せたまる

せたまるは、東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ（現げん：東急とうきゅう電鉄でんてつ）がかつて世田谷線せたがやせん専用せんように発行はっこうしていたICカード乗車じょうしゃ券けんである。

概要がいよう

世田谷線せたがやせん車内しゃないの運賃うんちん箱ばこ
PASMO・Suicaで運賃うんちんを支払しはらう場合ばあいはPASMOリーダーに、せたまるの場合ばあいは別べつに設置せっちされたチェッカーにタッチするようになっていた。

「東急とうきゅう世田谷線せたがやせん#運賃うんちん」、「東急とうきゅう世田谷線せたがやせん#乗降じょうこう方法ほうほう」、および「乗車じょうしゃカード#歴史れきし」も参照さんしょう

せたまるは、東日本旅客鉄道ひがしにほんりょかくてつどう（JR東日本ひがしにっぽん）のSuicaと同様どうように非ひ接触せっしょく式しきICカードFeliCaを採用さいようしているが、カード端はしの切欠きっかけきはなく、ICチップ内ないのファイル構造こうぞうもSuicaとは一部いちぶ異ことなる。カード裏面りめん右みぎ下かに記載きさいされている番号ばんごうはTKで始はじまる。これは社名しゃめいのロろーマ字まじ表記ひょうき (Tokyo Kyuko Dentetsu) の一部いちぶからとられている。

名称めいしょうの由来ゆらいは、世田谷線せたがやせんの「せた」と利用りよう者しゃに便利べんりなカードとして○（まる）をもらえる様ようにという願ねがいを合あわせ、「せたまる」とした。「せたまるくん」という忍者にんじゃのイメージキャラクターがある。

カードの種類しゅるい

せたまる回数かいすう券けん

チャージ（入金にゅうきん）が可能かのうなプリペイドカードである。チャージは三軒茶屋さんげんぢゃや駅えき・上町うえまち駅えき・下高井戸しもたかいど駅えきに設置せっちされているせたまる発売はつばい機きのほか、車内しゃないでも可能かのう（車内しゃないでのチャージは1,000円えんのみ）。回数かいすう券けんではあるが複数ふくすう人じんでの利用りようはできないため、従来じゅうらいどおり世田谷線せたがやせん専用せんようの紙かみ製せい回数かいすう券けんも併売へいばいされた。

せたまる回数かいすう券けんには大人おとな用ようと子供こども用ようがあり、大人おとな用ようは2,000円えん、子供こども用ようは1,000円えんで販売はんばいしている。そのうち500円えんはデポジット（預あずかり金きん）であり、不要ふようになったカードを返却へんきゃくすると払はらい戻もどされる。また、発行はっこう日び・発行はっこう駅えき・通番つうばんなどが印字いんじされる。残額ざんがくの上限じょうげんは1万まん円えん。

せたまる回数かいすう券けんのポイント

せたまる回数かいすう券けんにはポイント制度せいどがあり、利用りようの都度つど時間じかん帯たいに応おうじてポイントが付与ふよされ、次回じかいのチャージ時じに加算かさんされる。付与ふよされたポイントは世田谷線せたがやせんの運賃うんちんとして利用りようできるほか、世田谷せたがや区くや渋谷しぶや区くなどで流通りゅうつうする地域ちいき通貨つうか「アースデイマネー」をせたまるのポイントに交換こうかんすることもできる。また、沿線えんせん商店しょうてん街がい・NPO法人ほうじんが行おこなう社会しゃかい貢献こうけん活動かつどうや来店らいてん促進そくしんなどに活用かつようされたこともある。

• 平日へいじつの初はつ電でん - 10時じ、16時じ - 終電しゅうでん：1ポイント
• 平日へいじつの10時じ - 16時じ：2ポイント
• 土ど休日きゅうじつと12月30日にち - 1月がつ3日にちの終日しゅうじつ：4ポイント

上記じょうきのポイントを蓄積ちくせきし、10ポイントになった時点じてんで1回分かいぶんの運賃うんちんを次回じかいの入金にゅうきん時じに還元かんげんする。

せたまる定期ていき券けん

通勤つうきんと通学つうがくの2種類しゅるいがある。券面けんめんの印字いんじ情報じょうほうを書かき換かえることが可能かのうなリライト機能きのうを採用さいようしているため、継続けいぞく購入こうにゅうすれば同おなじカードを何なん回かいでも使用しようすることができる。

利用りよう方法ほうほう

• 三軒茶屋さんげんぢゃや駅えき・上町うえまち駅えき（三軒茶屋さんげんぢゃや方面ほうめんの乗のり場ばのみ）・下高井戸しもたかいど駅えきでは、駅えき改札かいさつ口こうに設置せっちされた簡易かんい改札かいさつ機き（チェッカー）にカードをタッチして乗車じょうしゃする。均一きんいつ運賃うんちんのため降車こうしゃ時じの処理しょりはない。その他たの駅えきでは、車両しゃりょうの乗車じょうしゃ口こう（前後ぜんごの2か所しょ）に設置せっちされている装置そうち（チェッカー）にタッチする。チェッカーはオレンジ色しょくのもので、PASMO用ようのピンク色ぴんくいろのものとは別個べっこである。タッチすると、せたまる定期ていき券けんは1回かい、せたまる回数かいすう券けんは2回かい音おんが鳴なる。
• せたまる回数かいすう券けんと現金げんきんの併用へいようはできない。
• 2回かい以上いじょうのタッチによる二に重じゅう課金かきんを防止ぼうしするため、1回かいタッチすると20分間ふんかんは反応はんのうしない。このため20分ふん以内いないに乗のり継つぐ場合ばあいは、運転うんてん士しまたは案内あんない係がかりに課金かきん処理しょりを申もうし出でる必要ひつようがある。
• PASMOで乗車じょうしゃした場合ばあいと異ことなり、せたまる回数かいすう券けんは乗車じょうしゃした駅えきが記録きろくされるため、三軒茶屋さんげんぢゃや駅えき・上町うえまち駅えき・下高井戸しもたかいど駅えきに設置せっちされているせたまる発売はつばい機きで履歴りれきを印字いんじすることが可能かのうであった。履歴りれきには乗車じょうしゃ日び・乗車じょうしゃ駅えき・カード残額ざんがく・累積るいせきポイントが表示ひょうじされた。
• 車内しゃないの装置そうちや駅えきのせたまる確認かくにん機きは残額ざんがく確認かくにんに使用しようすることができた。通常つうじょう課金かきん処理しょりは行おこなわれないが、朝あさラッシュ時じの上のぼり線せん等とうホームで係員かかりいんが運賃うんちんの収受しゅうじゅを行おこなう時とき間あいだ帯たいにおいては、駅えき設置せっちのせたまる確認かくにん機きが手動しゅどうモード切替きりかえによって簡易かんい改札かいさつ機きとして機能きのうする。この場合ばあいは確認かくにん機きに「入場にゅうじょう」の掲示けいじが行おこなわれ、反応はんのう音おんをホーム係員かかりいんが確認かくにんすることで入場にゅうじょうすることが可能かのうとなった。
• せたまるは身体しんたい障害しょうがい者しゃ割引わりびきにも対応たいおうしていた。身体しんたい障害しょうがい者しゃが利用りようする場合ばあいは身体しんたい障害しょうがい者しゃ手帳てちょうを呈示ていじする形かたちとなる。身体しんたい障害しょうがい者しゃのカードは左側ひだりがわに「割わり」の文字もじが入はいっていた。

歴史れきし

2002年ねん7月がつ7日にちにサービスが開始かいしされ、翌よく2003年ねん6月15日にちまでの約やく1年間ねんかんでせたまる定期ていき券けん・せたまる回数かいすう券けんあわせて50,389枚まいが発行はっこうされた。

2007年ねん（平成へいせい19年ねん）3月18日にち、東急とうきゅう電鉄でんてつでPASMOのサービスが開始かいしされたが、導入どうにゅう当初とうしょは世田谷線せたがやせん内ない各駅かくえきでのチャージ（オートチャージを含ふくむ）、残額ざんがく履歴りれき確認かくにん、PASMOの発売はつばい・払はらい戻もどし・再さい発行はっこうの各かくサービスは行おこなっておらず、世田谷線せたがやせんの定期ていき券けんを付与ふよすることもできなかった。また、せたまる回数かいすう券けんやバス利用りよう特典とくてんサービスのような利用りように応おうじたポイントの還元かんげんサービスも行おこなわれていなかったため、世田谷線せたがやせんを定期ていき券けんで利用りようする場合ばあい、もしくは頻繁ひんぱんに利用りようする場合ばあいは従来じゅうらいどおりせたまるを利用りようしたほうが有利ゆうりであり、世田谷線せたがやせんの車内しゃないや各駅かくえきにもその旨むねを明記めいきしたポスターが掲示けいじされていた。

サービス終了しゅうりょう

PASMOの普及ふきゅうと利用りようの増加ぞうかに伴ともなう利便りべん性せい向上こうじょうを目的もくてきとしてPASMOサービスに統一とういつするため、2012年ねん3月16日にちをもってせたまるの入金にゅうきん、販売はんばい、ポイント付与ふよを終了しゅうりょうし、同年どうねん9月30日にちには使用しようが終了しゅうりょうされ、サービス終了しゅうりょうとなった。

この代替だいたいとして、2012年ねん3月17日にちより三軒茶屋さんげんぢゃや・下高井戸しもたかいど・上町うえまち（三軒茶屋さんげんぢゃや方面ほうめんの乗のり場ばのみ）の各駅かくえきの駅舎えきしゃで、PASMOの発売はつばい・払はらい戻もどし・再さい発行はっこう、残額ざんがく履歴りれき確認かくにんの各かくサービスが行おこなわれるようになった。上記じょうきの駅舎えきしゃ内ないに設置せっちされた自動じどう券売けんばい機きや車内しゃない設置せっちの運賃うんちん箱ばこでチャージは可能かのうになった（世田谷線せたがやせんは全線ぜんせん均一きんいつ運賃うんちんのため券売けんばい機きでの切符きっぷの発売はつばいは行おこなっていない）が、オートチャージは引ひき続つづき利用りようできない。

同日どうじつには世田谷線せたがやせん用ようのPASMO定期ていき券けんも販売はんばいを開始かいしした。世田谷線せたがやせんのPASMO定期ていき券けんはバス定期ていき券けんと同等どうとうの扱こいで、バス定期ていき券けん情報じょうほうが記録きろくされているPASMOでは発行はっこうできない。また、PASMO以外いがいのICカードに世田谷線せたがやせんの定期ていき券けん情報じょうほうを記録きろくすることもできない。

払はらい戻もどしについて

2012年ねん3月がつ16日にちまで、せたまるの払はらい戻もどしに際さいしては残額ざんがくから手数料てすうりょう210円えんが差さし引ひかれ、210円えん未満みまんの残額ざんがくがある場合ばあいは事実じじつ上じょう210円えん未満みまんの残金ざんきんは返却へんきゃくされずポイントも換金かんきんされないため、デポジットの500円えんしか返却へんきゃくされなかった。ただし、ポイントが貯たまっている場合ばあいは10ポイントを140円えん相当そうとうとして手数料てすうりょうとの相殺そうさいが可能かのうであった。また、利用りよう可能かのう額がく140円えん未満みまんの場合ばあいに不足ふそく分ぶんを現金げんきんで支払しはらうことはできないため、（入金にゅうきんした金額きんがくを全額ぜんがく使つかい切きるという意味いみにおいて）損そんをすることなく解約かいやくするには、ポイントを15ポイント以上いじょう貯ためるか、利用りよう可能かのう額がくが0円えんになったタイミングで行おこなう必要ひつようがあった。

同年どうねん3月がつ17日にちのせたまる廃止はいしに伴ともなう手続てつづき改定かいていによって払はらい戻もどし手数料てすうりょうが無料むりょうとなり、ポイントが返金へんきん対象たいしょうに含ふくまれるようになったため、利用りよう者しゃから見みたこのような不利益ふりえきは解消かいしょうされた。その後ご、2017年ねん3月がつ31日にちをもってせたまるの払はらい戻もどしは終了しゅうりょうした。

なお、紙かみの回数かいすう券けんについては一部いちぶの券けん種しゅを除のぞいて2023年ねん2月がつ28日にちまで発売はつばいされ、その後ごも2033年ねん2月がつ28日にちまでは使用しよう時じの運賃うんちんと額面がくめんとの差額さがく（回数かいすう券けん発売はつばい終了しゅうりょう後ごの2023年ねん3月がつ18日にちに運賃うんちん改定かいていが行おこなわれたため）を払はらえば使用しよう可能かのうである。

関連かんれん項目こうもく

• トランセカード - 東急とうきゅうトランセ代官山だいかんやま循環じゅんかん線せんで導入どうにゅうされた東急とうきゅうバス独自どくじのIC乗車じょうしゃカード
• 東急とうきゅう世田谷線せたがやせん
• PASMO
• 乗車じょうしゃカード
• 地域ちいき通貨つうか / アースデイマネー

外部がいぶリンク

• 取とり扱あつかいを終了しゅうりょうした乗車じょうしゃ券けん｜東急とうきゅう電鉄でんてつ
• せたまるのご案内あんない（東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ） - ウェイバックマシン（2013年ねん10月がつ24日にちアーカイブ分ぶん）
• “第だい1回かい 東京急行電鉄とうきょうきゅうこうでんてつ株式会社かぶしきがいしゃ「せたまる」｜IT/ICTレポート｜イプシ・マーケティング研究所けんきゅうじょ”. イプシ・マーケティング研究所けんきゅうじょ (2003年ねん6月がつ23日にち). 2014年ねん3月がつ23日にち時点じてんのオリジナルよりアーカイブ。