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アプレゲール

出典しゅってん: フリー百科ひゃっか事典じてん『ウィキペディア(Wikipedia)』

アプレゲールふつ: après-guerre[† 1][1])とは「戦後せんご」を意味いみし、芸術げいじゅつ文学ぶんがくなど文化ぶんかめんにおけるしん傾向けいこう名称めいしょうとして、だいいち世界せかい大戦たいせんせんあいだフランスアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくとうもちいられ、だい世界せかい大戦たいせん日本にっぽんでももちいられた[2]対義語たいぎごのアヴァンゲール(ふつ: avant-guerre[† 2])もわせてもちいられた。フランス語ふらんすごでは文字通もじどおり、前者ぜんしゃは"戦後せんご"、後者こうしゃは"戦前せんぜん"を意味いみする。

戦後せんご流行りゅうこうしたファッションはアプレゲール・ファッションともばれていた[3][4][5][6]

名称めいしょう

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フランス語ふらんすごaprès la guerre は「(ある特別とくべつな/特定とくていの)戦争せんそうのちに」という意味いみ前置詞ぜんちしであるが、前置詞ぜんちし aprèsのちに)と名詞めいし guerre戦争せんそう) とをトレデュニオンでつないだふく合名ごうめい après-guerre は「戦後せんご」という意味いみになる。英語えいごわけpost-war era または post-war period

また、aprèsavantまえに)にえたふく合名ごうめい avant-guerre は、「戦前せんぜん」を意味いみする(英訳えいやくpre-war era/period)。

概要がいよう

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もとは、だいいち世界せかい大戦たいせんフランスで、既成きせい道徳どうとく規範きはんとらわれない文学ぶんがく芸術げいじゅつ運動うんどう勃興ぼっこうしたことをす。ヨーロッパアメリカ合衆国あめりかがっしゅうこくなどへもこの運動うんどう波及はきゅうしている。

日本にっぽんでもだいいち世界せかい大戦たいせんの1920年代ねんだい大正たいしょうデモクラシー戦後せんご恐慌きょうこう風潮ふうちょうなか享楽きょうらくてき都市とし文化ぶんか発達はったつし、「エログロナンセンス」とばれる風俗ふうぞくられた。しかし治安ちあん維持いじほうかれたのち世界せかい恐慌きょうこうだい世界せかい大戦たいせんへといたながれのなかで、こうしたうごきは徐々じょじょ圧殺あっさつされていった。

日本にっぽん省略形しょうりゃくけいの「アプレ」という言葉ことば流行りゅうこうしたのはだい世界せかい大戦たいせんである。

一方いっぽうで、かれらのよう思想しそうぬしたいして古来こらいからの価値かちかんまもろうと主張しゅちょうする勢力せいりょくはアヴァンゲールとばれ批判ひはんされた。

日本にっぽんにおけるアプレゲール

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アプレゲールという名前なまえ流行りゅうこうのきっかけは1946ねん野間のまひろし小説しょうせつくら』に中村なかむら真一郎しんいちろうが「アプレゲール・クレアトリス」というコピーのおびけたことによるとされる[7]

戦後せんご日本にっぽんにはアメリカを意識いしきして、リーゼントにサングラスでアロハシャツを男性だんせいアロハぞく)、水玉みずたまやストライプのワンピースを女性じょせい登場とうじょうし、わせてアプレぞくばれるようになった[8][9]

当時とうじ戦前せんぜん価値かちかん権威けんい完全かんぜん否定ひていされた時期じきであり、その既存きそん道徳どうとくかんいた無軌道むきどう若者わかものによる犯罪はんざい頻発ひんぱつし、かれらがこした犯罪はんざいは「アプレゲール犯罪はんざい」とばれるようになった。また徒党ととうんで愚連隊ぐれんたいつくり、治安ちあん悪化あっかさせた。このようなめんふくめて、「アプレ」とばれるようになった[2]社会しゃかい学者がくしゃ日高ひだか六郎ろくろうによれば戦後せんごのアプレゲールには戦前せんぜんしんじた天皇てんのうせいイデオロギーの崩壊ほうかいによる挫折ざせつかんから慣習かんしゅう反発はんぱつするうえ世代せだいのグループと、戦後せんご6・3せい義務ぎむ教育きょういくにより自己じこ主張しゅちょうつよさのあるした世代せだいのグループがたとされる[10]

1950ねんには朝鮮ちょうせん戦争せんそう勃発ぼっぱつ日本にっぽんでも戦後せんご空気くうきから戦前せんぜん空気くうきへとちかづいたが、アプレぞくはその空気くうきなかでアロハシャツをながらジャズわりに軍艦ぐんかんマーチおどっていたという記録きろくがある[11]。その、1953ねん朝鮮ちょうせん戦争せんそう休戦きゅうせんし、1956ねんにリーゼントではなくまき太郎たろう太陽たいようぞく登場とうじょうすることとなる。

日本にっぽんのアプレゲール犯罪はんざい

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脚注きゃくちゅう

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注釈ちゅうしゃく

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  1. ^ フランス語ふらんすご発音はつおん: [apʁεいぷしろんgεいぷしろんʁ] アプレゲー(フ)、アプヘゲー(フ)
  2. ^ フランス語ふらんすご発音はつおん: [avɑ̃gεいぷしろんʁ] アヴォンゲー(フ)

出典しゅってん

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  1. ^ ふつ:après(前置詞ぜんちし)~のあとに、あとで、~以降いこうguerre名詞めいし戦争せんそう
  2. ^ a b アプリじゃなくて…「アプレ」”. NHK | ニッポンのポ. 日本にっぽん放送ほうそう協会きょうかい. 2020ねん10がつ7にち閲覧えつらん
  3. ^ 杉野すぎの芳子よしこ洋裁ようさい つづけ(子供こどもふく婦人ふじんふく)』 p.75 光文社こうぶんしゃ 1953ねん [1]
  4. ^ 被服ひふく文化ぶんか協会きょうかい へん洋装ようそう辞典じてん』 p.10 文化服装学院ぶんかふくそうがくいん出版しゅっぱんきょく 1955ねん [2]
  5. ^ 田中たなか千代ちよ図解ずかい服飾ふくしょく事典じてん』 p.10 婦人画報社ふじんがほうしゃ [3]
  6. ^ 成田なりたじゅんへん洋裁ようさい手芸しゅげい事典じてん』 p.94 家政かせい教育きょういくしゃ 1956ねん [4]
  7. ^ アプレゲール コトバンク
  8. ^ 『みやぎの女性じょせい河北新報社かほくしんぽうしゃ 1999ねん4がつ1にち ISBN 978-4873411286
  9. ^ 鵜飼うかい正樹まさき永井ながい良和よしかず藤本ふじもと憲一けんいち戦後せんご日本にっぽん大衆たいしゅう文化ぶんか昭和堂しょうわどう 2000ねん5がつ1にち ISBN 978-4812200032
  10. ^ 早坂はやさか泰次郎たいじろう世代せだいろん : ゆがめられた人間にんげん理解りかい』 p.205 日本にっぽんYMCA同盟どうめい出版しゅっぱん 1967ねん [5]
  11. ^ 「アロハミリタリ」『海上かいじょう労働ろうどう 3(8)』 p.23 国土こくど交通省こうつうしょう海事かいじきょく 1950ねん8がつ [6]

関連かんれん項目こうもく

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