とかげCPほし

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とかげCPほし
CP Lacertae[1]
かり符号ふごう別名べつめい 五味ごみ新星しんせい
星座せいざ とかげ
かけの等級とうきゅう (mv) 2.1 - 16.6[2]
変光星へんこうせいがた NA[2]
分類ぶんるい 新星しんせい[2]
位置いち
もと:J2000.0[1]
あかけい (RA, αあるふぁ)  22h 15m 41.1032963831s[3]
あかぬき (Dec, δでるた) +55° 37′ 01.322162256″[3]
固有こゆう運動うんどう (μみゅー) あかけい: -7.945 ミリびょう/とし[3]
あかぬき: -3.441 ミリびょう/とし[3]
とししゅう視差しさ (πぱい) 0.8616 ± 0.0298ミリびょう[3]
誤差ごさ3.5%)
距離きょり 3800 ± 100 光年こうねん[ちゅう 1]
(1160 ± 40 パーセク[ちゅう 1]
とかげCPほし位置いちまるしるし
物理ぶつりてき性質せいしつ
のカタログでの名称めいしょう
Nova Lac 1936[1]
2MASS J22154108+5537014[1]
Gaia DR2 2006109065688505472[1]
Template (ノート 解説かいせつ■Project

とかげCPほし(とかげざCPせい、CP Lacertae, CP Lac, Nova Lacertae 1936)は、1936ねん6がつ18にちとかげ発見はっけんされた新星しんせい長野ながのけん上諏訪かみすわまち現在げんざい諏訪すわ)のアマチュア天文てんもん五味ごみ一明いちめいはじめ、アメリカのレスリー・ペルチャーなどじゅうすうめい観測かんそくしゃによって独立どくりつして発見はっけんされた[4]なかでも五味ごみ一明いちめい発見はっけんもっとはやかったこと[5]から、日本にっぽんでは「五味ごみ新星しんせい」とばれた[6]

概要がいよう[編集へんしゅう]

ガイア計画けいかくだい3かい早期そうき公開こうかいデータでのとししゅう視差しさによると、太陽系たいようけいからやく3,800光年こうねん距離きょりにある[ちゅう 1]新星しんせい爆発ばくはつこした天体てんたいは、赤色あかいろ矮星れんほしけい白色はくしょく矮星られている。このほしけい近接きんせつれんぼしで、ともぼし赤色あかいろ矮星はわずか0.145143にち軌道きどう周期しゅうきしゅほし周回しゅうかいしている[7]ほしけい光度こうどは0.037にち周期しゅうきで0.5とう程度ていど振幅しんぷくしており、しゅほし白色はくしょく矮星の自転じてん周期しゅうき関連かんれんしているとかんがえられている[8]

発見はっけん[編集へんしゅう]

1936ねん6がつ18にちの2040ふん世界せかい1140ふんごろ北海道ほっかいどう幌延ほろのべむらげん幌延ほろのべまち)で五味ごみ一明いちめい発見はっけんした。五味ごみは、よく6がつ19にち皆既かいき日食にっしょく観測かんそくするために幌延ほろのべむら滞在たいざいしていた。村民そんみん星座せいざ解説かいせつをしていたところ、ケフェウスδでるたほしのそばに見慣みなれないほしがあることに気付きづいた[4]五味ごみ東京とうきょう天文台てんもんだいげん国立こくりつ天文台てんもんだい)に電報でんぽうおく[4]ともに、皆既かいき日食にっしょく観測かんそくのために滞在たいざいちゅうにちえい合同ごうどう観測かんそくたいにも連絡れんらくれた[9]。こののうちに12の独立どくりつ発見はっけん報告ほうこくされたが、もっとはやかった五味ごみだいいち発見はっけんしゃとなった[9]。これ以前いぜんにも日本人にっぽんじん独立どくりつ発見はっけんした新星しんせいはあったが、日本人にっぽんじんだいいち発見はっけんしゃとなったのはとかげCPほしはじめてであった[10]

発見はっけんから2にちの6がつ20日はつか940ふんごろJD 2428339.9)に極大きょくだいむかえ、2.1とうにまでたっした[11]。そのすみやかにげんひからし、極大きょくだいから15にちには5.5とうまでくらくなった[11]げんこうのペースがはやかったことによりNAに分類ぶんるいされている[2]

脚注きゃくちゅう[編集へんしゅう]

注釈ちゅうしゃく[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c パーセクは1 ÷ とししゅう視差しさびょう)より計算けいさん光年こうねんは1÷とししゅう視差しさびょう)×3.2615638より計算けいさん

出典しゅってん[編集へんしゅう]

  1. ^ a b c d e V* CP Lac -- Nova”. SIMBAD Astronomical Database. CDS. 2020ねん2がつ5にち閲覧えつらん
  2. ^ a b c d Samus, N.N.; Kazarovets, E.V.; Durlevich, O.V.; Kireeva, N.N.; Pastukhova, E.N. (2017-01). “GCVS catalog (GCVS 5.1, version March, 2017)”. Astronomy Reports 61 (1): 80-88. Bibcode2017ARep...61...80S. doi:10.1134/S1063772917010085. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ5e3a95239ac0&-out.add=.&-source=B/gcvs/gcvs_cat&recno=23578. 
  3. ^ a b c d e Gaia Collaboration. “Gaia EDR3 2006109065688505472”. VizieR On-line Data Catalog: I/350. Bibcode2020yCat.1350....0G. https://vizier.cds.unistra.fr/viz-bin/VizieR-5?-ref=VIZ60cea6d83ea50d&-out.add=.&-source=I/350/gaiaedr3&-c=333.92120120864%20%2B55.61701863846,eq=ICRS,rs=2&-out.orig=o. 
  4. ^ a b c 山本やまもと一清かずきよ五味ごみくん新星しんせい發見はっけんについて」『天界てんかいだい17かんだい187ごう東亜とうあ天文てんもん学会がっかい、1936ねん10がつ25にち、1-3ぺーじISSN 0287-69062020ねん2がつ5にち閲覧えつらん 
  5. ^ 五味ごみ下保しもぼ両氏りょうし表彰ひょうしょうについて」『天文てんもん月報げっぽうだい30かんだい2ごう、1937ねん、29-30ぺーじISSN 0374-2466 
  6. ^ 表彰ひょうしょう」『天界てんかいだい17かんだい190ごう東亜とうあ天文てんもん学会がっかい、1937ねん1がつ25にち、132ぺーじISSN 0287-69062020ねん2がつ5にち閲覧えつらん 
  7. ^ Pavlenko, E. P. et al. (May 2007), “The Photometric Study of Nova Lacertae 1936 = CP Lac Between 2003 - 2005”, in Demircan, O.; Selam, S. O.; Albayrak, B., Solar and Stellar Physics Through Eclipses ASP Conference Series, Vol. 370, proceedings of the conference held 27-29 March, 2006 at Ankara University, ÖRSEM Campus, Side, Antalya, Turkey, 370, Astronomical Society of the Pacific, p. 324, Bibcode2007ASPC..370..324P. 
  8. ^ Litvinchova, A. A. et al. (December 2010), “The Photometric Investigation of the Active Post-Nova CP Lac in High and Low State of Brightness in 2006-2008 yrs”, Odessa Astronomical Publications 23: 76, Bibcode2010OAP....23...76L. 
  9. ^ a b とかげ”. 美星びせいまち ほしのデータベース. 美星びせい天文台てんもんだい. 2020ねん2がつ9にち閲覧えつらん
  10. ^ (7035) Gomi = 1995 BD3 = 1956 EK = 1982 VM10 = 1987 SE6 = 1992 OU4 = 1992 OP10 = 1993 VF”. 小惑星しょうわくせいセンター. 国際こくさい天文学てんもんがく連合れんごう. 2020ねん2がつ6にち閲覧えつらん
  11. ^ a b Howarth, I. D. (October 1978), “CP Lacertae (Nova 1936)”, Journal of the British Astronomical Association 88: 608–618, Bibcode1978JBAA...88..608H.