放出

放出ほうしゅつ（はなてん）は、大阪おおさか府ふ大阪おおさか市し鶴見つるみ区くと城東じょうとう区くにまたがる地域ちいきの地名ちめいである。

概要がいよう

難読なんどく地名ちめい、そして珍ちん地名ちめいとして知しられる。放出東はなてんひがしは鶴見つるみ区く、放出西はなてんにしは城東じょうとう区くである。北側きたがわに寝屋川ねやがわ、南側みなみがわに第だい二に寝屋川ねやがわがある。

歴史れきし

放出ほうしゅつの地名ちめいの由来ゆらいには2説せつある。ひとつの説せつとしては、古代こだいの大阪おおさかは内陸ないりく部ぶが湖みずうみとなっていて、この地ち付近ふきんで湖水こすいが旧きゅう淀川よどがわへの放出ほうしゅつ口こうとなっていたことから、水みずの「はなちてん」がなまって「はなちで」を経へて「はなてん」になったといわれる。もう一ひとつの説せつとしては、三種さんしゅの神器じんぎの一ひとつ・草薙くさなぎ剣けんを剣けんが安置あんちされていた熱田あつた神宮じんぐうから盗ぬすみ出だし逃にげようとした新しん羅らの僧そう・道行みちゆきの乗のった船ふねが難破なんぱしてこの地ちに漂着ひょうちゃくし、神かみの怒いかりを恐おそれて剣けんを放はなったという伝説でんせつに由来ゆらいするともいわれている（草薙くさなぎ剣けん盗難とうなん事件じけん）。同地どうちの阿おもね遅速ちそく雄ゆう（あじはやお）神社じんじゃにある石碑せきひがその伝承でんしょうを伝つたえている。

江戸えど時代じだいまで摂津せっつ国こく放出ほうしゅつ村むらとして存在そんざい。明治めいじ期きになると東成ひがしなり郡ぐんに属ぞくし、他たの村むらとの合併がっぺいで榎本えのもと村むらとなったのち、1925年ねんに大阪おおさか市しに編入へんにゅうされた。編入へんにゅう当初とうしょは東成ひがしなり区くに属ぞくしていたが、1943年ねんに城東じょうとう区くが新設しんせつされたことに伴ともなってこの地ちは城東じょうとう区くになった。1974年ねんに城東じょうとう区く東部とうぶから鶴見つるみ区くを分ぶん区く新設しんせつした際さい、国道こくどう479号ごう（大阪おおさか内ない環状かんじょう線せん）を区くの境界きょうかいとして、放出西はなてんにしは城東じょうとう区くに、放出東はなてんひがしは鶴見つるみ区くに属ぞくする現在げんざいの形かたちになった。

交通こうつう

鉄道てつどうの便びんとしては、JR西日本にしにほん片町線かたまちせん（学研都市線がっけんとしせん）・おおさか東ひがし線せんの放出ほうしゅつ駅えきがこの地域ちいきの南東なんとうよりにある。また地域ちいきの西側にしがわでは、隣となりの片町線かたまちせん（学研都市線がっけんとしせん）の鴫野しぎの駅えきの方ほうが近ちかい場所ばしょもある。両りょう駅えきを利用りようすることで、京橋きょうばしや梅田うめだへのアクセスは比較的ひかくてき良よい。一方いっぽうで大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつについては、西側にしがわの一部いちぶ地域ちいきで大阪おおさか市営しえい地下鉄ちかてつ今里いまさと筋すじ線せん鴫野しぎの駅えきが徒歩とほ圏内けんないにあるものの、地域ちいき全体ぜんたいとしては地下鉄ちかてつの駅えきからはやや離はなれている。

また主要しゅような道路どうろとしては、国道こくどう479号ごう（大阪おおさか内ない環状かんじょう線せん）が地域ちいきの南北なんぼくを貫つらぬいている。国道こくどう479号ごうを走はしる大阪おおさか市営しえいバスの路線ろせんバスもあるが、放出ほうしゅつ駅えきには大阪おおさか市営しえいバスの赤あかバス（鶴見つるみループ）しか乗のり入いれておらず、本数ほんすうはあまり多おおくない。

周辺しゅうへん

• JR西日本にしにほん片町線かたまちせん・おおさか東ひがし線せん放出ほうしゅつ駅えき - 放出東はなてんひがしに位置いちする。
• コーセツ放出ほうしゅつ（放出ほうしゅつ公設こうせつ市場いちばをスーパーマーケット形式けいしきにリニューアルしたもの）
• ハナテン - 旧きゅう社名しゃめい「放出ほうしゅつ中古ちゅうこ車しゃセンター」。「放出ほうしゅつ」という難読なんどく地名ちめいを有名ゆうめいにしたローカルCMで知しられる。ただし本社ほんしゃは城東じょうとう区く諏訪すわに所在しょざい。

関連かんれん項目こうもく

• 近畿きんき地方ちほうの難読なんどく地名ちめい一覧いちらん