ヤクプ・ヴェイヘル

ヤクプ・ヴェイヘル伯爵はくしゃく

ヴェイヘロヴォの町まちに立たつヤクプ・ヴェイヘルの像ぞう

ヤクプ・ヴェイヘルまたはヤーコプ・ヴァイアー（ポーランド語ご:Jakub Wejher；ドイツ語ご:Jakob Weiher,1609年ねん - 1657年ねん2月がつ20日はつか）は、ポーランド・リトアニア共和きょうわ国こくのドイツ系けい貴族きぞく、帝国ていこく伯爵はくしゃく。プツク城代じょうだい、フミェルノ城代じょうだい、マルボルク県知事けんちじを務つとめ、チュウフフ、キシュポレク、ビハウの代官だいかんを兼かねた。敬虔けいけんかつ寛大かんだいなマグナートであり、また老ろう錬ねな軍事ぐんじ指導しどう者しゃとして記憶きおくされている。

生涯しょうがい

マルボルク県知事けんちじヤン・ヴェイヘルの息子むすこに生うまれた。一族いちぞくはヴェストファーレンに起源きげんを持もつ貴族きぞくで、1234年ねんにポンメルンに移住いじゅうしてきたことが記録きろくされている。16世紀せいき前半ぜんはんよりポーランド王国おうこくおよびポーランド・リトアニア共和きょうわ国こくにおいて高級こうきゅう官職かんしょくにあずかるようになり、ポーランド貴族きぞく社会しゃかいとの通つう婚こん関係かんけいを通つうじて地位ちいを築きずいた。

ヤクプは国王こくおうジグムント3世せいの王子おうじヴワディスワフの廷臣ていしんに取とり立たてられ、王冠おうかん領りょうプロイセンのブラニェヴォにあったイエズス会かいのコレギウムで学まなんだ後のち、イタリアのボローニャ大学だいがくに留学りゅうがくした。彼かれはカトリック教徒きょうととして、対抗たいこう宗教しゅうきょう改革かいかくの支持しじ者しゃの一人ひとりとなった。一族いちぞくの伝統でんとうに従したがい、ヤクプも若わかい頃ころから外国がいこく軍ぐんに入隊にゅうたいして軍人ぐんじんとしての道みちを歩あゆんだ。1628年ねんから1632年ねんまで、彼かれは神かみ聖きよしロろーマ帝国まていこくの三さん十じゅう年ねん戦争せんそうにカトリック同盟どうめい側がわで参加さんかし、アルブレヒト・フォン・ヴァレンシュタインの麾下きかで騎兵きへい連隊れんたいの指揮しき官かんとして従軍じゅうぐんした。またこの時期じき、マルタ島とうを訪おとずれている。その武勇ぶゆうを認みとめられ、1636年ねんに神かみ聖きよしロろーマ帝国まていこくの伯爵はくしゃく位いに叙じょせられた。

1632年ねん、ヤクプはポーランドに戻もどり、それ以後いごはスモレンスク戦争せんそう、大だい洪水こうずい、ロシア・ポーランド戦争せんそう、フメリニツキーの乱らんなど共和きょうわ国こくの主要しゅような戦争せんそう・戦乱せんらんに参加さんかした。大だい洪水こうずいの時期じき、彼かれは共和きょうわ国こく北部ほくぶにいた多おおくの指揮しき官かんとは違ちがい、敵てき軍ぐんスウェーデンに寝返ねがえることなくマルボルクを防衛ぼうえいし、降伏ごうぶくするまでの2か月げつの間あいだ町まちを守まもった。降伏ごうぶく時じ、彼かれはスウェーデン軍ぐんから自分じぶんと麾下きかの軍勢ぐんぜいが安全あんぜんに退却たいきゃくする保証ほしょうを与あたえられた。ヤクプはすぐに共和きょうわ国こくの南部なんぶにいた国王こくおうヤン2世せいカジミェシュの下したに参さんじ、侵略しんりゃく者しゃとの戦たたかいを続行ぞっこうした。

その目覚めざましい働はたらきにより、ヤクプは国王こくおうおよび国会こっかいから幾いくつかの官職かんしょくを与あたえられた。マルボルク県知事けんちじ（1643年ねんより）、またフミェルノ城代じょうだい、チュウフフ、ジェジュゴン、ビハウ、ブジェホヴォの代官だいかん職しょくなどである。晩年ばんねんには100前後ぜんこうの村むらと5つの都市としを治おさめ、年とし3万まん3000ズウォティの収入しゅうにゅうがあったという。こうした富とみのおかげでヤクプは当時とうじの共和きょうわ国こくにおける有力ゆうりょくマグナートに数かぞえられ、まらポンメルンで最もっとも富裕ふゆうな人物じんぶつの一人ひとりだった。

ヤクプは小規模しょうきぼな共和きょうわ国こく海軍かいぐんの軍港ぐんこうヴワディスワヴォヴォ建設けんせつの指揮しき・監督かんとくを務つとめた。彼かれはまた自身じしんの名なを冠かんした私わたし領りょう都市としヴァイアースフライ（のちノイシュタット、現在げんざいのヴェイヘロヴォ）を建設けんせつし、同市どうしにカルヴァリア・ヴェイヘロフスカ教会きょうかい群ぐん（Kalwaria Wejherowska chapel complex, ヴァイアースフライ騎兵きへい教会きょうかい群ぐん）を建立こんりゅうした。この教会きょうかいはヤクプがスモレンスク戦争せんそう中ちゅうの1634年ねん、ビャワで九死きゅうしに一生いっしょうを得えたことへの感謝かんしゃの証あかしとして神かみに捧ささげたものであった。それ以外いがいにもヤクプは世俗せぞく的てきな建造けんぞう物ぶつだけでなく修道院しゅうどういん、教会きょうかいをいくつか建たてている。熱烈ねつれつなカトリックだったにもかかわらず、ヤクプは宗教しゅうきょう的てきに寛容かんような領主りょうしゅであり、プロテスタントとの友好ゆうこう的てきな関係かんけいを保たもった。

ヤクプは1636年ねん、シロンスクの由緒ゆいしょあるドイツ系けい貴族きぞくシャフゴッチュ家かの娘むすめアンナ・エリーザベトと結婚けっこんし、1652年ねんにリトアニア宮内くない長官ちょうかんアレクサンデル・ルドヴィク・ラジヴィウ公おおやけの娘むすめヨアンナ・カタジナと再婚さいこんした。最初さいしょの妻つまとの間あいだに2人ふたりの娘むすめを、再婚さいこん相手あいてとの間あいだに娘むすめ1人にんをもうけた。ヤクプはヴァイアースフライの聖せいアンナ教会きょうかいに埋葬まいそうされた。

外部がいぶリンク

• （ポーランド語ご） Biography Jakub Wejher (1643-1657)
• （ポーランド語ご） Another biography Jakub Wejher
• （ポーランド語ご） Jakub Wejher (1609-1657) – fundator i magnat pomorski
• （ドイツ語ご）Prussian (Nobles) Adelslexicon 1837 Jacob Weiher