直交 ちょっこう 周波数 しゅうはすう 分割 ぶんかつ 多重 たじゅう 方式 ほうしき (ちょっこうしゅうはすうぶんかつたじゅうほうしき、英語 えいご : orthogonal frequency-division multiplexing, OFDM )は、デジタル変調 へんちょう の一種 いっしゅ である。coded OFDM (COFDM) とは実質 じっしつ 的 てき に同一 どういつ である。フランス の Centre Commun d'Etudes de Télévision et de Télécommunications (放送 ほうそう 通信 つうしん 研究所 けんきゅうじょ 、略称 りゃくしょう :CCETT )で、第 だい 3世代 せだい 移動 いどう 通信 つうしん システム用 よう に開発 かいはつ されたが、本格 ほんかく 的 てき に導入 どうにゅう されたのは第 だい 3.9世代 せだい 移動 いどう 通信 つうしん システム からである。
OFDMの周波数 しゅうはすう
OFDMシグナルスペクトラム
データを、多数 たすう の搬送波 はんそうは (サブキャリア)に乗 の せるので、マルチキャリア変調 へんちょう に属 ぞく する。これらのサブキャリアは互 たが いに直交 ちょっこう しているため、普通 ふつう は周波数 しゅうはすう 軸 じく 上 じょう で重 かさ なりが生 しょう じる程 ほど に密 みつ に並 なら べられるにも拘 かか わらず、従来 じゅうらい の周波数 しゅうはすう 分割 ぶんかつ 多重 たじゅう 化 か 方式 ほうしき (FDM) と異 こと なり、互 たが いに干渉 かんしょう しない利点 りてん がある。サブキャリアは高速 こうそく フーリエ変換 へんかん (FFT) アルゴリズムを用 もち いて効率 こうりつ 的 てき に区別 くべつ できる。
OFDMは広帯域 こうたいいき デジタル通信 つうしん において、無線 むせん /有線 ゆうせん の区別 くべつ を問 と わず広 ひろ く使 つか われている。具体 ぐたい 的 てき な応用 おうよう としてデジタルテレビ や放送 ほうそう 、ブロードバンドインターネット接続 せつぞく が挙 あ げられる。
各々 おのおの のサブキャリアは直交 ちょっこう 振幅 しんぷく 変調 へんちょう (QAM) 等 とう の従来 じゅうらい 通 どお りの方式 ほうしき で、低 てい シンボルレートで変調 へんちょう される。この段階 だんかい でのデータレートは、同 おな じ帯域 たいいき 幅 はば のシングルキャリア変調 へんちょう と比較 ひかく すると同 どう 程度 ていど である。では主要 しゅよう な長所 ちょうしょ は何 なに かと言 い うと、複雑 ふくざつ なフィルタ回路 かいろ なしでも悪 わる い伝送 でんそう 路 ろ (チャネル)状況 じょうきょう に対応 たいおう できる点 てん である。具体 ぐたい 的 てき には長 なが い銅 どう 線 せん による高周波 こうしゅうは の減衰 げんすい 、マルチパス による狭 せま 帯域 たいいき 干渉 かんしょう や周波数 しゅうはすう 選択 せんたく 性 せい (フェージング )等 とう に強 つよ い。OFDMは、高速 こうそく の変調 へんちょう を受 う けた単一 たんいつ の広帯域 こうたいいき 幅 はば 信号 しんごう ではなく、ゆっくりとした変調 へんちょう を受 う けた多数 たすう の狭 せま 帯域 たいいき 幅 はば 信号 しんごう を使 つか っているとみなせる。このためチャネルのイコライザー は簡易 かんい で済 す む。
シンボルレートが低 ひく いおかげでシンボル間 あいだ のガードインターバル が利用 りよう できるため、時間 じかん 軸 じく 上 じょう での拡散 かくさん への対処 たいしょ や、符号 ふごう 間 あいだ 干渉 かんしょう (ISI) の除去 じょきょ が可能 かのう になる。さらにシングルキャリアネットワークの構成 こうせい が容易 ようい になる利点 りてん もある。これは遠距離 えんきょり にある複数 ふくすう の送信 そうしん 機 き からの信号 しんごう 同士 どうし が強 つよ め合 あ うように重 かさ ね合 あ わせることができるためである(従来 じゅうらい の方式 ほうしき では信号 しんごう 同士 どうし が干渉 かんしょう で妨 さまた げ合 あ うのが普通 ふつう だった)。
OFDMに基 もと づく既存 きそん の標準 ひょうじゅん と製品 せいひん の概要 がいよう を以下 いか に列挙 れっきょ する。
複雑 ふくざつ な等化 とうか 器 き を用 もち いずに劣悪 れつあく な伝送 でんそう 路 ろ (チャネル)状況 じょうきょう に簡単 かんたん に適応 てきおう できる。
狭 せま 帯域 たいいき 伝送 でんそう 路 ろ 干渉 かんしょう に対 たい して強 つよ い。
マルチパス 伝達 でんたつ による符号 ふごう 間 あいだ 干渉 かんしょう とフェージング に対 たい して頑強 がんきょう 。
高 たか い周波数 しゅうはすう 利用 りよう 効率 こうりつ 。
FFT の使用 しよう による効率 こうりつ 的 てき な実装 じっそう 。
タイミング同期 どうき エラーに対 たい して強 つよ い。
従来 じゅうらい のFDMと違 ちが い、調整 ちょうせい されたサブチャネルレシーバーフィルタは必要 ひつよう ない。
シングル周波数 しゅうはすう ネットワーク (SFN)、すなわち送信 そうしん 機 き のマクロダイバシティが容易 ようい に実現 じつげん できる。
OFDMでは、サブキャリアの周波数 しゅうはすう はお互 たが いのサブキャリアが直交 ちょっこう するように選 えら ばれる。よってサブチャネル同士 どうし の混信 こんしん がなくなるために搬送波 はんそうは 干渉 かんしょう ガード帯域 たいいき が必要 ひつよう とされず、送受信 そうじゅしん 機 き の設計 せっけい を大 おお いに単純 たんじゅん 化 か できる。具体 ぐたい 的 てき には従来 じゅうらい のFDMと異 こと なり、各 かく サブチャネルに対 たい し別々 べつべつ のフィルタ を用意 ようい する必要 ひつよう がない。
直交 ちょっこう 性 せい のおかげで高 たか いスペクトル効率 こうりつ が得 え られ、理論 りろん 上 じょう の限界 げんかい であるナイキスト・レート に匹敵 ひってき する。割 わ り当 あ てられた周波数 しゅうはすう 帯 たい はほとんど全 すべ て無駄 むだ なく利用 りよう できる。一般 いっぱん にOFDMは「白 しろ 」に近 ちか いスペクトル を持 も ち、他 た の共同 きょうどう 伝送 でんそう 路 ろ ユーザーに対 たい する電磁 でんじ 干渉 かんしょう 特性 とくせい が良性 りょうせい である。
OFDMではその直交 ちょっこう 性 せい によりFFT アルゴリズムを利用 りよう でき、変調 へんちょう 器 き ではIFFT、復調 ふくちょう 器 き ではFFTを用 もち いて効率 こうりつ 的 てき に実装 じっそう できる。その原理 げんり および利点 りてん は1960年代 ねんだい から知 し られていたが、広 ひろ く使 つか われるようになるにはFFTを能率 のうりつ 的 てき に計算 けいさん できる低 てい コストのデジタル信号 しんごう 処理 しょり ICの普及 ふきゅう を待 ま つ必要 ひつよう があった。
OFDMでは受信 じゅしん 機 き と送信 そうしん 機 き に非常 ひじょう に正確 せいかく な周波数 しゅうはすう 同期 どうき を必要 ひつよう とする。これは、周波数 しゅうはすう がずれるとサブキャリア間 あいだ の直交 ちょっこう 性 せい が崩 くず れてしまい、搬送波 はんそうは 間 あいだ 干渉 かんしょう 、すなわちサブキャリア間 あいだ における干渉 かんしょう (ICI) を引 ひ き起 お こすからである。周波数 しゅうはすう オフセットは一般 いっぱん 的 てき に、送信 そうしん 機 き や受信 じゅしん 機 き の局部 きょくぶ 発振器 はっしんき の発振 はっしん 周波数 しゅうはすう のずれ、もしくは移動 いどう によるドップラー偏 へん 移 うつり が原因 げんいん である。ドップラー偏 へん 移 うつり は受信 じゅしん 機 き で単独 たんどく で補正 ほせい することが可能 かのう ではあるが、マルチパス存在 そんざい 下 か では反射 はんしゃ がさまざまな周波数 しゅうはすう オフセットに現 あら われるのでより訂正 ていせい しにくく、状況 じょうきょう は悪化 あっか する。この影響 えいきょう は一般 いっぱん 的 てき に移動 いどう 速度 そくど の増加 ぞうか するにつれ悪化 あっか し、高速 こうそく 移動 いどう 体 たい でのOFDMの使用 しよう を制限 せいげん している重要 じゅうよう な要因 よういん である。ICI抑制 よくせい の手法 しゅほう は多数 たすう 提案 ていあん されているが、受信 じゅしん 機 き が複雑 ふくざつ になるという問題 もんだい がある。
シンボル間 あいだ 干渉 かんしょう 除去 じょきょ のためのガードインターバル
編集 へんしゅう
OFDMの重要 じゅうよう な原理 げんり の1つは低 ひく いシンボルレートの変調 へんちょう 方式 ほうしき (すなわち、シンボルがチャネル時間 じかん 特性 とくせい と比較 ひかく して比較的 ひかくてき 長 なが い)ということであり、マルチパスによって引 ひ き起 お こされるシンボル間 あいだ 干渉 かんしょう が抑 おさ えられる、つまり単一 たんいつ の高 たか いシンボルレートの伝送 でんそう よりも並列 へいれつ にいくつかの低 ひく いシンボルレートの伝送 でんそう を行 おこな う方 ほう が有利 ゆうり であるということである。それぞれのシンボルの期間 きかん は長 なが いので、各 かく OFDMシンボル間 あいだ にガード・インターバルを挿入 そうにゅう することが可能 かのう であり、シンボル間 あいだ 干渉 かんしょう を除 のぞ くことができる。
またガード・インターバルはパルス整形 せいけい フィルタの必要 ひつよう 性 せい を省 はぶ き、そして同時 どうじ に時間 じかん 同期 どうき 問題 もんだい による影響 えいきょう を減 へ らすことができる。
単純 たんじゅん な例 れい :
もし1秒 びょう につき100万 まん のシンボルを無線 むせん 伝送 でんそう 路上 ろじょう で従来 じゅうらい のシングルキャリア変調 へんちょう を用 もち いて伝送 でんそう すると、それぞれのシンボルの期間 きかん は1マイクロ秒 びょう 以下 いか になる。これはタイミング同期 どうき に厳 きび しい制約 せいやく が付 つ き、マルチパス干渉 かんしょう の除去 じょきょ を必要 ひつよう とする。もし同 おな じ1秒 びょう につき100万 まん のシンボルが1000個 こ のサブチャネルに分割 ぶんかつ すれば、それぞれのシンボルの期間 きかん は直交 ちょっこう 性 せい によりほぼ同 おな じ帯域 たいいき 幅 はば で1000倍 ばい 、すなわち1ミリ秒 びょう と長 なが くできる。シンボル長 ちょう の1/8の長 なが さのガード・インターバルがそれぞれのシンボルの間 あいだ に挿入 そうにゅう されると仮定 かてい する。もし時間 じかん 遅延 ちえん (最初 さいしょ の受信 じゅしん と最後 さいご の反射 はんしゃ の時間 じかん 間隔 かんかく )によるマルチパスがガード・インターバルより短 みじか ければ、すなわちこの例 れい では125マイクロ秒 びょう 以下 いか であれば、シンボル間 あいだ 干渉 かんしょう (ISI) は避 さ けることができる。これは経路 けいろ の長 なが さで、最大 さいだい 37.5キロメートルの相違 そうい に対応 たいおう する。
ガード・インターバルには基本 きほん 的 てき にサイクリック・プレフィクス (CP) が送信 そうしん される。これはOFDMシンボルの終 お わりの部分 ぶぶん のガードインターバルの長 なが さ分 ぶん のコピーとなっており、ガード・インターバルの後 のち に元 もと のOFDMシンボルが送 おく られる。ガード・インターバルがOFDMシンボルの終 お わりのコピーから成 な る理由 りゆう は、FFTを用 もち いてOFDMの復調 ふくちょう を行 おこ なう際 さい 、各 かく マルチパスをサブキャリアの正弦 せいげん 波 は 周期 しゅうき の整数 せいすう 倍 ばい で積分 せきぶん するためである。これによりチャネル推定 すいてい (等化 とうか 器 き )が簡略 かんりゃく 化 か できる。
例 たと えばマルチパス環境 かんきょう 下 か で発生 はっせい するフェーディングによる周波数 しゅうはすう 選択 せんたく 性 せい チャネルの影響 えいきょう はサブチャネルが十分 じゅうぶん に狭 せま 帯域 たいいき である、つまりサブキャリア数 すう が十分 じゅうぶん 多 おお ければ、サブキャリア単位 たんい で見 み ればチャネル特性 とくせい は一定 いってい (平坦 へいたん )であるとみなすことができる。これによりOFDM受信 じゅしん 機 き は従来 じゅうらい のシングルキャリア変調 へんちょう と比較 ひかく してはるかに単純 たんじゅん 化 か することが可能 かのう となる。具体 ぐたい 的 てき には、等化 とうか 器 き (イコライザー)は各 かく サブキャリアに対 たい し一 いち 定値 ていち もしくはほとんど変化 へんか しない値 ね を掛算 かけざん するだけで済 す む。
単純 たんじゅん な例 れい :
上記 じょうき の例 れい におけるOFDMの等化 とうか は受信 じゅしん 機 き においてOFDMシンボル毎 ごと に
N
{\displaystyle N}
=1000回 かい の複素 ふくそ 掛算 かけざん 、つまり1秒間 びょうかん に100万 まん 回 かい の掛算 かけざん が必要 ひつよう となる。FFTアルゴリズムはOFDMシンボル毎 ごと に
N
log
2
N
{\displaystyle N\log _{2}N}
=10000回 かい の複素 ふくそ 演算 えんざん 、つまり1秒間 びょうかん に1000万 まん 回 かい の演算 えんざん が送受信 そうじゅしん 機 き 双方 そうほう で必要 ひつよう となる。ここで対応 たいおう するシングルキャリア変調 へんちょう の場合 ばあい 、つまり1秒 びょう に100万 まん 個 こ のシンボルと比較 ひかく すると、シングルキャリアではFIR フィルタ を用 もち いて125マイクロ秒 びょう の遅延 ちえん を等化 とうか するのにシンボル毎 ごと に125回 かい 、1秒間 びょうかん では1億 おく 2500万 まん 回 かい もの掛算 かけざん が必要 ひつよう となる。
いくつかのOFDMシンボル内 ない のサブキャリアのいくらかはチャネルの状況 じょうきょう 、つまり各 かく サブキャリアのイコライザーゲインを測定 そくてい するためにパイロット信号 しんごう を加 くわ えることもできる。このパイロット信号 しんごう は同期 どうき の為 ため にも使用 しよう することができる。
DPSKのような差 さ 動 どう 変調 へんちょう を各 かく サブキャリアに使用 しよう した場合 ばあい であれば、ゆっくりとした振幅 しんぷく と位相 いそう の歪 いびつ に対 たい してはほとんど影響 えいきょう が無 な いため、等化 とうか は完全 かんぜん に省略 しょうりゃく することも可能 かのう である。
OFDMは常 つね に前方 ぜんぽう 誤 あやま り訂正 ていせい (FEC ) といったチャネルコーディングが併用 へいよう されており、大抵 たいてい は周波数 しゅうはすう /時間 じかん インターリーブ が使用 しよう される。
周波数 しゅうはすう (サブキャリア)インターリーブはフェーディングといった周波数 しゅうはすう 選択 せんたく 性 せい チャネル環境 かんきょう 下 か に対 たい する耐 たい 性 せい を向上 こうじょう させる。例 たと えば、ある部分 ぶぶん のチャネル帯域 たいいき が減衰 げんすい する場合 ばあい 、周波数 しゅうはすう インターリーブにより減衰 げんすい したチャネル帯域 たいいき 内 ない のサブキャリアによるビットエラーはそのままの状態 じょうたい よりは確実 かくじつ にビット列 びっとれつ 内 ない に拡散 かくさん される。同様 どうよう に、時間 じかん インターリーブはビット列 びっとれつ 内 ない で元々 もともと はすぐそばにあったビットを時間 じかん 的 てき に離 はな して送信 そうしん することにより、高速 こうそく 移動 いどう 中 ちゅう に発生 はっせい する厳 きび しいフェーディングによる影響 えいきょう を軽減 けいげん することができる。
しかし、例 たと えば静止 せいし している受信 じゅしん 環境 かんきょう のようなゆっくりとしたフェーディングチャネルにおいては時間 じかん インターリーブの効果 こうか はほとんどない。また、周波数 しゅうはすう インターリーブはフラットフェージング(チャネル全体 ぜんたい が同時 どうじ に減衰 げんすい する)環境 かんきょう 下 か ではほとんど意味 いみ が無 な い。
インターリーブがOFDMに使用 しよう される理由 りゆう は誤 あやま り訂正 ていせい 復号 ふくごう 器 き に入力 にゅうりょく されるビット列 びっとれつ 内 ない にエラーを拡散 かくさん させるためである。これは復号 ふくごう 器 き が大量 たいりょう のエラーを含 ふく むデータを入力 にゅうりょく してもすべてのビットエラーを訂正 ていせい することが不可能 ふかのう であり、爆発 ばくはつ 的 てき に訂正 ていせい 不可能 ふかのう なエラーが発生 はっせい するためである。
OFDMベースのシステムに一般 いっぱん 的 てき に使 つか われる誤 あやま り訂正 ていせい は畳 たた み込 こ み符号 ふごう であり、大抵 たいてい リード・ソロモン符号 ふごう と併用 へいよう される。畳 たた み込 こ み符号 ふごう は内部 ないぶ 符号 ふごう 、リード・ソロモン符号 ふごう は外部 がいぶ 符号 ふごう として使用 しよう される。通常 つうじょう は上記 じょうき の周波数 しゅうはすう /時間 じかん インターリーブがこの2つの符号 ふごう 化 か の間 あいだ に追加 ついか される。この誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう の組 く み合 あ わせが使用 しよう される理由 りゆう は、畳 たた み込 こ み符号 ふごう の復号 ふくごう に用 もち いられるビタビ復号 ふくごう 器 き が大量 たいりょう のエラーを含 ふく むデータを入力 にゅうりょく すると短 みじか いバーストエラーを発生 はっせい してしまう、一方 いっぽう リード・ソロモン符号 ふごう はバーストエラーを訂正 ていせい するのに本質 ほんしつ 的 てき に適 てき しているということからである。
最近 さいきん では復号 ふくごう 器 き を求 もと める解 かい のために繰 く り返 かえ し使用 しよう するような環境 かんきょう においてより最適 さいてき なターボ原理 げんり に基 もと づく誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう を採用 さいよう している。このような誤 あやま り訂正 ていせい 符号 ふごう の種類 しゅるい の例 れい にはターボ符号 ふごう と低 てい 密度 みつど パリティ検査 けんさ 符号 ふごう (LDPC) が使用 しよう されている。しかしこれらの符号 ふごう は加算 かさん 性 せい 白色 はくしょく ガウス雑音 ざつおん (AWGN ) チャネルにおいてシャノン限界 げんかい に近 ちか づく性能 せいのう を発揮 はっき するだけであり、これらの符号 ふごう を採用 さいよう したシステムでは無線 むせん チャネルでの性能 せいのう を向上 こうじょう させるためリード・ソロモン符号 ふごう (例 れい :MediaFLO システム)またはBCH符号 ふごう (例 れい :DVB-S2 システム)を組 く み合 あ わせている。
チャネルに関 かん する情報 じょうほう が受信 じゅしん 機 き 側 がわ から送 おく られるならば、劣悪 れつあく なチャネル状況 じょうきょう に対 たい する耐 たい 性 せい をさらに強 つよ めることができる。適応 てきおう 変調 へんちょう ではこのフィードバック情報 じょうほう に基 もと づき、サブキャリア全体 ぜんたい 、もしくは個別 こべつ にチャネルコーディングと電力 でんりょく 配分 はいぶん を変更 へんこう することが可能 かのう である。後者 こうしゃ の場合 ばあい 、特定 とくてい の範囲 はんい の周波数 しゅうはすう 帯域 たいいき が干渉 かんしょう もしくは減衰 げんすい している時 とき にはその帯域 たいいき のサブキャリアを使用 しよう 不可能 ふかのう にする、もしくはより頑強 がんきょう な変調 へんちょう やエラーコーディングを適用 てきよう して低速 ていそく で伝送 でんそう させることもできる。
離散 りさん マルチトーン変調 へんちょう (DMT ) はOFDMをベースとしており、ビットローディングと呼 よ ばれる手法 しゅほう を用 もち いてサブキャリアを個別 こべつ にチャネル状況 じょうきょう に適応 てきおう させる通信 つうしん システムである。この代表 だいひょう 例 れい がADSL やVDSL である。
アップリンクとダウンリンクの速度 そくど は目的 もくてき に応 おう じてサブキャリアを割 わ り当 あ てることにより可変 かへん にすることができる。適応 てきおう レートDSL はリアルタイムでサブキャリアの割 わ り当 あ てを変更 へんこう することができる。これにより同 どう 一 いち チャネルによる干渉 かんしょう に適応 てきおう でき、帯域 たいいき を必要 ひつよう とするユーザーに割 わ り振 ふ ることができる。
OFDMシステムの基本 きほん 形態 けいたい は1つの伝送 でんそう 路 ろ 内 ない でOFDMシンボルを用 もち いてデータを伝送 でんそう する形態 けいたい であることから、デジタル変調 へんちょう 技術 ぎじゅつ であるがマルチユーザーチャネルアクセス技術 ぎじゅつ ではないと考 かんが えられる。しかしOFDMは時間 じかん /周波数 しゅうはすう /コーディング分割 ぶんかつ を利用 りよう することにより多元 たげん 接続 せつぞく (マルチアクセス)を組 く み込 こ むことができる。
直交 ちょっこう 周波数 しゅうはすう 分割 ぶんかつ 多元 たげん 接続 せつぞく (OFDMA ) では、異 こと なるユーザーに異 こと なるサブキャリアを割 わ り当 あ てることで周波数 しゅうはすう 分割 ぶんかつ 多元 たげん 接続 せつぞく を実現 じつげん している。OFDMAはユーザーそれぞれに異 こと なる数 かず のサブキャリアを割 わ り当 あ てることでCDMA のようにサービス品質 ひんしつ を差別 さべつ 化 か でき、CDMAのような複雑 ふくざつ なパケットスケジューリングや媒体 ばいたい アクセス制御 せいぎょ スキームといった問題 もんだい を回避 かいひ できる。一般 いっぱん 的 てき にWiMAX で知 し られるIEEE 802.16 規格 きかく はOFDMAを採用 さいよう している。
OFDM-CDMAとしても知 し られるマルチキャリア符号 ふごう 分割 ぶんかつ 多元 たげん 接続 せつぞく (MC-CDMA ) では、ユーザーのコーディング分離 ぶんり のためCDMAのスペクトラム拡散 かくさん 通信 つうしん とOFDMが組 く み合 あ わされている。手動 しゅどう の固定 こてい チャネル割当 わりあて (FCA、英語 えいご : fixed channel allocation )の周波数 しゅうはすう 設定 せってい が単純 たんじゅん 化 か される、または複雑 ふくざつ な動的 どうてき チャネル割当 わりあて (DCA、英語 えいご : dynamic channel allocation )設定 せってい を回避 かいひ できる割 わり には同 どう 一 いち チャネル干渉 かんしょう を低減 ていげん できるメリットがある。
OFDMベースの広範囲 こうはんい 放送 ほうそう 規格 きかく では、受信 じゅしん 機 き は複数 ふくすう の空間 くうかん 的 てき に離 はな れた送信 そうしん 機 き からの信号 しんごう を同時 どうじ に受信 じゅしん することで様々 さまざま なメリットを得 え ることができる。これは複数 ふくすう の送信 そうしん 機 き からの信号 しんごう の発信 はっしん は限定 げんてい されたサブキャリア間 あいだ の干渉 かんしょう を引 ひ き起 お こすだけであり、一般 いっぱん 的 てき には広範囲 こうはんい の信号 しんごう 増強 ぞうきょう になるためである。これは多 おお くの地域 ちいき において複数 ふくすう の送信 そうしん 機 き が同 おな じ周波数 しゅうはすう 帯 たい で同 おな じ信号 しんごう を同時 どうじ に送信 そうしん する単一 たんいつ 周波数 しゅうはすう ネットワーク (SFN、英語 えいご : single frequency networks )を可能 かのう にするメリットがある。SFNは送信 そうしん データを異 こと なる周波数 しゅうはすう に置 お き換 か えて再 さい 送信 そうしん する従来 じゅうらい の複数 ふくすう 周波数 しゅうはすう ネットワーク(MFN、英語 えいご : multi-frequency networks )と比較 ひかく してはるかにスペクトルを効率 こうりつ よく利用 りよう できる。SFNは異 こと なる送信 そうしん 機 き 間 あいだ にある受信 じゅしん 機 き においても結果 けっか 的 てき にダイバーシティ利得 りとく の増加 ぞうか のみとなる。これにより全 すべ てのサブキャリアの受信 じゅしん 信号 しんごう 平均 へいきん 強度 きょうど が増 ふ えるため、MFNと比較 ひかく しカバーエリアは広 ひろ がり、ユーザが必要 ひつよう レートを下回 したまわ る確 かく 率 りつ は比較的 ひかくてき 減少 げんしょう する。
ガードインターバルはデータに冗長 じょうちょう 性 せい を持 も たせる、つまり伝送 でんそう 容量 ようりょう を減 へ らすだけであるが、放送 ほうそう システムで使用 しよう されるようなOFDMシステムは意図 いと 的 てき に長 なが いガードインターバルを使用 しよう している。これはSFNにおいて送信 そうしん 機 き 間隔 かんかく をより大 おお きくすると同時 どうじ に、SFNセルサイズをより拡大 かくだい できるようにするためである。SFNにおける送信 そうしん 機 き 間隔 かんかく の最大 さいだい 距離 きょり は信号 しんごう がガードインターバル期間 きかん 内 ない に進 すす む距離 きょり と同 どう 程度 ていど とするのが目安 めやす である。例 たと えば、ガードインターバルが200マイクロ秒 びょう であれば送信 そうしん 機 き 間隔 かんかく は最大 さいだい 60kmとなる。
SFNは送信 そうしん 機 き マクロダイバーシティの一 いち 形態 けいたい であると言 い える。この概念 がいねん ではSFNグループのタイムスロットを変更 へんこう する動的 どうてき 単一 たんいつ 周波数 しゅうはすう ネットワーク (DSFN) の利用 りよう が可能 かのう である。
OFDMはアレイアンテナやMIMOチャネルといった他 ほか の種類 しゅるい のスペース・ダイバーシティと組 く み合 あ わせることも可能 かのう である。これは無線 むせん LANの標準 ひょうじゅん 規格 きかく のひとつであるIEEE 802.11n で使用 しよう されている。
OFDM信号 しんごう は独立 どくりつ した位相 いそう を持 も つサブキャリアを組 く み合 あ わせたものであるので、各 かく サブキャリアの位相 いそう の組 く み合 あ わせによっては高 たか いピーク電力 でんりょく を持 も つことがある。このため、ピーク対 たい 平均 へいきん 電力 でんりょく 比 ひ (PAPR) が高 たか くなるという問題 もんだい がある。この高 たか いPAPRを取 と り扱 あつか うには以下 いか の要素 ようそ が必要 ひつよう となる。
信号 しんごう 伝達 でんたつ において非線形 ひせんけい 性 せい が存在 そんざい すると、以下 いか のような相互 そうご 変調 へんちょう ひずみが発生 はっせい する。
ノイズフロアの上昇 じょうしょう
シンボル間 あいだ 干渉 かんしょう (ISI) の発生 はっせい
帯域 たいいき 外 がい へのスプリアス放射 ほうしゃ
特 とく に送信 そうしん 機 き のRF出力 しゅつりょく 回路 かいろ で使用 しよう される増幅器 ぞうふくき は消費 しょうひ 電力 でんりょく の増加 ぞうか を抑 おさ えるために非線形 ひせんけい で設計 せっけい されていることが多 おお く、線形 せんけい 性 せい を保 たも つには条件 じょうけん が厳 きび しい。実用 じつよう 化 か されているOFDMシステムでは多少 たしょう のピーククリッピングを許容 きょよう することによってPAPRの抑圧 よくあつ と上記 じょうき の問題 もんだい とのトレードオフを慎重 しんちょう に図 はか っている。しかし、フィルタによってスプリアス放射 ほうしゃ を法律 ほうりつ で規定 きてい されるレベルまで低減 ていげん させる手法 しゅほう はクリッピングにより抑 おさ えられたピークを元 もと に戻 もど してしまうという問題 もんだい があるため、クリッピングはPAPRの抑圧 よくあつ にはあまり効果 こうか が無 な いといえる。
OFDMの周波数 しゅうはすう 利用 りよう 効率 こうりつ は地上 ちじょう ・宇宙 うちゅう 空間 くうかん での通信 つうしん には非常 ひじょう に魅力 みりょく 的 てき ではあるが、高 たか いPAPR問題 もんだい のためOFDMシステムは地上 ちじょう での利用 りよう に限 かぎ られている。また、LTE ではPAPRが問題 もんだい となり、アップリンクにはPAPRの小 ちい さいSC-FDMA が採用 さいよう された[1] 。
ここでは時 とき 不変 ふへん AWGNチャネルに適 てき した単純 たんじゅん な理想 りそう 的 てき OFDMシステムモデルについて説明 せつめい する。
OFDM信号 しんごう はいくつかの直交 ちょっこう したサブキャリアをあわせたものであり、ベースバンドデータは一般 いっぱん 的 てき に直交 ちょっこう 振幅 しんぷく 変調 へんちょう (QAM) または位相 いそう 偏 へん 移 うつり 変調 へんちょう を用 もち いて独立 どくりつ して変調 へんちょう されサブキャリアに乗 の せられる。この合成 ごうせい されたベースバンド信号 しんごう は一般 いっぱん 的 てき に高周波 こうしゅうは 数 すう の搬送波 はんそうは で変調 へんちょう される。
s
[
n
]
{\displaystyle s[n]}
は2進数 しんすう のデータ列 れつ である。逆 ぎゃく 多重 たじゅう 化 か により、このデータはまずN個 こ の並列 へいれつ データに分離 ぶんり され、それぞれQAMやPSKなどにより変調 へんちょう され(おそらく複素 ふくそ の)シンボルデータ列 れつ となる。
これらのシンボル列 れつ をIFFT で計算 けいさん すると、N個 こ の時間 じかん 領域 りょういき の複素 ふくそ データが得 え られる。標準 ひょうじゅん 的 てき な方法 ほうほう では次 つぎ にこれらのデータをパスバンド 信号 しんごう へと直交 ちょっこう 変調 へんちょう する。まず、(IFFTから出力 しゅつりょく された複素 ふくそ データの)実数 じっすう と虚数 きょすう の成分 せいぶん をそれぞれデジタル-アナログ変換 へんかん 回路 かいろ を用 もち いてアナログ信号 しんごう に変換 へんかん する。このアナログ信号 しんごう を搬送波 はんそうは 周波数 しゅうはすう
f
c
{\displaystyle f_{c}}
の余弦 よげん 波 は と正弦 せいげん 波 は を用 もち いて変調 へんちょう (アップコンバージョン)する。その後 ご これらの信号 しんごう を合成 ごうせい すると伝送 でんそう 信号 しんごう
s
(
t
)
{\displaystyle s(t)}
が得 え られる。
なお、直交 ちょっこう 振幅 しんぷく 変調 へんちょう や位相 いそう 偏 へん 移 うつり 変調 へんちょう などによる変調 へんちょう を「一 いち 次 じ 変調 へんちょう 」、それらをさらにIFFT することを「二 に 次 じ 変調 へんちょう 」と呼 よ ぶ場合 ばあい がある。
受信 じゅしん 機 き では受信 じゅしん 信号 しんごう
r
(
t
)
{\displaystyle r(t)}
を搬送波 はんそうは 周波数 しゅうはすう の余弦 よげん 波 は と正弦 せいげん 波 は を用 もち いて直交 ちょっこう 変調 へんちょう (ダウンコンバージョン)しベースバンド 信号 しんごう にする。この時 とき 中心 ちゅうしん 周波数 しゅうはすう
2
f
c
{\displaystyle 2f_{c}}
の信号 しんごう が生成 せいせい されるので、ローパスフィルタ を用 もち いて除去 じょきょ する。このベースバンド信号 しんごう をアナログ-デジタル変換 へんかん 回路 かいろ を用 もち いてサンプリング・デジタル信号 しんごう 化 か し、FFT を用 もち いて周波数 しゅうはすう 領域 りょういき のデータへと戻 もど す。
このN個 こ の並列 へいれつ データをそれぞれ適当 てきとう なシンボル検出 けんしゅつ 器 き (復調 ふくちょう 器 き )を用 もち いて2進数 しんすう のデータへと変換 へんかん する。これらのデータは再 ふたた び直列 ちょくれつ データ列 れつ
s
^
[
n
]
{\displaystyle {\hat {s}}[n]}
に結合 けつごう され、送信 そうしん された元 もと の2進 しん データの推定 すいてい 値 ち となる。
さまざまな一般 いっぱん 的 てき なOFDMベースのシステムに関 かん する重要 じゅうよう な特徴 とくちょう を以下 いか の表 ひょう に示 しめ す。
規格 きかく 名 めい
DAB Eureka 147
DVB-T
DVB-H
DMB-T/H
IEEE 802.11a
批准 ひじゅん された年 とし
1995
1997
2006
1999
現在 げんざい の機器 きき の周波数 しゅうはすう レンジ (MHz)
174 - 240 1452 - 1492
470 - 862
470 - 862
470 – 862
4915 - 5825
Channel spacing B (MHz)
1.712
8
8
8
20
サブキャリアの数 かず N
192, 384, 768 or 1536
2K mode: 1705 8K mode: 6817
1705, 3409, 6817
1(シングルキャリア) 3780(マルチキャリア)
52
サブキャリアの変調 へんちょう 方法 ほうほう 式 しき (一 いち 次 じ 変調 へんちょう )
DQPSK
QPSK, 16QAM or 64QAM
QPSK, 16QAM or 64QAM
4QAM, 4QAM-NR,[2] 16QAM, 32QAM and 64QAM.
BPSK, QPSK, 16QAM or 64QAM
使用 しよう されるシンボル長 ちょう (symbol length) T U (μ みゅー s)
2K mode: 224 8K mode: 896
224, 448, 896
3.2
追加 ついか されるガードインターバル T G (Fraction of T U )
1/4, 1/8, 1/16, 1/32
1/4, 1/8, 1/16, 1/32
1/4, 1/6, 1/9
1/4
サブキャリアの配置 はいち 間隔 かんかく Δ でるた f = 1/(T U ) ≈ B/N (Hz)
2K mode: 4464 8K mode: 1116
4464, 2232, 1116
8 M (single-carrier) 2116 (multi-carrier)
312.5K
Net bit rate R (Mbit/s)
0.576 - 1.152
4.98 - 31.67 (typically 24)
3.7 - 23.8
4.81 - 32.49
6 - 54
スペクトル効率 こうりつ R /B (bit/s/Hz)
0.34 - 0.67
0.62 - 4.0
0.62 - 4.0
0.60 - 4.1
0.30 - 2.7
FEC
畳 たた み込 こ み符号 ふごう
code rates:1/4, 3/8 or 1/2
畳 たた み込 こ み符号 ふごう
code rates:1/2, 2/3, 3/4, 5/6 or 7/8
畳 たた み込 こ み符号 ふごう
code rates:1/2, 2/3, 3/4, 5/6 or 7/8
BCH符号 ふごう
畳 たた み込 こ み符号 ふごう
code rates:1/2, 2/3 or 3/4
その他 た のFEC (もしあれば)
None
RS (204,188,t=8)
RS(204,188,t=8) + MPE-FEC
LDPC
code rates:2/5, 3/5 or 4/5
Maximum travelling speed (km/h)
200 - 600
53 - 185
Time interleaving depth (ms)
385
0.6 - 3.5
0.6 - 3.5
200 - 500
適応 てきおう 伝送 でんそう (ほかにあれば)
None
None
多元 たげん 接続 せつぞく の方式 ほうしき (ほかにあれば)
None
None
データ圧縮 あっしゅく の種類 しゅるい
192 kbit/sMPEG2 Audio layer 2
4 Mbit/sMPEG2
Not defined (MPEG-2 or H.264 w/MP2 )
OFDMはG.DMT (ITU G.992.1 ) 規格 きかく に従 したが い、既存 きそん の銅 どう 線 せん (電話 でんわ 線 せん )を用 もち いた高速 こうそく データー通信 つうしん を行 おこな うADSL 接続 せつぞく で使 つか われている。
長 なが い銅 どう 線 せん では信号 しんごう の高周波 こうしゅうは 成分 せいぶん が減衰 げんすい する。OFDMは周波数 しゅうはすう 選択 せんたく 性 せい 減衰 げんすい や狭 せま 帯域 たいいき 干渉 かんしょう に対処 たいしょ することが可能 かのう であり、この事実 じじつ がOFDMがADSLモデムのようなアプリケーションで多用 たよう される主 おも な理由 りゆう である。しかしながら、DSL はすべての銅 どう 線 せん の組 くみ で使 つか うことができない。もし電話 でんわ 交換 こうかん 局 きょく に入 はい っている電話 でんわ 回線 かいせん の25%以上 いじょう がDSLのために使 つか われた場合 ばあい 、干渉 かんしょう が大 おお きな問題 もんだい となる可能 かのう 性 せい がある。
実験 じっけん 用 よう アマチュア無線 むせん 用途 ようと では、ユーザーは商業 しょうぎょう 的 てき でいつでもすぐ買 か えるADSL機器 きき に、そのユーザーが認可 にんか されている無線 むせん 周波数 しゅうはすう 帯域 たいいき へと周波数 しゅうはすう を単 たん に移動 いどう させるラジオトランシーバーを取 と り付 つ けたりしていた。
OFDMによるノッチ (サブキャリア5個 こ ごとに1個 いっこ (1サブキャリア分 ぶん )のノッチの例 れい )
OFDMは家庭 かてい 内 ない の電力 でんりょく 配線 はいせん を用 もち いて通信 つうしん 回線 かいせん を構築 こうちく する電力 でんりょく 線 せん 搬送 はんそう 通信 つうしん に使用 しよう されている。OFDMで可能 かのう な適応 てきおう 変調 へんちょう (例 れい :QPSKから16-QAMへの変更 へんこう )は特 とく に電力 でんりょく 配線 はいせん のような雑音 ざつおん が多 おお い伝送 でんそう 路 ろ に対 たい して重要 じゅうよう となる。
なお高速 こうそく PLCにおいては、漏洩 ろうえい 電波 でんぱ (電磁 でんじ 両立 りょうりつ 性 せい のエミッション)などの問題 もんだい で、OFDM信号 しんごう に「ノッチ 」と呼 よ ばれる特定 とくてい の周波数 しゅうはすう 帯域 たいいき を減衰 げんすい させる技術 ぎじゅつ が使 つか われる。ノッチ帯域 たいいき を作 つく り出 だ すには、OFDMの一部 いちぶ のサブキャリアを使用 しよう 停止 ていし にする。
無線 むせん LANおよびMetropolitan Area Network (MAN)
編集 へんしゅう
OFDMはIEEE 802.11a /g/nやWiMAX などのワイヤレスLAN/WANアプリケーションにおいて使用 しよう されている。
IEEE 802.11aは5GHz帯域 たいいき を使用 しよう し、6-54Mbit/sの通信 つうしん 速度 そくど が規定 きてい されている。変調 へんちょう 方式 ほうしき にはBPSK 、4-QAM (QPSK)、16-QAM、64-QAMの4つといくつかの畳 たた み込 こ み符号 ふごう (誤 あやま り検出 けんしゅつ 訂正 ていせい )が使用 しよう される。これによりその時々 ときどき の通信 つうしん 状 じょう 況 きょう に合 あ わせて最適 さいてき な通信 つうしん 速度 そくど とエラーレートに変更 へんこう することが出来 でき る。
米国 べいこく ではワイヤレスISPであるClearwire社 しゃ が2.5GHz帯 たい のWiMAX ネットワーク拡大 かくだい において変調 へんちょう 方式 ほうしき にOFDMを使用 しよう している。日本 にっぽん でもUQコミュニケーションズ 社 しゃ がモバイルWiMAX のサービス事業 じぎょう を展開 てんかい している。
地上 ちじょう デジタルテレビ方式 ほうしき の分布 ぶんぷ 図 ず 。緑 みどり がISDB-T 、青 あお がDVB-T を採用 さいよう している地域 ちいき である。
ヨーロッパとアジアでは主 おも にOFDMが用 もち いられるデジタルテレビ及 およ びラジオ規格 きかく が採用 さいよう されている。
地上 ちじょう デジタルテレビでは日本 にっぽん 、ブラジルでは日本 にっぽん 放送 ほうそう 協会 きょうかい が中心 ちゅうしん となって策定 さくてい されたISDB-T が採用 さいよう されており、またヨーロッパ・アジアの多 おお くの地域 ちいき ではDVB-T が採用 さいよう されている。
OFDMを利用 りよう していることにより、アナログ放送 ほうそう ではゴースト現象 げんしょう として問題 もんだい となったマルチパスによる問題 もんだい が緩和 かんわ され、SFNが実現 じつげん 可能 かのう であるため中継 ちゅうけい 時 じ に周波数 しゅうはすう 変換 へんかん をして再送 さいそう する必要 ひつよう がなく、周波数 しゅうはすう を有効 ゆうこう 活用 かつよう できるメリットがある。
欧州 おうしゅう 委員 いいん 会 かい の指示 しじ により、欧州共同体 おうしゅうきょうどうたい 内 うち の視聴 しちょう 者 しゃ に送信 そうしん される全 すべ てのテレビサービスは認 みと められたヨーロッパの標準 ひょうじゅん 化 か 団体 だんたい によって標準 ひょうじゅん 化 か された変調 へんちょう システムを使用 しよう しなければならないことになっている[3] 。
そしてその標準 ひょうじゅん 規格 きかく はデジタルビデオブロードキャスティング プロジェクト (DVB Project) によりフレーム構造 こうぞう 、チャネルコーディング、変調 へんちょう 方式 ほうしき が策定 さくてい された[4] 。
この標準 ひょうじゅん 規格 きかく は慣習 かんしゅう 的 てき にDVB-Tと呼 よ ばれており、これには変調 へんちょう にCOFDMが必要 ひつよう となっている。現在 げんざい DVB-T はデジタルテレビシステムとしてヨーロッパを中心 ちゅうしん に広 ひろ い地域 ちいき で利用 りよう されている。
ISDB(日本 にっぽん の地上 ちじょう デジタル放送 ほうそう )で使 つか われるBST-OFDM
編集 へんしゅう
日本 にっぽん ではBST-OFDM システムが提唱 ていしょう されており、日本 にっぽん のデジタル放送 ほうそう 規格 きかく であるISDB-T 、ISDB-TSB 、ISDB-C 放送 ほうそう システムで使 つか われるものである。BST-OFDMはいくつかのOFDMキャリアが同 どう 一 いち 多重 たじゅう 内 ない で異 こと なる変調 へんちょう が可能 かのう であるということを利用 りよう し、COFDMを改善 かいぜん している。既 すで にCOFDMのいくつかの形式 けいしき は階層 かいそう 的 てき な変調 へんちょう が可能 かのう であるが、BST-OFDMはこれをさらに柔軟 じゅうなん にすることを目的 もくてき としている。6MHzの1つのテレビチャンネル帯域 たいいき は「セグメント」に分割 ぶんかつ することができ、セグメント毎 ごと に異 こと なる変調 へんちょう を行 おこな い、異 こと なるサービスに使用 しよう される。
例 たと えば、BST-OFDMでは音声 おんせい 、データ、映像 えいぞう といったサービスをそれぞれ数 すう 本 ほん のキャリアから成 な る異 こと なるセグメントに分 わ けて同一 どういつ の6MHzの帯域 たいいき 内 ない で送信 そうしん することが可能 かのう である。さらに例 たと えばテレビ放送 ほうそう を高 たか いマルチパス環境 かんきょう 内 ない の固定 こてい 受信 じゅしん に最適 さいてき 化 か しつつ、音声 おんせい やデータは移動 いどう 体 たい 受信 じゅしん に最適 さいてき 化 か できるといった異 こと なるパラメータで変調 へんちょう することが可能 かのう である。
地上 ちじょう デジタル放送 ほうそう 規格 きかく であるISDB-Tでは1つのチャンネルに割 わ り当 あ てられる周波数 しゅうはすう 帯 たい を13個 こ のセグメントに分割 ぶんかつ し、中心 ちゅうしん の1セグメントは移動 いどう 体 たい 受信 じゅしん (ワンセグ)向 む けにビットレートを落 お としてその引 ひ き換 か えに低 てい 性能 せいのう なアンテナでの受信 じゅしん などを可能 かのう にし、残 のこ りの12セグメントは固定 こてい 受信 じゅしん 向 む けにビットレートを高 たか くしている。また今後 こんご 予定 よてい されているデジタルラジオについても同様 どうよう の手法 しゅほう が使用 しよう される予定 よてい であったがこれは中止 ちゅうし された。