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p14ARF - Wikipedia

p14ARFARFp14ARF)は、CDKN2A遺伝子いでんしINK4a/ARF遺伝子いでんし)の代替だいたいリーディングフレームalternate reading frame)からのタンパク質たんぱくしつ産物さんぶつである[1]。p14ARFはMycRas異常いじょう増殖ぞうしょくシグナルなど、分裂ぶんれつ促進そくしん刺激しげき増大ぞうだい応答おうとうして誘導ゆうどうされる[2]おもかく小体こてい蓄積ちくせきし、そこでNPM英語えいごばんまたはMdm2安定あんていふく合体がったい形成けいせいする。これらの因子いんしとの相互そうご作用さようはそれぞれリボソームなま合成ごうせい阻害そがい、またはp53依存いぞんてき細胞さいぼう周期しゅうき停止ていしアポトーシス開始かいしこすため、p14ARFはがん抑制よくせい因子いんしとして作用さようする[3]。p14ARFは、その転写てんしゃアミノ酸あみのさん組成そせい分解ぶんかいめん典型てんけいてきタンパク質たんぱくしつである。p14ARFはタンパク質たんぱくしつp16INK4a代替だいたいリーディングフレームとして転写てんしゃされ、きわめて塩基えんきせいたかく、N末端まったんがポリユビキチンされる[4]

cyclin-dependent kinase inhibitor 2A (melanoma, p16, inhibits CDK4)
識別子しきべつし
略号りゃくごう CDKN2A
略号りゃくごう CDKN2, MLM
Entrez英語えいごばん 1029
HUGO 1787
OMIM 600160
RefSeq NM_058195
UniProt P42771
のデータ
遺伝子いでんし Chr. 9 p21
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p16INK4aとp14ARFはどちらも細胞さいぼう周期しゅうき調節ちょうせつ関与かんよしている。p14ARFはMdm2を阻害そがいし、それによってp53を促進そくしんする。p53はp21活性かっせい促進そくしんし、p21は特定とくていサイクリン-CDKふく合体がったい結合けつごうして活性かっせいする。この活性かっせいがなければ、サイクリン-CDKふく合体がったいによって細胞さいぼう周期しゅうきG1/Sチェックポイント通過つうかさせる遺伝子いでんし転写てんしゃ促進そくしんされる。CDKN2A遺伝子いでんしホモ接合せつごうがた変異へんいによるp14ARFの喪失そうしつはMdm2レベルの増加ぞうかをもたらし、p53の機能きのう細胞さいぼう周期しゅうき制御せいぎょ喪失そうしつする。

ヒトのp14ARFはマウスのp19ARFに相当そうとうする。

背景はいけい

編集へんしゅう

p14ARFの転写てんしゃ産物さんぶつは1995ねんにヒトではじめて同定どうていされ[5][6]おなねんにはマウスでタンパク質たんぱくしつ産物さんぶつ確認かくにんされた[7]。その遺伝子いでんしはヒトでは9ばん染色せんしょくたい英語えいごばんたんうで位置いちし、マウスでは4ばん染色せんしょくたい対応たいおうする位置いち存在そんざいする[1]遺伝子いでんしINK4aINK4bのタンデムリピートの近傍きんぼう位置いちしており、INK4aINK4bはそれぞれp16INK4aとp15INK4bをコードする。これらのINK4タンパク質たんぱくしつは、サイクリンD依存いぞんせいキナーゼCDK4CDK6直接ちょくせつ阻害そがいする。染色せんしょくたいにはのINK4遺伝子いでんし存在そんざいするが、それらはがんとは関係かんけいしておらず、機能きのう重複じゅうふくしていないようである。CDK4/6のサイクリン依存いぞんてき重要じゅうよう基質きしつにはRbタンパク質たんぱくしつがある。RbはG1終盤しゅうばんリン酸化さんかされ、G1からの脱出だっしゅつ可能かのうにする。Rbタンパク質たんぱくしつは、DNA複製ふくせい必要ひつよう遺伝子いでんし転写てんしゃ活性かっせいするE2Fファミリー転写てんしゃ因子いんし活性かっせい阻害そがいすることで、細胞さいぼう増殖ぞうしょく制限せいげんする。RbがG1にサイクリンDとサイクリンE依存いぞんてきなキナーゼによってリン酸化さんかされると、RbはE2F依存いぞんてき転写てんしゃ抑制よくせいできなくなり、細胞さいぼうはDNA合成ごうせいであるSへと移行いこうする[8]。そのため、INK4aとINK4bはRbのリン酸化さんかになうCDKを阻害そがいすることで細胞さいぼう増殖ぞうしょく制限せいげんし、がん抑制よくせい因子いんしとして機能きのうする[7]

INK4a/ARF遺伝子いでんしからはINK4aにくわえて、アミノ酸あみのさん配列はいれつ無関係むかんけいタンパク質たんぱくしつARFが代替だいたいリーディングフレームからさんされる[1]。INK4aとARFのmRNAはそれぞれ3つのエクソンからなる。エクソン2と3は両者りょうしゃ共通きょうつうであるがエクソン1はことなり、それぞれエクソン1αあるふぁ、1βべーたばれる。エクソン1βべーたはINK4aとINK4bの遺伝子いでんしあいだ位置いちする[1]。エクソン1αあるふぁと1βべーたはサイズはどう程度ていどであるが、エクソン1βには自身じしんプロモーター開始かいしコドン存在そんざいし、エクソン2のリーディングフレームはことなるものとなる(ARFのエクソン3は翻訳ほんやくされない)。そのため、INK4aとARFは重複じゅうふくしたコーディング領域りょういきつにもかかわらず両者りょうしゃアミノ酸あみのさん配列はいれつ無関係むかんけいであり、ことなる機能きのうつ。このようにコーディング配列はいれつが2つのことなるリーディングフレームでもちいられることは哺乳類ほにゅうるいでは一般いっぱんてきでなく、ARFを特殊とくしゅタンパク質たんぱくしつにしている[1]。ARFの転写てんしゃ産物さんぶつ発見はっけんされたときには、タンパク質たんぱくしつをコードしないとかんがえられていた[5][6]。ARFはヒトでは14 kDa、132アミノ酸あみのさんタンパク質たんぱくしつ(p14ARF)、マウスでは19 kDa、169アミノ酸あみのさんタンパク質たんぱくしつ(p19ARF)へと翻訳ほんやくされる[1]。マウスとヒトのARFは、エクソン1βべーた部分ぶぶんは45%が同一どういつ、ARF全体ぜんたいでは50%が同一どういつである。INK4aはエクソン1αあるふぁ部分ぶぶんは72%が同一どういつ、INK4a全体ぜんたいでは65%が同一どういつである[7]

INK4aとARFは構造こうぞうてきにも機能きのうてきにもことなるが、どちらも細胞さいぼう周期しゅうき進行しんこう関与かんよしており、これらの幅広はばひろ阻害そがい機能きのうはつがんせいシグナルへの対抗たいこうたすけている可能かのうせいがある。上述じょうじゅつしたように、INK4aはRbがE2F転写てんしゃ因子いんし結合けつごうしたままの状態じょうたい維持いじすることで、間接かんせつてき増殖ぞうしょく阻害そがいする。ARFはMdm2(ヒトではHDM2ともばれる)を阻害そがいすることでp53の活性かっせい関与かんよしている[8]。Mdm2はp53に結合けつごうし、その転写てんしゃ活性かっせい阻害そがいする。Mdm2はp53にたいするE3ユビキチンリガーゼ活性かっせいっており、分解ぶんかいのため細胞さいぼうかくから細胞さいぼうしつへの輸送ゆそう促進そくしんする。ARFはMdm2によるp53の転写てんしゃ活性かっせい阻害そがい対抗たいこうし、細胞さいぼう周期しゅうき停止ていしやアポトーシスをこす。そのため、ARFやp53の喪失そうしつ細胞さいぼう生存せいぞん有利ゆうりとなる[1]

ARFの機能きのうおもにMdm2/p53をかいした機構きこうであるとかんがえられてきたが、p53またはp53とMdm2を喪失そうしつした細胞さいぼうでもARFは増殖ぞうしょく阻害そがいする[9]。2004ねん、ARFのp53依存いぞんてき機能きのうの1つがヌクレオフォスミン/B23(NPM)への結合けつごう関与かんよするものであることが発見はっけんされた[9]。NPMは酸性さんせいのリボソームシャペロンであり、p53依存いぞんてきにリボソーム前駆ぜんくたいのプロセシングとかくがい輸送ゆそう関与かんよし、自身じしんとp14ARFとともにオリゴマーする。p14ARFやく半分はんぶん高分子こうぶんしりょう(2–5 MDa)のNPM含有がんゆうふく合体がったいちゅう存在そんざいする。ARFの強制きょうせい発現はつげんは、47S/45S rRNA初期しょきのプロセシングをおくらせ、32S rRNAの切断せつだん阻害そがいする。このことからは、p14ARFはNPMに結合けつごうしてrRNAのプロセシングを阻害そがいすることが示唆しさされる[9]。ARF欠損けっそん細胞さいぼうかく小体こてい領域りょういき増加ぞうかし、リボソームせい合成ごうせい増加ぞうかし、タンパク質たんぱくしつ合成ごうせい増加ぞうかする[10]無制限むせいげんなリボソームせい合成ごうせいはNPMがARFに結合けつごうしていないときにみられ、ARFとNPMの双方そうほう欠損けっそんしているときにはみられない。リボソームとタンパク質たんぱくしつ増加ぞうかによるサイズの増大ぞうだい細胞さいぼう増殖ぞうしょく増加ぞうかとは関係かんけいしていないが、ARFの正常せいじょう基底きていレベルは通常つうじょうひくいにもかかわらずこうしたARF欠損けっそん表現ひょうげんがた出現しゅつげんする。そのため、はつがんせいシグナルに応答おうとうしたARFの誘導ゆうどうもっと重要じゅうようであるとかんがえられるが、あいだ細胞さいぼうでみられるていレベルのARFも細胞さいぼう成長せいちょう抑制よくせいというめんではおおきな影響えいきょうっており、NPM/ARFふく合体がったいちゅう基底きていレベルのARFは増殖ぞうしょく防止ぼうしとは独立どくりつして定常ていじょうてきなリボソームせい合成ごうせい監視かんししているようである[10]

疾患しっかんにおける役割やくわり

編集へんしゅう

INK4a、ARF、Rbやp53の機能きのう喪失そうしつ関係かんけいしたがんはきわめて一般いっぱんてきである[11]。INK4aが存在そんざいしない場合ばあい、CDK4/6はRbにたいして不適切ふてきせつなリン酸化さんかおこない、E2F依存いぞんてき転写てんしゃ増加ぞうかこす。ARFが存在そんざいしない場合ばあい、Mdm2はp53を不適切ふてきせつ阻害そがいし、細胞さいぼう生存せいぞん増加ぞうかこす。

おおくの種類しゅるい腫瘍しゅようINK4a/ARF遺伝子いでんしかけしっしたりサイレンシングされたりしていることがられている。れいとして、100の原発げんぱつせいにゅうがんのうちやく41%でp14ARFの欠陥けっかんがみられる[12]べつ研究けんきゅうでは、大腸だいちょう腺腫せんしゅがんせい腫瘍しゅよう)の32%でプロモーターのこうメチルによるp14ARFの活性かっせいがみられている。p19ARF、p53、Mdm2をかけしっしたマウスモデルは、p53とMdm2のみをかけしっしたマウスよりも腫瘍しゅよう形成けいせいしやすい。このことは、p19ARFがMdm2やp53に依存いぞんしない影響えいきょうあたえていることを示唆しさしている[13]。このアイデアは近年きんねんのsmARFの発見はっけんにつながった[14]

CDKN2A(ARF)のホモ接合せつごうがたかけしつ変異へんいにかわしゅ関係かんけいしていることが判明はんめいしている[15]

近年きんねんまで、ARFはNPMとの相互そうご作用さようによる成長せいちょう阻害そがいとMdm2との相互そうご作用さようによるアポトーシスの誘導ゆうどうという2つの影響えいきょうあたえることがられていた。現在げんざいでは、ちいさなミトコンドリアかたアイソフォームであるsmARFによる、p53依存いぞんてき細胞さいぼうかんする機能きのうあきらかにされている[14]全長ぜんちょうがたARFは細胞さいぼう周期しゅうき停止ていしやアポトーシスによるタイプI細胞さいぼうによって細胞さいぼう成長せいちょう阻害そがいするのにたいし、smARFはオートファジーによるタイプII細胞さいぼうこす。ARFと同様どうよう、smARFの発現はつげん異常いじょう増殖ぞうしょくシグナルによって増加ぞうかする。smARFは過剰かじょう発現はつげんするとミトコンドリアマトリックス局在きょくざいし、ミトコンドリアのまく電位でんい構造こうぞうにダメージをあたえ、オートファジーによる細胞さいぼうこす[16]

ヒトとマウスの細胞さいぼうでは、このめられたARFであるsmARFの翻訳ほんやくはARF転写てんしゃ産物さんぶつ内部ないぶメチオニン(M45)から開始かいしされる。smARFはラットでも検出けんしゅつされるが、ラットの転写てんしゃ産物さんぶつにはこうした内部ないぶのメチオニンは存在そんざいしない。このことはsmARFをさんせいするための代替だいたいてき機構きこう存在そんざいすることを示唆しさしており、このアイソフォームの重要じゅうようせい強調きょうちょうされる[14]。smARFの役割やくわりはARFとはことなり、かく局在きょくざいシグナル(NLS)をいており、Mdm2ともNPMとも結合けつごうしない[3]。しかし一部いちぶ細胞さいぼうしゅでは、全長ぜんちょうがたARFもミトコンドリアに局在きょくざいしてタイプII細胞さいぼう誘導ゆうどうしており、飢餓きが環境かんきょう応答おうとうとしてのオートファジーにくわえて、がん遺伝子いでんし活性かっせいたいする応答おうとうにも関与かんよしていることが示唆しさされる[2]

生化学せいかがく

編集へんしゅう

ARFの発現はつげんはつがんせいシグナル伝達でんたつによって調節ちょうせつされている。MycやRasなどによる異常いじょう分裂ぶんれつ促進そくしん刺激しげきはARFの発現はつげん増加ぞうかさせる、p53の変異へんいやMdm2の増幅ぞうふくでも同様どうよう変化へんかがみられる[8]。ARFはE2Fの強制きょうせい発現はつげんによっても誘導ゆうどうされる。E2Fの発現はつげん細胞さいぼう周期しゅうきちゅう増加ぞうかするが、おそらくARFの発現はつげんには2つ未知みち転写てんしゃ因子いんし必要ひつようであるため、一過いっかてきなE2Fの増加ぞうかたいするARFの応答おうとうふせがれている[11]。ARFはRb-E2Fふく合体がったいとp53の活性かっせいによってまけ調節ちょうせつされている[8][11]異常いじょう増殖ぞうしょくシグナルはsmARFの発現はつげん増加ぞうかさせる[16]

ARFはきわめて塩基えんきせいたかく(pI > 12)、かつ疎水そすいてきタンパク質たんぱくしつである[8]。その塩基えんきせいはそのアルギニン含量によるものであり、アミノ酸あみのさんの20%以上いじょうがアルギニンである。一方いっぽうで、リジンはほとんどまたはまったふくまれない。こうした特性とくせいのため、ARFは標的ひょうてき結合けつごうしていない状態じょうたいでは構造こうぞうをとらないとかんがえられている。ARFは25種類しゅるい以上いじょうタンパク質たんぱくしつふく合体がったい形成けいせいすることが報告ほうこくされているが、これら個々ここ相互そうご作用さよう重要じゅうようせい解明かいめいである[1]。こうした相互そうご作用さようの1つではSUMOがもたらされることから、ARFは結合けつごうするタンパク質たんぱくしつ修飾しゅうしょくしている可能かのうせい示唆しさされている。SUMOタンパク質たんぱくしつてい分子ぶんしりょうユビキチンさま修飾しゅうしょく因子いんしであり、リジンのεいぷしろん-アミノもと付加ふかされる。この過程かていは、ユビキチン経路けいろた3つの酵素こうそによるカスケード反応はんのうともなう。E1は活性かっせい酵素こうそであり、E2は結合けつごう酵素こうそ、E3はリガーゼである。ARFは既知きち唯一ゆいいつのSUMOE2酵素こうそであるUBC9英語えいごばん結合けつごうし、ARFがSUMOの結合けつごう促進そくしんしていることが示唆しさされる。この役割やくわり重要じゅうようせい不明ふめいであるが、SUMOタンパク質たんぱくしつ運搬うんぱん、ユビキチンへの干渉かんしょう遺伝子いでんし発現はつげん変化へんかなどさまざまな機能きのう関与かんよしている[1]

ARFの半減はんげんやく6あいだであり[4]、smARFの半減はんげんは1あいだ未満みまんである[3]。どちらのアイソフォームもプロテアソームによって分解ぶんかいされる[1][4]通常つうじょうタンパク質たんぱくしつがユビキチンされるのはリジンざんもとであるが、ARFはN末端まったんがユビキチンされることでプロテアソームの標的ひょうてきとなる[4]。ヒトのp14ARFにはリジンはふくまれておらず、マウスのp19ARFには1つだけふくまれている。マウスのリジンざんもとをアルギニンに置換ちかんしても分解ぶんかい影響えいきょうあたえないことから、同様どうようにN末端まったんがユビキチンされていることが示唆しさされる。これもARFタンパク質たんぱくしつ独特どくとくさの1つであり、かく生物せいぶつタンパク質たんぱくしつだい部分ぶぶんはN末端まったんアセチルされているため、この部位ぶいのユビキチンふせがれている。N末端まったんのアセチル効率こうりつ末端まったんから2番目ばんめざんもと影響えいきょうけ、酸性さんせいざんもとによって促進そくしんされ、塩基えんきせいざんもとによって阻害そがいされる。p19ARFのN末端まったんアミノ酸あみのさん配列はいれつMet-Gly-Arg、p14ARFはMet-Val-Argであり、メチオニンアミノペプチダーゼによってメチオニン除去じょきょされるがアセチルおこなわれないことで、ユビキチン進行しんこう可能かのうとなる。smARFの配列はいれつはメチオニンで開始かいしされるがメチオニンアミノペプチダーゼで切断せつだんされず、おそらくアセチルされ、ユビキチンなしでプロテアソームによって分解ぶんかいされる[1]

かく小体こてい存在そんざいする全長ぜんちょうのARFはNPMによって安定あんていされているようである。NPM-ARFふく合体がったいはARFのN末端まったん保護ほごするわけではないが、ARFへの分解ぶんかい装置そうちのアクセスをふせいでいるとかんがえられる[4]。ミトコンドリアマトリックスタンパク質たんぱくしつp32英語えいごばんはsmARFを安定あんていする[16]。このタンパク質たんぱくしつはさまざまな細胞さいぼうタンパク質たんぱくしつウイルスタンパク質たんぱくしつ結合けつごうするが、その正確せいかく機能きのう不明ふめいである。p32のノックダウンによってsmARFのターンオーバーが上昇じょうしょうし、smARFレベルは劇的げきてき低下ていかする。一方いっぽう、p19ARFのレベルはp32のノックダウンの影響えいきょうけない。p32は特異とくいてき安定あんていし、おそらくプロテアソームまたはミトコンドリアのプロテアーゼからsmARFを保護ほごしている[16]

出典しゅってん

編集へんしゅう
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関連かんれん文献ぶんけん

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外部がいぶリンク

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