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X Day - Wikipedia

X Day』(エックス・デイ)は、三原みはらじゅん漫画まんが原子力げんしりょく発電はつでんともな環境かんきょう問題もんだいげた『Die Energie 5.2☆11.8』の続編ぞくへんであり、『Die Energie』では脇役わきやくであったダドリーが主役しゅやくとなったスピンオフ作品さくひんである。初出しょしゅつ1985ねんの『LaLa』であるが、掲載けいさいされたのは(47ページの予定よていのところ)31ページの完成かんせい原稿げんこうであった。その、270ページの長編ちょうへんとして単行本たんこうぼん刊行かんこうされた。

作品さくひんとの関係かんけい

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ダドリーを中心ちゅうしんとした家系かけい:ムーン・ライティング・シリーズとX Day

Die Energie 5.2☆11.8』『おどりたいのに』と同一どういつ世界せかいかんじょう物語ものがたりであり、とき系列けいれつじょうでは最後さいご物語ものがたりになる。ほんさく主人公しゅじんこう一人ひとりである「ダドリ−」は、『ムーン・ライティング』シリーズに登場とうじょうした「DD」と名前なまえおなじであるが、せいが「Travor」(X Day)と「Traver」(ムーン・ライティング)でことなっている、というのが作者さくしゃによる公式こうしき設定せっていである。ただし、家系かけいてき設定せっていはかなりかさなっている。すなわち、ダドリーはピーターとエレの次男じなんとしてそだてられたが、実際じっさいには長男ちょうなんクリントの双子ふたごいもうとんだ私生児しせいじであり、2人ふたり祖父母そふぼ、クリントは伯父おじたる(みぎ参照さんしょう)。なお、ダドリーは『Die Energie』『X Day』では「ダドリー」とばれ、「DD」とばれることはない(『おどりたいのに』ではD・Dとばれている)。『おどりたいのに』の主人公しゅじんこうレベッカは「レヴィ」としていちだけロザリンのセリフに登場とうじょうしている(ルドルフは『おどりたいのに』の最終さいしゅうページにひとこまだけ登場とうじょうしている)。

登場とうじょう人物じんぶつ

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ダドリーとその知人ちじんたち

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ダドリー
ダドリー・デヴィット・トレヴァー人当ひとあたりはよく、だれとでも友達ともだちになれる。有能ゆうのうなコンピュータ技術ぎじゅつしゃプログラマ)であり、20だい前半ぜんはんから分散ぶんさんがたプロダクト・ポートフォリオ (en:Portfolio) のプログラム作成さくせいや、世論せろん調査ちょうさ統計とうけい調査ちょうさもとづく選挙せんきょ対策たいさくとう従事じゅうじしてきた。しかし、その選挙せんきょ対策たいさく議員ぎいん裏切うらぎられて自暴自棄じぼうじきになって事故じここし、女性じょせい(ラズ)におぼれ、ラズが麻薬まやく関係かんけい死亡しぼうすると麻薬まやく売人ばいにんくすりけにされてジャンキー(麻薬まやく中毒ちゅうどくしゃ)となった。その状態じょうたいになっているところをルドルフに監禁かんきんされ、強制きょうせいてき中毒ちゅうどくから復帰ふっきさせられる。その電力でんりょく会社かいしゃでコンピュータ技師ぎしとしてはたらいていたが、農家のうかいとなんできたちちピーターがはらいきれぬ借金しゃっきん背負せおったことをり、電力でんりょく会社かいしゃめて実家じっかもどる(『Die Energie』の時間じかんがこの付近ふきん)。
ピーターの借金しゃっきん返済へんさいするため、ポートフォリオがその一部いちぶとしてんでいるO・U鉱山こうざんかぶい、その翌週よくしゅうO・U鉱山こうざんに(出所しゅっしょ不明ふめいな)鉱石こうせきせて鉱脈こうみゃく存在そんざい示唆しさし(この鉱石こうせきが「D Day」:10月25にち)、インサイダー取引とりひきによってO・U鉱山こうざん関係かんけいしゃ自社じしゃかぶいあさったのちけるという詐欺さぎまがいの方法ほうほう荒稼あらかせぎをおこなう。そのあいだ、“さくおぼれぬように、なに気晴きばらしを”もとめておとずれたあにクリントのいえでアデールと再会さいかいし、ニュートに出会であう。
ルドルフ
ルドルフ・ロッシュ。ダドリーの学生がくせい時代じだいからの友人ゆうじんであり、勤務きんむさき電力でんりょく会社かいしゃ同僚どうりょうでもあった。ダドリーの荷物にもつがロストバゲージになったためかれふくってクリントのいえおとずれ、ニュートらと出会であう。ニュートとのとりとめのない会話かいわから、その内容ないようがモーニングライト作戦さくせん1978ねん1がつ24にちしょうじた原子げんし搭載とうさいソ連それん人工じんこう衛星えいせいコスモス954墜落ついらくによる放射ほうしゃせい物質ぶっしつ探索たんさく)のことをしめしていると洞察どうさつする。自宅じたくもどったのち、アデールがダドリーをたよって家出いえでしてきたのをり、隣家りんかのロザリンにあづける。
ロザリン
ロザリン・ブラッシュ。ルドルフの隣人りんじん看護かんご。アデールが家出いえでしてきたさいあずかり、料理りょうりなどをおしえる。アデールのおとうとスコットの事故じことダドリーがじゅうたれたことをったさいには後者こうしゃをアデールにかくし、アデールに随行ずいこうしてクリントのいえ飛行機ひこうきむかった。
ラズ
ダドリーが自暴自棄じぼうじきになって事故じここしたのち入院にゅういんしたさき出会であった看護かんごきで同棲どうせいはじめたが、夜勤やきん連続れんぞくえるため麻薬まやくめる。ダドリーが“オレの身辺しんぺん問題もんだいこすのがわずらわしくて”麻薬まやくめるように彼女かのじょいえからったのち純度じゅんどたかすぎる麻薬まやくったためダドリーのアパートのまえゆきなか死亡しぼう
ボブ
ダドリーのO・U鉱山こうざんへの陰謀いんぼう片棒かたぼう。「念願ねんがん自分じぶんみせ」をもつために加担かたんした。「D Day」に“鉱石こうせきをO・U鉱山こうざん所有しょゆうしたおとこロナルド・レーガン”(実際じっさいにはダドリー(鉱石こうせき実際じっさいした場所ばしょ作中さくちゅうではせられている))の代理だいりとしてO・U鉱山こうざんみ、交渉こうしょう担当たんとうとしてはたらく。翌週よくしゅう金曜きんようまでの交渉こうしょう期限きげんりょう回答かいとうられなかったため決裂けつれつ。その株価かぶか操作そうさのための陰謀いんぼうだったとづいたO・U鉱山こうざん関係かんけいしゃ暴力ぼうりょくふくんだ脅迫きょうはくけるが、ダドリーの手助てだすけでからくもげおおせる。
メリンダ
ダドリーのむかしい。O・U鉱山こうざんへの仕掛しかけの都合つごうじょう銀行ぎんこうのシステムにはい必要ひつようがあったダドリーが銀行ぎんこう注文ちゅうもんしつ彼女かのじょこえをかけコンピュータの手引てびきしょせてもらった。その、そのことが彼女かのじょの(当時とうじの)っていた相手あいてディックにれ、2人ふたりなか邪推じゃすいされたため喧嘩けんか彼女かのじょはダドリーをたよりにかれ宿泊しゅくはくしていたホテルをおとずれ、関係かんけいってしまう。そのことをただすが、わるびれもせず「ころしていいよ」というダドリーにたいし、利己りこてき都合つごう部屋へやはいるところを目撃もくげきされた)でことわる。その、ダドリーと同棲どうせい状態じょうたいになり、ワイスの会社かいしゃ情報じょうほう銀行ぎんこうからすなどの協力きょうりょくはするが、自分じぶん一番いちばん大事だいじなのはわらなかった。ルドルフがダドリーをさがしていることをしり、夜更よふけにかけたダドリーをうが、かれねらうヒットマンと出会であってしまう。
ミスター・ウォーレン
ダドリーにポートフォリオ、選挙せんきょ対策たいさくなどの仕事しごとまわしてきた手配てはいてき仕事しごと生業せいぎょうをしている。ダドリーに「トロイの木馬もくば」や「おと」(バックドアのこと)のようなコンピュータ犯罪はんざいクラッキング)の手法しゅほうおしえる。農場のうじょうもどるというダドリーにたいしてあらたな仕事しごと提案ていあんし、契約けいやくしょわたす(契約けいやくしょはロストバゲージのためダドリーの手元てもとからはなれた)。かれってちかくのまちまで説得せっとくるが、失敗しっぱい

トレヴァー

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クリント・トレヴァー関連かんれん人物じんぶつ

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クリント
クリント・トレヴァー戸籍こせきじょうのダドリーのあにだが、実際じっさいには伯父おじ双子ふたごいもうとんだがダドリー)。ダドリーの13さい年上としうえ会社かいしゃ勤務きんむ。ダドリーが他人たにんのせいでそん役回やくまわりをけてきたことに苛立いらだち、息子むすこのスコットがダドリーにつつあることに不安ふあんかんじている。
ナンシー
ナンシー・トレヴァー。クリントのつま仕事しごとのため不在ふざいしがちなクリントにかわりむすめ・アデールや息子むすこ・スコットとの距離きょりのとりかたなやみ、セラピストさけ依存いぞんする。キッチン・ドランカー。スコットの事故じこ精神せいしんのバランスをくずす。
アデール
アデール・トレヴァー。クリント・ナンシー夫妻ふさい長女ちょうじょ、スコットのあね攻撃こうげきてきなところがちちクリントにそっくり。ダドリーに肉親にくしんたいするもの以上いじょう好意こういいている。しかし、ダドリーが自分じぶんける好意こうい肉親にくしんたいするものにぎないかとこわ不安ふあんおもっている。セラピストのような心理しんりがく専門せんもんによる身辺しんぺん物事ものごと整理せいりたいして、セラピストがダドリーへの好意こうい心理しんりがくてき説明せつめい整理せいりしてしまうのではないかと不信ふしんかんいている。スコットの深夜しんや徘徊はいかい、ニュートの被曝ひばく父親ちちおや浮気うわきなどになやみ、ダドリーをたよって家出いえでするもかれ不在ふざいのためルドルフをおとずれる。ロザリンに世話せわになったのち、スコットの事故じこ帰郷ききょう。そのいちしんざしかけたが、ダドリーの訪問ほうもんによってしんひらく。
スコット
スコット・トレヴァー。クリント・ナンシー夫妻ふさい長男ちょうなん、アデールのおとうとごとからげたがるところ、他人たにんのための自己じこ犠牲ぎせいいとわないところがダドリーにそっくり。はは負担ふたんらすためという理由りゆうで、セラピストによる「時間じかん労力ろうりょく最小限さいしょうげんおさえた障害しょうがいのクリア」を受忍じゅにんするかんがかたしめ一方いっぽう夜間やかん無断むだん外出がいしゅつし、年上としうえのグループとうなどの行動こうどうもとる。その夜間やかん外出がいしゅつ敵対てきたいグループとけんかになり入院にゅういん必要ひつよう程度ていど重傷じゅうしょうう。本編ほんぺん最終さいしゅうページにも暗示あんじされていたようにグループとのいは解消かいしょうされておらず、この問題もんだい物語ものがたり終焉しゅうえんにおいても解決かいけつされていない。
ニュート
クリントの隣家りんか親戚しんせきいえで、隣家りんか旅行りょこうさいにクリントあずかった。「D Day」(ダドリーの仲間なかま鉱石こうせきをO・U鉱山こうざん)からかぞえて、自分じぶん誕生たんじょう(11月14にち)が「X Day」だと発見はっけんする(これがほんさく題名だいめいのソース)。「コスモス954」墜落ついらくによる破片はへんりでひろったらしく、いぬジェイクをふくんだ家族かぞく全員ぜんいん被曝ひばくかれ以外いがい家族かぞく重症じゅうしょうかれのみが親戚しんせきいえ(クリント隣家りんか)にあづけられるももなく発症はっしょう症状しょうじょうすすなかかれ誕生たんじょう(とかれおもんだ)にちにジェイク(実際じっさいにはジェイクの兄弟きょうだいけん)にゆきなか出会であう。逝去せいきょほんさくラストはかれ葬儀そうぎ描写びょうしゃになる。

実家じっか・トレヴァー

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ピーター
ピーター・トレヴァー。クリントのちち、ダドリーの祖父そふかつ養父ようふ都会とかいからはなれた土地とち野菜やさいづくりをいとなんできた。メキシコじん不法ふほう移民いみんぶし労働ろうどうしゃやとったこともあり、手配てはいピンはねするとかっていても手配てはいとうまくうために手配てはい一括いっかつして賃金ちんぎん支払しはらうなど、完全かんぜん善人ぜんにんではないが「自分じぶんのやってきたことの始末しまつ自分じぶんでつける」という自己じこのレーゾンデートル(『X Day』ふうえば「強迫きょうはく観念かんねん」)のためにダドリーが荒稼あらかせぎしたかねりを拒否きょひし、破産はさん手続てつづきをすすめた。
エレ
エレ・トレヴァー。ピーターのつま、クリントのはは、ダドリーの祖母そぼかつ養母ようぼ。かぼちゃ料理りょうり得意とくい。ダドリーが出生しゅっしょう秘密ひみついまらないとしんじ、自分じぶんたちの死後しごのクリントとのなかあんじる。

ダドリーをねらものたち

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O・U鉱山こうざん関係かんけいしゃ
ボブが交渉こうしょう代理だいりであったためダドリーのかおられていなかったが、ボブの部屋へやおとずれた関係かんけいしゃ暴力ぼうりょくで「鉱石こうせきしたもの」のきだそうとしていたときに警察けいさつぼうかとかおしたり、ボブが列車れっしゃってまちはなれるさい、ボブをってきた関係かんけいしゃころばして足止あしどめをするなどしてかおられてしまった。
ディック
メリンダの(もと交際こうさい相手あいて。メリンダがわかれたのちダドリーと「っているようだ」とのうわさみみにし、『かねはなくともはあるだろう?』という脅迫きょうはく電話でんわをダドリーにきつける。
ワイス
ダドリーがつとめていた電力でんりょく会社かいしゃの(もと幹部かんぶ社員しゃいん。ダドリーが能率のうりつ分析ぶんせき報告ほうこくしょさいふる書類しょるい調しらげたことで自分じぶん不正ふせいがばれたことをる。その、ダドリーが大金たいきん必要ひつようとしていることをボブ経由けいゆき、その証拠しょうこマイクロフィルム:ロストバゲージのためダドリーの手元てもとにあらず)をることを提案ていあんし、拒否きょひされると拳銃けんじゅうおどす。もみいになり拳銃けんじゅうはダドリーのちる。ダドリーはメリンダの協力きょうりょくのもとかれ不正ふせい調しらげ、一部いちぶ書類しょるいをルドルフにわたす。ワイスのいえ配達員はいたついんよそおってかれ拳銃けんじゅうとどけると、ワイスは激昂げっこう夜中よなかくるま行方ゆくえ不明ふめいとなる。その事故死じこしたい発見はっけん
ヒットマン
楽器がっきケースじょうのかばんに自動じどう小銃しょうじゅうふところ拳銃けんじゅうあるき、ダドリーを尾行びこうしていた寡黙かもくころ快楽かいらく殺人さつじんものらしく、みち出会であった人々ひとびと無差別むさべつころしてあるく。最後さいご射殺しゃさつされたため、だれにダドリーの殺害さつがい依頼いらいされたか、あるいは依頼いらいそのものの存否そんぴ物語ものがたりちゅうではあきらかにはされなかった。

書誌しょし情報じょうほう

編集へんしゅう