宮澤みやざわ裕ひろし

宮澤みやざわ裕ひろし（みやざわゆたか、1884年ねん 1月がつ12日にち - 1963年ねん 5月23日にち）は日本にっぽんの官僚かんりょう、政治せいじ家か。　　　　　　　　　　　　　　

生涯しょうがい

広島ひろしま県けん沼隈ぬまくま郡ぐん金江かなえ村むら（現げん・福山ふくやま市し金江かなえ町まち）の貧まずしい農家のうかにうまれる。苦学くがくを重かさね東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく政治せいじ学科がっか卒業そつぎょう後ごは内務省ないむしょうに入省にゅうしょうするが後のちに実業じつぎょう界かいに転てんじ、山下やました汽船きせん（現げん・商船しょうせん三井みつい）に入社にゅうしゃした。社長しゃちょうの山下やました亀三郎かめさぶろうに大おおいにかわいがられ、親友しんゆうの小川おがわ平吉へいきちを紹介しょうかいされ、その次女じじょと見合みあい結婚けっこんした。小川おがわ家かとの閨ねや閥ばつが誕生たんじょうすると故郷こきょうから政界せいかいに進出しんしゅつし鉄道てつどう大臣だいじんを務つとめた小川おがわの引びきで鉄道てつどう政務次官せいむじかんを務つとめた。

池田いけだ勇人はやととは同郷どうきょうということもあり古ふるくからの付つき合あいで、池田いけだの結婚けっこんを世話せわしたこともあった。長男ちょうなんの喜一きいちが大蔵省おおくらしょう入いりしたのも池田いけだの強つよい勧すすめによる。喜一きいちは池田いけだの通産つうさん大臣だいじん退任たいにんと同時どうじに大蔵省おおくらしょうを退職たいしょくし、当初とうしょ1953年ねんの総そう選挙せんきょで裕ひろしの後継こうけい者しゃとして出馬しゅつばする話はなしもあったが、池田いけだの選挙せんきょ区くが旧きゅう広島ひろしま2区くであり、池田いけだから「2区くの俺おれの地盤じばんと3区くの君きみのお父とうさんの地盤じばんをあわせれば参議院さんぎいん広島ひろしま選挙せんきょ区くで当選とうせんできる」といわれたため、喜一きいちは総そう選挙せんきょに出馬しゅつばせず同年どうねんの参議院さんぎいん選挙せんきょに広島ひろしま選挙せんきょ区くから出馬しゅつばすることになった。喜一きいちが衆議院しゅうぎいんに転てんじたのは参議院さんぎいん議員ぎいんを2期き務つとめた後のちの1967年ねんのことであり、父ちち・裕ひろしは4年ねん前まえに、池田いけだは2年ねん前まえに他界たかいしていた。

略歴りゃくれき

1884年ねん農業のうぎょう　宮澤みやざわ鹿しか吉きちの長男ちょうなんとして生うまれる。
1906年ねん：旧制きゅうせい広島ひろしま県立けんりつ福山ふくやま中学校ちゅうがっこう（現げん・広島ひろしま県立けんりつ福山ふくやま誠之せいし館かん高校こうこう）卒業そつぎょう。第だい六ろく高等こうとう学校がっこう (旧制きゅうせい)へ。
1914年ねん：東京とうきょう帝国ていこく大学だいがく法科ほうか大学だいがく政治せいじ学科がっかを卒業そつぎょうし、内務省ないむしょうに入はいる。長野ながの県庁けんちょう
1928年ねん：義父ぎふ・小川おがわ平吉へいきちが所属しょぞくする立憲りっけん政友せいゆう会かいの公認こうにんを得えて旧きゅう広島ひろしま3区くから総そう選挙せんきょに立候補りっこうほし初はつ当選とうせん。
1933年ねん：京都きょうと帝国ていこく大学だいがく法学部ほうがくぶ教授きょうじゅの滝川たきがわ幸辰ゆきとしの学説がくせつを「共産きょうさん主義しゅぎ的まと」と非難ひなんした（滝川たきがわ事件じけん）。
1936年ねん：内閣ないかく調査ちょうさ局きょく参与さんよに就任しゅうにん。
1939年ねん：政友せいゆう会かいの分裂ぶんれつに伴ともない、革新かくしん派は（中島なかじま知久平ちくへい派は）に所属しょぞく。
1940年ねん：鉄道てつどう政務次官せいむじかんに就任しゅうにん。
1945年ねん：日本にっぽん進歩しんぽ党とうの結成けっせいに参加さんか。
1946年ねん：公職こうしょく追放ついほう。
1952年ねん：追放ついほう解除かいじょ後ごの総そう選挙せんきょで自由党じゆうとう公認こうにんで立候補りっこうほするが落選らくせんし政界せいかい引退いんたい。

人物じんぶつ像ぞう

典型てんけい的てきな明治めいじ人ひとで、愚直ぐちょくともいえるほど融通ゆうずうのきかない人ひと。厳父げんぷそのもので、たいへんな読書どくしょ家かで敬神けいしん崇たかし祖そを信条しんじょうとする。

業績ぎょうせき

逓信ていしん大臣だいじん秘書官ひしょかん、内務ないむ大臣だいじん秘書官ひしょかん、商工しょうこう省しょう参与さんよ等とうを歴任れきにんした。

家庭かてい

こと夫人ふじんは政治せいじ家か小川おがわ平吉へいきちの次女じじょ。長男ちょうなんは元もと首相しゅしょうの宮澤みやざわ喜一きいち。次男じなんは広島ひろしま県知事けんちじを務つとめた宮澤みやざわ弘ひろし。三男さんなんは外交がいこう官かんの宮澤みやざわ泰やすし。三さん兄弟きょうだいとも優秀ゆうしゅうでありいずれも東大とうだい法学部ほうがくぶを出でた。世よに言いう宮澤みやざわ三さん兄弟きょうだいである。

著書ちょしょ

『平易へいいなる思想しそう論ろん』
『日本にっぽん政治せいじ学がく原論げんろん』

外部がいぶリンク

福山ふくやま誠之せいし館かん・宮沢みやざわ裕ひろし