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頭脳ずのう流出りゅうしゅつ」のはんあいだ差分さぶん

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[[バブル崩壊ほうかい]]の2000年代ねんだいには、かずすくないながら、理学りがく農学のうがく工学こうがくの[[博士はかせ]]ごう取得しゅとくした研究けんきゅうしゃなどの高学歴こうがくれきしゃが、日本にっぽん希望きぼうするしょく仕事しごと環境かんきょうがないことや、報酬ほうしゅうとう評価ひょうかひくいことなどから、渡米とべいわたりおうするケースがられた<ref>{{PDFlink|[http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/08/pdf/098-115.pdf 日本にっぽん頭脳ずのう流出りゅうしゅつ]}}(2008ねん 村上むらかみ由紀子ゆきこ日本にっぽん労働ろうどう研究けんきゅう雑誌ざっし)</ref>。一方いっぽうでむしろ[[アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく]]への[[留学りゅうがく]]せい減少げんしょうしたことから、若者わかもののいわゆる[[うち志向しこう]]が、[[日本国にっぽんこく政府せいふ]]や企業きぎょうによって、懸念けねんされる状況じょうきょうにあった<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011052600339 国際こくさいてき人材じんざい育成いくせいはつ会合かいごう政府せいふ](2011ねん5がつ26にち 時事通信じじつうしん)</ref>。
[[バブル崩壊ほうかい]]の2000年代ねんだいには、かずすくないながら、理学りがく農学のうがく工学こうがくの[[博士はかせ]]ごう取得しゅとくした研究けんきゅうしゃなどの高学歴こうがくれきしゃが、日本にっぽん希望きぼうするしょく仕事しごと環境かんきょうがないことや、報酬ほうしゅうとう評価ひょうかひくいことなどから、渡米とべいわたりおうするケースがられた<ref>{{PDFlink|[http://www.jil.go.jp/institute/zassi/backnumber/2008/08/pdf/098-115.pdf 日本にっぽん頭脳ずのう流出りゅうしゅつ]}}(2008ねん 村上むらかみ由紀子ゆきこ日本にっぽん労働ろうどう研究けんきゅう雑誌ざっし)</ref>。一方いっぽうでむしろ[[アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく]]への[[留学りゅうがく]]せい減少げんしょうしたことから、若者わかもののいわゆる[[うち志向しこう]]が、[[日本国にっぽんこく政府せいふ]]や企業きぎょうによって、懸念けねんされる状況じょうきょうにあった<ref>[http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&rel=j7&k=2011052600339 国際こくさいてき人材じんざい育成いくせいはつ会合かいごう政府せいふ](2011ねん5がつ26にち 時事通信じじつうしん)</ref>。


2014ねんに[[ノーベルしょう]]を受賞じゅしょうした[[中村なかむら修二しゅうじ]]が[[アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく]]国籍こくせきであったこと日本にっぽんでの待遇たいぐうわるさによる頭脳ずのう流出りゅうしゅつ問題もんだいひろ注目ちゅうもくあつめた。科学かがく部門ぶもん予算よさん大幅おおはば増額ぞうがくした[[中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく]]への頭脳ずのう流出りゅうしゅつ相次あいついできるようになった<ref>[https://www.mag2.com/p/news/512640 アホな科学かがく政策せいさくによる必然ひつぜん日本にっぽんから「頭脳ずのう流出りゅうしゅつ」が今後こんごつづわけ - まぐまぐニュース!]</ref><ref>[https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/824578 中国ちゅうごく流出りゅうしゅつする日本にっぽん頭脳ずのう研究けんきゅう環境かんきょうもとめ 人材じんざい資金しきんなん大学だいがく疲弊ひへい社会しゃかい地域ちいきのニュース|京都きょうと新聞しんぶん]</ref>。
2014ねんに[[ノーベルしょう]]を受賞じゅしょうした[[中村なかむら修二しゅうじ]]が[[アメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく]]国籍こくせきであったこと科学かがく部門ぶもん予算よさん大幅おおはば増額ぞうがくした[[中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこく]]への頭脳ずのう流出りゅうしゅつ相次あいついできるようになったことから、日本にっぽんでの待遇たいぐうわるさによる頭脳ずのう流出りゅうしゅつ問題もんだいひろ注目ちゅうもくあつた<ref>[https://www.mag2.com/p/news/512640 アホな科学かがく政策せいさくによる必然ひつぜん日本にっぽんから「頭脳ずのう流出りゅうしゅつ」が今後こんごつづわけ - まぐまぐニュース!]</ref><ref>[https://www.kyoto-np.co.jp/articles/-/824578 中国ちゅうごく流出りゅうしゅつする日本にっぽん頭脳ずのう研究けんきゅう環境かんきょうもとめ 人材じんざい資金しきんなん大学だいがく疲弊ひへい社会しゃかい地域ちいきのニュース|京都きょうと新聞しんぶん]</ref>。


== 対策たいさく ==
== 対策たいさく ==

2023ねん1がつ27にち (金)きん 13:38時点じてんにおけるはん

頭脳ずのう流出りゅうしゅつ(ずのうりゅうしゅつ、英語えいご: brain drain、Human capital flight)とは、高度こうど知識ちしき技術ぎじゅつゆうした人材じんざいが、多数たすう流出りゅうしゅつしてしまう現象げんしょうす。原因げんいんとしては、くに個人こじん両面りょうめんかんがえられる。くに観点かんてんでは、就業しゅうぎょう機会きかい不足ふそく政情せいじょう不安ふあん不景気ふけいき健康けんこう問題もんだいなどの問題もんだいかかえたくにから、こう所得しょとく機会きかいおおく、政治せいじてき安定あんてい自由じゆうがあり、生活せいかつ水準すいじゅんたかくにへの流出りゅうしゅつかんがえられる。個人こじん観点かんてんでは、外国がいこく親戚しんせきがいるなど家庭かていじょう影響えいきょうや、冒険ぼうけん、キャリアアップをのぞむなど個人こじん志向しこうかんがえられる。

頭脳ずのう流出りゅうしゅつは、母国ぼこくけた教育きょういく訓練くんれん価値かちそとてしまうことから、通常つうじょう経済けいざいてき損失そんしつとみなされ、そのくににおける高度こうど人材じんざい不足ふそくにつながる。このぎゃく概念がいねんとしては、頭脳ずのう獲得かくとく英語えいご: brain gain)がある。

頭脳ずのう流出りゅうしゅつアフリカきゅう植民しょくみんカリブ海かりぶかいなどのしょう島嶼とうしょ開発かいはつ途上とじょうこくといった途上とじょうこくや、技術ぎじゅつたいする市場いちばからの報酬ほうしゅうられなかったきゅうひがしドイツソビエト連邦れんぽうなどで一般いっぱんてきられる。

地域ちいきによる事例じれい

ヨーロッパ

ヨーロッパでは、高度こうど技術ぎじゅつしゃ西にしヨーロッパからアメリカへのながれと、EU発足ほっそく加盟かめいこく拡大かくだい技能ぎのう労働ろうどうしゃひがしヨーロッパ、南東なんとうヨーロッパから西にしヨーロッパへのながれが、とく顕著けんちょられる。EU全体ぜんたいでみると高度こうど技術ぎじゅつしゃ流出りゅうしゅつ超過ちょうかになっており、アメリカのグリーンカードた、高度こうど技術ぎじゅつしゃのEUないでの労働ろうどう居住きょじゅうみとめるブルーカード政策せいさく導入どうにゅうし、今後こんご20ねん地域ちいきから2,000まんにん誘致ゆうちすることを目指めざしている。

一方いっぽうで、若者わかものこう失業しつぎょうりつ問題もんだい深刻しんこくするなか、EU域外いきがいからの単純たんじゅん労働ろうどうしゃ移住いじゅう規制きせい強化きょうかされる傾向けいこうにある。

アフリカ

ひかえめに見積みつもっても、頭脳ずのう流出りゅうしゅつによるアフリカ大陸たいりくでの損失そんしつは、年間ねんかん15まんにん高度こうど人材じんざい流出りゅうしゅつで、40おくドルにのぼるとされる。たとえば、国際こくさい連合れんごう開発かいはつ計画けいかく(UNDP)によると、エチオピアでは1980ねんから1991ねんあいだに75%の技能ぎのう労働ろうどうしゃうしなわれ、くに貧困ひんこんから脱出だっしゅつするのがむずかしくなったとしている。ナイジェリアケニア、エチオピアが、もっと深刻しんこく影響えいきょうけたとされる。エチオピアの場合ばあいは、おおくの優秀ゆうしゅう医者いしゃ輩出はいしゅつされているが、エチオピアにいる医者いしゃよりも、シカゴにいるエチオピア出身しゅっしん医者いしゃほうが、かずおおい。

アジア

インド

国際こくさい連合れんごう開発かいはつ計画けいかく(UNDP)によると、インドではコンピューター技術ぎじゅつしゃのアメリカへの移住いじゅうによって、毎年まいとし20おくドルの損失そんしつしょうじていると推定すいていされている。また、外国がいこく留学りゅうがくするインドじん学生がくせいによって、毎年まいとし10おくドルの国際こくさい収支しゅうし欠損けっそんしょうじている。

中国ちゅうごく

中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくでも頭脳ずのう流出りゅうしゅつ深刻しんこくしており、とくに2000年代ねんだい後半こうはんから、アメリカカナダオーストラリア中心ちゅうしんとする西側にしがわ諸国しょこくへの移住いじゅう増加ぞうかしている。2007ねんには、中国ちゅうごく移民いみん流出りゅうしゅつ人口じんこう世界せかい最大さいだいとなった。中国ちゅうごくメディアの公式こうしき発表はっぴょうによると、年間ねんかんでアメリカに65,000にん、カナダに25,000にん、オーストラリアに15,000にん中国人ちゅうごくじん移住いじゅうしたとされる。そのおおくは、くに発展はってんささえるべき中流ちゅうりゅう階層かいそう専門せんもんしょくである。中国ちゅうごく世界せかいもっと深刻しんこく頭脳ずのう流出りゅうしゅつ影響えいきょうけており、外国がいこく大学だいがく進学しんがくした学生がくせいのうち10にんちゅう7にん本国ほんごくかえらないとの調査ちょうさ結果けっかがある。

20世紀せいき初頭しょとうから、先進せんしんてき技術ぎじゅつ知識ちしきまなぶため、留学生りゅうがくせい外国がいこくおくられ、本国ほんごく侵略しんりゃく貧困ひんこんからまもるために帰還きかんすることが期待きたいされていた。かれらのおおくは本国ほんごくもどって生活せいかつしているが、外国がいこくにとどまることをえらんだものもいる。1950年代ねんだいから70年代ねんだいにかけて、中国ちゅうごく文化ぶんかだい革命かくめい政情せいじょう不安ふあんとなり、おおくの中国人ちゅうごくじん失望しつぼうする状況じょうきょうとなった。1980年代ねんだいになって徐々じょじょ自由じゆうすすんでも状況じょうきょう改善かいぜんせず、外国がいこくほうがチャンスがおおいことから、おおくの中国人ちゅうごくじん移住いじゅうえらんだ。さらに、1989ねんろくよん天安門てんあんもん事件じけん結果けっか移住いじゅうしゃ増加ぞうかした。経済けいざい成長せいちょうともない、中国ちゅうごくでは子供こども外国がいこくまなばせたりはたらかせられる余裕よゆう家庭かていえた。こうした背景はいけいから、現在げんざい中国ちゅうごくでの頭脳ずのう流出りゅうしゅつしょうじている。

今日きょうでは、ほとんどの留学生りゅうがくせいは、外国がいこくでよいしょくると中国ちゅうごくもどらない。ゆたかな人々ひとびとたか生活せいかつ水準すいじゅん享受きょうじゅするため、外国がいこく移住いじゅう華僑かきょうになる傾向けいこうにある。統計とうけいじょうでも、中国ちゅうごくからの留学生りゅうがくせい急増きゅうぞうする一方いっぽう本国ほんごく帰国きこくする割合わりあい年々ねんねん低下ていかする傾向けいこうにある。

日本にっぽん

日本にっぽんでは英語えいごなどヨーロッパ諸語しょご日本語にほんご地理ちりてき言語げんごてき距離きょりとおいため、日本にっぽん研究けんきゅうしゃ認知にんちされない一方いっぽう流出りゅうしゅつ阻止そししているめんがある。ただし国内こくないでは東京とうきょういちきょく集中しゅうちゅうはげしい。

バブル崩壊ほうかいの2000年代ねんだいには、かずすくないながら、理学りがく農学のうがく工学こうがく博士はかせごう取得しゅとくした研究けんきゅうしゃなどの高学歴こうがくれきしゃが、日本にっぽん希望きぼうするしょく仕事しごと環境かんきょうがないことや、報酬ほうしゅうとう評価ひょうかひくいことなどから、渡米とべいわたりおうするケースがられた[1]一方いっぽうでむしろアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくへの留学りゅうがくせい減少げんしょうしたことから、若者わかもののいわゆるうち志向しこうが、日本国にっぽんこく政府せいふ企業きぎょうによって、懸念けねんされる状況じょうきょうにあった[2]

2014ねんノーベルしょう受賞じゅしょうした中村なかむら修二しゅうじアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこく国籍こくせきであったことや、科学かがく部門ぶもん予算よさん大幅おおはば増額ぞうがくした中華人民共和国ちゅうかじんみんきょうわこくへの頭脳ずのう流出りゅうしゅつ相次あいついできるようになったことから、日本にっぽんでの待遇たいぐうわるさによる頭脳ずのう流出りゅうしゅつ問題もんだいひろ注目ちゅうもくあつめた[3][4]

対策たいさく

有能ゆうのう人材じんざいは、国家こっか発展はってんにとって重要じゅうようであり、おおくの世界せかいきゅう科学かがくしゃ技術ぎじゅつしゃがいるくには、そうでないくによりも発展はってんする。高度こうど教育きょういくけた移民いみん学生がくせいが、本国ほんごくもどるようにする政策せいさくることが重要じゅうようである。しかしくに地域ちいきによって事情じじょうことなるため、万能ばんのう処方箋しょほうせん存在そんざいしない。

たとえばアフリカ諸国しょこくでは、医師いしなどの頭脳ずのう流出りゅうしゅつによって、医療いりょう制度せいど深刻しんこく影響えいきょうけており、医療いりょう関係かんけいしゃ先進せんしんこく移住いじゅうすることを様々さまざま方法ほうほう規制きせいしようとしている。インドでは、毎年まいとしおおくの人材じんざい流出りゅうしゅつしているにもかかわらず、インド政府せいふは、外国がいこく活躍かつやくする人材じんざいは、なが本国ほんごく貢献こうけんするので、規制きせい必要ひつようない、という楽観らっかんてき見解けんかいしめしている。

脚注きゃくちゅう

出典しゅってん

関連かんれん項目こうもく