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直交周波数分割多重方式 - Wikipedia

直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多重たじゅう方式ほうしき

デジタル変調へんちょう一種いっしゅ
OFDMから転送てんそう

直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多重たじゅう方式ほうしき(ちょっこうしゅうはすうぶんかつたじゅうほうしき、英語えいご: orthogonal frequency-division multiplexing, OFDM)は、デジタル変調へんちょう一種いっしゅである。coded OFDM (COFDM) とは実質じっしつてき同一どういつである。フランスCentre Commun d'Etudes de Télévision et de Télécommunications放送ほうそう通信つうしん研究所けんきゅうじょ略称りゃくしょうCCETT)で、だい3世代せだい移動いどう通信つうしんシステムよう開発かいはつされたが、本格ほんかくてき導入どうにゅうされたのはだい3.9世代せだい移動いどう通信つうしんシステムからである。

概要がいよう

編集へんしゅう
 
OFDMの周波数しゅうはすう
 
OFDMシグナルスペクトラム

データを、多数たすう搬送波はんそうは(サブキャリア)にせるので、マルチキャリア変調へんちょうぞくする。これらのサブキャリアはたがいに直交ちょっこうしているため、普通ふつう周波数しゅうはすうじくじょうかさなりがしょうじるほどみつならべられるにもかかわらず、従来じゅうらい周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多重たじゅう方式ほうしき (FDM) とことなり、たがいに干渉かんしょうしない利点りてんがある。サブキャリアは高速こうそくフーリエ変換へんかん (FFT) アルゴリズムをもちいて効率こうりつてき区別くべつできる。

OFDMは広帯域こうたいいきデジタル通信つうしんにおいて、無線むせん有線ゆうせん区別くべつわずひろ使つかわれている。具体ぐたいてき応用おうようとしてデジタルテレビ放送ほうそうブロードバンドインターネット接続せつぞくげられる。

各々おのおののサブキャリアは直交ちょっこう振幅しんぷく変調へんちょう (QAM) とう従来じゅうらいどおりの方式ほうしきで、ていシンボルレートで変調へんちょうされる。この段階だんかいでのデータレートは、おな帯域たいいきはばのシングルキャリア変調へんちょう比較ひかくするとどう程度ていどである。では主要しゅよう長所ちょうしょなにかとうと、複雑ふくざつフィルタ回路かいろなしでもわる伝送でんそう(チャネル)状況じょうきょう対応たいおうできるてんである。具体ぐたいてきにはながどうせんによる高周波こうしゅうは減衰げんすいマルチパスによるせま帯域たいいき干渉かんしょう周波数しゅうはすう選択せんたくせいフェージングとうつよい。OFDMは、高速こうそく変調へんちょうけた単一たんいつ広帯域こうたいいきはば信号しんごうではなく、ゆっくりとした変調へんちょうけた多数たすうせま帯域たいいきはば信号しんごう使つかっているとみなせる。このためチャネルのイコライザー簡易かんいむ。

シンボルレートがひくいおかげでシンボルあいだガードインターバル利用りようできるため、時間じかんじくじょうでの拡散かくさんへの対処たいしょや、符号ふごうあいだ干渉かんしょう (ISI) の除去じょきょ可能かのうになる。さらにシングルキャリアネットワークの構成こうせい容易よういになる利点りてんもある。これは遠距離えんきょりにある複数ふくすう送信そうしんからの信号しんごう同士どうしつようようにかさわせることができるためである(従来じゅうらい方式ほうしきでは信号しんごう同士どうし干渉かんしょうさまたうのが普通ふつうだった)。

おう用例ようれい

編集へんしゅう

OFDMにもとづく既存きそん標準ひょうじゅん製品せいひん概要がいよう以下いか列挙れっきょする。

かぎとなる特徴とくちょう

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  • 複雑ふくざつ等化とうかもちいずに劣悪れつあく伝送でんそう(チャネル)状況じょうきょう簡単かんたん適応てきおうできる。
  • せま帯域たいいき伝送でんそう干渉かんしょうたいしてつよい。
  • マルチパス伝達でんたつによる符号ふごうあいだ干渉かんしょうフェージングたいして頑強がんきょう
  • たか周波数しゅうはすう利用りよう効率こうりつ
  • FFT使用しようによる効率こうりつてき実装じっそう
  • タイミング同期どうきエラーにたいしてつよい。
  • 従来じゅうらいのFDMとちがい、調整ちょうせいされたサブチャネルレシーバーフィルタは必要ひつようない。
  • シングル周波数しゅうはすうネットワーク (SFN)、すなわち送信そうしんのマクロダイバシティが容易ようい実現じつげんできる。

欠点けってん

編集へんしゅう

特性とくせい動作どうさ原理げんり

編集へんしゅう

直交ちょっこうせい

編集へんしゅう

OFDMでは、サブキャリアの周波数しゅうはすうはおたがいのサブキャリアが直交ちょっこうするようにえらばれる。よってサブチャネル同士どうし混信こんしんがなくなるために搬送波はんそうは干渉かんしょうガード帯域たいいき必要ひつようとされず、送受信そうじゅしん設計せっけいおおいに単純たんじゅんできる。具体ぐたいてきには従来じゅうらいのFDMとことなり、かくサブチャネルにたい別々べつべつフィルタ用意よういする必要ひつようがない。

直交ちょっこうせいのおかげでたかいスペクトル効率こうりつられ、理論りろんじょう限界げんかいであるナイキスト・レート匹敵ひってきする。てられた周波数しゅうはすうたいはほとんどすべ無駄むだなく利用りようできる。一般いっぱんにOFDMは「しろ」にちかスペクトルち、共同きょうどう伝送でんそうユーザーにたいする電磁でんじ干渉かんしょう特性とくせい良性りょうせいである。

OFDMではその直交ちょっこうせいによりFFTアルゴリズムを利用りようでき、変調へんちょうではIFFT、復調ふくちょうではFFTをもちいて効率こうりつてき実装じっそうできる。その原理げんりおよび利点りてん1960年代ねんだいからられていたが、ひろ使つかわれるようになるにはFFTを能率のうりつてき計算けいさんできるていコストのデジタル信号しんごう処理しょりICの普及ふきゅう必要ひつようがあった。

OFDMでは受信じゅしん送信そうしん非常ひじょう正確せいかく周波数しゅうはすう同期どうき必要ひつようとする。これは、周波数しゅうはすうがずれるとサブキャリアあいだ直交ちょっこうせいくずれてしまい、搬送波はんそうはあいだ干渉かんしょう、すなわちサブキャリアあいだにおける干渉かんしょう (ICI) をこすからである。周波数しゅうはすうオフセットは一般いっぱんてきに、送信そうしん受信じゅしん局部きょくぶ発振器はっしんき発振はっしん周波数しゅうはすうのずれ、もしくは移動いどうによるドップラーへんうつり原因げんいんである。ドップラーへんうつり受信じゅしん単独たんどく補正ほせいすることが可能かのうではあるが、マルチパス存在そんざいでは反射はんしゃがさまざまな周波数しゅうはすうオフセットにあらわれるのでより訂正ていせいしにくく、状況じょうきょう悪化あっかする。この影響えいきょう一般いっぱんてき移動いどう速度そくど増加ぞうかするにつれ悪化あっかし、高速こうそく移動いどうたいでのOFDMの使用しよう制限せいげんしている重要じゅうよう要因よういんである。ICI抑制よくせい手法しゅほう多数たすう提案ていあんされているが、受信じゅしん複雑ふくざつになるという問題もんだいがある。

シンボルあいだ干渉かんしょう除去じょきょのためのガードインターバル

編集へんしゅう

OFDMの重要じゅうよう原理げんりの1つはひくいシンボルレートの変調へんちょう方式ほうしき(すなわち、シンボルがチャネル時間じかん特性とくせい比較ひかくして比較的ひかくてきながい)ということであり、マルチパスによってこされるシンボルあいだ干渉かんしょうおさえられる、つまり単一たんいつたかいシンボルレートの伝送でんそうよりも並列へいれつにいくつかのひくいシンボルレートの伝送でんそうおこなほう有利ゆうりであるということである。それぞれのシンボルの期間きかんながいので、かくOFDMシンボルあいだにガード・インターバルを挿入そうにゅうすることが可能かのうであり、シンボルあいだ干渉かんしょうのぞくことができる。

またガード・インターバルはパルス整形せいけいフィルタの必要ひつようせいはぶき、そして同時どうじ時間じかん同期どうき問題もんだいによる影響えいきょうらすことができる。

単純たんじゅんれい
もし1びょうにつき100まんのシンボルを無線むせん伝送でんそう路上ろじょう従来じゅうらいのシングルキャリア変調へんちょうもちいて伝送でんそうすると、それぞれのシンボルの期間きかんは1マイクロびょう以下いかになる。これはタイミング同期どうききびしい制約せいやくき、マルチパス干渉かんしょう除去じょきょ必要ひつようとする。もしおなじ1びょうにつき100まんのシンボルが1000のサブチャネルに分割ぶんかつすれば、それぞれのシンボルの期間きかん直交ちょっこうせいによりほぼおな帯域たいいきはばで1000ばい、すなわち1ミリびょうながくできる。シンボルちょうの1/8のながさのガード・インターバルがそれぞれのシンボルのあいだ挿入そうにゅうされると仮定かていする。もし時間じかん遅延ちえん最初さいしょ受信じゅしん最後さいご反射はんしゃ時間じかん間隔かんかく)によるマルチパスがガード・インターバルよりみじかければ、すなわちこのれいでは125マイクロびょう以下いかであれば、シンボルあいだ干渉かんしょう (ISI) はけることができる。これは経路けいろながさで、最大さいだい37.5キロメートルの相違そうい対応たいおうする。

ガード・インターバルには基本きほんてきにサイクリック・プレフィクス (CP) が送信そうしんされる。これはOFDMシンボルのわりの部分ぶぶんのガードインターバルのながぶんのコピーとなっており、ガード・インターバルののちもとのOFDMシンボルがおくられる。ガード・インターバルがOFDMシンボルのわりのコピーから理由りゆうは、FFTをもちいてOFDMの復調ふくちょうおこなうさいかくマルチパスをサブキャリアの正弦せいげん周期しゅうき整数せいすうばい積分せきぶんするためである。これによりチャネル推定すいてい等化とうか)が簡略かんりゃくできる。

簡略かんりゃくされた等化とうか

編集へんしゅう

たとえばマルチパス環境かんきょう発生はっせいするフェーディングによる周波数しゅうはすう選択せんたくせいチャネルの影響えいきょうはサブチャネルが十分じゅうぶんせま帯域たいいきである、つまりサブキャリアすう十分じゅうぶんおおければ、サブキャリア単位たんいればチャネル特性とくせい一定いってい平坦へいたん)であるとみなすことができる。これによりOFDM受信じゅしん従来じゅうらいのシングルキャリア変調へんちょう比較ひかくしてはるかに単純たんじゅんすることが可能かのうとなる。具体ぐたいてきには、等化とうか(イコライザー)はかくサブキャリアにたいいち定値ていちもしくはほとんど変化へんかしない掛算かけざんするだけでむ。

単純たんじゅんれい
上記じょうきれいにおけるOFDMの等化とうか受信じゅしんにおいてOFDMシンボルごと =1000かい複素ふくそ掛算かけざん、つまり1秒間びょうかんに100まんかい掛算かけざん必要ひつようとなる。FFTアルゴリズムはOFDMシンボルごと =10000かい複素ふくそ演算えんざん、つまり1秒間びょうかんに1000まんかい演算えんざん送受信そうじゅしん双方そうほう必要ひつようとなる。ここで対応たいおうするシングルキャリア変調へんちょう場合ばあい、つまり1びょうに100まんのシンボルと比較ひかくすると、シングルキャリアではFIRフィルタもちいて125マイクロびょう遅延ちえん等化とうかするのにシンボルごとに125かい、1秒間びょうかんでは1おく2500まんかいもの掛算かけざん必要ひつようとなる。

いくつかのOFDMシンボルないのサブキャリアのいくらかはチャネルの状況じょうきょう、つまりかくサブキャリアのイコライザーゲインを測定そくていするためにパイロット信号しんごうくわえることもできる。このパイロット信号しんごう同期どうきためにも使用しようすることができる。

DPSKのようなどう変調へんちょうかくサブキャリアに使用しようした場合ばあいであれば、ゆっくりとした振幅しんぷく位相いそういびつたいしてはほとんど影響えいきょういため、等化とうか完全かんぜん省略しょうりゃくすることも可能かのうである。

チャネル・コーディングおよびインターリーブ

編集へんしゅう

OFDMはつね前方ぜんぽうあやま訂正ていせい (FEC) といったチャネルコーディングが併用へいようされており、大抵たいてい周波数しゅうはすう/時間じかんインターリーブ使用しようされる。

周波数しゅうはすう(サブキャリア)インターリーブはフェーディングといった周波数しゅうはすう選択せんたくせいチャネル環境かんきょうたいするたいせい向上こうじょうさせる。たとえば、ある部分ぶぶんのチャネル帯域たいいき減衰げんすいする場合ばあい周波数しゅうはすうインターリーブにより減衰げんすいしたチャネル帯域たいいきないのサブキャリアによるビットエラーはそのままの状態じょうたいよりは確実かくじつビット列びっとれつない拡散かくさんされる。同様どうように、時間じかんインターリーブはビット列びっとれつない元々もともとはすぐそばにあったビットを時間じかんてきはなして送信そうしんすることにより、高速こうそく移動いどうちゅう発生はっせいするきびしいフェーディングによる影響えいきょう軽減けいげんすることができる。

しかし、たとえば静止せいししている受信じゅしん環境かんきょうのようなゆっくりとしたフェーディングチャネルにおいては時間じかんインターリーブの効果こうかはほとんどない。また、周波数しゅうはすうインターリーブはフラットフェージング(チャネル全体ぜんたい同時どうじ減衰げんすいする)環境かんきょうではほとんど意味いみい。

インターリーブがOFDMに使用しようされる理由りゆうあやま訂正ていせい復号ふくごう入力にゅうりょくされるビット列びっとれつないにエラーを拡散かくさんさせるためである。これは復号ふくごう大量たいりょうのエラーをふくむデータを入力にゅうりょくしてもすべてのビットエラーを訂正ていせいすることが不可能ふかのうであり、爆発ばくはつてき訂正ていせい不可能ふかのうなエラーが発生はっせいするためである。

OFDMベースのシステムに一般いっぱんてき使つかわれるあやま訂正ていせいたた符号ふごうであり、大抵たいていリード・ソロモン符号ふごう併用へいようされる。たた符号ふごう内部ないぶ符号ふごう、リード・ソロモン符号ふごう外部がいぶ符号ふごうとして使用しようされる。通常つうじょう上記じょうき周波数しゅうはすう/時間じかんインターリーブがこの2つの符号ふごうあいだ追加ついかされる。このあやま訂正ていせい符号ふごうわせが使用しようされる理由りゆうは、たた符号ふごう復号ふくごうもちいられるビタビ復号ふくごう大量たいりょうのエラーをふくむデータを入力にゅうりょくするとみじかいバーストエラーを発生はっせいしてしまう、一方いっぽうリード・ソロモン符号ふごうはバーストエラーを訂正ていせいするのに本質ほんしつてきてきしているということからである。

最近さいきんでは復号ふくごうもとめるかいのためにかえ使用しようするような環境かんきょうにおいてより最適さいてきなターボ原理げんりもとづくあやま訂正ていせい符号ふごう採用さいようしている。このようなあやま訂正ていせい符号ふごう種類しゅるいれいにはターボ符号ふごうてい密度みつどパリティ検査けんさ符号ふごう (LDPC) が使用しようされている。しかしこれらの符号ふごう加算かさんせい白色はくしょくガウス雑音ざつおん (AWGN) チャネルにおいてシャノン限界げんかいちかづく性能せいのう発揮はっきするだけであり、これらの符号ふごう採用さいようしたシステムでは無線むせんチャネルでの性能せいのう向上こうじょうさせるためリード・ソロモン符号ふごうれいMediaFLOシステム)またはBCH符号ふごうれいDVB-S2システム)をわせている。

適応てきおう伝送でんそう

編集へんしゅう

チャネルにかんする情報じょうほう受信じゅしんがわからおくられるならば、劣悪れつあくなチャネル状況じょうきょうたいするたいせいをさらにつよめることができる。適応てきおう変調へんちょうではこのフィードバック情報じょうほうもとづき、サブキャリア全体ぜんたい、もしくは個別こべつにチャネルコーディングと電力でんりょく配分はいぶん変更へんこうすることが可能かのうである。後者こうしゃ場合ばあい特定とくてい範囲はんい周波数しゅうはすう帯域たいいき干渉かんしょうもしくは減衰げんすいしているときにはその帯域たいいきのサブキャリアを使用しよう不可能ふかのうにする、もしくはより頑強がんきょう変調へんちょうやエラーコーディングを適用てきようして低速ていそく伝送でんそうさせることもできる。

離散りさんマルチトーン変調へんちょう (DMT) はOFDMをベースとしており、ビットローディングとばれる手法しゅほうもちいてサブキャリアを個別こべつにチャネル状況じょうきょう適応てきおうさせる通信つうしんシステムである。この代表だいひょうれいADSLVDSLである。

アップリンクとダウンリンクの速度そくど目的もくてきおうじてサブキャリアをてることにより可変かへんにすることができる。適応てきおうレートDSLはリアルタイムでサブキャリアのてを変更へんこうすることができる。これによりどういちチャネルによる干渉かんしょう適応てきおうでき、帯域たいいき必要ひつようとするユーザーにることができる。

多元たげん接続せつぞくへの拡張かくちょう

編集へんしゅう

OFDMシステムの基本きほん形態けいたいは1つの伝送でんそうないでOFDMシンボルをもちいてデータを伝送でんそうする形態けいたいであることから、デジタル変調へんちょう技術ぎじゅつであるがマルチユーザーチャネルアクセス技術ぎじゅつではないとかんがえられる。しかしOFDMは時間じかん/周波数しゅうはすう/コーディング分割ぶんかつ利用りようすることにより多元たげん接続せつぞく(マルチアクセス)をむことができる。

直交ちょっこう周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞく (OFDMA) では、ことなるユーザーにことなるサブキャリアをてることで周波数しゅうはすう分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞく実現じつげんしている。OFDMAはユーザーそれぞれにことなるかずのサブキャリアをてることでCDMAのようにサービス品質ひんしつ差別さべつでき、CDMAのような複雑ふくざつなパケットスケジューリングや媒体ばいたいアクセス制御せいぎょスキームといった問題もんだい回避かいひできる。一般いっぱんてきWiMAXられるIEEE 802.16規格きかくはOFDMAを採用さいようしている。

OFDM-CDMAとしてもられるマルチキャリア符号ふごう分割ぶんかつ多元たげん接続せつぞく (MC-CDMA) では、ユーザーのコーディング分離ぶんりのためCDMAのスペクトラム拡散かくさん通信つうしんとOFDMがわされている。手動しゅどう固定こていチャネル割当わりあて(FCA、英語えいご: fixed channel allocation)の周波数しゅうはすう設定せってい単純たんじゅんされる、または複雑ふくざつ動的どうてきチャネル割当わりあて(DCA、英語えいご: dynamic channel allocation設定せってい回避かいひできるわりにはどういちチャネル干渉かんしょう低減ていげんできるメリットがある。

スペース・ダイバーシティ

編集へんしゅう

OFDMベースの広範囲こうはんい放送ほうそう規格きかくでは、受信じゅしん複数ふくすう空間くうかんてきはなれた送信そうしんからの信号しんごう同時どうじ受信じゅしんすることで様々さまざまなメリットをることができる。これは複数ふくすう送信そうしんからの信号しんごう発信はっしん限定げんていされたサブキャリアあいだ干渉かんしょうこすだけであり、一般いっぱんてきには広範囲こうはんい信号しんごう増強ぞうきょうになるためである。これはおおくの地域ちいきにおいて複数ふくすう送信そうしんおな周波数しゅうはすうたいおな信号しんごう同時どうじ送信そうしんする単一たんいつ周波数しゅうはすうネットワーク(SFN、英語えいご: single frequency networks)を可能かのうにするメリットがある。SFNは送信そうしんデータをことなる周波数しゅうはすうえてさい送信そうしんする従来じゅうらい複数ふくすう周波数しゅうはすうネットワーク(MFN、英語えいご: multi-frequency networks)と比較ひかくしてはるかにスペクトルを効率こうりつよく利用りようできる。SFNはことなる送信そうしんあいだにある受信じゅしんにおいても結果けっかてきにダイバーシティ利得りとく増加ぞうかのみとなる。これによりすべてのサブキャリアの受信じゅしん信号しんごう平均へいきん強度きょうどえるため、MFNと比較ひかくしカバーエリアはひろがり、ユーザが必要ひつようレートを下回したまわかくりつ比較的ひかくてき減少げんしょうする。

ガードインターバルはデータに冗長じょうちょうせいたせる、つまり伝送でんそう容量ようりょうらすだけであるが、放送ほうそうシステムで使用しようされるようなOFDMシステムは意図いとてきながいガードインターバルを使用しようしている。これはSFNにおいて送信そうしん間隔かんかくをよりおおきくすると同時どうじに、SFNセルサイズをより拡大かくだいできるようにするためである。SFNにおける送信そうしん間隔かんかく最大さいだい距離きょり信号しんごうがガードインターバル期間きかんないすす距離きょりどう程度ていどとするのが目安めやすである。たとえば、ガードインターバルが200マイクロびょうであれば送信そうしん間隔かんかく最大さいだい60kmとなる。

SFNは送信そうしんマクロダイバーシティのいち形態けいたいであるとえる。この概念がいねんではSFNグループのタイムスロットを変更へんこうする動的どうてき単一たんいつ周波数しゅうはすうネットワーク (DSFN) の利用りよう可能かのうである。

OFDMはアレイアンテナやMIMOチャネルといったほか種類しゅるいのスペース・ダイバーシティとわせることも可能かのうである。これは無線むせんLANの標準ひょうじゅん規格きかくのひとつであるIEEE 802.11n使用しようされている。

線形せんけい増幅器ぞうふくき

編集へんしゅう

OFDM信号しんごう独立どくりつした位相いそうつサブキャリアをわせたものであるので、かくサブキャリアの位相いそうわせによってはたかいピーク電力でんりょくつことがある。このため、ピークたい平均へいきん電力でんりょく (PAPR) がたかくなるという問題もんだいがある。このたかいPAPRをあつかうには以下いか要素ようそ必要ひつようとなる。

信号しんごう伝達でんたつにおいて非線形ひせんけいせい存在そんざいすると、以下いかのような相互そうご変調へんちょうひずみが発生はっせいする。

  • ノイズフロアの上昇じょうしょう
  • シンボルあいだ干渉かんしょう (ISI) の発生はっせい
  • 帯域たいいきがいへのスプリアス放射ほうしゃ

とく送信そうしんのRF出力しゅつりょく回路かいろ使用しようされる増幅器ぞうふくき消費しょうひ電力でんりょく増加ぞうかおさえるために非線形ひせんけい設計せっけいされていることがおおく、線形せんけいせいたもつには条件じょうけんきびしい。実用じつようされているOFDMシステムでは多少たしょうのピーククリッピングを許容きょようすることによってPAPRの抑圧よくあつ上記じょうき問題もんだいとのトレードオフを慎重しんちょうはかっている。しかし、フィルタによってスプリアス放射ほうしゃ法律ほうりつ規定きていされるレベルまで低減ていげんさせる手法しゅほうはクリッピングによりおさえられたピークをもともどしてしまうという問題もんだいがあるため、クリッピングはPAPRの抑圧よくあつにはあまり効果こうかいといえる。

OFDMの周波数しゅうはすう利用りよう効率こうりつ地上ちじょう宇宙うちゅう空間くうかんでの通信つうしんには非常ひじょう魅力みりょくてきではあるが、たかいPAPR問題もんだいのためOFDMシステムは地上ちじょうでの利用りようかぎられている。また、LTEではPAPRが問題もんだいとなり、アップリンクにはPAPRのちいさいSC-FDMA採用さいようされた[1]

理想りそうてきなシステムモデル

編集へんしゅう

ここではとき不変ふへんAWGNチャネルにてきした単純たんじゅん理想りそうてきOFDMシステムモデルについて説明せつめいする。

送信そうしん

編集へんしゅう

OFDM信号しんごうはいくつかの直交ちょっこうしたサブキャリアをあわせたものであり、ベースバンドデータは一般いっぱんてき直交ちょっこう振幅しんぷく変調へんちょう (QAM) または位相いそうへんうつり変調へんちょうもちいて独立どくりつして変調へんちょうされサブキャリアにせられる。この合成ごうせいされたベースバンド信号しんごう一般いっぱんてき高周波こうしゅうはすう搬送波はんそうは変調へんちょうされる。

 

 は2進数しんすうのデータれつである。ぎゃく多重たじゅうにより、このデータはまずN並列へいれつデータに分離ぶんりされ、それぞれQAMやPSKなどにより変調へんちょうされ(おそらく複素ふくその)シンボルデータれつとなる。

これらのシンボルれつIFFT計算けいさんすると、N時間じかん領域りょういき複素ふくそデータがられる。標準ひょうじゅんてき方法ほうほうではつぎにこれらのデータをパスバンド信号しんごうへと直交ちょっこう変調へんちょうする。まず、(IFFTから出力しゅつりょくされた複素ふくそデータの)実数じっすう虚数きょすう成分せいぶんをそれぞれデジタル-アナログ変換へんかん回路かいろもちいてアナログ信号しんごう変換へんかんする。このアナログ信号しんごう搬送波はんそうは周波数しゅうはすう 余弦よげん正弦せいげんもちいて変調へんちょう(アップコンバージョン)する。そのこれらの信号しんごう合成ごうせいすると伝送でんそう信号しんごう られる。

なお、直交ちょっこう振幅しんぷく変調へんちょう位相いそうへんうつり変調へんちょうなどによる変調へんちょうを「いち変調へんちょう」、それらをさらにIFFTすることを「変調へんちょう」と場合ばあいがある。

受信じゅしん

編集へんしゅう
 

受信じゅしんでは受信じゅしん信号しんごう 搬送波はんそうは周波数しゅうはすう余弦よげん正弦せいげんもちいて直交ちょっこう変調へんちょう(ダウンコンバージョン)しベースバンド信号しんごうにする。このとき中心ちゅうしん周波数しゅうはすう 信号しんごう生成せいせいされるので、ローパスフィルタもちいて除去じょきょする。このベースバンド信号しんごうアナログ-デジタル変換へんかん回路かいろもちいてサンプリング・デジタル信号しんごうし、FFTもちいて周波数しゅうはすう領域りょういきのデータへともどす。

このN並列へいれつデータをそれぞれ適当てきとうなシンボル検出けんしゅつ復調ふくちょう)をもちいて2進数しんすうのデータへと変換へんかんする。これらのデータはふたた直列ちょくれつデータれつ 結合けつごうされ、送信そうしんされたもとの2しんデータの推定すいていとなる。

数学すうがくてき説明せつめい

編集へんしゅう

 のサブキャリアが使つかわれ、さらにそれぞれのサブキャリアが 選択せんたくシンボルで変調へんちょうされているとき、OFDMシンボル基礎きそ 結合けつごうされたシンボルからつ。

等価とうかベースバンドOFDM信号しんごうつぎのように表現ひょうげんされる。

 

  : データシンボル   : サブキャリアすう   : OFDMシンボルちょう

周波数しゅうはすう  間隔かんかく配置はいちされたサブキャリアはすべ同一どういつOFDMシンボルない直交ちょっこうしている。この固有こゆうせい以下いかのようにあらわされる。

 

  : 複素ふくそ共役きょうやく   : クロネッカーのデルタ

マルチパスフェージング伝送でんそうによるシンボルあいだ干渉かんしょうけるために、なが  のガードインターバルがOFDMシンボルのまえ挿入そうにゅうされる。このガードインターバルにサイクリック・プレフィクスが使用しようされる。つまり、 における信号しんごう における信号しんごう同一どういつである。cyclic prefixをもちいたOFDM信号しんごう以下いかのようにあらわせる。

 

上記じょうきのベースバンド信号しんごう実数じっすうまたは複素数ふくそすうのどちらかになる。じつ数値すうちのみの等価とうかベースバンド信号しんごう一般いっぱんてきにベースバンド伝送でんそうもちいられる。DSLのような有線ゆうせんアプリケーションはこのアプローチが使つかわれる。無線むせんアプリケーションでは、等価とうかベースバンド信号しんごう一般いっぱんてき複素数ふくそすうをとる。この場合ばあい送信そうしん信号しんごう搬送はんそう周波数しゅうはすう にアップコンバージョンされる。一般いっぱんに、送信そうしん信号しんごうつぎのようにあらわすことができる。

 

実用じつよう

編集へんしゅう

OFDMシステム比較ひかくテーブル

編集へんしゅう

さまざまな一般いっぱんてきなOFDMベースのシステムにかんする重要じゅうよう特徴とくちょう以下いかひょうしめす。

規格きかくめい DAB Eureka 147 DVB-T DVB-H DMB-T/H IEEE 802.11a
批准ひじゅんされたとし 1995 1997 2006 1999
現在げんざい機器きき周波数しゅうはすうレンジ
(MHz)
174 - 240
1452 - 1492
470 - 862 470 - 862 470 – 862 4915 - 5825
Channel spacing B
(MHz)
1.712 8 8 8 20
サブキャリアのかず N 192, 384, 768 or 1536 2K mode: 1705
8K mode: 6817
1705, 3409, 6817 1(シングルキャリア)
3780(マルチキャリア)
52
サブキャリアの変調へんちょう方法ほうほうしきいち変調へんちょう DQPSK QPSK, 16QAM or 64QAM QPSK, 16QAM or 64QAM 4QAM, 4QAM-NR,[2]
16QAM, 32QAM and 64QAM.
BPSK, QPSK, 16QAM or 64QAM
使用しようされるシンボルちょう (symbol length) TU
(μみゅーs)
2K mode: 224
8K mode: 896
224, 448, 896 3.2
追加ついかされるガードインターバル TG
(Fraction of TU)
1/4, 1/8, 1/16, 1/32 1/4, 1/8, 1/16, 1/32 1/4, 1/6, 1/9 1/4
サブキャリアの配置はいち間隔かんかく
Δでるたf = 1/(TU) ≈ B/N
(Hz)
2K mode: 4464
8K mode: 1116
4464, 2232, 1116 8 M (single-carrier)
2116 (multi-carrier)
312.5K
Net bit rate R
(Mbit/s)
0.576 - 1.152 4.98 - 31.67
(typically 24)
3.7 - 23.8 4.81 - 32.49 6 - 54
スペクトル効率こうりつ R/B
(bit/s/Hz)
0.34 - 0.67 0.62 - 4.0 0.62 - 4.0 0.60 - 4.1 0.30 - 2.7
FEC たた符号ふごう

code rates:1/4, 3/8 or 1/2

たた符号ふごう

code rates:1/2, 2/3, 3/4, 5/6 or 7/8

たた符号ふごう

code rates:1/2, 2/3, 3/4, 5/6 or 7/8

BCH符号ふごう たた符号ふごう

code rates:1/2, 2/3 or 3/4

そのFEC(もしあれば) None RS(204,188,t=8) RS(204,188,t=8) + MPE-FEC LDPC

code rates:2/5, 3/5 or 4/5

Maximum travelling speed
(km/h)
200 - 600 53 - 185
Time interleaving depth
(ms)
385 0.6 - 3.5 0.6 - 3.5 200 - 500
適応てきおう伝送でんそう
(ほかにあれば)
None None
多元たげん接続せつぞく方式ほうしき
(ほかにあれば)
None None
データ圧縮あっしゅく種類しゅるい 192 kbit/s
MPEG2 Audio
layer 2
4 Mbit/s
MPEG2
Not defined
(MPEG-2 or H.264 w/MP2)

OFDMはG.DMT (ITU G.992.1) 規格きかくしたがい、既存きそんどうせん電話でんわせん)をもちいた高速こうそくデーター通信つうしんおこなADSL接続せつぞく使つかわれている。

ながどうせんでは信号しんごう高周波こうしゅうは成分せいぶん減衰げんすいする。OFDMは周波数しゅうはすう選択せんたくせい減衰げんすいせま帯域たいいき干渉かんしょう対処たいしょすることが可能かのうであり、この事実じじつがOFDMがADSLモデムのようなアプリケーションで多用たようされるおも理由りゆうである。しかしながら、DSLはすべてのどうせんくみ使つかうことができない。もし電話でんわ交換こうかんきょくはいっている電話でんわ回線かいせんの25%以上いじょうがDSLのために使つかわれた場合ばあい干渉かんしょうおおきな問題もんだいとなる可能かのうせいがある。

実験じっけんようアマチュア無線むせん用途ようとでは、ユーザーは商業しょうぎょうてきでいつでもすぐえるADSL機器ききに、そのユーザーが認可にんかされている無線むせん周波数しゅうはすう帯域たいいきへと周波数しゅうはすうたん移動いどうさせるラジオトランシーバーをけたりしていた。

電力でんりょくせん搬送はんそう通信つうしん

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OFDMによるノッチ
(サブキャリア5ごとに1個いっこ(1サブキャリアぶん)のノッチのれい

OFDMは家庭かていない電力でんりょく配線はいせんもちいて通信つうしん回線かいせん構築こうちくする電力でんりょくせん搬送はんそう通信つうしん使用しようされている。OFDMで可能かのう適応てきおう変調へんちょうれい:QPSKから16-QAMへの変更へんこう)はとく電力でんりょく配線はいせんのような雑音ざつおんおお伝送でんそうたいして重要じゅうようとなる。

なお高速こうそくPLCにおいては、漏洩ろうえい電波でんぱ電磁でんじ両立りょうりつせいのエミッション)などの問題もんだいで、OFDM信号しんごうに「ノッチ」とばれる特定とくてい周波数しゅうはすう帯域たいいき減衰げんすいさせる技術ぎじゅつ使つかわれる。ノッチ帯域たいいきつくすには、OFDMの一部いちぶのサブキャリアを使用しよう停止ていしにする。

無線むせんLANおよびMetropolitan Area Network (MAN)

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OFDMはIEEE 802.11a/g/nやWiMAXなどのワイヤレスLAN/WANアプリケーションにおいて使用しようされている。

IEEE 802.11aは5GHz帯域たいいき使用しようし、6-54Mbit/sの通信つうしん速度そくど規定きていされている。変調へんちょう方式ほうしきにはBPSK、4-QAM (QPSK)、16-QAM、64-QAMの4つといくつかのたた符号ふごうあやま検出けんしゅつ訂正ていせい)が使用しようされる。これによりその時々ときどき通信つうしんじょうきょうわせて最適さいてき通信つうしん速度そくどとエラーレートに変更へんこうすることが出来できる。

米国べいこくではワイヤレスISPであるClearwireしゃが2.5GHzたいWiMAXネットワーク拡大かくだいにおいて変調へんちょう方式ほうしきにOFDMを使用しようしている。日本にっぽんでもUQコミュニケーションズしゃモバイルWiMAXのサービス事業じぎょう展開てんかいしている。

パーソナル・エリア・ネットワーク (PAN)

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地上ちじょうデジタルラジオおよびテレビ

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地上ちじょうデジタルテレビ方式ほうしき分布ぶんぷみどりISDB-TあおDVB-T採用さいようしている地域ちいきである。

ヨーロッパとアジアではおもにOFDMがもちいられるデジタルテレビおよびラジオ規格きかく採用さいようされている。

地上ちじょうデジタルテレビでは日本にっぽん、ブラジルでは日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい中心ちゅうしんとなって策定さくていされたISDB-T採用さいようされており、またヨーロッパ・アジアのおおくの地域ちいきではDVB-T採用さいようされている。

OFDMを利用りようしていることにより、アナログ放送ほうそうではゴースト現象げんしょうとして問題もんだいとなったマルチパスによる問題もんだい緩和かんわされ、SFNが実現じつげん可能かのうであるため中継ちゅうけい周波数しゅうはすう変換へんかんをして再送さいそうする必要ひつようがなく、周波数しゅうはすう有効ゆうこう活用かつようできるメリットがある。

欧州おうしゅう委員いいんかい指示しじにより、欧州共同体おうしゅうきょうどうたいうち視聴しちょうしゃ送信そうしんされるすべてのテレビサービスはみとめられたヨーロッパの標準ひょうじゅん団体だんたいによって標準ひょうじゅんされた変調へんちょうシステムを使用しようしなければならないことになっている[3]。 そしてその標準ひょうじゅん規格きかくデジタルビデオブロードキャスティングプロジェクト (DVB Project) によりフレーム構造こうぞう、チャネルコーディング、変調へんちょう方式ほうしき策定さくていされた[4]。 この標準ひょうじゅん規格きかく慣習かんしゅうてきにDVB-Tとばれており、これには変調へんちょうにCOFDMが必要ひつようとなっている。現在げんざいDVB-Tはデジタルテレビシステムとしてヨーロッパを中心ちゅうしんひろ地域ちいき利用りようされている。

ISDB(日本にっぽん地上ちじょうデジタル放送ほうそう)で使つかわれるBST-OFDM

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日本にっぽんではBST-OFDMシステムが提唱ていしょうされており、日本にっぽんのデジタル放送ほうそう規格きかくであるISDB-TISDB-TSBISDB-C放送ほうそうシステムで使つかわれるものである。BST-OFDMはいくつかのOFDMキャリアがどういち多重たじゅうないことなる変調へんちょう可能かのうであるということを利用りようし、COFDMを改善かいぜんしている。すでにCOFDMのいくつかの形式けいしき階層かいそうてき変調へんちょう可能かのうであるが、BST-OFDMはこれをさらに柔軟じゅうなんにすることを目的もくてきとしている。6MHzの1つのテレビチャンネル帯域たいいきは「セグメント」に分割ぶんかつすることができ、セグメントごとことなる変調へんちょうおこない、ことなるサービスに使用しようされる。

たとえば、BST-OFDMでは音声おんせい、データ、映像えいぞうといったサービスをそれぞれすうほんのキャリアからことなるセグメントにけて同一どういつの6MHzの帯域たいいきない送信そうしんすることが可能かのうである。さらにたとえばテレビ放送ほうそうたかいマルチパス環境かんきょうない固定こてい受信じゅしん最適さいてきしつつ、音声おんせいやデータは移動いどうたい受信じゅしん最適さいてきできるといったことなるパラメータで変調へんちょうすることが可能かのうである。

地上ちじょうデジタル放送ほうそう規格きかくであるISDB-Tでは1つのチャンネルにてられる周波数しゅうはすうたいを13のセグメントに分割ぶんかつし、中心ちゅうしんの1セグメントは移動いどうたい受信じゅしん(ワンセグ)けにビットレートをとしてそのえにてい性能せいのうなアンテナでの受信じゅしんなどを可能かのうにし、のこりの12セグメントは固定こてい受信じゅしんけにビットレートをたかくしている。また今後こんご予定よていされているデジタルラジオについても同様どうよう手法しゅほう使用しようされる予定よていであったがこれは中止ちゅうしされた。

脚注きゃくちゅう

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  1. ^ http://www.nec.co.jp/techrep/ja/journal/g06/n02/060204.html
  2. ^ NR: Nordstrom-Robinson code
  3. ^ DIRECTIVE 95/47/EC OF THE EUROPEAN PARLIAMENT AND OF THE COUNCIL on the use of standards for the transmission of television signals
  4. ^ ETSI Standard: EN 300 744 V1.5.1 (2004-11).

関連かんれん項目こうもく

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外部がいぶリンク

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