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「ピアノソナタだい14ばん (ベートーヴェン)」のはんあいだ差分さぶん

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2020ねん6がつ7にち (日)にち 21:04時点じてんにおけるはん

初版しょはん譜表ふひょう 1802ねん

ピアノソナタだい14ばん嬰ハ短調たんちょう 作品さくひん27-2幻想曲げんそうきょくふうソナタ』("Sonata quasi una Fantasia")は、ルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン1801ねん作曲さっきょくしたピアノソナタ。『月光げっこうソナタ』という通称つうしょうとともにひろられている。

概要がいよう

1801ねん、ベートーヴェンが30さいのときの作品さくひん[1]1802ねん3月のカッピによる出版しゅっぱん初版しょはんであり[2]ピアノソナタだい13ばんたいになって作品さくひん27として発表はっぴょうされた[3]りょうきょくともに作曲さっきょくしゃ自身じしんにより「幻想曲げんそうきょくふうソナタ」という題名だいめいされており[4]、これによってきょくあたえられた性格せいかく明確めいかくあらわされている[2]

月光げっこうソナタ』という愛称あいしょうドイツ音楽おんがく評論ひょうろん詩人しじんであるルートヴィヒ・レルシュタープのコメントに由来ゆらいする。ベートーヴェンの死後しご5ねん経過けいかした1832ねん、レルシュタープはこのきょくだい1楽章がくしょうがもたらす効果こうかして「スイスルツェルン月光げっこうなみらぐ小舟こぶねのよう」と表現ひょうげんした[5][6]以後いご10ねんたぬうちに『月光げっこうソナタ』という名称めいしょうがドイツ英語えいごによる出版しゅっぱんぶつにおいて使用しようされるようになり[7][8]19世紀せいき終盤しゅうばんいたるとこの名称めいしょう世界せかいてきられるようになる[9]一方いっぽう作曲さっきょくしゃ弟子でしであったカール・ツェルニーもレルシュタープの言及げんきゅう先駆さきがけて「夜景やけいはる彼方かなたからたましいかなしげなこえこえる」とべている[3]。このように『月光げっこうソナタ』の愛称あいしょうともひろられる以前いぜんより人々ひとびと想像そうぞうて、人気にんきはくしたほんさくであったが、ベートーヴェン自身じしんはそのことをこころよおもっていなかったとされる[5]。なお、後述こうじゅつ尋常じんじょう小学校しょうがっこう物語ものがたり引用いんようされることがあるが、つくばなしである。

きょく伯爵はくしゃく令嬢れいじょうジュリエッタ・グイチャルディ献呈けんていされた[1]。ベートーヴェンはブルンスヴィックかいしたえんみずからのピアノの弟子でしとなったこの14さい年少ねんしょう少女しょうじょ夢中むちゅうになる[ちゅう 1]。1801ねん11月16にち友人ゆうじんフランツ・ベルハルト・ヴェーゲラーてた書簡しょかんにはつぎのようにある。「このたびの変化へんか1人ひとり可愛かわい魅力みりょくんだむすめのためなのです。彼女かのじょわたしあいし、わたし彼女かのじょあいしている。(中略ちゅうりゃく)ただ、残念ざんねんなことには身分みぶんちがうのです」[1]。その、グイチャルディはヴェンゼル・ロベルト・フォン・ガレンベルク結婚けっこんしてベートーヴェンのもとをっていく。この献呈けんてい当初とうしょから意図いとされていたわけではなく、グイチャルディにはロンド ト長調とちょうちょう 作品さくひん51-2がささげられるはずであった。しかし、ロンドをヘンリエッテ・リヒノフスキー伯爵はくしゃく令嬢れいじょうおくることがまり[ちゅう 2]わりにグイチャルディへと献呈けんていされたのがこのソナタであったようである[1]。なお、ジュリエッタはアントン・シンドラー伝記でんきで「不滅ふめつ恋人こいびと」であるとされている。

きょく内容ないようは『幻想曲げんそうきょくふうソナタ』という表題ひょうだいしめすとおり、伝統でんとうてき古典こてんソナタからはなれてロマンてき表現ひょうげん接近せっきんしている[4]速度そくどめんではゆるやかなだい1楽章がくしょう軽快けいかいだい2楽章がくしょう急速きゅうそくだい3楽章がくしょう楽章がくしょう進行しんこうするごとにテンポがはやくなる序破急じょはきゅうてき展開てんかいとなっている。また、形式けいしきてきにはソナタ形式けいしきのフィナーレに重心じゅうしんかれた均衡きんこうれた楽章がくしょう配置はいちられ[12]情動じょうどう変遷へんせん強健きょうけん意志いししたるぎない帰結きけつむかえるというベートーヴェン特有とくゆう音楽おんがく明瞭めいりょうあらわれている[2]

ほんさくピアノソナタだい8ばん悲愴ひそうどうだい23ばん熱情ねつじょうならんで3だいピアノソナタばれることもある。

演奏えんそう時間じかん

やく15-16ふん[1][4]

楽曲がっきょく構成こうせい

ピアノソナタだい14ばん稿こう画像がぞうをクリックしてのページを参照さんしょう可能かのう

だい1楽章がくしょう

Adagio sostenuto 2/2拍子ひょうし 嬰ハ短調たんちょう

さん形式けいしき[1]。『月光げっこうきょく』として非常ひじょう有名ゆうめい楽章がくしょうである。冒頭ぼうとうに「全曲ぜんきょくとおして可能かのうかぎ繊細せんさいに、またsordinoを使用しようせずに演奏えんそうすること」(Si deve suonare tutto questo pezzo delicatissimamente e senza sordino.)との指示しじがある(れい1)。「sordino(弱音よわね)」とは「ダンパー」のことをすとされ、冒頭ぼうとう指示しじ現代げんだいのピアノにおいては「サステインペダルをんだ状態じょうたいで」と解釈かいしゃくされる[3][12]

れい1


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key cis \minor \time 2/2 \tempo "Adagio sostenuto."
    \override Score.NonMusicalPaperColumn #'line-break-permission = ##f
    \times 2/3 { gis8^\markup { Si deve suonare tutto questo pezzo delicatissimamente e senza sordino. }
    [ cis e] } \times 2/3 { gis, cis e } \times 2/3 { gis,[ cis e] } \times 2/3 { gis, cis e }
    gis,8*2/3[ cis e] gis, cis e gis,[ cis e] gis, cis e
    a,([ cis e] a, cis e) a,([ d fis] a, d fis)
    gis,([ bis fis'] gis, cis e gis,[ cis dis!] fis, bis dis)
   }
   \new Dynamics {
    \override TextScript #'whiteout = ##t
    s8_\markup \italic { sempre \dynamic pp e senza sordino. }
   }
   \new Staff { \key cis \minor \time 2/2 \clef bass
    <cis, cis,>1 <b b,> <a a,>2 <fis fis,>2 <gis gis,> <gis gis,>
   }
  >>
 }

序奏じょそうつづいてA主題しゅだい提示ていじされる(れい2)。途切とぎれることのない3れんうえされるてんリズムの旋律せんりつは、葬送そうそう関係かんけいするという見方みかたもある[12]

れい2


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 2/2 \partial 4
    <<
     { gis'8. gis16 gis2. gis8. gis16 gis2( a gis fis4 b) e, }
    \\
     {
      gis,8*2/3[^\markup \dynamic pp cis e] gis,[ dis' fis] gis, dis' fis gis,[ dis' fis] gis, dis' fis
      gis,[ cis e] gis, cis e a,[ cis fis] a, cis fis gis,[ b e] gis, b e a,[ b dis] a b dis gis,[ b e]
     }
    >>
   }
   \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 2/2 \clef bass
    s4 <bis, gis bis,>1 <cis cis,>2( ^\( <fis, fis,>) \) <b b,> <b b,> <e e,>1*1/4
   }
  >>
 }

つづ素材そざい(B主題しゅだい)は長調ちょうちょう(?)でされる(れい3)。

れい3


 \relative c' \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 2/2 \partial 4
  <<
   { b'4( c2. ais4) b2.*1/3 }
  \\
   { b,8*2/3[ dis fis] b,[ \< e g] b, e g\! b,[ \> e g] b, e g \! b,[ dis! fis] }
  >>
 }

ちゅうあいだれい2からはじまるとやがて旋律せんりつてき要素ようそかげをひそめ、3れんおとがたゆるやかにえがきつつ高音こうおんのぼってりきたり、そのれい2の再現さいげんおこない、その途中とちゅうからは長調ちょうちょうでA主題しゅだい旋律せんりつはじまり、れい3(B主題しゅだい)もつづいて嬰ハ長調ちょうちょう(?)で再現さいげんされる[13]。3れんうごきがやく2オクターブ音域おんいききつもどりつするなか低音ていおんれい2のリズムがかえされるコーダて、さい弱音よわね楽章がくしょうじる。アタッカ指示しじがあり、やすみをかずにただちにつぎ楽章がくしょううつ[13][14][ちゅう 3]

だい2楽章がくしょう

Allegretto 3/4拍子ひょうし へん長調ちょうちょう

ふくあいさん形式けいしきスケルツォもしくはメヌエット相当そうとうする楽章がくしょうであるが、いずれであるとも明記めいきされていない[13]くらりょうはし楽章がくしょうあいだにあって効果こうかてき両者りょうしゃつな役割やくわりたしており、フランツ・リストはこの楽章がくしょうを「2つの深淵しんえんあいだいちりんはな」にたとえた[3][12][13]レガートスタッカート対比たいひされるれい4により開始かいしされる[ちゅう 4]

れい4


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key des \major \time 3/4 \partial 4
    \tempo \markup {
     \column {
      \line { Allegretto. }
      \line \tiny { La prima parte senza repetizione. }
     }
    }
    <des' aes>4\p ( <c aes>2 <bes g>4 <es aes,>-.) r <des f,>-. <c aes>-. r <bes g>-. aes-. r
    <ges'! des>4( <f des>2 <es c>4 <aes des,>-.) r <ges bes,>-. <f des>-. r <es c>-. des-.
   }
   \new Staff { \key des \major \time 3/4 \clef bass
    f,4( es2 des4 c-.) r <bes des,>-. <es es,>-. r <des es,>-. <c aes>-. r \clef treble
    bes'( aes2 ges4 f-.) r <es ges,>-. <aes aes,>-. r <ges aes,>-. <f des>-.
   }
  >>
 }

れい4が変奏へんそうされ、なだらかななかあいだ楽節がくせつるとれい4が回帰かいきして主部しゅぶむすび、中間ちゅうかん以降いこうかえされる。トリオ形式けいしきぜん後半こうはん各々おのおの反復はんぷくされる[13]前半ぜんはんはアクセントが強調きょうちょうされて重々おもおもしくそうされる(れい5)。

れい5


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key des \major \time 3/4 \tempo "Trio." \partial 4
    \set tieWaitForNote = ##t
    <f~ f,~>4\sf <f f,>2 <ges~ ges,~>4\sf <ges ges,>2 <es'~ es,~>4\sf ( ^\( <es es,> <c c,>) \) <aes aes,>-. <des des,>( _\( <f f,>) \)
    <f,~ f,~>\sf <f f,>2 <ges~ ges,~>4\sf <ges ges,>2 <ges'~ ges,~>4\sf ( <ges ges,> <bes bes,>) <c, c,>-. <es es,>( <des des,>)
   }
   \new Staff { \key des \major \time 3/4 \clef bass
    <<
     { d,,4\rest aes2.~ aes~ aes~ aes~ aes~ aes~ aes2 aes4~ aes2 }
    \\
     { s4 des,2.\fp es ges f des\fp es aes,2 aes'4 \stemUp des,2 }
    >>
   }
  >>
 }

後半こうはんピアニッシモはじまったのちふたたびアクセントが強調きょうちょうされるが、最後さいごおだやかにむすばれる。反復はんぷくアレグレットダ・カーポ主部しゅぶもどる。

だい3楽章がくしょう

Presto agitato 4/4拍子ひょうし 嬰ハ短調たんちょう

ソナタ形式けいしき[13]。ピアノソナタだい14ばんとしては、だい3楽章がくしょうのみソナタ形式けいしきとなっている。堅牢けんろう構築こうちくうえ激情げきじょうがほとばしり、るいまれなピアノ音楽おんがくとなった[1][13]急速きゅうそく上昇じょうしょうするアルペッジョからなるれい6のだい1主題しゅだいは、だい1楽章がくしょうの3れん動機どうき急速きゅうそく展開てんかいさせたものである[4]頂点ちょうてんスフォルツァンドでダンパーが解放かいほうされる[14]

れい6


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff { \key cis \minor \time 4/4 \tempo "Presto agitato."
    \clef bass r16 gis, cis e gis cis, e gis cis e, gis cis \clef treble e gis, cis e
    gis cis, e gis cis e, gis cis e gis, cis e <gis e cis gis>8-. < gis e cis gis>-.
   }
   \new Dynamics {
    s1\p s2. s4\sf
   }
   \new Staff { \key cis \minor \time 4/4 \clef bass
    cis,,,,8-. gis'-. cis,-. gis'-. cis,-. gis'-. cis,-. gis'-.
    cis, gis' cis, gis' cis, gis' <cis cis,>\sustainOn << gis { s16 s16\sustainOff } >>
   }
  >>
 }

だい2主題しゅだいには、短調たんちょうのソナタ形式けいしきとしてはめずらしく、ぞく調ちょうト短調とたんちょうあらわれ、だい1主題しゅだい対照たいしょうてき流麗りゅうれい旋律せんりつである(れい7)。

れい7


 \relative c' \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 4/4 \partial 2.
  dis'2( b8. gis16) \grace { fisis16[ gis ais] } gis4( fisis!~ fisis8)[\< fisis( dis'8.\> fisis,16)]\!
  ais4( gis~ gis8)[\< gis( dis'8.\> gis,16)]\! \stemUp b4( ais~ ais8)[\< ais( dis8.\> ais16)]\! b8-.
 }

だい2主題しゅだい変奏へんそうしてかえされたのち経過けいか部分ぶぶんナポリの6和音わおん結構けっこうなが使つかわれ、つづいてれい8がされて緊張きんちょうかんたかまる。

れい8


 \relative c' {
  \new PianoStaff <<
   \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 4/4 \partial 2*7/4
    <b' dis,>8-. <b dis,>-. <b dis,>-. <b dis,>-. <b dis,>-. <ais dis,>-. <gis dis>-. | <fisis dis>
    <dis' fisis,>[ <dis fisis,> <dis fisis,>] <dis fisis,> <dis fisis,> <dis gis,> <dis ais> | <dis b>
   }
   \new Dynamics {
    s8\p
   }
   \new Staff \with { \remove "Time_signature_engraver" } { \key cis \minor \time 4/4 \clef bass
    gis,,8-. gis-. gis-. gis-. gis-. ais-. b-. | <cis dis,>
    <dis cis>[ <dis cis> <dis cis>] <dis cis> <dis cis> <dis b> <dis ais> | <gis, gis,>
   }
  >>
 }

たかまった緊張きんちょうコデッタでしばしやわらぎ、提示ていじかえしとなる。展開てんかいはまずだい1主題しゅだいはじまって、まもなく嬰ヘ短調たんちょうによるだい2主題しゅだいへと接続せつぞくされる。主題しゅだい低音ていおんうつされ、徐々じょじょいきおいをとしてピアニッシモく。途中とちゅうで、一瞬いっしゅんト長調とちょうちょう転調てんちょうするが、すぐに嬰ヘ短調たんちょうもどし、嬰ハ短調たんちょうぞく和音わおんまで突進とっしんする。 再現さいげんだい1主題しゅだい再現さいげん経過けいか省略しょうりゃくして(推移すいいし・確保かくほし)、主調しゅちょうのままの嬰ハ短調たんちょうだい2主題しゅだい(れい7)の再現さいげんおこな[15]れい8もこれにつづくが、れい8の途中とちゅう部分ぶぶんからは、旋律せんりつ提示ていじおながたではなくちょっとした変奏へんそうもとめられている。コーダは規模きぼおおきな堂々どうどうたるもので、まずれい6にはじまりげんなな和音わおんフェルマータされてばされる。つづいてれい7があつかわれると、およそ3オクターブをめぐるアルペッジョがれる。カデンツァふうのパッセージをいちアダージョくものの、すぐさまもとのテンポに復帰ふっきして提示ていじコデッタにあらわれた旋律せんりつ[15]最後さいご両手りょうてユニゾンでアルペッジョをそうし、フォルテッシモしゅ和音わおん全曲ぜんきょく終止符しゅうしふつ。

月光げっこうきょく

日本にっぽんでは戦前せんぜん尋常じんじょう小学校しょうがっこう国語こくご教科書きょうかしょに、「月光げっこうきょく」とだいする仮構かこうものとして掲載けいさいされたことがあった。

この物語ものがたりは19世紀せいきにヨーロッパで創作そうさくされ、愛好あいこうけの音楽おんがく新聞しんぶんあるいは音楽おんがく雑誌ざっし掲載けいさいされた。日本にっぽんでは、1892ねん上梓じょうしされた小柳こやなぎいちぞうちょ海外かいがいのこよしまきいち』に『月夜つきよそうきん』という表題ひょうだい掲載けいさいされた[16]。『月夜つきよそうきん』を口語こうご調ちょうなおしたものが『月光げっこうきょく』である。

あらすじ

ベートーヴェンが月夜つきよまち散歩さんぽしていると、あるいえなかからピアノをおとこえた。てみるとそれは盲目もうもく少女しょうじょであった。感動かんどうしたベートーヴェンはそのいえおとずれ、あふれる感情かんじょうもと即興そっきょう演奏えんそうおこなった。自分じぶんいえかえったベートーヴェンはその演奏えんそうおもしながらきょくげた。これが「月光げっこうきょく」である。

試聴しちょう

脚注きゃくちゅう

注釈ちゅうしゃく

  1. ^ ブルンスヴィック当主とうしゅフランツピアノソナタだい23ばん熱情ねつじょう[10]、そのあねテレーゼどう24ばん献呈けんていけた人物じんぶつである[11]
  2. ^ 彼女かのじょピアノソナタだい8ばん悲愴ひそう』をはじめ、数々かずかず作品さくひん献呈けんていされているカール・アロイス・フォン・リヒノフスキー伯爵はくしゃくむすめである[1]
  3. ^ "attacca subito il seguente."
  4. ^ 冒頭ぼうとうられるイタリア指示しじは「最初さいしょ部分ぶぶんかえしなし」の

出典しゅってん

  1. ^ a b c d e f g h 大木たいぼく 1980, p. 357.
  2. ^ a b c 大木たいぼく 1980, p. 354.
  3. ^ a b c d Piano Sonata in C sharp minor 'Moonlight', Op 27 No 2”. Hyperion Recprds. 2015ねん12月8にち閲覧えつらん
  4. ^ a b c d ピアノソナタだい14ばん - オールミュージック. 2015ねん12月8にち閲覧えつらん
  5. ^ a b 大木たいぼく 1980, p. 356.
  6. ^ Kerst, Friedrich (2004). Beethoven: The Man and the Artist, as Revealed in His Own Words. p. 47. ISBN 978-1-59540-149-6 
  7. ^ ドイツ文献ぶんけんいちれい。『Mondscheinsonate』という表現ひょうげんられる。 Allgemeiner musikalischer Anzeiger. Vol. 9, No. 11, Tobias Haslinger, Vienna, 1837, p. 41.
  8. ^ 英語えいご文献ぶんけんいちれい。『Moonlight Sonata』との表現ひょうげんられる。 Ignace Moscheles, ed. The Life of Beethoven. Henry Colburn pub., vol. II, 1841, p. 109.
  9. ^ Aunt Judy's Christmas Volume. H.K.F. Gatty, ed., George Bell & Sons, London, 1879, p. 60.
  10. ^ 大木たいぼく 1980, p. 377.
  11. ^ 大木たいぼく 1980, p. 380.
  12. ^ a b c d Andras Schiff lecture recital: Beethoven's Piano Sonata Op 27 no 2”. The Guardian. 2015ねん12月12にち閲覧えつらん
  13. ^ a b c d e f g 大木たいぼく 1980, p. 358.
  14. ^ a b Beethoven, Piano Sonata No.14” (PDF). Breitkopf & Härtel. 2015ねん12月13にち閲覧えつらん
  15. ^ a b 大木たいぼく 1980, p. 359.
  16. ^ 中村なかむらとうよう『ロール・オーヴァー・ベートーヴェン』1974ねん

参考さんこう文献ぶんけん

関連かんれん項目こうもく

外部がいぶリンク