしん意味いみする。

シングルユーザーMIMOの基本きほん技法ぎほうとして、つぎ具体ぐたいれいがある。

アンテナの配置はいち間隔かんかくはなるべくひろほうのぞましく、基地きちきょくでは波長はちょうなんばいというになる。アンテナの配置はいち携帯けいたいがた送受信そうじゅしんでは重大じゅうだい問題もんだいであり、設計せっけいとアルゴリズムによる対策たいさく両面りょうめん検討けんとうすすめられている。

マルチユーザーMIMO

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近年きんねん、マルチユーザーMIMO技術ぎじゅつ研究けんきゅうさかんになっている。完全かんぜんなマルチユーザーMIMO(ネットワークがたMIMO)はたか可能かのうせいめており、部分ぶぶんてきなマルチユーザーMIMOの実用じつよう研究けんきゅうさかんである。

マルチユーザーMIMO (MU-MIMO, en)
MU-MIMOはたかいスループット能力のうりょく実現じつげんしつつ、SU-MIMOよりも受信じゅしんアンテナすうすくなく機器きき複雑ふくざつせいちいさくてむため、3GPPWiMAX最近さいきん規格きかくでは、サムスン、インテル、クアルコム、エリクソン、TI、ファーウェイ、フィリップス、アルカテル・ルーセント、フリースケールといったおおくの企業きぎょう仕様しよう実現じつげんするための技術ぎじゅつ候補こうほの1つとしてMU-MIMOをげている。
シングルユーザーMIMOのスケジューリングが単独たんどくのユーザーだけにてるのにたいして、PU2RC (Per-User Unitary Rate Control) ではネットワークがそれぞれのアンテナをことなるユーザーにてることを可能かのうにする。ネットワークはコードブックベースの空間くうかんビームまたは仮想かそうアンテナをとおしてユーザーデータを送信そうしんすることができる。空間くうかんてき識別しきべつ可能かのうなユーザーとコードブックベースの空間くうかんビームをペアにするなどの効率こうりつてきなユーザースケジューリングは、無線むせんネットワークの単純たんじゅんという観点かんてん議論ぎろんすすめられている。PU2RC は IEEE 802.16m (WiMAX2) の system description documentation (SDD) にふくまれている。
協調きょうちょうMIMO (CO-MIMO)
分散ぶんさんして存在そんざいすることなるユーザーのものであるアンテナぐん利用りようするMIMO。
MIMO ルーティング
MIMOルーティングとはクラスター単位たんいのルーティングであり、かくクラスターは1つ以上いじょうのノードからなる。従来じゅうらいの(SISO)ルーティングはノードからノードへのルーティングであるのにたいして、MIMOルーティングはクラスター単位たんいであるてんことなる[6]

空間くうかん多重たじゅう技法ぎほう受信じゅしん非常ひじょう複雑ふくざつさせるため、一般いっぱん変調へんちょう方式ほうしきとしてマルチパス起因きいんする問題もんだい効率こうりつてきあつかえる直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多重たじゅう方式ほうしき (OFDM) または直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞく (OFDMA) と組合くみあわせて使用しようする。IEEE 802.16e ではMIMO-OFDMAを採用さいようしている。2009ねん10がつにリリースされた IEEE 802.11n はMIMO-OFDMを推奨すいしょうしている。

移動いどうたい通信つうしんでも、3GPP3GPP2最近さいきん規格きかくでMIMOが採用さいようされている。3GPPでは、HSPA+および Long Term Evolution (LTE) でMIMOをれている。さらに携帯けいたい電話でんわ環境かんきょうでMIMOを完全かんぜんサポートするため、IST-MASCOT などの研究けんきゅうコンソーシアムはよりすすんだマルチユーザーMIMOの開発かいはつ提案ていあんしている。

MIMOは無線むせん通信つうしんだけに限定げんていされる概念がいねんではない。有線ゆうせん通信つうしんでも活用かつよう可能かのうである。たとえば Binder MIMO Channels にもとづいたあらたなDSL技術ぎじゅつ(ギガビットDSL)が提案ていあんされている。

数学すうがくてき解説かいせつ

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MIMO伝送でんそうモデル

MIMOシステムでは、送信そうしん複数ふくすう送信そうしんアンテナを使つかって複数ふくすうのストリームを送信そうしんする。送信そうしんストリームは送信そうしんがわ  送信そうしんアンテナと受信じゅしんがわ  受信じゅしんアンテナのあいだ全部ぜんぶ  伝送でんそうから行列ぎょうれつチャネルをとおる。受信じゅしん複数ふくすう受信じゅしんアンテナで信号しんごうベクトル受信じゅしんし、それら信号しんごうベクトルを復号ふくごうしてもと情報じょうほうる。ナローバンドのフラットフェージングかたMIMOシステムはつぎしきでモデルされる。

 

ここで   受信じゅしん送信そうしんのベクトルで、   はそれぞれチャネル行列ぎょうれつとノイズベクトルである。

情報じょうほう理論りろんによれば、送信そうしんがわ受信じゅしんがわチャネル状態じょうたい情報じょうほう (CSI) を完全かんぜんかつ即時そくじ把握はあくしているMIMOシステムのエルゴードてき通信つうしん容量ようりょうつぎしきあらわされる[7]

 

ここで  随伴ずいはん作用素さようそ意味いみし、 送信そうしん出力しゅつりょくとノイズ出力しゅつりょく(すなわち送信そうしんがわでのSN)である。最適さいてき信号しんごうども分散ぶんさん   はチャネル行列ぎょうれつ  最適さいてき対角線たいかくせん出力しゅつりょく配分はいぶん行列ぎょうれつ  特異とくい分解ぶんかいからられる。最適さいてき出力しゅつりょく配分はいぶん注水ちゅうすい定理ていり (water-filling) アルゴリズムでられ、つぎのようになる[8]

 

ここで   対角線たいかくせん要素ようそであり、  はその引数ひきすうまけならゼロになることを意味いみし、   となるよう選択せんたくする。

送信そうしん統計とうけいてきチャネル状態じょうたい情報じょうほうしかたない場合ばあい信号しんごうども分散ぶんさん  つぎのように平均へいきん相互そうご情報じょうほうりょうによってのみ最適さいてきされ、エルゴードてき通信つうしん容量ようりょう減少げんしょうする[7]

 

チャネルの空間くうかん相関そうかんは、統計とうけい情報じょうほうもとづくエルゴードてき通信つうしん容量ようりょう重大じゅうだい影響えいきょうあたえる。

送信そうしんチャネル状態じょうたい情報じょうほうまったたない場合ばあい最悪さいあくケースの統計とうけいりょうにおける通信つうしん容量ようりょう最大さいだいするよう信号しんごうども分散ぶんさん  選択せんたくでき、結局けっきょく   となり、つぎしきあらわされる。

 

チャネルの統計とうけいてき特性とくせいにも依存いぞんするが、エルゴードてき容量ようりょうはSISOシステムのそれにくらべると大抵たいてい場合ばあい   ばいとなる。

MIMO信号しんごうテストはだいいち送信そうしん/受信じゅしんシステムを対象たいしょうとする。ふく搬送波はんそうは信号しんごう無作為むさくい位相いそうにより瞬時しゅんじ様々さまざまなパワーレベルをつくすことができ、それによって信号しんごう圧縮あっしゅく瞬間しゅんかんてきゆがみをし、最終さいしゅうてきにシンボルエラーをこすことができる。PAR(ピークたい平均へいきんパワー)のおおきい信号しんごうは、送信そうしんでの処理しょり過程かていでの信号しんごう圧縮あっしゅく予測よそくできない。OFDM信号しんごう非常ひじょうにダイナミックで、ノイズのような性質せいしつがあるために圧縮あっしゅく問題もんだい検出けんしゅつするのが困難こんなんである。

信号しんごうチャネルの品質ひんしつることも重要じゅうようである。チャネルエミュレータはセルエッジでの機器ききいをシミュレートでき、ノイズを追加ついかしたり、転送てんそう速度そくどによるチャネルの変化へんかをシミュレートできる。受信じゅしん性能せいのう完全かんぜん評価ひょうかする場合ばあい、ベクトル信号しんごう発生はっせい (VSG) のような較正こうせいされた送信そうしんとチャネルエミュレータを使つかって様々さまざま条件じょうけん受信じゅしんをテストする。ぎゃく様々さまざま条件下じょうけんかでの送信そうしん性能せいのう評価ひょうかするには、チャネルエミュレータとベクトル信号しんごうアナライザ (VSA) のような較正こうせいされた受信じゅしん使つかえばよい。

チャネルを理解りかいすることで、個々ここ送信そうしんでの位相いそう振幅しんぷく操作そうさしてビームを形成けいせいできる。まさしくビームを形成けいせいするには、送信そうしんがチャネルの特性とくせい理解りかいしている必要ひつようがある。その過程かていを「チャネルサウンディング」または「チャネル推定すいてい」とぶ。チャネル環境かんきょうぞうえがけるモバイル機器きき既知きち信号しんごうおくる。その機器きき送信そうしんがわにチャネル特性とくせいなどの情報じょうほうおくかえす。送信そうしんはその情報じょうほう使つかって位相いそう振幅しんぷく調整ちょうせいし、うまくビームを形成けいせいすることができる。これをへいループMIMOシステムとぶ。ビームフォーミングの場合ばあいは、個々ここ送信そうしん位相いそう振幅しんぷく調整ちょうせいする必要ひつようがある。

文献ぶんけん

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いち研究けんきゅう資料しりょう

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Gerard J. Foschini と Michael J. Gans の論文ろんぶん[9]、Foschiniの論文ろんぶん[10]、Emre Telatar の論文ろんぶん[11]で、MIMOシステムの通信つうしん容量ようりょう(システムのスループットの理論りろんてき上限じょうげん)がアンテナすうやすととも向上こうじょうし、送信そうしん/受信じゅしんアンテナのすくないほうかず比例ひれいすることをしめした。情報じょうほう理論りろんにおけるこれらの発見はっけんにより、MIMOシステム実用じつよう研究けんきゅう爆発ばくはつてき発展はってんしょうじた。この分野ぶんや入門にゅうもんしょとしては A. Paulraj、R. Nabar、D. Gore の著書ちょしょがある[12]

ダイバーシティと多重たじゅうのトレードオフ (DMT)

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MIMOシステムのダイバーシティ多重たじゅうには根本こんぽんてきなトレードオフ関係かんけいがある(Zheng and Tse, 2003)[13]

脚注きゃくちゅう出典しゅってん

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  1. ^ J. Salz, “Digital transmission over cross-coupled linear channels,” AT&T Technical Journal, vol. 64, no. 6, pp. 1147-1159, July–August 1985.
  2. ^ http://patft.uspto.gov/netacgi/nph-Parser?Sect2=PTO1&Sect2=HITOFF&p=1&u=%2Fnetahtml%2FPTO%2Fsearch-bool.html&r=1&f=G&l=50&d=PALL&RefSrch=yes&Query=PN%2F5345599
  3. ^ Gregory G. Raleigh and John M. Cioffi, “Spatio-temporal coding for wireless communication,” IEEE Transactions on Communications, vol. 46, no. 3, pp. 357-366, March 1998.
  4. ^ G. J. Foschini, “Layered space–time architecture for wireless communication in a fading environment when using multiple antennas,” Bell Labs Syst. Tech. J., vol. 1, p. 41–59, Autumn 1996.
  5. ^ G. D. Golden, G. J. Foschini, R. A. Valenzuela, and P. W. Wolniansky, “Detection algorithm and initial laboratory results using V-BLAST space–time communication architecture,” Electron. Lett., vol. 35, pp.~14–16, Jan. 1999.
  6. ^ S. Cui, A. J. Goldsmith, and A. Bahai (August, 2004). “Energy-efficiency of MIMO and Cooperative MIMO in Sensor Networks”. IEEE J. Select. Areas of Commun. 22 (6): 1089–1098. doi:10.1109/JSAC.2004.830916. 
  7. ^ a b D. Love, R. Heath, V. Lau, D. Gesbert, B. Rao and M. Andrews, An overview of limited feedback in wireless communication systems, IEEE Journal on Selected Areas Communications, vol 26, pp. 1341-1365, 2008.
  8. ^ D. Tse and P. Viswanath, Fundamentals of Wireless Communication, Cambridge University Press, 2005.
  9. ^ Gerard J. Foschini and Michael. J. Gans (January 1998). “On limits of wireless communications in a fading environment when using multiple antennas”. Wireless Personal Communications 6 (3): 311–335. doi:10.1023/A:1008889222784. 
  10. ^ Gerard J. Foschini (autumn 1996). “Layered space-time architecture for wireless communications in a fading environment when using multi-element antennas”. Bell Labs Technical Journal 1 (2): 41–59. doi:10.1002/bltj.2015. 
  11. ^ Capacity of Multi-antenna Gaussian Channels
  12. ^ A. Paulraj, R. Nabar and D. Gore. Introduction to Space-time Communications 
  13. ^ L. Zheng and D. N. C. Tse (May 2003). “Diversity and multiplexing: A fundamental tradeoff in multiple-antenna channels”. IEEE Trans. Inf. Th. 49 (5): 1073–1096. doi:10.1109/TIT.2003.810646. 

参考さんこう文献ぶんけん

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関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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